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2020年3月13日|予算特別委員会当初予算審査小委員会 総括質疑 平井斉己

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1 新型コロナウイルス感染症対策について
2 2020年度当初予算案について
3 スタートアップ支援について
4 東京オリンピック・パラリンピックに合わせた文化施策
  の展開について
5 その他

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片山委員長
 休憩前に引き続き、総括質疑を行います。
 次に、平井副委員長に発言を許可いたします。平井副委員長。

平井副委員長
 府民クラブ京都府会議員団の平井斉己でございます。私は会派を代表し、数点についてお伺いいたします。御答弁をお願いいたします。

 まず、新型コロナウイルス感染症対策についてでございます。

 新型コロナウイルス感染症は、世界中で猛威を振るい、国内でも感染者の増加が止まらず、各種イベントの中止や学校の臨時休業など、府民生活への影響も日に日に大きくなっています。特に小学校の臨時休業、さらには幼稚園でも臨時的に休まれるところが多いとお聞きしますし、その小さなお子さんを抱える子育て家庭への影響は非常に大きいと思います。

 中でも共働き家庭で、どちらかがパートなど、いわゆる非正規雇用の方はふだんでも雇用関係や家計の状況が不安定であるが上にこのようなことが重なり、大変不安に思い、心配されることと思います。

 そこでお伺いいたします。

 新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動が縮小を余儀なくされる場合でも、非正規雇用の方を含む職場の確保、府民生活の安定を守る必要があると思います。これまで、国の緊急対策案も、雇用調整助成金の特例措置の拡大などの対応策が示されておりますが、それらを含め、行政として、さらには京都府独自でも対応すべきことがあると思いますが、まずはお答えをお願いいたします。

片山委員長
 西脇知事。

西脇知事
 平井副委員長の御質問にお答えいたします。

 新型コロナウイルス感染症対策についてでございます。京都府では、労働相談所や京都ジョブパークにおいて労働相談等に対応しているところでございますけれども、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、非正規雇用の方からは「ホテルのベッドメーキングをしているが、客の減少で仕事が減り、収入が減少している」「派遣で試食販売の仕事をしているが、収入が激減している」といった様々な相談が寄せられております。

 3月9日には、経済界とともに国に対し、雇用維持に対する助成金の拡充等を求める緊急要望を行ったところであります。翌日に発表されました国の緊急対応策第2弾では、雇用調整助成金の特例措置対象の全業種への拡大や、学校の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援等が盛り込まれたところでありますけれども、雇用保険に入っていない方々は休暇取得支援の対象にはなるものの、雇用調整助成金の対象にはならないなどといった課題も残っております。

 このため、国の雇用調整助成金制度や休暇取得支援等の活用の働きかけを行うとともに、引き続き、相談者の方々のお声を聞き、実態を把握した上で、必要な支援については国に時期を逸することなく要望してまいりたいと考えております。

 さらに、来週17日には、行政、経済団体、労働者団体の実務者が集まりまして、時々刻々と変化する雇用の実態把握と対応を議論する予定としておりまして、働く方々の雇用や生活に対する影響を最小限に抑えられるよう、全力で対応してまいりたいと考えております。

片山委員長
 平井副委員長。

平井副委員長
 国のほうも3月10日に新たな施策を示されました。多分、今後、京都府あるいはそれぞれの団体に直接助成が行われることと思います。知事の御答弁もありましたように、3月17日には、ある意味ではオール京都で、働く立場、あるいは雇用される立場、さらには様々な団体の立場の調整会議というのが行われるということですから、十分現状を把握していただいて、取りこぼしのないようによろしくお願いしたいと思います。

 それでは、質問を続けさせていただきます。

 2020年度(令和2年度)の当初予算案は、京都府の総合計画の実現に向けた発射台として位置づけられ、中でも、「子育て環境日本一」を一丁目一番地に掲げ、子どもが社会の宝として地域の中で温かく見守られ、健やかに育ち、子どもの生き生きとした姿があり、京都で子育てをしたいと思える社会の実現に向けた第一歩であり、高く評価いたします。

 ただ、現実的には、児童虐待、ひきこもり、子どもの貧困など、子どもたちを取り巻く環境は厳しいと言わざるを得ないと思います。子どもたちを取り巻く厳しい環境を踏まえ、さらなる取組の強化をお願いいたします。

 また、我が会派がこれまでから目指しております共生社会の実現には、障害をお持ちの方や女性、高齢者、外国人、LGBTQなどを含める性的少数者など、多様性を認め合いつつ、互いに支え合う京都をつくることが不可欠であり、引き続き、「子育て環境日本一」のさらなる取組の強化と併せて共生社会の実現に向けた取組もしっかり取り組んでいただくよう、強くお願い申し上げます。

 次に、来年度当初予算の大きな柱であります、「起業のみやこ京都」として進められている、京都府のスタートアップ支援についてお伺いいたします。

 スタートアップ支援に関しましては、新しい総合計画の中でも「起業するなら京都・プロジェクト」の創設などを掲げておられますが、さきの書面審査でも、我が会派の北岡議員が質問いたしましたが、従来のいわゆるベンチャー支援とは何が違うのか、何が進化しているのかという点が明確にならなければ、府民の皆さんにも理解していただけるのかという危惧もしております。

 学生のまちである京都は、まさに「ベンチャーのみやこ」として日本を代表する多くの企業を生み出してきたところであり、この間、チャレンジ・バイ制度をはじめとする各種助成施策や、様々な支援策を講じられ、改めて、従来のベンチャー支援によって得られた成果と、そこから見えてきた課題、さらには今後進めようとしているスタートアップ支援の施策により、それらをどのように解決し、どのような花を咲かせようとされているのか。まずは、この点についてお聞かせください。

 次に、スタートアップを支える支援の体制についてお伺いいたします。

 昨年3月にオープンした京都経済センターの大きな特徴の一つとして、オープンイノベーションカフェの存在が挙げられます。「KOIN(コイン)」の愛称で知られるこの施設では、連日のように、起業を志す方や学生、伝統産業の職人さんなど多くの人たちが、成功を収められている先輩経営者やメンターと呼ばれるサポート人材との交流を通じ、知恵やアイデアを融合させ、新たなビジネスを生み出すための取組が進められています。

 一方で、昨年12月には、京都スタートアップ・エコシステム推進協議会が立ち上げられました。当然、明確な目的を持った新たな協議会を設立されたと存じますが、似たような目的を持った組織や体制が次々できることは、分かりにくく映ってしまうとも考えられます。

 そこでお伺いいたします。

 京都経済センターの役割と京都スタートアップ・エコシステム推進協議会の役割は、何が違い、それはどのような成果を目指しているのでしょうか。

 また、内閣府が進める、「世界に伍するスタートアップ・エコシステム拠点形成」戦略について、お伺いいたします。

 この戦略は、全国で2か所から3か所の推進拠点都市の選定が進められており、京都府も京都市とともに、大阪府、兵庫県と3地域が連携して、採択に向けた取組を行っているとお聞きしております。

 このような地域の課題解決に向けて、京都府、京都市が力を合わせて取組を進める、あるいは関西の3都市が協働して取組を進める姿勢というのは、非常に評価したいと私は思います。しかし、その一方で気がかりなことがあります。

 それは、内閣府の2020年度概算要求に係る資料等を見ますと、スタートアップ・エコシステム拠点都市形成として10億5,000万円の概算要求がされていることであったのですが、現在は予算がついているのかが明らかでない状態になっているのではないかと心配します。これまで京都府が進めてきた取組が無駄になってしまうおそれがあるのではないかとも危惧しております。

 そこで、お伺いいたします。

 内閣府のスタートアップ・エコシステム拠点都市に、京都府を含む3地域が選定されるか否かの見通しと、仮に選定されたとすれば、先ほどの内閣府の予算も踏まえ、京都府にどのような国の支援が行われるのか、具体的にお示しください。

片山委員長
 西脇知事。

西脇知事
 平井副委員長におかれましては、ただいまは、今回の予算案に対しまして高い評価を頂き、厚く御礼を申し上げます。

 スタートアップ支援についてでございます。

 京都府のこれまでのベンチャー支援は、インキュベーション施設を低廉な家賃で提供することに加え、開業融資や補助金などの資金提供が中心でございました。その結果、京都府が整備したインキュベート施設を卒業した企業は341社あり、その約7割が府内で事業を継続し、約4割が事業を拡大しております。

 また、開業融資を受けた企業は平成25年度は26件、1億3,100万円でございましたが、平成30年度は198件、10億420万円と大幅に増加し、多くの起業家を生み出し、成果を上げていると考えております。

 しかしながら、「ベンチャーのみやこ」と呼ばれるほど、京都で世界的なベンチャー企業が次々と誕生した歴史から見ますと、近年は、次代を担う中核企業にまで成長した企業が生まれておらず、その背景には、民間資金の調達や企業の成長をサポートする専門人材の不足などの課題があると考えております。

 しかしながら、京都には多くの大学や世界的な研究機関がございます。また近年、民間のインキュベーション施設やベンチャーファンドが増え、海外の大手アクセラレーターが進出するなど、基盤が整いつつあります。

 そこで、今議会には「起業するなら京都・プロジェクト」を推進するための予算を提案しており、ロボット等のものづくり分野、AI・IoT等の成長分野、MaaS(マース)等の社会課題解決分野といった、京都の強みを生かした3つの重点分野において、資金的支援やアクセラレーションプログラムなどを展開し、スタートアップの支援に取り組みたいと考えております。

 次に、京都経済センターと京都スタートアップ・エコシステム推進協議会についてでございます。

 京都経済センターは、約60の産業支援機関等が集積し、オール京都の総合力を結集して、地域経済全体の発展を図る事業を展開しております。特に交流と連携が企業発展のキーとなることを踏まえまして、そうした事業が柔軟に行える場として設置したKOINでは、昨年3月のオープン以来、交流イベントの参加者や一般利用者を合わせて約2万5,000人の方に利用いただいております。

 また、京都スタートアップ・エコシステム推進協議会は、大学や研究機関、海外アクセラレーター、京都リサーチパークなど、民間のメンバーにも加わっていただき、京都が世界的にも注目されるスタートアップ拠点となるような環境づくりを進めるとともに、世界的なスタートアップ企業の育成を目指すことを目的としております。いずれにしても、役割分担を明確にして進めてまいりたいと考えております。

 次に、スタートアップ・エコシステム拠点選定の見通しについてでございます。

 世界に伍するスタートアップ・エコシステム拠点形成戦略は、国が3拠点程度を選定し、起業環境の整備を支援することにより、次々とスタートアップ企業を生み出す都市の形成を目指す事業でございます。

 京都は、大阪、兵庫と連携して申請を行っており、4月中に選定される見込みでございます。国からスタートアップ拠点として認定されることによりまして、各省庁の補助金の活用や、世界的なネットワークを通じた起業家や投資家の招致がしやすくなるものと期待をしております。

片山委員長
 平井副委員長。

平井副委員長
 御答弁をいただきました。

 スタートアップ支援については、知事の御答弁がありましたように、かつて戦後のときに、京都の企業というのは、今、非常に世界的に育っている企業もたくさんあります。確かに時代が変わってきたので、状況は違うというのは分かるのですけれども、せっかく京都にあるアカデミックな部分と、頑張ろうという意識をスタートさせるということでのアップ支援だと思うんです。これは、京都府も独自にしていただいているということと、特に私どもが評価させていただくのが、大学もそうですけれども、京都府、京都市、そして商工会議所をはじめとする経済界との連携をしているというのはなかなか例を見ないところだと思うので、これは十分生かしていただきたいと思います。

 あと、拠点の関係であります。国の概算要求が4月に見えてくるのではないかということですから、3都市ということで、これも非常に面白い、珍しい取組であるので、がっつりつかんでいただくということのためには、情報も取っていただいて、せっかく申請していただいているのを選定してもらえるように、さらに取組を深めていただきたいと思います。

 それでは、最後でありますけれども、質問を進めさせていただきます。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に合わせた文化施策の展開についてお伺いいたします。

 オリンピック・パラリンピックはスポーツの祭典だけではなく、文化の祭典であると私は考えています。京都府はいち早く、東京2020大会に向けた文化の取組を行うことを表明され、京都市、商工会議所とともにオール京都体制により、2016年3月にまとめられた基本構想に沿って、京都文化力プロジェクトに取り組んでこられました。

 事業を振り返りますと、2017年度には「パフォーミングアーツ」をテーマとして、二条城を舞台に、京都の持つ伝統的・文化的な要素を取り込んだ新しい舞台芸術を創造する「東京キャラバン」を東京都との共催により実施され、2018年度には「アーツ・アンド・クラフツ」ということで海外のアーティストを含めた公募展を展開され、そして今年は「くらしの文化」をテーマに、お茶やお花などに親しんでもらうための「まちじゅうお稽古」や、ICOM(アイコム)京都大会の関連事業として「京都・くらしの文化×知恵産業展」を経済界とともに連携しながら取り組まれておられます。そして、東京2020大会の本番を迎える2020年度は、過去3年間を踏まえてあらゆる文化の総合的な祭典を開催されるとお聞きしております。

 一方、国においては、東京2020大会を契機とする文化プログラムの中核的事業とされているのが、「日本博」です。文化庁を中心として、関係府省庁や文化施設、地方自治体、民間団体などの関係者の総力を結集し、「日本人と自然」を総合テーマに日本の美を国内外に発信する国家プロジェクトですが、京都府においても、今年度は天橋立を舞台に光と映像によるデジタルアート展を開催されたところです。

 ただ、以前から私の問題意識としては、こういった行政などが行う文化イベントには、もともと文化芸術に強く関心を持っておられる方が中心になっていないかということがあります。オリ・パラの文化の祭典を行うのであれば、今まで文化芸術に少し関心をお持ちでなかった方でも、この祭典を契機として、京都府の各地域が有する素晴らしい文化芸術に関心を持ってもらい、文化芸術に触れられる方の裾野を広げることが重要だと考えます。

 そこでお伺いいたします。

 来年度の東京2020大会の文化プログラムとなる「京都文化力プロジェクト」や「日本博」について、どのように取り組もうとされているのか。また、これまで親しんできたものをしっかりしていくための工夫が必要だと考えます。

 さらに、東京2020大会が終了する2021年度以降も、国も含めて文化関連の予算が縮小しないかということも心配であります。文化庁の京都移転を契機として、これまでのノウハウをレガシーとして生かしていくことも重要だと思います。今後の文化施策について、どのように進めようとしているのか、知事のお考えをお聞かせください。

片山委員長
 西脇知事。

西脇知事
 東京2020大会に合わせた文化施策の展開についてでございます。

 京都文化力プロジェクトは、世界の注目が日本に集まる2020年に向け、京都が先駆けとなって、舞台芸術や美術、工芸だけでなく、京都に息づく暮らしの文化を大きなテーマとして、国内外への発信に取り組んできたところでございます。

 また、日本博は、東京2020大会を契機に日本の美を発信するプロジェクトとして、今年度から文化庁を中心に全国で展開されており、インバウンドの拡充や地方への誘客促進を図ることとされております。

 いよいよ東京2020大会の本番の年を迎え、最終年度となる文化力プロジェクトでは、4年間の集大成として、京都府全域の伝統文化の魅力を伝える総合的な文化の祭典を開催することとしておりますが、その実施に当たりましては、府市連携して積極的なPRに努めるとともに、行き交う人々の目に自然ととどまるよう、京都駅周辺を会場とするなど、これまで京都の文化に触れる機会の少なかった方々の目にも触れ、京都の各地で育まれてきた様々な文化に触れるきっかけともなるよう工夫をしていきたいと考えております。

 また、日本博については、今年度、天橋立や周辺の社寺を舞台にデジタルアート展を実施したところ、これまで以上に多くの皆様に宿泊していただくなどの効果があったことから、来年度も、天橋立の自然、歴史、文化と最先端の現代アートを併せて親しめるイベントを規模を拡大して実施し、観光との相乗効果を図ってまいりたいと考えております。

 今後の文化施策の方向性でございます。文化庁からの本府への助成額は、令和元年度は1億円を超えたところであり、京都に本格移転する文化庁との連携が今後ますます重要となります。本府としては、文化庁が重点的に推進することとしている生活文化とともに、まだ知られていない京都の各地域の文化資源の保存と活用を文化庁の支援も得て、積極的に展開し、文化資源を活用した地域の元気づくりに取り組んでまいりたいと考えております。

片山委員長
 平井副委員長。

平井副委員長
 ありがとうございます。

 文化というのはもちろん、様々な歴史を持って、今、培ってきている文化もあります。ただ、私の持論にはなるんですけれども、実は庶民から生まれている、日本人あるいは日本人に関係なく、生きている人たちの生活が出発として、生きていくためのものとして始まるのが一つの文化だと私は思います。もちろん宮廷文化を極めることも重要なことだと思います。

 ただ、一方で、そういうものをしっかり取り上げていくのが、京都府がやらなければならない仕事だと思うので、京都市内だけではなく、多くの地域で持っている文化の拠点あるいはものをしっかり吸い上げて、今後につなげていくことが重要だと思います。それは京都府と文化庁がしっかりと連携するだけではなく、京都府独自でできることだと思いますので、よろしく検討をお願いしたいと思います。

 これで私の質問を終わらせていただきます。