議会ニュース

2020年2月19日|令和2年2月定例会 代表質問 酒井常雄

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1 第2期京都府地域創生戦略について
2 社会インフラ「5G・ローカル5G」の整備について
3 DMOの現状と展望について
4 地方財政対策に盛り込まれた新たな事業等について
5 専門人材等の市町村との共同活用について
6 京都産業の将来について
7 その他

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議長(田中英夫君)
 これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります。日程第1、代表質問を行います。
 まず、酒井常雄君に発言を許します。酒井常雄君。

〔酒井常雄君登壇〕(拍手)

酒井常雄君
 府民クラブ府会議員団の酒井常雄でございます。会派を代表して、さきに通告しております数点について質問いたします。よろしくお願いいたします。

 質問に入ります前に一言申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症は、日々感染者数が増えています。ところが、公表人数は感染者全体を示すものではなく、人数は誤ったメッセージを伝えるおそれがあります。対策は、初動対策が最も重要。公表人数だけで判断するのではなく、危機管理は大きく構えて小さくまとめる対策をお願いします。

 現場となる病院や消防、救急隊などでは医療用マスク不足への不安もあるようで、ここへの対応、そして新型コロナウイルス感染症に関する外国人専用の相談窓口の設置の検討、さらに感染症指定医療機関に関してですが、対応力について再確認をお願いしておきます。

 京都府山城南保健所福祉室の発出文書を利用したと思われる偽メールもありました。

 京都府におかれては、京都府新型コロナウイルス感染症対策本部を設置されるなど、体制整備を進めておられますが、中国内陸部での鳥インフルエンザやアメリカでのインフルエンザの猛威などのニュースもあります。府民の不安は増すばかりです。今後も万全の体制構築、正確かつ早期の情報発信をお願いしておきます。

 また、10代の男性の感染が確認されました。学校での欠席の扱い等も早期に発信していただければと思います。

 それでは、質問に入ります。

 まず、令和2年度当初予算案に関連して質問いたします。

 昨年10月、本府の新しい行政運営の指針となる京都府総合計画「京都夢実現プラン」が策定されました。本定例会に提案されている令和2年度の当初予算と令和元年度2月の補正予算は、この京都府総合計画の実現に向けた発射台として位置づけられています。今後の予算特別委員会でしっかりと審議させていただきますが、提案されている予算は京都の夢を実現させるための未来への挑戦を感じさせるものとして高く評価しており、西脇知事と議論を重ねながら、全ての府民の皆様が将来に希望を持てるよう、京都府政の推進に尽くしてまいりたいと考えております。

 また、本定例会に報告されている第2期京都府地域創生戦略は、国のまち・ひと・しごと創生総合戦略の柱を踏まえ、京都府総合計画プランの内容を地方創生の観点から反映したものであることから、今予算は第2期京都府地域創生戦略の発射台であるとも言えます。

 国、府の地方創生に関する計画策定や自治体戦略の報告を時系列で見ますと、2011年に京都府が「明日の京都」を策定した。2014年には、内閣府が第1期のまち・ひと・しごと創生総合戦略を策定。2015年には、これを受けて、第1期京都府地域創生戦略が策定された。2017年には、今度は総務省が自治体戦略2040構想研究会を設置。翌年には、第1次・第2次報告内容が公表された。昨年、京都府は、新しい総合計画、京都夢実現プランを策定。そして、本年、内閣府が第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定。これを受けて、今定例会に第2期の京都府地域創生戦略が報告されています。

 この今定例会に報告されている第2期京都府地域創生戦略に関してお尋ねします。

 2011年に京都府が「明日の京都」を策定。後追いするように、2014年11月にはまち・ひと・しごと創生法が成立し、翌年から地方創生が始まりました。

 地方創生は、出生率の低下によって引き起こされる人口の減少に歯止めをかけるとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保して、将来にわたって活力ある日本社会を維持することを目的としています。この目的に向かって、同年12月には2060年に1億人程度の人口を維持するなどの中長期的な展望を示した「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」を策定するとともに、まち・ひと・しごと創生法に基づき、5か年の目標や施策の基本的方向等をまとめた本年3月までの第1期まち・ひと・しごと創生総合戦略が策定されました。

 この第1期まち・ひと・しごと創生総合戦略では、「地方に仕事をつくり、安心して働けるようにする」「地方への新しい人の流れをつくる」「若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる」「時代に合った地域をつくり、安心なくらしを守るとともに、地域と地域を連携する」を4つの基本目標として取組を進めました。

 また、国のこうした枠組みや、まち・ひと・しごと創生法の趣旨を踏まえ、京都府では少子高齢化と人口減少という危機感を共有しながら京都府地域創生戦略を策定されました。

 第1期の京都府地域創生戦略では、中央省庁の地方移転としては明治以来初となる文化庁の京都への全面移転が決定したほか、市町村と広域連携しながら国の地方創生関連交付金を積極的に活用して施策を推進されたことにより交付金の獲得額は全国1位となり、府内の観光消費額や外国人宿泊客数が過去最高を更新するなど、交流人口の増加とそれによる地域経済の活性化について成果が見られました。

 一方、目標とされた人口減少の緩和と東京一極集中の改善については、出生数は増加せず、転出増加が続くなどの課題が残り、国でも地方と東京との転入・転出を均衡させるというKPIが未達成となりました。

 総務省は、先月31日、2019年の人口移動報告を発表しました。東京は転入者が転出者を上回る転入超過が前年より8,915人多い14万8,783人となり、東京一極集中に歯止めがかからない状況が続いています。

 第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略においては、この5年間で進められてきた施策の検証を行い、優先順位を見極めながら、「継続は力なり」という姿勢を基本として、地方創生の目指すべき将来や、2020年度を初年度とする今後5か年の目標や施策の方向性等を策定するとともに、関係機関との連携を一層強化し、地方創生の動きをさらに加速させていくことを目標としています。

 東京圏への一極集中の要因については様々な理由が考えられますが、東京圏への転入超過数の大半を10代後半、20代の若年層が占めていることを踏まえると、進学、就職が大きなきっかけになっていると考えられ、この傾向はアンケート調査にも現れており、20歳から24歳の地方圏から東京圏への移動理由は、進学、就職を理由にした割合が全体の6割を超えています。

 さらに、この間、男女ともに大学進学率、大手企業志向が高まっている中、東京には地方に比べて専門的・技術的職業、情報サービス業、専門サービス業など大学・大学院卒業者の就職する割合が比較的高い仕事が多く、また大企業が集中していることが東京圏への集中の要因の一つと考えられ、特に女性については、学歴が高いほど正規雇用で就業する傾向が強いこと、東京の正規雇用の割合が全国的に見て高いことも要因だと指摘されています。この傾向は他の調査でも現れており、3割弱の女性が「女性が活躍できる仕事は東京圏に多い」と考えており、このため、女性が活躍できる魅力的な働く場を地方につくる意義は大きいと考えます。

 他方、学生に対するインタビュー調査では、高校2年生の夏頃から偏差値を基準に進学先の候補を広げていった結果、進路検討プロセスの中で大学数の多い東京圏を選択する学生が多い傾向にあることがうかがえます。

 国の第2期総合戦略では、東京一極集中の是正に向けて、第1期に引き続き、地方と東京圏との転入・転出の均衡を目標にしており、府の第2期戦略でも基本目標で「人々を惹きつけ、京都への新しい人の流れをつくる」の数値目標として、第1期に引き続き、人口の転入増を設定することとしています。

 一極集中については、本府内でもよく似た傾向が見られています。2015年に府における京都市人口の比率は56.5%でしたが、2020年には57%を超えると推計されています。県庁所在都市での人口集中度は、京都府は全国で2番目であり、非常に高い状況です。

 そこでお尋ねします。

 京都府地域創生戦略の取組について、知事はどのように検証されて、どの部分を第2期の地方創生戦略への課題とされているのでしょうか。各種データから私が課題だと考える項目を挙げさせていただきますので、それぞれ知事の御所見をお願いいたします。

 1つ目は、地域経済の状況です。

 第1期総合戦略の期間における人口1人当たりの総生産額は、東京圏、その他地域ともに、2015年から2016年までは横ばいで推移していますが、各都道府県における所定内給与額の2015年から2018年までの変化の状況は地域によって様々であり、年平均成長率は岐阜県、広島県、鳥取県が比較的高く、京都府、徳島県、島根県では緩やかな低下傾向にあります。岐阜県がプラス1.9%であり、京都府が最も低く、マイナス1.0%でした。この状況についてはいかがお考えでしょうか。

 2つ目は、出生率の低下です。

 2019年12月24日、厚労省による2019年の年間出生数推計値は86万4,000人です。昨年同時期の推計値より5万7,000人減少しています。この90万人以下という衝撃的な数値は、我が国では婚外子の割合が極めて低いことから、未婚・晩婚傾向と有配偶出生率の変化の2つの要素、すなわち未婚率・初婚年齢の上昇と夫婦の子どもの数の減少とが大きく影響を及ぼしているものと考えられます。

 一方、若い世代では、男女ともに約9割の人は「いずれ結婚するつもり」と考えていますが、「適当な相手に巡り会わない」「資金が足りない」などの理由で結婚の希望がかなえられていない状況にあると指摘されています。

 また、夫婦が理想の子どもの数を持たない理由は、若い世代では「経済的負担感」が多く、30代後半以降は「高年齢で産むのは嫌だから」「欲しいけれども、できない」といった理由が増加しており、こうした状況からも、少子化の問題は、結婚機会の逸失や子育ての経済的負担感など、結婚や出産、子育ての希望の実現を阻む様々な要因が絡み合っていると言えます。

 子どもの数の状況を「1平方キロメートルに何人新生児・赤ちゃんが生まれるか」という指標で想定してみると、全国平均で、1947年に約7人だったところ、2030年には約2.8人まで下がり、全国21道県で2.0人を切る見込みです。すなわち、子どもが歩いていける範囲に幼なじみ、同級生の候補生がいないという社会が近づいているということです。

 全国都道府県別の出生率に関するデータで見た場合、「合計特殊出生率は、育児をしている女性の有業率の水準が高いと高い」「長時間労働をしている雇用者の割合が高いと低い」「通勤時間が長いと低い」「合計特殊出生率と強く関係する未婚率の水準の高低(地域差)は、男女ともに若い男性のパート・アルバイト等の割合で一定説明することができる」「育児をしている女性の有業率の水準は、長時間労働や通勤時間のほか、保育所の整備量とも一定相関がある」などの傾向が見られ、少子化には男性及び女性の働き方が深く関わっていると考えられます。

 また、出生率が比較的高い市町村や、出生数や出生率の向上を実現している市町村の要因や背景等を分析すると、「働き方改革の取組、子育て支援、産業振興、まちづくりなどの基本的な施策が若い世代への支援として機能しているか」「地域コミュニティが形成されているか、企業が若い世代を大切にする意識を持っているか」「地域の伝統や文化への意識などの要素が重要であり、行政による取組だけでなく、地域全体での創意工夫により、暮らしやすく、誇りを持てるような地域づくりにつながっているか」といったことが地域ごとの出生率等に影響を及ぼす要因として考えられます。

 本府の2018年の出生数は前年比マイナス612人の1万7,909人で、合計特殊出生率は0.02ポイント下がって1.29、全国ワースト3位となりました。3年連続の減少で、出生率が1.3を下回るのは平成26年以来4年ぶりです。

 2015年に策定した地域創生戦略で本府は2018年に出生数を2万2,000人に引き上げるとしていましたが、目標は達成できず。府内の6割を占める京都市の出生数は9,989人で、前年比から約400人減少しました。今後の取組に向けて、これまでの取組をどう総括するのか。

 京都府の25歳から39歳の女性の未婚率は43.0%と全国ワースト2位で、地域別では「丹後地域は未婚率が低く、合計特殊出生率が高い」「南部の同等人口の町村では未婚率が高く、合計特殊出生率は低くなっている」などと地域で異なる傾向も見られます。

 我が会派においても、この子育て環境日本一を目指した取組は最重要と考え、かねてから要望しておりますとおり、子育てしやすい社会とは、北部でも南部でも、どの地域でも子どもが社会の宝として地域の中で温かく見守られ、健やかに育つ社会であり、行政、地域、企業など様々な主体が参加して子どもを中心としたコミュニティの輪が広がるまち、誰もが暮らしやすい共生のまちであると考えています。

 そこでお尋ねします。

 西脇知事も「少子化対策に特効薬は存在しない」と言われておりますように、従来の考え方の少子化対策、子育て支援策だけでは困難であるのは明らかです。やはり既成概念にとらわれない考え方でブレークスルーを起こすことによる共生のまちづくりが必要であると考えています。知事は、今回の当初予算案において、まさに従来の子育て支援策にとどまらない考え方で子育て環境日本一への施策を講じられたとのことですが、その施策に込められた思いをお聞かせください。

 3つ目は、京都市への人口集中と府外への人口流出についてです。

 京都府の総人口約261万人のうち、半数以上の約148万人は京都市が占める一方、2番目の規模の宇治市が約18万人で、その他の市町村は10万人に満たない規模です。また、全国的にも都道府県において若者の地域経済の中心部への移動志向が指摘されており、こうした移動は次に大阪府や東京圏への転出につながることがトレンドとなっているようです。知事は、京都市への人口集中について、どのように捉えておられるのでしょうか。御所見をお尋ねします。

 また、データで見ると、本府の大学入学年齢を含む15歳から19歳は転入超過する一方、若い働く世代である20歳から39歳は転出超過しており、転出超過先は東京圏と関西圏が多数となっています。

 なお、府の独自調査によると、府内大学生の府内就職割合は、2017年度、19.4%と低調です。本定例会に提案されている予算案にも大学生府内就職・定着促進事業が新規事業として提案されていますが、事業の目標と具体的推進策についてお聞かせください。

 次の課題は、連携です。

 地域創生に向けて国でも本府でも様々な施策に取り組んできたのですが、地域の活性化、人口流出や一極集中の是正、どれもなかなか目標に届いていません。これまでも言われてきましたが、施策の実効性を向上させるためには、市町村をはじめとする産学公民など、多様な主体との連携・協働が重要になります。「小規模市町村が単独で取り組むことが難しい課題の解決や地域創生の取組については、府が市町村の補完・支援をする」「災害対策等、役割分担のもとで連携が必要な分野については施策立案の段階から連携を図る」などと連携の強化に取り組んでいただいているのですが、府民、市民との連携強化にはこれまで以上に情報共有と共通理解が求められるのではないでしょうか。

 本府は、総合計画「夢実現プラン」の中で、行政だけでなく地域と一体となって対応しなければならない課題がますます増大する中、府民と連携・協働しながら地域に根ざした絆や資源を生かした取組を進めることにより、地域が活性化する仕組みづくりなど、府民協働を進めるとの方針を示されていますが、いま一度、公共サービスの維持と在り方について、地域課題の対策について、府民に負担していただく部分もはっきりと示す中で連携強化を進めることが大切だと考えますが、いかがでしょうか。

 続いて、これら出生率の低下、人口減少、連携不足などにより生じる地域コミュニティの衰退が引き起こす問題について幾つか考察してみます。

 1つ目、地域コミュニティの衰退は、個人や家庭単位での解決が困難な問題である家庭内暴力、虐待、非行、ひきこもり、病気、障害、孤立、失業、貧困などの深刻化を緩和する機能や、災害等の危機的状況に対応する機能の低下を招きます。家庭・個人による解決と福祉・教育・雇用対策・司法・消防などの公的機関による解決との間にあった中間的な解決機能が低下することになります。

 2つ目、地域コミュニティの衰退は、それまで地域コミュニティが維持してきた祭りや地域の行事などの文化や習慣、そして歴史が育んだ町並みや風景が失われていく状態を招きます。すなわち、人口、経済、情報の一極集中は地域コミュニティという大きな地域活性化へのエネルギーを奪っていくのです。

 3つ目、農山村の人口の減少は里山の崩壊を招き、結果として野生動物が里山に進出し、市街地にも現れる。今の野生動物による被害増大はコミュニティ衰退への警鐘ではないかと思います。この農山村のコミュニティ衰退は、一定の地域だけにとどまらず、マイナスの影響が広く及ぶことも懸念されます。

 4つ目、犯罪の発生など、治安面も地域コミュニティの衰退に関係があります。地域コミュニティがしっかりしているところは、ごみも散らかっておらず、落書きもない。結果、それが犯罪の抑止につながっているのですが、その機能が弱まると、逆に問題が生じる。刑法犯認知件数が減少している、この状況でも体感治安に変化が見られないのは地域コミュニティ低下への住民の不安が原因ではないかと思います。

 5つ目、経済活動の不振と地域コミュニティ衰退の悪循環も問題です。地域コミュニティの衰退の背景には、地域の経済活動の不振があることは明らかです。有能な人材が地域社会に残って地域社会を支えるインセンティブがなくなってくる。経済基盤が脆弱なところは結果として地域コミュニティの衰退につながり、さらに地域コミュニティの衰退が一層その地域における経済活動の不振を招くという悪循環が生じています。本府が多様な主体との連携を推進する中でも、これまでに育まれてきたコミュニティ維持への対策を講じない場合には、地域の有能な人材を地域に引き止めていた機能が失われることになり、地域経済はスパイラル的に衰退に向かう可能性があります。  以上のように、出生率の低下、人口減少、連携不足などによる地域コミュニティの衰退が引き起こす問題を見ていくと、コミュニティの衰退が少子化、人口減少を招くことにもつながり、いかに地域コミュニティの機能を維持・強化していくかが重要となります。そのための具体的な方策が必要かと思いますが、知事はいかがお考えでしょうか。

 ここまでよろしくお願いいたします。

議長(田中英夫君)
 西脇知事。

〔知事西脇隆俊君登壇〕

知事(西脇隆俊君)
 酒井議員の御質問にお答えいたします。

 酒井議員におかれましては、ただいまは会派を代表されまして今回の予算案に対しまして高い評価をいただき、厚く御礼を申し上げます。

 京都府地域創生戦略についてであります。

 京都府では、まち・ひと・しごと創生法に基づき、平成27年10月に第1期地域創生戦略を策定し、「京都の未来を拓く人をつくる」「地域経済を活性化させ、仕事をつくる」「京都への人の流れをつくる」「持続可能で魅力と活力のある地域をつくる」という4つの基本目標に沿って地域創生の取組を進めてまいりました。

 その評価につきましては、有識者で構成する京都府地域創生推進会議での検証において、4か年が経過した平成30年度時点で全ての基本目標で最終目標に対する重要業績評価指標(KPI)の達成率が約9割に及ぶなど、おおむね順調との評価をいただいております。

 一方で、第1期の戦略で掲げた指標の中でも、出生数については、第1期に2013年の実績2万106人を約1割増加させる年間2万2,000人という高い目標を掲げたものの、出産適齢期女性人口の減少もあり、達成できていないことや、観光入込客などの交流人口は増加しているが、定住人口の社会増、いわゆる転入超過でございますが、これにつきましては東京圏に対する転出超過に歯止めがかからない状況であることなど、引き続き取り組むべき課題が残っていると認識をしております。このほか、生産年齢人口の減少や少子高齢化が進展する中で、企業の担い手不足への対応、地域における産業の振興や働く場の創出、地域コミュニティの維持など、取り組むべき様々な課題も生じているところであり、地域創生の第2期においては、京都ならではの強みや総合力を生かして、これらの課題を克服していかなければならないと認識をしております。

 次に地域経済の状況についてでありますが、賃金構造基本統計調査における2018年の京都府の所定内給与額は全国10位の約30万円と、他府県に比べて決して低い水準にはございませんけれども、2015年から2018年の所定内給与額の伸び率は、議員御指摘のとおり、マイナス1.0%でありました。

 その原因の一つとしては、この統計調査における労働者の総数のうち、所定内給与額が相対的に低い福祉施設介護員の占める割合が、全国では約9%から約11%の上昇にとどまっているのに対して、京都府では、サンプル変更の影響も含め、その要因は明らかではありませんけれども、約9%から約17%へと大幅に上昇していることが挙げられます。京都府における福祉施設介護員自体の所定内給与額は約21.2万円から約24.5万円と増加しておりますが、総数に占める割合が上昇したことによりまして府全体の所定内給与額の押し下げにつながったものと考えております。

 一方で、京都府におきましては、これまでから毎年労働局や京都市とともに正規雇用の拡大や賃金引上げを経済団体に対して要請をしており、その結果、府内企業における春闘の賃上げでは、ここ3年間で、年平均1.67%のベースアップが図られております。

 こうした取組と併せまして、企業が賃金の引上げを実施できる環境整備が重要であることから、京都府では、AI・IoT等の活用による生産性の向上や産業の付加価値の向上、中小企業応援隊の伴走支援による中小企業の経営力強化などの取組をオール京都で進め、地域経済を活性化させてまいりたいと考えております。

 子育て環境日本一についてでございます。

 私が目指す子育て環境日本一とは、子どもが社会の宝として社会全体で見守り支え合う、子育てにやさしい京都であり、子どもの生き生きとした姿と明るい声が響き渡る京都の実現でございます。

 子育て環境日本一の実現に向けましては、これまでの子育て支援策や少子化対策にとどまらず、地域の中で人々のつながりを強め、子育てを温かく支える風土づくりを進めるとともに、子育てしやすい地域・まちづくりの環境整備を進めることが必要でございます。

 このため、本年3月に開催する「きょうと子育て環境日本一サミット」を皮切りに、来年度は、子育てにやさしい風土づくりの機運を府内全域に広げるため、広域振興局を核とする地域サミットを開催し、地域での取組を皆さんと進めるとともに、まずは京都府が率先して授乳室や多機能トイレを府庁舎に整備するなど、子育て中の方々が安心して外出できる環境づくりに取り組んでまいりたいと考えております。

 また、地域の子育て環境の充実を促進するため、子育てにやさしいまちづくりに取り組む市町村をハード・ソフトの両面から包括的に支援するモデル事業の創設や、早産等のリスクが高い多胎妊婦の健康診査の支援、不妊治療のための通院交通費に対する助成制度の創設など、従来の子育て支援にとどまらない幅広い施策に取り組むための予算を今議会に提案しているところでございます。

 こうした環境整備は、議員御指摘の、共生のまちづくりにもつながるものと考えております。市町村、企業、団体、地域の皆様と一体となり、取組の方向性を同じくして、社会全体で粘り強く、かつ京都から社会を変えるとの強い思いで子育て環境日本一の実現にチャレンジしてまいりたいと考えております。

 次に、京都市への人口集中と府外への人口流出についてでございます。

 京都府内の人口の移動状況を見ますと、住民基本台帳人口移動報告では、近年は府内の他の市町村からの転入よりも京都市から府内市町村への転出が多い年が3年続いておりまして、府内で京都市への人口集中が進んでいる状況に今はないと認識をしております。

 ただ一方で、京都府全体と他府県の転出入の状況を見ますと、2018年の15歳から19歳の人口が1,893人の転入超過であるのに対して、20歳から29歳人口は対東京圏で2,898人、対大阪府で1,601人の転出超過となるなど、大学進学等を機に府内・府外から転入した大学生が卒業、就職により大企業が多い東京圏や大阪へ転出する構造となっており、これは大学が多く立地しております京都市も同様の状況となっております。

 このため、京都に集まった大学生について、府内企業への就職を促進し、府内での就職割合を引き上げることにより、担い手の確保と併せまして、京都府外への人口の転出超過を緩和していくことが重要と考えられることから、府内大学生の府内就職・定着を促進し、府内企業の担い手の確保を図ることを目指した大学生府内就職・定着促進事業に係る予算を今議会に提案したところでございます。来年度は、まず4校程度の府内大学をモデルに、京都企業との接点をつくるところから京都企業の魅力を知り、理解を深めてもらうところまで、1回生から卒業年次までの段階的なメニューを実施し、府内企業への就職を推進し、その成果を生かしながら他校にも応用できるプログラムを作成することとしております。

 今後、京都に集まった学生が一人でも多く卒業後も京都に残っていただけるよう、取組を進めてまいりたいと考えております。

 次に、地域課題への対応と公共サービスの維持と在り方についてでございます。

 人口減少、少子高齢化や生活スタイルの変化などに伴い、公共サービスに対するニーズは増大するとともに、複雑化、多様化することが予想されます。

 一方で、行政だけでの対応には限りがある中で、公共サービスを維持し、かつきめ細かに実施していくためには、従来行政が担ってきたサービスを幅広い府民やNPOなど新たな担い手と連携して行っていく必要があると考えております。こうした連携を推進するためには、府民の皆様との情報共有と共通理解を図ることが重要と考えております。

 連携する事業の具体化に当たりましては、府民の皆様の共通した理解が得られ、参加していただきやすい地域の重要課題に関する分野から始めております。例えば、高齢者の介護予防や生活支援について多様なニーズにきめ細かく対応していくためのボランティアなど住民主体による地域の支え合いの取組への支援、地域において子育て経験者などが乳児のいる家庭を訪問する赤ちゃん応援隊の創設、災害時における住民避難を徹底し、誘導する災害時声掛け隊の創設などについて、府民や地域のNPO等と連携した取組を進めております。

 一方で、地域の公共交通のように従来は民間企業が担ってきたサービスであっても、時代の変化などによりまして民間での維持が困難となったものについて、行政が地域と連携して新たな公共サービスとして提供することも必要となっております。

 このため、京都府では、自家用有償運送等の地域公共交通の実証実験など、行政が地域や企業と連携して情報共有や共通理解を図る会議を設置した上で、新たな公共サービスとして提供する取組を進めております。

 引き続き、地域課題への対応や公共サービスの維持について、府民の皆様の理解を得る中で、さらに連携を強化して取り組んでまいりたいと考えております。

 最後に、地域コミュニティの衰退についてでございます。

 議員御指摘のように、地域コミュニティは、子育てに優しい地域づくりや外部からの移住・定住の受け皿づくり、文化の次代への継承、農山村における里山の維持などに大きな役割を果たすものでございます。

 全国的に単身世帯の増加や高齢化が進展する中で地域のつながりが希薄化していることや、農村部においては人口減少により地域コミュニティそのものの存在の危機が顕在化していることなど、地域コミュニティの衰退に伴う地域の支え合い機能の弱体化が課題となっております。

 しかしながら、京都には、各地域の祭りや伝統芸能、地蔵盆等の行催事、地域特性を生かした食文化など、各地域において多彩な文化が暮らしの中に今も息づいており、地域コミュニティが残されている強みがございます。

 京都府総合計画では、20年後に実現したい京都府の将来像として人とコミュニティを大切する共生の京都府を掲げており、具体的には、先ほども申し上げました、介護予防、生活支援、子育て、防災といった地域の中で日常的、継続的な支えが必要な分野での府民や地域のNPO等との連携・協働を地域交響プロジェクト交付金で支援するなど、地域コミュニティの維持・強化に取り組んでまいります。

 今後とも、こうした施策を通じまして、京都の強みでございます「人々が支え合う豊かな地域コミュニティ」をしっかりと次世代に引き継いでまいりたいと考えております。


議長(田中英夫君)
 酒井常雄君。

〔酒井常雄君登壇〕

酒井常雄君
 ありがとうございます。

 知事は本定例会の開会日に示された施政方針の中で、私たちが直面する最大の危機として人口減少と少子高齢化ということを挙げられました。人口減少社会をどう生きるかということがすごくクローズアップされてきているということを感じました。ただ、人口を増やすというのはなかなか難しい。

 私は増やすには2つの方法しかないと思っていて、一つは転入者を増やす、引っ越してきてもらう人を増やす。2つ目は、そこで生まれる赤ちゃんの数、出生数を増やす。この2つしかないと思っているんですね。ただ、1つ目のほうは、引っ越してきてもらう人を増やすということは、どこかから来られるわけですから、どこかが人口が減る。要するに、全体としては人口は増えていない。ですから、効果的には2つ目。出生数をどう増やすか、ここが一番効果があることなんだと思うんです。

 国立社会保障・人口問題研究所が、「2015年から2040年の間に人口が50%から60%減るよ」と言われた京都府内の町村があります。その中で唯一、合計特殊出生率と有配偶者率が全国平均を上回っている町があります。それが伊根町です。伊根町は、人口が約2,000人弱。この伊根町はどんな子育て支援をしているのか、会派で調査に伺いました。伊根町は子育て支援として確かに、医療費の無償化、教育費の無償化、進学の支援と、様々積極的に取り組んでおられるのですが、これは多くの自治体で取り組んでおられる。何か秘密がないか、プラスアルファ何かあるのではないかと。伊根町でたくさんの方に伺いましたけれども、共通しておっしゃったのがコミュニティでした。伊根町には漁業を軸としたコミュニティが今も残っていて、そのコミュニティが安心を生んで、その安心が伊根町で赤ちゃんが生まれる背景にあると、そういうお話をしていただきました。

 知事は「少子化対策に特効薬はない」というふうにおっしゃいましたけれども、もしかしたら、このコミュニティの維持は少子化対策の基礎体力になるのかもしれないと思います。今、コミュニティの維持について、重要性についても御答弁をいただきましたけれども、コミュニティの維持に視点を当てた施策のさらなる強化をお願いしております。

 質問に戻ります。

 次は、社会インフラ「5G」について尋ねます。

 2020年代の産業を変えていく社会インフラになると期待されている5G。本年は「5G元年」と言われており、我が国でも今春からいよいよ次世代移動通信システム(5G)の商用サービスがスタートします。

 これまで1Gから4Gに至るまで通信速度の向上が進んできた中、5Gもより高速化を実現するものですが、5Gはそれだけではなく、多数同時接続、超低遅延といった特徴を持っています。4Gまでが基本的に人と人とのコミュニケーションを行うためのツールとして発展してきたのに対して、5Gはあらゆるモノ、ヒトなどがつながるIoT時代の新たなコミュニケーションツールとしての役割を果たすこととなります。

 多数同時接続とは、基地局1台から同時に接続できる端末を従来に比べて飛躍的に増すことができる。例えば、これまでは自宅でパソコンやスマートフォンなどの数個程度の接続だったものが5Gにより100個程度の機械やセンサーを同時にネット接続できるようになり、これにより、例えば倉庫に保管された多数の物品の位置や中身を把握する、災害が起こったとき、大勢の避難者にウエアラブル端末をつけてもらって健康状態を遠隔地で確認するといった用途への活用が見込まれています。

 また、超低遅延とは、通信ネットワークにおける遅延、すなわちタイムラグを極めて小さく抑えることで、リアルタイムでの通信により自動運転車の安全性を飛躍的に向上させるなどの効果、そしてロボットの遠隔制御や遠隔医療といった分野においても効果が期待されます。

 このように、5Gは来るべきIoT時代の重要な基盤となるもので、その実現により、コミュニケーションの在り方の変化、そして新たなビジネスの進展につながることが期待されます。

 令和2年度の総務省所管予算案にも、ICTインフラ整備の中で5G・IoT等の高度無線環境の実現に向けた整備事業費の一部への補助や5G等の携帯電話基地局の整備促進事業費の一部への補助など、また産業の高度化・新規産業の創出の中には地域課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証の推進などが提案されています。

 加えて、総務省の電波政策2020懇談会の資料を基にした試算では、5Gの経済効果は約46.8兆円。そのうち、交通・移動・物流で21兆円、工場・オフィスで13.4兆円、医療・健康・介護で5.5兆円などが示されています。  さきの総務省の所管予算案にあるローカル5Gの活用には、スタジアムや体育館、建設現場、自治体によるテレワーク環境の構築、工場、農場、さらには町や村全体といった場所が想定されています。

 スタジアムは、さきも京都スタジアムは2万弱入りましたが、一定の場所に数万人規模で人が集まります。そのため、電波がつながりにくくなるという状況を改善するなどのようなトラフィックにおける交通渋滞を緩和するために、ローカル5Gの設置が検討されているようです。

 農場や工場、さらに工事現場で利用されるようなローカル5Gの場合、多数同時接続で様々な機械からの安定的な通信回線への接続が可能となります。やはり安定的なトラフィックを確保することで、スマート工場やスマート農場などで利用しているロボットの動きや映像が途切れないようにすることが狙いです。

 ある程度人の集まる自治体においては、スマートシティ構想をローカル5Gで検討しているようです。また、過疎地域においては、遠隔治療が可能になるため、遠隔診療所や自動運転のためにローカル5Gが検討されているようです。

 知事は、将来を見据えた行政運営の指針となる「京都夢実現プラン」の冒頭でAI・IoTなどの技術革新による社会のスマート化の急速な進展による、産業分野や私たちの暮らしへの活用、想定を超える規模の自然災害が頻発し、安心・安全に対する大きな脅威などの課題への対策の重要性に関して指摘されています。

 また、昨年末からパブリックコメントが実施された京都府スマート社会推進計画(仮称)においても、最終年度、2023年度における成長・交流・情報・暮らしの基盤づくりの項目で、IoTの活用拡大に不可欠な5GやLPWAのネットワーク整備を促進するとしています。

 5Gには多くの課題も指摘されていますが、同時にローカル5Gには、産業政策や防災、地域交通、地域医療など、様々な行政課題の解決効果が期待されます。政府も、5G移動通信システムやドローンなどの最先端の開発を手がける企業に対し、サイバーセキュリティの確保やサービスの安定性といった重点基準が守られているかどうかを認定する制度を創設するとして促進を図っています。

 そこでお尋ねします。

 本府の5Gの基地局整備推進やローカル5Gを含めた活用についてお答えください。

 次に、2015年、まち・ひと・しごと創生総合戦略における観光による地方創生の実現へ向けて設立されたDMOについて尋ねます。

 政府は、観光による地方創生を目指し、欧米発のコンセプトであるDMOを日本各地で認定しました。2020年1月14日時点で267団体が日本版DMO法人及び候補法人として登録されています。

 京都府では、地域創生を進める中で、観光消費額の増加等による地域経済の活性化、地域ブランドの確立による定住等の促進と交流人口の拡大を目的として、平成28年に「海の京都」DMO、平成29年には「森の京都」DMO、「お茶の京都」DMOが大きな期待の下で設立されました。令和2年度当初予算案にも、地域資源のブランド化を図り、地域の稼ぐ力を創出することにより交流・定住人口の拡大を図るため、観光地域づくりの総合プロデュースの実施を目的に、「海の京都」「森の京都」「お茶の京都」DMO推進事業へ1億7,300万円強が要求されており、3つのDMOへ計8名の府職員を派遣して運営をサポートしています。ただ、全国的には、DMOの運営において、財源と人材に関する問題が指摘されています。

 そこでお尋ねします。

 府内の3つのDMOの運営状況はいかがでしょうか。日本版DMOの基となった海外の事例から学ぶことも必要で、そこでは「自主財源を稼ぐ事業を持ち、税財源への依存度を下げる」「自主事業規模に応じた組織規模とする」「外部から財政的支援を受けるのであれば、責任の明確化と運営の透明化を図る」「税財源を用いるなら、広く市民による事業評価を求める」ことなどが強く求められています。DMOは、地域創生を推進するとともに、広域連携のモデルにもなります。第2期京都府地域創生戦略の下での活動計画、展望についてもお聞かせください。

 ここまでお願いいたします。

議長(田中英夫君)
 西脇知事。

〔知事西脇隆俊君登壇〕

知事(西脇隆俊君)
 京都府における5Gの基地局整備推進や、ローカル5Gを含めた活用についてでございます。

 今年春に商用サービスが開始される第5世代移動通信システム(5G)は、議員御指摘のように、超高速、超低遅延、多数同時接続という3つの特性を有しており、農林業や建設業などの産業分野、地域医療や地域交通などの生活分野をはじめ、様々な分野における地域課題の解決につながる不可欠な基幹インフラとなると考えているところでございます。

 4Gまでの整備経緯から見て、5Gの広域的な基地局整備は人口が多い都市部から進められることが想定されますが、5Gでは、携帯電話事業者による通信環境の整備とは別に、地域のニーズに応じて企業や自治体等の様々な主体が自らの建物内や敷地内でスポット的に構築できるローカル5Gを活用することが可能となります。

 例えば、農林業、防災の分野においては、携帯電話の不感地域が多い中山間地域であっても、ローカル5Gの活用を進めることで農林業の高度化や防災対策強化などにつなげることができると期待しているところでございます。産業振興、中小企業支援の分野におきましては、5Gを見据えたロボット等の社会実装に必要な知識の習得を支援する人材育成事業や、けいはんなオープンイノベーションセンターに設置した5G基地局を活用したロボットの遠隔操作等の研究開発プロジェクトを支援したいと考えており、今議会において5G対応型産学公連携研究開発推進事業の予算を提案しております。

 また、5Gを活用した社会的課題の解決や新たなビジネスの創出に向け、京都府、大学・研究機関、企業、観光連盟・DMO、市町村等の多様なプレーヤーが参画する京都ビッグデータ活用プラットフォームにおいて、産学公民がスクラムを組んで取り組みたいと考えております。

 現在策定中の京都府スマート社会推進計画におきましては、5Gの令和5年度における人口カバー率を99.0%にまで高めるとの目標を掲げることとしており、基地局整備に係る支援制度の創設について国に働きかけ、府民誰もが府域どこでもデジタル技術の恩恵を実感できるスマート社会の実現を目指してまいりたいと考えております。

 次に、DMOの運営状況と今後の展望についてでございます。

 京都府では、地域主導による持続可能な地域づくりを進めるため、交通インフラに加え、地域ごとに発信力、集客力のある観光の戦略拠点等を整備し、観光地域づくりの司令塔となる海・森・お茶の京都DMOを市町村等とともに設立し、データの収集・分析、観光戦略の策定、地域資源の磨き上げや商品化、広域プロモーションやインバウンド誘客などに取り組んでおります。

 こうした取組により、「もうひとつの京都」エリアの平成30年の観光入込客数は3,230万人、観光消費額は619億円と、取組を始めました平成25年から、観光入込客数では23%、観光消費額が36%増加をいたしました。特に外国人宿泊者数につきましては、この間4.4倍に増加するなど、その効果が出てきているものと考えております。

 各DMOでは、観光地域づくりや地域経済の活性化につながる取組をしており、その運営につきましては、府、関係市町村による負担金のほか、協賛金収入、旅行商品等の販売、国等の事業の委託料等を財源としているところであります。また、各DMOの社長、取締役、監査役には地域で活躍されている民間の方に就任いただいており、事務局は、府や市町村の職員だけでなく、観光業界等の人材で構成をしております。

 しかしながら、各DMOの取組を一層発展させていくためには、DMOは地域全体の利益を生み出す主体であり、地域創生を牽引する組織であることから、地域の内外での調査・調整機能に係る公的資金の担保や職員の雇用環境の安定化のための自主財源の強化が必要であり、議員御指摘のように、財源と人材が課題であると考えております。

 そのため、各DMOでは、引き続き自主財源の強化と人材の育成に取り組むため、観光ガイド育成講座の実施、体験型観光等のツアー造成、特産品開発、文化財の観光資源としての活用、会員拡充による会費収入の確保等に取り組んでおります。さらに、DMOが、地域の伝統行事の旅行商品化による地域のにぎわいづくり、新たな観光関連事業の発掘、古民家再生や農泊の推進による宿泊施設の拡充など、地域経済の活性化につながる取組を進めることで財源の確保を図るとともに、地域づくりにつながる専門人材の育成など、安定した運営ができるよう取り組んでまいりたいと考えております。

 第2期京都府地域創生戦略における各DMOの活動についてでございます。

 各DMOでは、観光地域づくりをさらに進化させ、滞在型観光地としてのブランド向上を図ることとしており、京都が持つ高いポテンシャルを生かし、観光を入り口に、農林水産業や伝統産業など、幅広い産業にもその効果を波及させることが重要と考えております。

 そのため、キャッシュレス化や各DMOの外国人向けウェブサイトの統合による情報発信の取組等を進めることでインバウンド等の誘客を促進するとともに、府県を越えた周遊・滞在型観光や文化・スポーツ・伝統産業等の体験型観光の推進、「食の京都」をキーワードに、京都市と連携して、生産地や市場、食品工場等をつなぐツアーの造成、新メニュー開発による宿泊施設等の魅力向上などを進めてまいりたいと考えております。

 さらに、観光人材の確保・育成、文化・芸術やスポーツ等と観光を組み合わせた情報発信による地域活力の創出、商品開発といった産業の創造等、京都ならではの取組を進めることによりまして地域づくりの活動の幅を広げ、各DMOが地方創生の担い手となるよう取り組んでまいりたいと考えております。


議長(田中英夫君)
 酒井常雄君。

〔酒井常雄君登壇〕

酒井常雄君
 5Gについてなんですが、御答弁をいただきました。

 ただ、今定例会に提案されている予算案の中にも5Gの効果が期待できるものがたくさんあると思います。例えば、総合防災情報システムでの多言語発信や備蓄物資の管理機能だとか、道路災害情報発信機能強化事業、中小河川タイムライン作成支援事業、これも危険をいかに早く、同時に大勢の人に知らせるかという効果が期待できると思います。そのほかにも、「食の京都」を核とした広域観光事業、スマート農林水産業加速事業、また、今問題となっている、新型コロナウイルス感染者が確認されたクルーズ船内にとどまる乗客の健康管理も遠隔地で管理が可能なんだと思います。

 御答弁の中では令和5年に府内5Gの展開率99%と示していただきましたが、安心・安全対策、産業振興、観光振興、そして人口減少への抑止などなど、様々な面で5Gに効果が期待できる。ただ、この効果の最大化のためには今から準備をしていくことがたくさん残っていると思いますので、その点も強化していただくようにお願いいたします。

 DMOについてです。

 一層発展へ、府県を越えてというようなお話をいただました。DMOは、第1期のまち・ひと・しごと創生総合戦略の中で出てきて、今年から第2期になると。この第2期の中では、やはり今申されましたように、新たなステージへステップアップする必要がDMOに出てきている。先ほどお示ししました5つの課題、知事もおっしゃいました財源と人材に関する課題、これをしっかりと取り組んで多くの府民に理解をしていただける状況をどうつくるのか。また、DMOそれぞれ3つがどう連携するのか。そこに京都市が入ってどう連携するのか。その上で、DMOの役割は何か、市町村の役割は何か、京都府の役割は何か、それをしっかりと検証していただく、また事業全体も検証していただいて、さらにこのDMOの活動の見える化にも努めていただきたいと思います。

 質問に戻ります。

 続いて、総務省自治財政局より発表された令和2年度地方財政対策の中から、次のそれぞれの地方財政対策事業を活用した京都府の取組計画についてお聞かせください。

 まず、緊急しゅんせつ推進事業について。

 地方団体が単独事業として実施する河川等のしゅんせつを推進するため、新たに緊急しゅんせつ推進事業費が計上されました。各分野で個別計画に緊急的に実施する必要がある箇所として位置づけた河川、ダム、砂防及び治山に係るしゅんせつについて令和2年度から6年度までの地方債の特例措置を講ずるとの取組であり、相次ぐ地震・豪雨災害を踏まえ、地域の実情に応じた事前復興に取り組むことができるよう、全国知事会から国に対して繰り返して提言してきた成果でもあります。しゅんせつ費の70%を地方交付税で措置するもので、2020年度900億円、5年間で4,900億円を予定しています。

 昨年10月の台風・豪雨では、河川水位が異常に上昇して各地の河川が氾濫しました。この河川水位の異常上昇は、雨量が大きかっただけではなく、適宜実施すべき河床のしゅんせつがきちんと行われず、河床が上昇したことによる影響が少なからずあるように思われます。

 支援制度を設けて、河川の土砂しゅんせつについて本府の計画はいかがでしょうか。予算案に新規事業として提案されている緊急しゅんせつ推進事業の具体的な取組もお聞かせください。

 次は、技術職員の充実による市町村支援、中長期派遣体制の強化についてです。

 都道府県が技術職員の増員を図り、技術職員不足の市町村を支援するとともに、大規模災害時の中長期派遣要員を確保する場合に、増員された職員人件費に対して地方財政措置を講ずるとの取組で、豪雨や地震といった大規模災害時に全国の都道府県から被災市町村に技術職員を中長期的に派遣する制度であり、災害が多発する中、技術職員が手薄な市町村への支援強化が目的です。

 総務省は、この応援部隊の制度の整備に向け、都道府県が人員を増強できるよう、2020年度から財政支援に乗り出すとしており、1,000人規模の人員確保を目指すとしています。

 総務省が登録した都道府県の技術職員の派遣は、現地で被災状況の確認や復旧事業の工事発注などに1年以上従事することを想定しており、平時は都道府県内で技術職員の不足が深刻な市町村に派遣し、老朽化した道路や橋の点検・修繕などに当たるとのことです。

 大規模災害が発生した際、被災した地方公共団体の中には支援要請を行うことさえも困難になるほど行政機能が極度に低下する場合があります。さらに、被災した府県においても災害対応業務に追われて被災各市町村の情報収集が困難になる場合などの想定も必要だと思います。応援職員の円滑な受入れができるよう、市町村の受入れ調整などのルールづくりも含めて、本府の計画はいかがでしょうか。

 続いて、専門人材等の共同活用について尋ねます。

 人口減少社会において、高齢化の進行やインフラの老朽化による行政需要の増加、行政コストの増大が見込まれる一方で、各地方公共団体が有する資源が限られる中にあっては、多様な主体が連携し、有効に活用していくことが求められます。現実に、行政サービスを安定的、持続的に、かつ効率的、効果的に提供するためには、あらゆる行政サービスを単独の市町村だけで提供することは困難となっています。

 本府においては、2016年4月に、誰もが安心して暮らせる京都府を目指して、一般社団法人京都技術サポートセンターが設立されました。同センターは、社会インフラの適切な管理・充実に向け、施設管理者である市町村等を技術面、人材面でサポートしています。具体的には、市町村からの要請を受け、維持管理支援業務、土木支援業務、公共建築支援業務を支援し、さらに市町村の職員技術研修会も積極的に開催されるなど、建築・土木技術の人材育成にも取り組んでいただいております。

 今後、市町村からは技術者の確保が困難となっている水道や林務の技術職員へのニーズが高まると思います。今後の専門人材等の確保と共同活用について知事はいかがお考えでしょうか、お聞かせください。

 最後に、京都産業の将来についてお伺いします。

 千葉大学と科学技術振興機構の研究所による未来カルテに示されたデータでは、2040年の京都府の人口は222万3,586人で、2015年度比85.2%。その中で京都府の産業別就業者の人口を見てみると、製造業、卸売業、小売業、建設業がそれぞれ半分近くに減少します。産業構造が変わる、防災への対応力が下がるなどの予測にどう対応するのか。中小企業のまちではなくなるとも表現される20年後の京都の将来像をどう描くのか。

 国は、自治体戦略2040構想研究会の報告で「世界に先駆けて人口減少に対応した社会経済のモデルとなることが求められている」などとしています。その研究会では、若者を吸収しながら老いていく東京圏と支え手を失う地方圏、標準的な人生設計の消滅による雇用・教育の機能不全、スポンジ化する都市と朽ち果てるインフラなどを2040年にかけて迫りくる我が国の内政上の危機と表現しています。

 人口減少時代において労働力不足による産業の衰退をどのように防ぐのか、中小企業の担い手確保や産業を維持・発展させるための対策など、2040年の京都府へ知事は何を取り組まれるのかをお聞かせください。

 以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

(拍手)

議長(田中英夫君)
 西脇知事。

〔知事西脇隆俊君登壇〕

知事(西脇隆俊君)
 緊急しゅんせつ推進事業費についてでございます。

 河川などに堆積する土砂のしゅんせつは流下能力の維持のために重要であり、各地で豪雨災害が頻発する中、府民の皆様からの要望も多く寄せられているところでございます。

 これまでから京都府では、河道断面のおおむね1割以上の堆積が生じていることを目安として、府民協働型インフラ保全事業も活用しながら河床のしゅんせつを行っているところであり、限られた財源でより多くの箇所に対応するため、国に対しまして防災・減災対策に活用できる起債対象事業の拡大などを提案してきたところでございます。

 来年度の地方財政計画に計上されました緊急しゅんせつ推進事業費は、維持修繕事業に対して起債措置が認められる画期的な地方財政措置でございます。京都府としては、この措置を積極的に活用し、令和2年度当初予算案に9億円を計上しており、堆積状況や人家への危険度に応じて優先度の高い箇所を河川維持管理計画に位置づけ、集中的にしゅんせつを行うこととしております。

 今後とも、治水安全度向上のため、河川改修に努めますとともに、その機能維持のためのしゅんせつにも着実に取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、技術職員の充実によります被災時等の市町村支援についてでございます。

 京都府では、平成27年度に京都府被災地緊急サポートチームを編成し、大阪北部地震では被災の大きかった八幡市に延べ80人の職員を派遣したほか、昨年の台風第19号では、京都府災害支援対策本部を設置し、福島県伊達市等に延べ1,022人の職員を派遣し、被災地の要請に応えるとともに、現在も災害査定支援等の土木技術職員等4名を福島県に派遣しております。

 一方、近年の自然災害の頻発・激甚化により全国で被災箇所の早期復旧等が求められる中、被災自治体からの応援ニーズが高い技術職員については、平常時を含めまして人員不足が課題となっております。

 このため、総務省では、来年度から小規模市町村等で確保が困難とされる土木・林業等の技術職員の応援部隊制度を創設し、災害時には総務省や全国知事会などで構成する確保調整本部において全国的な中長期派遣を調整することとし、そのための財政措置を含めた制度の強化を図ることとされたところであります。

 京都府におきましては、既に京都技術サポートセンターによる府内市町村への支援を実施しているところであり、全国的な技術者の人材不足の中ではありますが、国の応援部隊制度を踏まえ、必要な職員数の確保に努め、府内市町村の災害対応業務の技術支援を行うとともに、確保調整本部からの要請があれば、全国の被災した市町村の応援に出向く体制を構築してまいりたいと考えております。

 次に、専門人材等の確保と共同活用についてでございます。

 市町村では確保・育成が難しい技術職員について、京都府では、その求めに応じ職員を派遣するとともに、京都技術サポートセンターにおいては、インフラのメンテナンスに係る業務支援に加え、土木技術者の研修など育成事業を行っております。

 また、現在、森林・林業分野において森林管理の計画策定から事業化までの支援を行う森林経営管理サポートセンター(仮称)の設立準備を進めており、今議会に関係予算を提案しているところでございます。さらに、水道分野では、市町村とともに設置した研究会での検討を基に、小規模水道事業者に対する技術者派遣の仕組みづくりに向けた準備を関係市町村とともに進めてまいることとしております。

 今後とも、市町村の職員採用の状況も踏まえ、総合的な支援体制の構築を進めてまいりたいと考えております。

 次に、2040年に向けた京都産業の将来像についてでございます。

 京都府総合計画では、少子高齢化、本格的な人口減少が進むことを踏まえながら、20年後に実現したい京都産業の将来像として伝統と先端の融合により、豊かな産業を守り創造する京都府を目指しております。その実現に向けて、4年間で取り組む新産業創造・成長「きょうとチャレンジ」におきましては「スタートアップ支援」「成長支援・海外展開」「承継・人材育成」「AI・IoT等の活用促進」の4つの分野を重点として施策を展開してまいります。

 具体的には、ものづくりをはじめ、各産業における研究開発人材などを育成する「高度人材育成プログラム」や、京都VR・AR拠点におけるコンテンツ人材の育成、世界中から有能な人材や企業が集う仕組みをつくる「起業するなら京都・プロジェクト」、多様な企業が参加してスマートモビリティなどの新たなビジネスを創出するMaaS(マース)・α促進プロジェクトなど、多種多様な事業に取り組み、労働力不足による産業の衰退を防ぎ、中小企業の担い手確保や産業を維持・発展してまいりたいと考えております。  総合計画の取組方針は、議員御紹介の未来カルテで、少子高齢化が進む地域社会を維持するためには、人の能力開発や人と人とが連携できる仕組みなど、4つの資本を長期的に確保することが必要であるとの考え方にも方向性が一致するものと考えております。

 今後とも、京都経済センターを核に、経済界、大学、行政等が一体となったオール京都の連携の下で京都産業をさらに発展させてまいりたいと考えております。