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2019年12月11日|令和元年12月定例会 一般質問 北岡千はる

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1 京都が世界に誇る文化・芸術に触れる取組について
  (1)ICOM京都大会後のミュージアムフォーラム
     の展開と京都文化博物館の未来について
  (2)北山文化環境ゾーン整備計画のエリア
     マネジメントについて
2 その他

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議長(田中英夫君)
 次に日程第3、一般質問を行います。
 まず、北岡千はる君に発言を許します。北岡千はる君。

〔北岡千はる君登壇〕(拍手)

北岡千はる君
 府民クラブ京都府議会議員団の北岡千はるでございます。

 今回の質問は、京都が世界に誇る文化・芸術に触れる取り組みをキーワードに一本にまとめ、京都の持つ日本有数の文化・芸術に触れるミュージアムへの視点と、文化、芸術、学術、環境の京都を発信する北山文化環境ゾーンへの視点について、西脇知事並びに関係理事者に質問いたします。よろしくお願いいたします。

 初めに、ICOM(アイコム)を契機としたミュージアムの未来についてお伺いいたします。

 世界の博物館や美術館の専門家が集う国際博物館会議(ICOM)が去る9月1日から7日まで国立京都国際会館をメーン会場として開催されました。第25回国際博物館会議(ICOM)京都大会は、120の国と地域から大会史上最多の4,590人が参加され、ミュージアムの定義の見直し採決は持ち越しとはなりましたが、博物館防災国際委員会の新たな発足や、ICOM日本委員会が提案したアジア地域のICOMコミュニティへの融合などが採択され、成功裏に幕をおろし、閉会式ではICOM京都大会を記念して、龍村美術織物が作製・寄贈された、つづれ織りのICOM旗が次回開催地のプラハに引き継がれました。

 このICOMは、ミュージアムの進歩・発展を目的とした世界で唯一、かつ最大の国際的非政府組織であり、2019年には世界138の国と地域から4万4,500人のミュージアム関係者が加入されていますので、全世界のミュージアム関係者のほぼ1割が京都にお越しになられ、活発な議論を展開するだけでなく、多彩な京都文化、日本文化に触れていただいたものと思っております。

 開催期間中、国際会館で開催された会議だけではなく、京都市内24コース、府内9コースのエクスカーションと言われるツアーが開催され、例えば、ふだん見ることができにくい真葛焼の工房見学や、聴竹居、また待庵、さらに伊根の舟屋や上狛の茶問屋街など、全てのコースが満席の状態で催行され、またソーシャルイベントとして二条城の夜間特別公開、府立植物園でのナイトツアー、能、狂言の公演にも多くの方が参加されたとのことであります。改めて京都での開催ならではの多彩な文化に触れる機会を提供できたのではないかと、開催地の議員の一人としてもうれしく思うところであります。

 さて、このようにICOMは多彩なプログラムで参加者を魅了したわけですが、同時に、京都推進委員会ではICOM開催に合わせ、府民の皆様方にもミュージアムに親しんでもらう機会をつくるべく、7月から種々特別な体験、公開を企画・準備していただきました。

 京都府内には、国立、京都府立、京都市立の博物館、美術館だけでなく、市町村や大学が設置するもの、私的なものを含めますと大小合わせて300を超えるミュージアムが立地しております。その中の114のミュージアムが、この機会にと非公開の秘宝や場所を公開したり、ギャラリートークを開催したりと、ミュージアムに来ていただくためのICOM京都大会開催記念イベントを行われました。

 また、ICOM開催を契機に、これまでからありました京都市内博物館施設連絡協議会に加え、京都市以外の博物館、美術館等も相互に連携して各館の有する課題の解決を図り、地域の活性化等に向けた取り組みなどを推進するために、京都府ミュージアムフォーラムを結成されました。このミュージアムフォーラムは63のミュージアムで構成され、そのうち28のミュージアムがICOM京都大会開催イベントに参画され、ミュージアムの魅力発信に取り組まれたところであります。

 そこで、まずお尋ねいたします。ミュージアムフォーラムの各博物館は、今回のICOM京都大会に参加の世界各国の博物館関係者等との交流を通じてどういったことを得られ、また、ミュージアムフォーラムの各博物館は世界の博物館関係者からどのような評価を受けたのでしょうか。さらに、ICOM京都大会の開催を契機に、今後ミュージアムフォーラムとしてどのような展開を考えておられるのでしょうか。これらについてお聞かせください。

 一方、ICOM京都大会開催記念イベントでは、子どもたち向けのイベント、例えば拓本をとったり、焼き物体験をしたり、ウグイス笛や竹トンボをつくったりといったワークショップが幾つか開催され、有意義な取り組みも実施いただきましたが、基本的には大人を対象にしたいわゆるミュージアム探訪的なものとなっていたのではないかと存じます。これまでからミュージアムになれ親しんでおられる方には、「このような非公開の貴重な物が見られるのか」といったプレミアがつくような物であったとしても、それほど興味・関心のない方には単なる展示会として捉えられたのではないかと危惧いたします。

 ミュージアムは身近で気軽に足を運べることで、より一層府民の皆様が文化に触れられる機会を創出する施設であるべきと考えますが、今のミュージアムは親子で楽しんだり、子どもだけで探訪できるかというと、そのような環境にはなかなかないように思われます。また、ミュージアムに足を運び、文化に親しむ習慣は幼いころからの体験が積み重なってこそのものであるのではないかと存じます。

 平成8年12月定例会におきまして、私はアメリカのボストンこども博物館を例に挙げ、ハンズオンスタイルのこども博物館の意義と設置の必要性について提案いたしました。子どもが主体的に参加し、単に鑑賞するだけでなく、展示物に直接さわる、動かす、においを嗅ぐなど、幼少期におけるさまざまな体験によって心の豊かさを育み、創造力を培うとともに、ミュージアムを身近に感じ、主体的に足を運ぶ習慣を身につけることにつながると申し述べました。

 また、去る7月の文化・スポーツ振興対策特別委員会の参考人、京都国立博物館館長でICOM京都大会組織委員長の佐々木丞平様への質疑におきまして、諸外国では子どもたちがミュージアムに行くのが一つの習慣となり、ルールを守りながらもリラックスしてその場にいることや、ミュージアムと学校教育の連携を密にして総合的な教育ができる場としていく必要性、加えてモラル教育が自然にできるというメリット等、美術館を大いに利用してほしい旨の御示唆もございました。

 そこでお聞きいたします。

 肩肘張って文化鑑賞と称してミュージアムに行くのではなく、親子が楽しめる場所として、また子どもたちが遊びがてら入れる場所としてミュージアムを位置づけることができないでしょうか。今まで見たこともない絵を見たり、想像を超える大きな仏像を見たり、外国の品々に触れたりといったことができる場所にすることはできないでしょうか。子どものうちから文化に親しむためのミュージアムとするために、また親子が気兼ねなく行けるミュージアムとするために京都府としてさまざまな支援も必要と思いますが、未来のミュージアムはどうあるべきとお考えでしょうか。そして、そのための第一歩として、ぜひとも京都文化博物館を未来へのミュージアムの拠点として取り組んでいただきたいと考えますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

 次に、北山文化環境ゾーン整備計画のマネジメントについてお伺いいたします。

 文化に触れる、芸術に触れるのは屋内に限ったものではありません。府内の多くの社寺仏閣は、屋内でも屋外でも文化に触れられる場所でありますし、10月に堂本印象美術館で開催されていた屋外彫刻展のような催しもあります。府立植物園でも屋外彫刻展が開催されますし、ICOM京都大会では生きた植物の博物館としてソーシャルイベントの開催にも御尽力いただきました。また、近くにはコンサートホール、京都学・歴彩館もあり、さまざまな文化に触れることができます。

 そうした中で、新たな総合計画で府立植物園に隣接する旧資料館跡地にシアターコンプレックスを設けるとのプランも上がっております。もともとこの地域では、「文化と環境に包まれたやすらぎと交流の中で、京都を世界に発信する街」「開放感あふれ、歩いてまわりたくなる街」をコンセプトに平成21年に北山文化環境ゾーン構想が策定されています。

 その中では、感じる文化のエリア、学ぶ学術のエリア、やすらぐ環境のエリアなどの機能を検討され、感じる文化のエリア、主に北山通りに近い旧資料館跡地になりますが、そこでは北山地域にない新たな文化施設の機能整備を図ることで既存文化施設との相乗効果を、そして学ぶ学術のエリア、主に府立大学の地域になりますが、そこでは学生の交流を深める北山地域にふさわしいスポーツ施設の配置や老朽施設の計画的な整備を、さらに、やすらぐ環境のエリア、主として植物園の地域になりますが、そこでは他施設・エリアとより交流ができるような機能整備と地域内の回遊性を確保した動線整備が掲げられています。

 これらの考えも踏襲しながら、各エリアが平成30年から令和元年にかけて旧総合資料館跡地活用に伴う北山文化環境ゾーンの施設整備についての検討報告、京都府立植物園100周年未来構想がまとめられ、府立大学も下鴨キャンパスの整備方針を検討されるとお伺いしております。

 この北山文化環境ゾーンは、全体で38ヘクタールもの広大な地域であり、そのうち24ヘクタール、全体の約3分の2が植物園となります。今も年間90万人近い来場者があり、府民にとって憩いの場所でもあります。しかしながら、植物園の施設は正門を初め多くが老朽化しており、また森のカフェの整備などを行っていただきましたが、ゆっくりと休憩できる場所も少なく、まだまだ改善の余地が残されていると思います。

 また、単に花をめでるだけでなく、貴重な植物画の活用や、植物と日々の営みとの関連を学ぶといった学習活動にも、もっと力を入れていただきたいと思いますが、それらを実践する場所も貧弱なままであるのも残念でなりません。例えば、私たちが着ている服、食事をいただく際のテーブルや椅子、お箸などの食器などが植物でできていると考えて日々生活はしておりませんが、改めて言われてみると確かにそのとおりであり、子どもたちにとっては驚きの連続であるかもしれませんし、植物に対する興味が湧き、大人も含めて植物に対する見方も変わるかもしれません。そうしたことを学ぶ場としても、植物園が機能してくれることを望むところであります。

 そこでお聞きしますが、従前より要望しております正門の整備や園内の温室を初め、老朽化している植物園施設について改修計画をどのようにお持ちでしょうか。植物園は、北山文化環境ゾーンの中心であり、今後進められる旧総合資料館跡地の整備や、府立大学の施設再編整備といった北山文化環境ゾーンの全体整備計画の中でどのように位置づけられようとしているのか、お聞かせください。

 振り返りますと、植物園は1924年1月1日に日本で最初の公立植物園として開園されて以降、戦中・戦後の混乱期、また自然災害による甚大な被害への対応等、さまざまな苦難を乗り越えつつ、貴重な植物の研究・管理や展示と、さまざまな取り組みの実施等、府民の憩いの場としての施設として、現在、年間約90万人の入園者数がある京都府の誇るべき施設であります。京都府民の貴重な財産として多大な御尽力を賜っております専門技師の皆様を初め、関係各位に対しまして改めて心より感謝の誠を捧げたいと存じます。

 そして、これまでの貴重な数々のお取り組みを進化させ、卓越した知識や技術を生かし、今後は先ほども申しましたように、植物のことを総合的に学ぶ場としての植物園、より身近でさまざまなことを楽しんで学べる「生きた植物の博物館」ミュージアムとなってほしいと願うわけですが、そのためにはこれまでの植物園の運営のあり方自体を前提とせず、見直すべきものは見直すといったことも必要ではないかと思います。  植物園の運営に係る業務は幅広くあると存じます。植物の管理・展示業務など、現在でも農林部門の技師が担っておられるような専門職の業務、そして庶務や総務など一般職の部門、そして現在のように府直営でやるべきこと、他の事業者等に任せられること、民間的な観点から見直すことなど幅広く議論をし、植物をめでることに加えて、多くのことを学べる場としての植物園となることを望むものでありますが、植物園の運営のあり方についてどのようにされていくのか、お考えをお聞かせください。

 次に、北山文化環境ゾーンに位置します府立大学についてお聞きします。

 さきの決算特別委員会の現地調査で府立大学を訪問いたしました。和食文化学科ができ、その施設を調査するのが主目的でありましたが、キャンパスを見渡しますと建物の改修がほとんど進んでおらず、余りの老朽化に驚きました。聞けば、古い建物は昭和37年の建築とのことであり、ことしで56年となる、その学舎を今も学生が利用しているとのことです。そのほかの建物の多くは昭和40年代の建築とのことであり、耐震上も非常に危惧をされる状況にあります。かつては、他の公立大学や国立大学も古びた施設ではありましたが、今は京都大学を初め、多くの大学が学舎を整備されています。学ぶ環境は大事であり、安全面からも早急な改革が必要と思いますが、府立大学の施設整備についてどのようにお考えか、お聞かせください。

 以上、北山文化環境ゾーンの中の府立植物園と府立大学という個別の施設について質問をいたしましたが、それぞれ個別の施設ごとについて最適・最善と考える整備は必要なことでありますが、そもそも掲げるコンセプトがしっかりと生かされる北山文化環境ゾーン全体を見た最適の整備とする判断が不可欠と考えます。

 私は、さきの2月定例議会の代表質問でも申し述べましたが、やはり、このゾーン全体の未来のプランをどう描くかが重要だと思います。この文化と環境に包まれたやすらぎと交流の中で、京都を世界に発信する街、そして、開放感にあふれ、歩いてまわりたくなる街をコンセプトとしてまちづくりを進められている北山文化環境ゾーン敷地全体を視野に入れたエリアマネジメントを行い、各施設が有機的に連携し整備を行うことが、それぞれの施設の機能がゾーン全体としての相乗効果としてより高まり、将来的に京都市内で最大の府民の貴重な財産の有効活用に寄与すると考えますが、お考えをお聞かせください。

 以上、文化をキーワードとした質問をさせていただきましたが、京都府では文化のフィールドにもさまざまな企業の参画を推進する研究にも着手されていると聞いております。海外ではミュージアムから生まれた既成概念にとらわれないパラダイムシフトと言われる発想により、デザイン性や機能性にすぐれた商品開発が行われ、その商品が日本を含めた世界的なヒット商品になった事例もありますので、ぜひともさまざまな文化・ミュージアムをフィールドとした新産業の創出について、各関係機関と連携した研究が促進されますことを御期待申し上げます。

 その他、2点につきまして要望させていただきます。

 1点目は、アルコール依存症です。

 定年退職や子どもの独立で急に時間がふえるなど、生活環境の変化によりシニア世代がアルコール依存症に陥るケースがふえているとの報道もございます。京都府では専門治療機関や断酒会等、必要な情報提供や相談窓口の設置等、さまざまに御尽力をいただいておりますが、飲酒に頼らず生きがいを見つける生活への考え方の啓発、そして少しでも早く依存に気づくためにアルコール依存症診断ガイドラインや身近な相談窓口の広報等、必要な手だてをより一層講じていただきますよう要望しておきます。

 2点目は、ツキノワグマ出没への対応です。

 府内各地で出没数がふえておりますツキノワグマにつきましては、京都府では専門家の御意見を伺った上でレッドデータリストを見直す方向性と聞いておりますし、被害対策チームの活動強化やバッファーゾーンを設ける等の対策を講じられるとのことであります。ここ数年、京都市におきましてもクマの出没が多くなり、私の地元・左京区におきましても山中の目撃のみならず、住宅街や通学路など、私の地元の学区は親子グマの出没で小学校の子どもたちが下校できずに保護者に迎えに来ていただくと、こういうような事例に対処をされることもありました。そして、いわゆる街中にまで出没しておりますので、住民の安心・安全の確保、人身被害の回避を最重点として必要な対策を迅速に行っていただくよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。

 以上で私の質問を終わります。御清聴まことにありがとうございました。

(拍手)

議長(田中英夫君)
 西脇知事。

〔知事西脇隆俊君登壇〕

知事(西脇隆俊君)
 北岡議員の御質問にお答えいたします。

 ICOMを契機としたミュージアムの未来についてでございます。

 ICOM京都大会を契機として、京都府内の博物館64館で結成した京都府ミュージアムフォーラムは、規模の小さな博物館が相互に連携することで幅広く事業を展開し、各博物館の魅力向上を図るとともに、地域の活性化につなげていくことを目的とするものでございます。

 今回のICOM京都大会におきましては、ミュージアムフォーラムの各博物館が世界各国の博物館関係者等との交流を通じて、子どもたちがふだんから博物館に親しめる学校教育プログラムなど世界の先進的な事例に触れることができ、大いによい刺激を受けたところであります。また、世界各国の博物館関係者からは、自然と調和する中で守られてきた歴史的な建造物や伝統芸能のほか、古文書の保存方法などについて高い評価の声をいただくなど、みずからの地域の文化を振り返り、今後の取り組みを考えるよい機会となったと考えております。

 京都府といたしましても、京都の文化の魅力を幅広く知ってもらうためには、ミュージアムフォーラムがこのたびのICOM京都大会の経験を生かして、市町村や地域、学校等との連携をさらに深め、ミュージアムフォーラムに参画する博物館にとどまらず、京都国立博物館などの京都市内博物館施設連絡協議会に加盟している各博物館とのネットワークも効果的に活用していくことが重要と考えております。例えば、展覧会等の共同企画や所蔵品の相互貸与等のほか、レプリカ等を活用して実際に文化財に触れる体験プログラムや、古墳や史跡等での歴史探検講座の実施など魅力ある多彩な事業を展開し、より一層、府民が日ごろから文化に触れ、博物館に親しむことができるよう取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、北山エリア全体の整備についてでございます。

 北山エリアの整備につきましては、平成21年度の北山文化環境ゾーン整備構想に基づき、府立大学、府立医科大学、京都工芸繊維大学の3大学の教養教育共同化施設や、京都学・歴彩館の整備、カフェや入退園門の新設など、植物園の整備を行ってきたところでございます。

 また、この間、旧総合資料館跡地の活用、植物園の魅力向上や開園100周年に向けた取り組み、府立大学の体育館の建てかえなど、個々の課題について検討を進めてまいりました。これらの成果、検討を踏まえ、京都府総合計画では北山エリア整備のセカンドステージとして北山「文化と憩い」の交流構想を盛り込んだところであり、この中では旧総合資料館跡地でのシアターコンプレックスとにぎわい交流施設の整備、アリーナ機能を備えた3大学共用の体育館の整備、さらに複合的な機能を備えた正門など、植物園の施設整備について構想しているところでございます。

 今後、具体的な整備着手に先立ち、議員御指摘のとおり北山エリアの整備全体についてコンセプトや各施設の整備・運営手法、さらには立地施設がソフト・ハード両面で有機的に連携できるような統一的なエリアマネジメント手法などの方向性について、改めてしっかりと整理する必要があると考えているところでございます。

 京都府としては、このエリアが持つポテンシャルを十分に発揮することにより、豊かな自然の中で多様な人々が集まり、滞在し、交流しながら文化、芸術、学術に触れられる魅力的な空間となるよう北山エリアを整備してまいりたいと考えております。

 その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁させていただきます。

議長(田中英夫君)
 古川文化スポーツ部長。

〔文化スポーツ部長古川博規君登壇〕

文化スポーツ部長(古川博規君)
 未来のミュージアムのあり方についてでございます。

 日本のミュージアムは、歴史、芸術、民族、産業、自然科学等に関する資料を収集・展示し、調査研究することなどを目的に設置されています。そのため専門的な知識を持たない方や子どもにとっては親しみにくいという面もあるものと思います。子どものころから文化や芸術等に親しむことは、将来の社会を担う若者の豊かな成長を図るという観点からも大切なことから、子どもにも親しめるよう、例えば展示に加えて子どもの遊び場風に埴輪や銅鐸、剣などの所蔵品やレプリカを見て、実際に触れて、楽しみながら学ぶことができるスペースや体験プログラムを準備するなどの工夫も必要であると考えております。

 また、こうした取り組みをさらに効果的なものとするためには、ミュージアム・エデュケーターといったミュージアムの教育普及のために必要な専門的知識や技能を習得した専門職員などが子どもたちの質問や相談に気軽に対応するといった学習支援機能を持つことも重要であり、そうした取り組みも進めていきたいと考えております。

 次に、京都文化博物館についてでございます。

 京都文化博物館は、京都の歴史と文化をわかりやすく紹介する総合的な文化拠点として昭和63年に開館し、平成23年には固定的であった展示内容を季節ごとに変えられるように総合展示室の改修等を行ったところです。また、子どもたちに博物館に親しんでもらえるよう、例えば「宇宙兄弟展」や「西尾維新展」といった小説や漫画、アニメを題材とした展覧会の開催や、楽しみながら学ぶ「ぶんぱく子ども教室」を開催し反響を得たところです。今後とも、こうした取り組みの充実を図るとともに、先般開催いたしました「百花繚乱 ニッポン×ビジュツ展」でのVR技術を活用したシミュレーション体験のような参加型の展示を行うなどの展示方法の工夫や、ミュージアム・エデュケーション研修の受講による職員の資質の向上にも努め、一般の方々や子どもたちにとって楽しめる博物館となるよう努めてまいりたいと考えております。  また、このような取り組みをミュージアムフォーラム等を通して府内の他の博物館にも普及し、府内の各博物館が広く一般の方々や子どもたちにとって親しみやすく、楽しく利用できる施設となるよう取り組んでまいります。

 次に、植物園の施設整備及び運営体制についてでございます。

 植物園の施設整備につきましては、この間、北山エリア全体の回遊性、連続性を確保するための入退園門の増設、憩いと安らぎの場創出のための森のカフェ、北山カフェの整備など、来園者の満足度を高めるための整備を進めてきたところです。

 一方、北大路通りからの入り口であります正門については、植物園の顔として並木道を通って来園する方々に期待感を持ってもらえるよう、これまで十分ではなかったワンストップサービスやインフォメーション機能を備えるとともに、カフェ、レストランなど、くつろぎのスペースを備えた施設とする必要があると考えております。

 また、植物園は、貴重な植物標本や書籍など豊富な資料を所蔵しながら十分に府民の皆様に活用していただいていない面もあることから、植物に関する研究機能とともに、これらを生かして子どもから高齢者の方々に楽しんで学んでいただけるような展示・学習機能の整備も検討してまいりたいと考えております。さらに、観覧温室につきましては、築後30年近くなり老朽化も進んでおりますが、世界の植物園の潮流も踏まえながら今後の整備手法の検討を進めてまいりたいと考えております。

 植物園は北山エリアの総面積の約3分の2を占め、文化と環境に包まれ、憩いと安らぎを提供する施設であり、今後エリア全体の整備の方向性と調和を図りながら、ハード・ソフト両面で周辺施設と効果的な連携ができるよう施設整備を目指してまいりたいと考えております。

 次に、運営体制につきましては、現在、京都府が直営で運営しており、職員が長年培ってきた高度な栽培・展示の技術やノウハウを次代に引き継いでいくことが重要な課題となっております。このため、専門的な技術を有する限られた人材は、植物園の核となる栽培・展示や教育・学習・研究に特化した業務に携わっていただくなど、適材適所で人員配置を行うとともに、施設の維持管理や来園者サービスの向上、にぎわい創出などの取り組みは民間事業者のアイデアやノウハウを活用するなどの手法も必要ではないかと考えているところです。

 また、議員御指摘のとおり、子どもたちに私たちの生活と植物とのかかわりに興味を持ってもらったり、生命の大切さなどを伝えるため、より幅広い分野に精通した職員の確保・養成などの体制整備にも取り組んでいきたいと考えております。今後、植物園のポテンシャルを最大限発揮するための最適な運営体制につきましては、北山エリア全体の施設整備と歩調を合わせながら検討を進めてまいりたいと考えております。  次に、府立大学の施設整備についてでございます。

 府立大学は、既存学舎の多くが昭和30年代後半から40年代に建設されたものであり、老朽化が進んでいることから、3大学教養教育共同化施設を初め、京都学・歴彩館内の附属図書館、文学部学舎など段階的に整備をしてまいりましたが、老朽化の状況を踏まえれば、さらに整備を行っていくことが必要であると認識しております。

 今日、Society5.0と呼ばれる超スマート社会の到来やグローバル化の進展など、社会経済情勢が大きく変化しており、地域経済の活性化や新産業の創出などの地域・産業界と連携した地方創生の取り組みを行う人材を育成する必要があることから、文理融合や学部・学科間の共同研究を行う学際連携による教育・研究体制の再構築を検討する時期にあると考えております。

 府立大学の施設整備に当たりましては、こうした教育・研究体制の再構築とあわせて実施する必要があることから、それらを踏まえた整備構想を策定の上、耐震化が急務な体育館から優先的に取り組むなど、計画的に実施することにより、安心で快適な教育・研究環境の整備に努めてまいりたいと考えております。