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2019年12月 9日|令和元年12月定例会 一般質問 梶原英樹

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1 子どもたちの教育の機会均等について
2 イクメンが多い京都を目指す取組について
3 広域観光の推進について
4 その他

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議長(田中英夫君)
 次に、梶原英樹君に発言を許します。梶原英樹君。

〔梶原英樹君登壇〕(拍手)

梶原英樹君
 府民クラブ京都府議会議員団の梶原英樹です。

 質問に先立ち、議長のお許しをいただき一言申し上げます。

 春の統一地方選挙におきまして、多くの皆様から御支持、御支援を賜り、京都府議会へ送り出していただきました。私はこれまで会社員として子育てをしながら働き、いろんな方に支えていただきました。府議会議員としての職責を全うするためにも、子育て世代と働く者の立場に立ち、ふるさと京都の発展のために全力を尽くすことをお誓い申し上げるとともに、西脇知事初め理事者の皆様、議員の皆様の御指導を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 それでは、通告に従いまして質問に入ります。

 初めに、子どもたちの教育の機会均等についてであります。

 今、親の収入によって子どもの未来が決まる、そんな時代になってきているのではないかと感じます。東京大学が発表したデータによると、年収400万円以下の世帯で育ったお子さんの大学進学率は31.4%、年収1,000万円以上の世帯で育ったお子さんの大学進学率は62.4%と、倍ほど違い、親の年収が高ければ高いほど進学率が高いということがわかります。私は、全ての子どもたちが大学に行くべきだとは思っておりませんし、競争がだめだとも思っておりませんが、教育を受けられる機会は均等であるべきだと思います。塾に入りたくても塾に入れない。大学に入りたくても入学金や授業料が高い。多額の奨学金を返す自信がなく大学進学を諦める。一人親になっても頑張っている親の姿を見て、「大学に入らせてほしい」、そういったことを言えない子どもたちの声を聞いております。さらには、相次ぐ児童虐待により、児童相談所も小さい子どものほうに注力し、どちらかというと高校生は一人で生活はできるということで、後回しになりがちです。以前は、高校も地域の中学校から進学していましたが、受験制度が変わり、行きたい学校を選べるようになり、広範囲からも通学ができるようになった一方で、中学校・高校の連携に、時間や距離などの課題があるのではないでしょうか。

 保護者についても、子育てより自分の時間を優先したり、生活のために仕事を優先せざるを得ない母子・父子家庭も多く、家事に熱心ではない家庭もあります。小中高、いわゆる縦の連携と地域の連携が重要だと思います。

 先日、文化・教育常任委員会の管外視察に伺った大阪府立西成高校では、NPOなどのスタッフや地域のボランティアと高校生が雑談をしながら悩み相談ができる、ゆっくりくつろげる「居場所カフェ」というスペースを設け、高校生の不登校や中退を防止する取り組みをされています。

 全国で初めて「居場所カフェ」をつくられた一般社団法人officeドーナツの田中俊英代表からお話を伺ったところ、「朝7時から始まるカフェのモーニングで一人ぽつんとしていた学生に声をかけたところ、『きのうから何も食べていない。母親は恋人のところに行き、兄弟には自分のパンを食べさせた』、カフェはそういう話が聞けて個別支援のきっかけになる。そして、そのカフェの有効性は、3年前のデータですが、中退率が減少し、全校の中退率とカフェ利用者の中退率を比べたとき、カフェ利用者中退率が10分の1の割合程度で劇的に効果があった」というお話を聞かせていただきました。

 また、そのカフェ内では、一切生徒指導はせずに、学校でもない、家でもない、いわば第三の場所づくりをされておられ、私もそのカフェに入り高校生たちに接しましたが、その場所が安全であることを感じてからか、安心してボランティアの方と雑談をして放課後を過ごしておられる様子が印象的でした。

 地域にかかわらず、進学校でも自分の居場所が家庭や学校になくて困っている高校生はいます。例えば、本府においては、主に小中学生を中心に、経済状況や家庭事情等により孤立しがちな子どもたちに対して、食事の提供や学習支援の場として、NPO法人など地域団体と連携する中で、子ども食堂や子どもの居場所の提供を初めとする「きょうとこどもの城づくり事業」に取り組んでおり、効果を上げているものとお聞きしております。

 そこでお尋ねいたしますが、本府の教育の機会均等に対する考え方と、高校生の不登校や中退者を減少させる取り組みの状況及び今後の方向性について、教育長の御所見をお聞かせください。

 次に、男性の育児参画について質問いたします。

 私も子どもが2人おりまして、まさに子育て真っ最中であり、性別を問わず同世代である子育て世代の声を聞いてまいりました。先日、地元の多くのママが集まる懇親会に出席させていただいたときの話の中で、「何で女性が時短を取るのが前提であったり、残業もできないのか。この時期になると、夫は忘年会続きで、ママ友や職場の人と忘年会に行きたいのに、なぜ夫の都合を優先しなければならないのか」「なぜ女性が育児主体であることが当たり前なのか」。さらに私の妻からも、「あんたは家事を1割でも手伝ってブログに上げたら、梶原さん育児に参画して偉いわねと評価されるけれど、私は全部やって当然と社会から思われる。それはどうなのか」と、妻を含め、子育て世代の方々から多くの声をいただいております。

 子育てを終えた方からは、「我々もやってきたんだから、今の若者は我慢が足らん」など、思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、核家族化や地域のつながりが薄れてきており、子どもを見てくれる人もおらず、子育ての現場は疲弊しております。また、子どもを産むまで赤ちゃんを抱っこしたことがない方が7割を占めるなど、子育ての仕方がわからないという悩みを抱えている方も多くいらっしゃると思います。

 このような現状を考えると、子どもを産む前から赤ちゃんに接する機会を設けるといったような幅広い子育て支援が必要だと思いますし、何より夫婦が協力して子育てできる環境づくりが欠かせないと考えます。  しかし、先般、報道でもありましたように、平成30年度雇用均等基本調査では、育児休業取得者の割合は、女性が82.2%に対して男性は6.16%でございました。その背景には、企業内で育児休業が取得しにくい風潮があるように思います。耳にした話ですが、配偶者と一緒に子育てをして幸せな家庭をつくりたいという思いから、育児休業申請書を提出した際に、上司がその申請書を破り捨てるということもあったそうでございます。

 また、仕事が忙しくて休暇を取れない、仕事を代わってもらえる人がいない、育児休業を取得すると無給になり、育児休業給付金等では育休取得前の所得の7割程度になってしまうなどの理由により、育児休業を取得したくても取得しづらい現状があります。

 そのような状況を打開するためには、男性自身の意識改革・企業の風土改革を進めるとともに、子育て世代を含め誰もが働きやすい環境の整備が重要であると考えます。

 そこでお尋ねいたします。

 男性も女性も、子育て世代もそうでない人も、誰もが働きやすく、子育てされている方を後押しするような職場の風土づくりや、多様な働き方を実現できる環境の整備を進めるために、本府ではどのような取り組みを行っておられますでしょうか。企業の実践事例なども、あわせて御紹介ください。

 また、男性の家事・育児参画に対する理解を深め、いわゆるイクメンが多い京都を目指すために、本府ではどのような意識改革の取り組みを行っているか、お聞かせください。育児休業が取得しやすい、男性が育児をする社会の風潮にするために、今後どのような取り組みをしていくのかお教えください。

 まずはここまでよろしくお願いいたします。

議長(田中英夫君)
 西脇知事。

〔知事西脇隆俊君登壇〕

知事(西脇隆俊君)
 梶原議員の御質問にお答えいたします。

 子育てされている方を後押しするような多様な働き方を実現できる環境の整備についてでございます。今日、共働き世帯が雇用者の世帯全体の7割近くとなっている現状において、男性が育児参画するためには、議員御指摘のとおり、職場の風土づくりや環境整備が必要でありますが、平成30年度の全国の男性育児休業取得率は6.2%にとどまっているのは、先ほど御指摘のとおりでございます。

 京都府といたしましては、子育て企業サポートチームによる企業訪問を行い、時間単位の有給休暇制度の導入など、目標や行動計画等を盛り込んだ「職場づくり行動宣言」への働きかけを実施しておりまして、行動宣言を行った企業は、この11月末時点で264社に上っております。この宣言を行った企業の中には、経営者が男性社員に直接、育児休業に伴う給付や社会保険料免除制度などを説明し、育児休業の取得を奨励するなどの事例も出てきております。さらに、経済団体等にも参加いただき、「きょうと子育て環境日本一サミット(仮称)」を開催し、職場の風土づくりや多様な働き方のできる環境整備を府内全域に広げてまいりたいと考えております。

 次に、男性の家事・育児参画への意識改革についてでございます。

 京都府におきましては、これまでから、「京都モデル」ワーク・ライフ・バランス推進企業認証によりまして、企業の環境づくりを支援してまいりましたが、平成30年度からは、認証の基準に「男性の育児休業取得」の項目を加えたことによりまして、男性が育児休業を取得する認証企業も出てまいりました。

 さらに、男性による育児を進めるには、制度面での環境整備に加えまして、経営者・社員ともに意識を変え、誰もが働きやすい職場の風土づくりを進めることが重要なことから、男性育休取得の意義について、ともに学び合い、社内で実践するための「ワークチェンジ塾」などを実施いたしまして、先進事例をつくることにより、男性が積極的に育児ができる社会の風潮を醸成してまいりたいと考えております。

議長(田中英夫君)
 橋本教育長。

〔教育長橋本幸三君登壇〕

教育長(橋本幸三君)
 梶原議員の御質問にお答えいたします。

 子どもの教育の機会均等についてでございますが、生まれ育った環境に左右されることなく、全ての子どもたちが健やかに育成される環境を整備することが、極めて重要であると考えております。

 府教育委員会といたしましては、これまでから児童生徒の状況に応じて、家庭や地域と連携を図りながら、一人一人を大切にした教育を推進してきたところであります。特に、経済的理由により高校への進学を断念することのないよう、修学支援制度の充実を図ってきており、高校生等修学資金貸与や奨学のための給付金制度、あるいは公立高等学校生徒通学費補助制度なども整備してまいりました。

 大学進学については、来年度から、高等教育の修学支援新制度による授業料等減免と給付型奨学金が始まることもあり、各種制度の周知をより一層丁寧に行うよう努めてまいりたいと考えております。

 一方、高校生の不登校や中退についてでありますが、平成30年度の児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果によりますと、京都府内の国公私立高校における1,000人当たりの不登校生徒数は12.9人であり、中退率は1.4%となっております。これまでから、高等学校の不登校や中退を防ぐ取り組みとして、中高連携による一貫した指導や、学習面・生活面で課題のある生徒への個別指導や補充講座の充実、また個別面談、家庭訪問などのきめ細やかな指導の充実に努めるとともに、教育相談会議等で教職員間の共通理解を図り、個に応じた丁寧な指導を進めているところです。また、スクールカウンセラーを府立高校全校に配置するとともに、まなび・生活アドバイザーを5校の拠点校に配置し、専門的な立場からの支援も行っております。

 一方で、議員御指摘のとおり、生徒が抱えている悩みを自由に話せ、自分の存在を自然に受け入れてもらえるような居場所があることは、生徒の健全な育成にとって欠かせないものであると考えております。そのためにも、まずは学校が生徒にとっての大切な居場所となることが重要であり、これまでの取り組みを一層充実させるとともに、教員のカウンセリングマインドやカウンセリングスキルの向上にも努めてまいります。

 また、不登校や中退者を防ぐための取り組みにおいて、地域社会との連携という面では、十分ではないところもありますので、他府県の事例なども参考にしながら、どのような取り組みが有効か研究していきたいと考えています。

 府教育委員会といたしましては、引き続き、府立高校に入学した全ての生徒が、自身の目標に向かって意欲的に生き生きと学べるとともに、安心して過ごせる学校づくりを推進してまいります。

議長(田中英夫君)
 梶原英樹君。

〔梶原英樹君登壇〕

梶原英樹君
 御答弁いただきまして、ありがとうございました。

 不登校、中退防止についてですが、縦の連携や教員の洞察力を高めることも大切であると思いますし、府立高校においても、高校生なら誰でも気軽に立ち寄れてゆっくりできる空間・スペースで居場所カフェのような場を設けて、ぽろぽろと高校生からこぼれ落ちる悩みや不安などを聞き、貧困・ネグレクトを初めとする課題を抱える生徒を早期に発見し、学校への定着を図ることにより、不登校や中退者を減少させる取り組みがあってもいいのではないかと考えます。どうかよろしくお願いいたします。

 そして、イクメンが多い京都を目指す上で、先日、我が会派の岡本議員が代表質問でも提案をさせていただきましたけれども、いろんな施設で工夫をして、例えば男性トイレ内でおむつをかえる台のようなものをふやすことができたらとか、男性の意識改革を行い、家事・育児・仕事で頑張るお母さんを笑顔にしていけるよう、どうか今後とも引き続き風土づくりに、よろしくお願いを申し上げます。

 それでは、次に、広域観光の推進について質問いたします。

 私が住んでいる山科区は、清水寺や嵐山のようなメジャーな観光地は少ないかもしれませんが、古くは縄文時代からの遺跡が残り、中世に広大な寺内町を築いた山科本願寺跡、江戸時代の情景を色濃く残す旧東海道など、多くの歴史を持つ地域で、歴史散策をするのにも最適なスポットです。

 中でも有名な毘沙門堂は、霊殿・宸殿内には、多くの天井画やふすま絵があり、狩野益信が描いた「九老之間」のふすま絵は、見る角度によって机の長さや形が変化する手法で描かれておりまして、今で言うトリックアートです。春には見事なしだれ桜、秋の境内はもみじが見事に紅葉し、華麗に彩ります。また、才色兼備で名高い小野小町が住んでいたといわれる随心院では、化粧井戸や文塚などの遺跡も残されて、幾つもの部屋の縁側からは、美しい庭が見られます。書院の襖も保存状態がよく、見応えがあります。また、境内には小野梅園の梅がきれいに咲き誇ることでも有名で、約200本の八重紅梅が植えられています。

 そのほかにも、茶の湯の流行を背景に、江戸時代初期ごろから広がった京都の代表的な伝統工芸の一つである清水焼をつくっている清水焼団地、12月14日に義士祭りが行われますが、大石内蔵助ゆかりのある大石神社があり、内蔵助が討ち入りに使ったという采配や愛刀の備前長船を初め、義士ゆかりの武具・書画などを展示している義士宝物殿があり、境内のしだれ桜は大石桜と呼ばれ、地域や観光の方に親しまれ、満開の時期にはライトアップされ、幻想的な雰囲気に包まれます。

 このように、挙げ出すときりがないほどの魅力がいっぱい詰まった山科です。

 京都市は、今年度より「とっておきの京都」というプロジェクトを始動され、世界的に有名な観光名所はたくさんありますが、山科を初め、まだまだ知られていないスポットがあるということを発信されています。

 ホームページより、あなたの「とっておきの京都」を一般の方に投稿していただくという、ガイドブックには載っていないが地元の方が自慢したい、そんな京都の声が届く、おもしろい企画があったりします。

 本府においても、平成26年から始まった「もうひとつの京都」において、「海の京都」では、北部の地域活性化と観光振興を目指し、さまざまな事業を実施して、多くの観光客を呼び込み、全国有数の競争力ある観光圏を目指し、「森の京都」では、中部地域の豊かな自然と文化に触れ、未来に受け継げるよう林業の活性化や森の文化の発信、「お茶の京都」では、南部地域において、宇治茶をテーマに、お茶生産の美しい景観維持やお茶産業の振興、お茶文化の発信など、3つの京都をPRするために、本上まなみさんを抜擢したプロモーションムービーなど、ホームページ、動画、SNSを活用し、新たな魅力の発信をされてきたと感じています。

 しかし一方で、「もうひとつの京都」と「とっておきの京都」の連携、つまりは本府と京都市の連携がなかなか見えないように感じます。そこでお尋ねいたしますが、本府における現在の取り組みの成果、課題、そして次の一手をお教えください。

 京都市内においては、一部の観光地で、観光人、外国客の恩恵を受ける一方、想定以上の人数が集まることで起きるオーバーツーリズムに悩まされている地域も出始め、せっかく訪れていただいた観光客の満足度を著しく低下させてしまい、我が京都のイメージが悪くなってしまうのは心外であります。

 したがいまして、今、本府の取り組みがとても大切であり、チャンスだと私は思います。「とっておきの京都」と連携し、人の流れをがらっと変える。「海の京都」「森の京都」「お茶の京都」「竹の里・乙訓」をもっと活性化できるのではないでしょうか。

 例えば「とっておきの京都」で紹介をしている山科エリアで山科の魅力を感じていただいた後、地下鉄東西線や京阪バス、京阪電車、JRに乗って、六地蔵駅または二条駅まで行って、奈良線や嵯峨野山陰線に乗り換えて山城、南丹、中丹、丹後へ向かうといった、観光バスではなく、既存の公共交通機関の利点を活用した観光ルートがあります。

 府と市町村の連携だけでなく、鉄道会社、観光業界の方々と連携し、観光地を紹介するだけでなく、観光ルートを提言していくアクションも大事であり、大きなことを申し上げれば、府市協調で関西空港から来る関空特急はるか号を山科駅まで来させる。京阪特急の宇治駅までの乗り入れを要望するなど、多くの手段と可能性があると私は思います。もっともっと多くの方に、まだ見ぬ京都の魅力を知っていただきたい。もっと多くの方に京都に来てほしいんです。

 歴史、自然、文化、産業、伝統工芸、京都の持つ力を広域観光の推進につなげるのは大変重要で、より本府の活性化につながると考えます。今後の府市協調について、広域観光について、どのように展開されるのか、お聞かせください。

 以上で私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

(拍手)

議長(田中英夫君)
 鈴木商工労働観光部長。

〔商工労働観光部長鈴木一弥君登壇〕

商工労働観光部長(鈴木一弥君)
 府市協調による観光の取り組み成果や課題、取り組み方策についてでございます。

 京都市の「とっておきの京都」は、山科地域を初め、市内周辺部の観光資源を生かした観光振興であり、京都府の「もうひとつの京都」と近接していることから、この2つが連携して、その魅力を広く発信していくことが有効と考えております。このため、ことし9月、大阪で開催されましたツーリズムEXPOジャパン2019において、京都市と共同でブースを設け、「もうひとつの京都」と「とっておきの京都」共通のPRツールを初めて制作し、地域の隠れた魅力を発信したところ、昨年度の約1.6倍に当たります167件もの商談につながるなど、旅行会社や一般来場者の方々から、高い関心が寄せられたところでございます。しかしながら、各エリアはすばらしい資源を有しているにもかかわらず、そのエリアをつないで誘客を促す周遊ルートなどの観光商品が少ないことが課題であると考えております。

 このため、観光客にまだ知られていない地域の魅力を実感いただけるよう、さきの9月補正予算でお認めいただきました「もうひとつの京都」「とっておきの京都」周遊事業によりまして、1月にオープンする亀岡の大河ドラマ館や3月に開催する「宇治灯り絵巻」などの「もうひとつの京都」と「とっておきの京都」の観光資源を組み入れ、また交通手段にも配慮いたしました広域周遊ルートの商品化を進めているところであります。

 今後とも、各関係機関とも協力しながら、「もうひとつの京都」と「とっておきの京都」との連携をさらに強化し、その魅力発信に努めたいと考えております。

 次に、府市協調による広域観光の展開についてでございます。

 京都市は世界的な観光地として高い知名度を誇っておりますが、府域にも、市とは異なる魅力を持つエリアが多くございます。こうした魅力を活用した「もうひとつの京都」事業を実施してきたことで、府内の観光入込客数は増加傾向にあるなど、一定の成果が出てきております。

 さらに、京都観光の振興を図るためには、急増するインバウンドを初め、多くの観光客に府域全体の多様な魅力を発信することが必要であるため、オール京都体制で広域観光に取り組むことが重要でございます。

 これまで府市協調で取り組んできました「東山花灯路」や「嵐山花灯路」「京の七夕」は、閑散期対策としての成果も出てきております。これらは知名度も高くなってきたことから、こうした成果をさらに府域に拡大するため、今年度は宮津市エリアを「京の七夕」に位置づけたほか、来年3月には、宇治市において「京都花灯路」事業と連携したイベントを展開する予定であります。

 また、昨年度と今年度の知事と京都市長によります府市懇談会におきましても、府市がこれまで以上に協力して、府域全域の観光振興に取り組むことが確認されました。府市協調による広域観光をさらに推進するためには、府域全体に共通の観光資源を活用した取り組みが必要であり、まずは食をターゲットにすることとし、既に府市で調整を始めております。周遊しやすい交通環境の整備に努め、まずは食を活用した観光に全力を挙げて取り組んでまいります。