議会ニュース

2019年12月 6日|令和元年12月定例会 代表質問 岡本和德

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1 令和2年度当初予算編成に向けた知事の考えについて
2 子育て環境日本一に向けた社会機運の醸成について
3 SBIR制度を参考にした中小企業、ベンチャー企業
  支援強化について
4 新農林水産ビジョンについて
5 新教育振興プランについて
6 外国人観光客を相手にした「白タク」行為について
7 その他

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議長(田中英夫君)
 次に、岡本和徳君に発言を許します。岡本和徳君。

〔岡本和徳君登壇〕(拍手)

岡本和徳君
 府民クラブ京都府議会議員団の岡本和徳でございます。私は会派を代表いたしまして、さきに通告しております数点について質問させていただきますので、御答弁のほどよろしくお願いいたします。

 まず、12月補正予算案について申し上げます。

 今回の補正予算案は、痛ましい事案が後を絶たない児童虐待にかかわる対応強化策や、東日本で猛威を振るった台風等災害からの教訓への対応、そして首里城の焼損を踏まえた文化財の防災対策など府民の命と貴重な財産をしっかりと守るための緊急対策に加え、東京オリンピック聖火リレーの準備など前向きに明るい話題にも目を向け、バランスのとれたものであり高く評価いたします。また、特に課題に対する緊急対策に関しては、迅速な対応をお願いいたします。

 では、質問に入ります。

 まずは、来年度で就任3年目を迎えられる知事の予算編成への思いについて、お伺いいたします。

 西脇知事は知事に就任されてからこれまでの間、現地現場主義を徹底し、地域に足を運んで府民の悩みや困難に直接耳を傾けてこられたとお伺いしております。ですから、人口減少、少子高齢化にまつわる課題や大きな災害による府民の安心・安全の確保など、京都府の課題もますます具体的に見え、未来の京都、将来世代に対してさらに強い責任感と志を抱かれたのではないかとお察しするところでございますし、来年度は、これまでの経験と思いを生かし、さらに強く積極的に府政に邁進していかれることと御期待申し上げているところでございます。

 京都府では去る10月に、西脇府政のもとで京都府総合計画が策定され、「一人ひとりの夢や希望が全ての地域で実現できる京都府をめざして」を掲げた上で、20年後に実現したい京都府の4つの将来像を提示し、「府民と手を携え総力を結集し、高い理想と夢を掲げた『京都モデル』で日本、世界をリードするとともに、府内全ての地域が活力にあふれ、誇りの持てる新しい時代の京都を築き上げていく」と新たな総合計画に記してあります。

 私はこの言葉と計画に大きな期待を寄せ、20年後のため、次の世代のために、西脇知事には今ある課題に全力で取り組んでいただきたいと願っております。

 来年度の予算は、任期4年のうちの3年目、2度目の予算編成となり、私たちの期待と知事の思いの入った予算となることと思っております。来年度の取り組みは、これまでとは一味違った予算をもとにしたものになるのではないかと期待もしているところでございます。

 先日の令和2年度の当初予算編成方針の中では、新総合計画を推進するために、「子育て環境日本一」「府民躍動」「文化創造」「新産業創造・成長」「災害・犯罪等からの安心・安全」などの文言が、重点推進施策として語られました。

 具体的な予算の編成はまだまだこれからですが、これらの言葉は今までにも聞いたことのある言葉でございますので、恐らくその手法が変わっていくものなのかと思いますし、先ほども述べましたが、来年度の予算は、知事の思いが詰まった予算となってくるのではないかと思っております。

 そこでお伺いいたします。

 西脇知事は、知事に就任されてこれまでの間、実際に多くの府民の声を聞き、多くを経験されてこられました。来年度の予算編成はこれからですが、経験と多くの府民の声を聞いてこられた任期3年目の予算編成に当たっては、今年度や昨年度とはさまざまな点で異なるのではないかと思います。

 そこで、子育て環境日本一などの言葉も3年目となる中、西脇知事はこれまで聞かれた府民の声をどのように感じられ、そしてその声を来年度予算にどのように反映されるのか、またこれまでと何が変わるのでしょうか。さらには、3年目に向けた知事の思いもお聞かせください。

 次に、子育て環境日本一を実感できる社会機運の醸成についてお伺いいたします。

 これまでの子育て環境日本一の取り組みを見てまいりますと、出会い・結婚、出産、子育てを通して、一貫した切れ目のない支援を推進され、子育て支援医療費の助成、第3子以降の保育料無償化、子ども3人以上の多子世帯を対象にした不動産取得税の軽減、子育てと介護を同時に行う方の支援、保育人材の確保・定着、公立高校修学支援金による授業料の実質無償化や私立高校の授業料などの負担を軽減するなどの教育環境の整備、子育てしながら働きたい女性の支援などのほか、少子化対策府民会議、仕事と育児の両立シンポジウムを開催するなど、多くの施策、取り組みを推進してこられました。これらの取り組みは、私たち府民の子育て環境をさらによくするための取り組みを着実に進めていただいていると感じており、高く評価させていただくところであります。とはいえ、日本一の子育て環境が京都に整ったと言うにはまだまだ早く、時間も予算もかかるものだと思っております。

 本府では、本年9月に「子育て環境日本一推進戦略」が策定され、今後、子育て環境日本一に向けた取り組みがますます加速されると期待するところでございます。そして、その社会の実現に向けて4つの重点戦略が設けられております。御紹介いたしますと、1つに、子育てに優しい風土に包まれた京都府社会の実現。2つに、子育てしやすい安心・安全なまちづくりの実現。3つに、若者が安心して結婚・妊娠・出産・子育てできる雇用環境の創出。そして、最後の4つ目に、地域のきずな、地域の子育て力の再構築が掲げられております。

 具体的な取り組みを見ますと、子育てに優しい職場づくり、住宅づくり、公園や広場の確保、医療体制の整備、働く場の創出、医療的ケア児などへの支援の充実など、多岐にわたる施策展開が予定されています。

 私はそれぞれの戦略、施策がどれも重要で、今後、施策が進み、私たちが求める子育て環境が日本一となった京都の社会が実現されることを楽しみにしております。しかし、これらの取り組みは、しっかりと予算を組んで重点的に取り組んだとしても、予算に限りがある以上、できることは限られてきます。

 そこで、私が今、最も重視するべきだと感じ、実行すべきだと感じているのは、予算の重点配分のほか、府民の皆さんがふだんの実生活の中で実際に子育てがしやすくなった、京都府は子育てに力点を置いているなと感じることができるまちづくり、行政の創意工夫による環境づくり、風土の醸成ではないかと感じております。

 例えば、私たちが子どもを連れてふだん行政の窓口に行ったり、病院へ行ったりすると、その窓口や会計で物すごく待たされることがあります。病院では、妊娠された女性が小さな子どもさんを連れて長時間会計の窓口に並んでいる光景もよく見かけますし、障害や医療的ケアが必要な子どもさんを連れておられることもあります。そもそも、子どもは長時間とどまって待っているということが難しいものです。

 そこで、パスポートの申請、自動車免許の更新などで行政の窓口や病院に子どもと一緒に来られた方には、子連れの受付ラインをつくるなどして、受付や会計処理を迅速に済ませてあげる工夫をすることや、障害者だけではなく、小児科に入院をされる方には駐車場を確保することのほか、市町村とも連携し、保育園・幼稚園に伴う書類申請や手当の受給にかかわる行政窓口での手続の簡素化といった、少しの工夫ですぐにでも子育て環境が改善される取り組みの推進が必要ではないかと感じております。

 このように取り組むことで、府民が実生活の中で子育て環境が変わったと感じ、子育て環境に優しい京都社会を実感できるようになってくるのではないでしょうか。そして、その結果、京都府は子育てに優しいな、頑張っているな、日本一を目指しているなという感覚が湧いてくるのではないかと考えます。

 そこでお伺いします。

 先ほど申し上げましたとおり、府民の方に子育て環境が変わったと感じていただくためには、環境づくりや風土の醸成が重要と考えます。今年度、子育て世代が多くの時間を過ごす企業や職場において、子育て企業サポートチームが企業を訪問し、子育てに優しい職場づくりを進める企業をふやす事業に取り組まれておられますが、この事業の成果はどのようになっているでしょうか、お答えください。

 また、これから予算編成を本格化されますが、西脇知事には2度目となる当初予算編成に当たって、これまで以上に思い切った、知事がどうしてもやらなければならないと感じている子育て環境日本一の実現に向けて、より積極的な展開を期待するところでございます。

 そのためには、子育て環境日本一の実現に向けて、子育てに重点を置いた予算配分とし、集中的に子育て環境の整備を進めるべきだと考えます。さらに、ここまで述べましたような予算を伴うような施策の展開のほかに、創意工夫による取り組みの推進で府民の皆さんが実生活の中で子育て環境の改善を感じることができるような取り組みを強く加速させ、子育て環境日本一に向けた動きを強化させるべきだと考えますが、知事はどのようにお考えでしょうか。ここまでお聞かせください。

議長(田中英夫君)
 西脇知事。

〔知事西脇隆俊君登壇〕

知事(西脇隆俊君)
 岡本議員の御質問にお答えいたします。

 岡本議員におかれましては、ただいまは会派を代表されまして今回の補正予算案に対しまして高い評価をいただき、厚く御礼を申し上げます。

 来年度の予算編成についてでございます。

 昨年4月の知事就任以来、特に京都府総合計画の策定の機会も含め、さまざまなお声を伺ってまいりました。例えば子育て環境日本一に関しましては、子どもを生み育てる前提となる生活の安定・安心のため、産業の育成や良質な雇用の確保、地域のつながりの強化、さらには地域、企業、府民の意識変革から子育てを温かく支える風土づくりが不可欠との意見がありました。また、児童虐待を絶対に許さない体制づくりや、配慮を要する子どもへの支援を求める御意見もございました。

 観光・地域活性化に関しましては、食や伝統産業、地域文化など地域のポテンシャルを生かすためには、交通等基盤整備や魅力的なコンテンツづくり、人材育成も含めた総合対策でなければならないとの御意見がございました。

 人生100年時代に関しましては、医師確保を初め、どこでも安心して医療・介護サービスを受けられる体制の維持・確保を求める声や、健康づくりを通じた健康寿命の延伸が重要であるとの意見がありました。

 近年多発しております自然災害に関しましては、河川改修などのハード整備、森林保全や倒木対策、避難行動につながる効果的な情報伝達、高齢者等の避難支援など、京都府だけでなく全国で発生する災害の教訓を踏まえた先進的な体制づくりが急務との御意見がありました。

 いずれも、現場での活動や日常生活に根差した悩みや危機感、あるいは未来への希望といったさまざまな思いの詰まった声でございました。これらの声に真正面からお応えするためにも、今後の府政の羅針盤として、20年先を見据えつつ今後4年間の方策を盛り込んだ総合計画を策定いたしました。

 私にとりまして3年目となる予算は、この総合計画の実現に向けた発射台となる重要な予算であるという点が、これまでと大きく異なるものでございます。予算編成に当たりましては、前例にとらわれることなく、現地現場において、さきに述べたようにニーズを丁寧に酌み取り、さまざまな主体と連携することにより、4年間の全体像を見据えながら来年度実施すべき施策を事業化してまいります。そして、このように各分野の事業を企画・立案することで、従前よりも施策のウイングを広げるとともに、社会を動かすことのできる厚みのある事業展開につなげていく予算にしたいと考えております。

 次に、子育て環境日本一への取り組みについてでございます。

 子育て環境日本一の実現に向け、子育て家庭が社会全体から見守られ、支えられていると感じられるよう、地域や企業、府民一人一人の意識や行動を変えていくことが最重要課題と考えております。

 共働き世帯がふえる中、まずはこの4月から子育て世代の方が多くの時間を過ごす企業や職場を、子育てを応援し、育児と仕事の両立が可能な環境に変えていく、子育てに優しい職場づくり事業を進めてまいりました。関係部局で子育て企業サポートチームを編成し、企業訪問を行い、取り組みを働きかけてきたところ、11月末現在でございますが、職場環境の改善に向け、男性社員の育児休業取得率の向上や企業内託児所の整備など、具体的な目標や計画を定めた行動宣言を行った企業は264社、京都府の補助制度を活用し、時間単位の年休制度やテレワークの導入による柔軟な働き方など、子育てに優しい職場づくりに取り組む企業は45社となっております。

 私もこれらの宣言企業を訪問して、個々の職場状況を踏まえた工夫を凝らされた取り組みを拝見し、社長さんからは「社員の生活と家庭が第一」や「育児制度を気兼ねなく利用できる風土づくりが重要」といった声を、また従業員の方からは「時短勤務制度があるので、子どもの帰宅を迎えられ安心である」「子どもが生まれたら積極的に育児にかかわりたい」などの声をお聞きしたところでございます。

 また、宣言企業で伺った声を生かして、子連れ出勤やコワーキングなど、子どもとのかかわりを持ちながら働く新たなスタイルの提案事業を来年1月からスタートするとともに、府内の工業団地におきまして、複数企業の共同による保育施設の設置に向けた勉強会が始まるなど、子育てしながら安心して働き続けられる環境の整備が進んでおります。少しずつではありますが、企業の子育て環境の変化を感じてきており、この動きを府内全域に広めてまいりたいと考えております。

 次に、子育て環境日本一に向けた動きの強化についてでございます。

 府民の方々が子育てをしやすくなったと実感できるよう、従来の発想にとらわれることなく、スピード感を持って展開していく必要があると強く感じております。このため、行政、経済団体、保育・教育団体等の構成団体トップによります「きょうと子育て環境日本一サミット」を開催し、共同声明を発信するとともに、それぞれの団体が具体的に何を取り組むかを表明することとしております。

 こうした動きを府内全体に広めていくため、広域振興局を核として、地域の方々が意見を交わす地域サミットを開催し、例えば町の工場による「子育てに優しい職場づくり行動宣言」や、自治会単位での「子育てに優しい地域宣言」など、地域の特性に応じた取り組みを加速させていきたいと考えております。

 さらに、現在検討を進めている、地域における雇用の場の状況や、住民の方々による子育て支援の充実度を初め、住環境など各地域の子育て環境の強みや充実度の見える化ツールを活用して、子育て環境日本一を目指す行動を各地から起こし、府内全域に波及させていくとともに、社会全体で子育て家庭を温かく見守り支える取り組みを強化してまいります。

 加えまして、若者が安心して結婚、子育てできるよう、また若者の京都企業への就職・定着支援を図ることができるよう、大学低年次からアプローチする「京都就職プログラム(仮称)」や「3年の壁・再チャレンジプロジェクト」、SNS等を活用した「ライフデザインカレッジ」などに取り組むとともに、安心して妊娠・出産できるよう、周産期医療体制の強化、不妊治療支援の充実などに今後、取り組んでまいりたいと考えております。

 議員御紹介の子育て世帯の外出・移動を支援する子連れ優先レーンの設置や駐車スペースの拡充など、行政、企業、地域、関係団体等が連携し、スピード感を持って実行に移していくことにより、子どもを社会の宝として大切にする機運の醸成を図ってまいります。

 今後、創意工夫を凝らした取り組みを企業、地域など関係者と連携し、さらに展開していくことによりまして、子育て中の方にも、子育てを見守り支える府民の皆様にも、子育てに優しい社会づくりが一歩一歩進んでいることを実感していただけるよう、子育て環境日本一に向けオール京都の体制で取り組んでまいりたいと考えております。


議長(田中英夫君)
 岡本和徳君。

〔岡本和徳君登壇〕

岡本和徳君
 御答弁どうもありがとうございました。

 まず、府民の皆様からたくさんのお声を聞いてこられたということでお話をお伺いしました。生活に関連する部分、観光、さらには人生100年時代、また災害に対して、さまざまな声を御就任されてからお伺いされてきたというふうにお話がございました。そして、その声を真正面から受けとめて新総合計画に盛り込んでいただいて、その上で総合計画の発射台となるような予算にしていきたいというお話がありましたので、知事のお言葉にもありましたように、前例にとらわれずに、やっぱり任期4年のうちの3年目ですから一番力を出していただけるときではないかというふうに思っております。最も知事がやりたいと思っておられる子育て環境日本一ですから、やり過ぎではないかと思われるぐらいに頑張っていただきたいというふうに思っております。

 そして、社会機運の醸成ですけれども、社会機運の醸成というのは、当初この言葉を私が聞きましたときも、非常に難しい言葉だなというふうに捉えました。風土の醸成ですから、お金をかけてできるものというものもあれば、そうでなくて雰囲気をつくっていくということですから、言い方を変えれば、周りの子育ての感覚を変えていくというような作業が必要になってくるかと思います。

 そういう中で、264社の企業から子育て宣言といったものをしていただいたり、45社からは柔軟な子育てへの対応をしていただくというような企業もふえてきたということですし、さらには1月から、子連れ出勤なども進めていく取り組みも始まるということですので、こういった社会機運を醸成していただくことが、まず私たちの生活の中で子育て環境が整ってきたなと思える第一歩だというふうに思います。

 初めに申しましたけれども、社会機運の醸成というのはなかなか難しいものだと思いますけれども、まずは、この社会機運の醸成にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。

 そして、そのための具体的な方策として、行政の窓口とか病院での窓口のお話をさせていただきましたが、知事からは、子連れ優先のこういったラインをスピード感を持って企業とか地域と連携をして実行していくという御答弁をいただきました。

 ここは予算が余りかからない、どちらかというと予算がかからないところだというふうに思います。工夫で何とかなるというようなところだと思いますが、これもお金がかからないからといって簡単だということではありませんし、逆にそのほうが難しいのかもしれません。しっかりと地域や企業との連携を進めていただいて、私たちの生活の中で子育て環境が整ってきたという実感を持てる取り組みの強化をしていただきますようにお願いいたします。

 では、次の質問に移らせていただきます。

 次に、中小企業、ベンチャー企業支援についてお伺いいたします。

 我が国では、中小企業、ベンチャー企業によるイノベーションの可能性を広げるため、1999年に日本版SBIR制度とも言われる、中小企業技術革新制度が開始されました。この制度は、日本の経済成長著しかった1980年代にアメリカで始まり、当時衰退していた米国経済の改善を目的として、中小企業の育成を目指したものでした。そして、我が国がバブル崩壊で不況に苦しんでいる90年代に、米国の中小企業はこのSBIR制度を活用して成長し、アメリカの高い経済成長率と雇用の伸びを実現したことをもとにして、日本においても導入されたものでございます。

 この制度が導入されて20年ほどたつわけですが、国のこうした施策を通じても、必ずしも機能しているとは言えない状況で、第4次産業革命が進むなど技術はより高まり、ニーズは多様化・複雑化し、世界的な競争が激化する中で、今後さらなる中小企業、ベンチャー企業によるイノベーションが必要とされています。  このような観点から、本年6月には成長戦略フォローアップと統合イノベーション戦略2019が閣議決定され、日本版SBIR制度の見直しに向けた検討を行い、年内に結論を得ることが決まりました。これにより、本年7月から11月までの間に5回の検討会を実施し、諸外国の制度なども参考にして、この日本版SBIR制度に求められる機能を再調整し、新たな制度として日本版SBIR制度の見直しに向けたアクションプランをまとめることになっており、去る11月7日に日本版SBIR制度の見直しの中間案が取りまとめられたところでございます。

 「日本版SBIR制度の見直しの方向性中間取りまとめ」によりますと、これまでの制度は補助金の支出機会の増大、量的な拡大を志向することで、中小企業等の経営強化を目的としており、これまでに9万4,000社に対して1兆4,000億円の支出になっているものの、実態として、中小企業の採択が少なくなっていたり、設備投資のみに限って支援するものもあり、補助金の種類や支援内容がさまざまで、中小企業にとってわかりにくくなっていると指摘されています。

 その上で、技術力があり可能性を有する中小企業やベンチャー企業を広く対象とし、初期段階から支援を行い、支援先を絞りながら段階的に事業化まで一貫して支援していくことが必要とされ、外部の目ききとなる人材による評価の活用、概算前払いの実施の重要性が、中間取りまとめに記されています。

 現行の補助金などは、中小企業などに適した具体的な開発内容や解決すべき課題を提示することは少ないため、今後は、政策課題や調達ニーズなどを明確にした課題を企業に提示し、広く公募することで、スタートアップ企業などにチャレンジを促すとともに、ハイリスク・ハイリターンの挑戦的なプロジェクトが採択できるように審査基準及び審査プロセスを設計し、事業化の局面ごとの多段階の支援で、すぐれたプロジェクトには長期にわたり一定規模の資金を提供し、イノベーションを高めていくことが求められているとのことです。

 私は本年9月の一般質問におきまして、若い人たちが夢を持って活躍できる社会を構築し、世界に進出できる企業や産業を生み出すために、スタートアップ支援を充実させる取り組みが重要だと訴えさせていただきましたところ、知事からは、「京都府でも新しい発想や高度な技術を活用し、地域や世界的な課題を解決するスタートアップ企業を育成することで、京都経済の成長を実現することを目標とする」と御答弁をいただきました。そして、国が検討するスタートアップ・エコシステム拠点都市に関する質問では、「世界から優秀な人材や新しい技術、資金などが集まる仕組みをつくり、オール京都体制で従来にないワンランク上のスタートアップ・エコシステムを構築する」という御答弁もいただきました。

 国ではSBIR制度の見直しが進み、今後新たな制度となり、中小企業、スタートアップベンチャー企業への支援が改善される見込みとなりました。本府でも、これまで私が質問し、御答弁いただいてきましたように、新たなスタートアップ・エコシステムの構築を目指して支援を強化するとのことです。また、先般作成されました新総合計画にも、「起業するなら京都プロジェクト」を創設するともあります。

 そこでお伺いいたします。

 国のSBIR制度の見直しにおいては、資金力は弱いものの技術力があり、可能性を有する中小企業やベンチャー企業を広く対象とし、初期段階から支援を行い、支援先を絞りながら段階的に事業化まで一貫して支援をしていくことや、社会課題を明確なトピックとして提示することで開発、挑戦を促すこと、また専門的知見を有する外部審査チームを編成することで、いわゆる目ききチームを組織し、審査も厳格とした上で先払い、概算支払いで資金を供給する仕組みなどが重要であると述べておりますが、京都府では「ベンチャーの都」の復権、「起業するなら京都」という言葉とともに、夢と希望を実現できる京都を目指すために、どのような施策に取り組もうとされているのか、知事のお考えをお聞かせください。

 次に、京都府の農林水産ビジョンについてお伺いいたします。

 京都の次の20年の未来をつくる基本指針となる新総合計画が策定されたことと、農林水産分野の現行計画である「農林水産京力(きょうりょく)プラン」の計画期間終了を見据え、新しい時代にふさわしい農林水産施策の総合的かつ計画的な推進を図ることを目的とし、新たに京都府農林水産ビジョンが作成されているところでございます。

 本府の農林水産業、農山漁村においても、人口減少、少子高齢化の波が押し寄せ、さまざまな課題を引き起こしています。本府の農業就業人口は、直近10年で4割が減少し、全国と比べても高齢化が進み、また2010年には2万3,049人だった基幹的農業従事者数は、2030年には7,329人となり、20年で約7割もの減少となる推計です。したがって、今後の農業、農村の維持発展に向けて、担い手の育成・確保やICT、AI技術を用いた農業生産性の向上のほか、想像力を生かした、これまでとは異なる発想での対応が急務となっています。

 こうした状況の中、新しい農林水産ビジョンを作成していただいているところですが、その考え方として、まず、京都ならではの多様な特色である農林水産業や農山漁村を次の時代に確実に引き渡すことを使命とする。そして、総合計画において掲げられた、20年後に実現したい将来像である「一人ひとりの夢や希望が全ての地域で実現できる京都府」を実現するために、施策の方向性について体系化、具体化するとあります。そして、実現したい姿として、収益力の向上、府内、首都圏、世界から愛されるブランドの確立や防災・減災対策の充実による災害時の被害の最小化、ICTを活用した鳥獣被害対策の強化のほか、農山漁村と関係する人口の大幅増加や二地域居住なども含めて、副業・兼業など仕事や新しいライフスタイルの場として農山漁村が選択されているとともに、多様な地域ビジネスが各地で展開・持続されていることなどを取り上げられております。

 今回新たに策定される農林水産ビジョンでは、こうした京都の可能性を引き出し、20年後に夢や希望が実現できる京都とするための一つの具体的方策として、移住促進から定住までの総合的支援の強化、持続可能な地域コミュニティの創出、京都の独自性や多様性を生かした地域ビジネスの展開などをその重点戦略に置いておられます。

 IT技術が発達した現代社会においては、必ずしも東京に住んで仕事をする必要もなく、農山漁村に住んでいても、世界最先端の仕事を行うことが可能な時代となっています。ですから、やり方次第では、二地域居住の居住地として京都府の農山漁村を選んでいただき、京都に移住して農業をやりながら、世界最先端の仕事をやっていただくことも可能な時代となっています。

 しかし、本府では移住相談が年々増加する中、「京都府移住の促進のための空き家及び耕作放棄地等活用条例」に基づく空き家の登録数は、空き家数の2割程度にとどまり、移住施策に生かし切れていないことや、賃貸住宅などのニーズは高いことなどを考えると、移住に対するニーズをしっかりと捉えられておらず、移住をしたいと思っている人たちの声に応える取り組みの強化が必要と考えます。

 さらには、京都のブランド力は高くイメージもいいことから、京都で開発拠点をつくってもいいという声や、京都で仕事をしたいという企業や人材も多くいると伺っておりますことから、企業誘致や企業人材の誘致などを積極的に行い、企業の寮を整備すること、企業が仕事のできるスモールオフィスやワーキングスペースなどの環境整備を進める必要が、今後、さらに高まるのではないかと感じております。

 また、移住には仕事と住居の心配はセットでついてくるものですから、それらの情報を一括で提供できる仕組みの強化や、クラウド上で東京を初めとする日本中の仕事をとれるような仕組みを企業との連携で構築することで、移住者に仕事の不安を解消する取り組みの強化も必要かと考えます。ちなみに、この仕組みができれば、農山漁村などだけではなくて、ひきこもりの方への就労支援や働き方改革の強化にもつながることは明らかでございます。

 そしてさらには、今後、全線開通した縦貫自動車道を通ってやってくる観光客の方々に対しては、食を生かした観光戦略のもとで、農業、農山漁村、農家民宿、農家レストランなどの充実も必要ですし、これらのビジネスを展開するにも伴走支援する取り組みも必要です。

 そこでお伺いいたします。

 まず、これまで本府が行ってきた移住から定住までの支援施策における課題をどのように捉えているのか、お聞かせいただき、その課題の改善に向けて、今回新たに策定を予定されている農林水産ビジョンにおける、移住促進から定住までの総合的支援の強化において、どのように進化させるのでしょうか、お聞かせください。

 また、具体的に、住居と仕事の情報を一括で提供できるような仕組みの強化、農山漁村ビジネスの強化、企業などがその地域で仕事ができる環境整備について、どのように進めていくつもりなのか、お聞かせください。

議長(田中英夫君)
 西脇知事。

〔知事西脇隆俊君登壇〕

知事(西脇隆俊君)
 中小企業・ベンチャー企業支援についてでございます。

 京都府におきましては、企業の研究開発段階から試作・製造段階、販売までを一貫して支援するエコノミック・ガーデニング支援強化事業や中小企業応援隊の伴走支援のもと、販路開拓から設備投資まで幅広く活用いただける「中小企業知恵の経営ステップアップ事業」などを展開しており、これまでに延べ約8,300件の支援を行ってまいりました。また、中小企業が開発した新商品、新サービスの販路開拓支援として、京都府が率先して導入するとともに、それらを購入した民間事業者に対して一定の補助を行う「チャレンジ・バイ」にも取り組み、これまでに30社、50商品に対して支援を行っております。京都府では、議員御紹介のアメリカのSBIR制度には及びませんけれども、国内では先駆的な中小企業支援施策を実施してきたと考えております。

 一方、我が国はグローバル化や少子高齢化の進展、AI、IoT等の技術革新により、大きな変革期を迎えております。このような大きな変革に伴う社会課題の解決は、一企業では対応できないことから、オープンイノベーションに取り組める場の創出や新たなアイデアを持ったスタートアップ企業の育成が求められております。

 まず、オープンイノベーションに取り組める場として、昨年度、「京都スマートシティ推進協議会」を設立し、ことし4月には、社会の安心・安全、次世代モビリティの構築、高齢者でも続けられるスマート農業、クオリティー・オブ・ライフ、インバウンド観光などといった課題別の官民交流プラットフォームとなる「京都ビッグデータ活用プラットフォーム」を構築いたしました。現在、大企業、中小企業からスタートアップ企業、自治体など約80団体が参加して、シーズとニーズの洗い出しやマッチングを進めております。

 次に、スタートアップ企業の育成については、京都知恵産業創造の森にオール京都の支援ネットワークを構築するとともに、スタートアップ企業と大企業や投資家をマッチングして、新たなビジネスの創出を目指す「アクセラレーションプログラム」をスタートいたしました。また、この活動を専門的に実施する民間企業の誘致を進めた結果、世界的な企業が京都事務所を開設いたしました。

 今後さらに、世界的なネットワークを有する支援企業や支援機関との連携や集積を進め、スタートアップにとって魅力的な環境の整備を図ってまいりたいと考えております。

 これらに加えまして、世界的なオンリーワン企業を次々と生み出す、「スタートアップの都・京都」を目指すための重要な課題が、起業家精神を持った人材の育成であります。

 我が国では、開業率が欧米とは大きな差があり、起業を目指す人が圧倒的に少ないという現状がございます。先日、小・中学生が起業を考えるイベント「キッズベンチャータウン」が京都大学で開催されましたが、こうした年代からの教育の充実が必要でございます。また、海外のスタートアップ企業も極めて少ないため、外国の起業家が京都で起業するための相談窓口の設置や手続の簡素化、資金支援、法務や財務のサポートなど信用や実績のない外国人起業家を応援する仕組みづくりも必要でございます。

 今後、京都経済センターを核として学研都市を初めとする府内のイノベーション拠点を結ぶエコシステムを構築し、世界中から起業家が集まり、府内どこででもチャレンジができる京都府づくりに全力で取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、農林水産ビジョンにおける、移住・定住支援の強化についてでございます。

 京都府では、過疎高齢化が進む中、地域社会の維持・振興を図るため、「京都府移住の促進のための空家及び耕作放棄地等活用条例」を制定し、旧村単位を基本として移住促進特別区域を定め、空き家改修等の支援を行うとともに、東京や大阪に移住相談窓口を設置して、移住促進を進めてまいりました。これまでに15市町村、89地区を移住促進特別区域に指定し、移住者も平成26年度の108人から、平成30年度には6倍以上の658人と順調に増加してきておりますが、京都府総合計画で掲げた目標を達成する水準には達していないのが実情でございます。

 そこで、より幅広い年齢層やさまざまな職種の移住者をこれまで以上に受け入れる必要があり、そのためには、移住希望者の多様なニーズに応じた支援と移住者の定住に向けたフォローが重要だと考えております。

 新たな農林水産ビジョンでは、移住から定住までの支援に総合的かつきめ細やかに取り組んでいくこととしており、具体的には、1つには、移住相談窓口ではジョブパークや京都産業21との連携により、仕事や起業などに関する総合的な情報をワンストップで提供する体制を強化すること。第2に、移住希望者のニーズに応じて、住まいだけでなくスモールオフィスや起業にも利用できる空き家情報を提供すること。第3に、地域の現状や将来像、求める人物像など、地域がまとめた「地域提案書」を発信することにより、移住希望者と地域とのミスマッチを減らすこと。第4に、移住後は「京の田舎暮らしナビゲーター」による地域での相談支援や移住者同士のネットワークづくりの支援を行うことなど、きめ細かい取り組みを進めてまいります。

 次に、農山漁村地域におけるビジネス強化等についてでございます。

 農業ビジネスの強化を図るためには、集落営農法人と農業法人の育成が最も重要であると考えております。

 まず、集落営農法人につきましては、経営規模が小さなものが多いことから、広域化、農地集約による効率的な生産活動や6次産業化などの経営力の強化を支援してまいります。農業法人につきましては、これまで販売額1億円を達成できるよう必要な支援を行ってまいりましたが、より大きな雇用創出につなげるため、販売額3億円を目指す農業法人に対する経営面でのサポートを強化したいと考えております。

 また、インバウンドが大きく伸びていることを生かし、農山漁村の暮らしの体験を初め、伝統食やジビエ料理を提供する農村レストランなど、農山漁村の資源を生かした観光ビジネスの振興にも積極的に取り組んでまいります。

 さらに、ICT技術の進歩によりまして、場所を問わずテレワークができるようになったことから、特に生活環境のよい農山漁村地域にサテライトオフィスやラボラトリーの創設を考える企業が増加しているため、これらの企業を積極的に誘致することで農山漁村地域での新たな産業興しにつなげていきたいと考えております。

 こうした移住・定住支援やビジネス強化等の取り組みをオール京都で進めることにより、都市部から農山漁村への新たな人の流れをつくり、20年後の実現したい姿でございます、地域の人々の希望と活力に満ちた農山漁村づくりを推進してまいりたいと考えております。

議長(田中英夫君)
 岡本和徳君。

〔岡本和徳君登壇〕

岡本和徳君
 御答弁どうもありがとうございました。

 まず、SBIR制度を参考にした支援ということですけれども、これはもちろん国の制度ですので、なかなか京都府独自で全てをやるということは、もちろん難しいかというふうに思いますけれども、やっぱりシリコンバレーにも匹敵するようなスタートアップ・エコシステム拠点をつくっていくということであれば、こうした制度を参考にして、先ほど申し上げたような、初期段階から支援を行って、支援先を絞って段階的に支援する、そして社会的な課題をトピックとして明確に提示する、目ききチームを編成する、先払い、概算支払いで資金を供給する仕組み、こういうものもしっかりと参考にして取り入れていくことも検討していただきたいなというふうに思っております。

 といいますのも、スタートアップ・エコシステム拠点の内閣府への申請に当たって報道によりますと、知事も、神戸と大阪と京都で連携してやれるように取り組んでいきたいということでマスコミにも発表されておられると思います。経済界も一緒になって、神戸、京都、大阪の経済界もそのように意思表明をされているというふうにお伺いしております。

 そういう中で、例えば神戸も、社会的な課題を起業家の方々に提示して、そこに民間の企業に開発をしていただく。行政の中の課題というものも提示して、課題解決に向けた開発をしていただく。そして、その結果、行政が開発するよりも、行政は大体大手の企業にお願いすることが多いらしいですけれども、半分の金額で済んだということが、先日の神戸のニュースで出ておりました。また、大阪に関しましては、9月の議会でもお話ししましたが、「Booming(ブーミング)!」という取り組みで段階的に支援をしていって、いい企業を絞ってさらに強い支援をしていくということも実際にやっておられますので、京都も大阪や神戸と連携するのであれば、そうした取り組みを積極的に入れていただきたいというふうに思っております。

 さらに神戸ですと、東京の企業さんに「東京に何で行くんですか」ということでお伺いしましたら、「やっぱり人脈とか情報とか資金調達という面で東京がすぐれている」というふうにおっしゃっておられました。大阪のベンチャー企業の方々に「やっぱり東京ですか」ということで聞きましたら、「いや、東京ですら世界で1周おくれなので、大阪の一部ですけれども、シリコンバレーにうちは事務所をつくっていて、世界最先端の情報を持っています」とおっしゃっておられましたし、神戸市も実はシリコンバレーに神戸市の事務所を開設したということで報道がされております。そういった取り組みを自治体でもしっかりと進めておられますので、先ほども申しましたように、大阪、神戸と連携が強化できるように、京都でも取り組みの強化をお願いしたいというふうに思っております。

 それから、農林水産ビジョンのほうですけれども、ミスマッチを減らしていくということが非常に大切だと思います。農山漁村については、ミスマッチが非常に多いわけですが、質問の中でも述べさせていただきましたクラウド上で、日本のどこにいても仕事ができるという状況でございます。私の知る会社の社長さんがおっしゃっておられましたのは、「まだ社員と会ったことがありません」と。「ネット上で面接をして、ネット上で仕事を出すので、社員に会ったことがないんです」と。「今度、1年に1回の食事会をするので、そのときに初めて会います」というような時代になってきておりますので、まさに従業員の方々がどこに住んでいるのかというのは問わないような時代になってきております。そういう意味でも、京都のいろんな地域が2拠点の居住地として選んでいただいて、そこで仕事をしていただけるということも、世界最先端の仕事をしながら農業をやっていただくということも十分に可能だというふうに思っております。

 クラウド上での仕事ということでございますけれども、今、申しましたように、今はクラウドというものが発展しております。日本中の仕事がどこでもできるような時代でございますし、そういった企業が京都とも連携をしていいんじゃないかと、連携をしてもいいなあということで私自身も話を聞いておりますので、ぜひそういう企業で連携を強化していただきたいというふうに思っております。  では、次の質問に移らせていただきます。

 次に、教育長にお伺いいたします。

 我が国では、現在、人口減少や少子高齢化、地方経済の縮小が急速に進行しており、京都府も例外ではありません。人口減少の一方で、AIやIoT等の技術の急速な発展に伴い、Society 5.0時代と呼ばれる超スマート社会が到来しつつあります。今の子どもたちは、既にこうした機器を身近なものとして育っておりますが、AIやロボットなどは私たちの日々の生活の中で、なくてはならないものとして存在していくだけではなくて、我が国の社会や産業、生活環境に根本的な変革をもたらす大きなインパクトを有するものとなってくるものであります。

 このように急激に社会状況の変化が進む中で、本年4月、文部科学省は中央教育審議会に対し、新しい時代の初等・中等教育のあり方について諮問を行いました。諮問の内容は、OECDの学習到達度調査や全国学力学習状況調査等の結果から、子どもたちの知・徳・体を一体で育む日本型学校教育は、学力水準を高め、社会性を育むという成果を着実に上げているとした上で、社会の急激な変化とともに児童・生徒の語彙力や読解力に見られる課題、高校生の学習意欲の希薄化、特別な支援を要する児童・生徒の増加、教師の長時間勤務の実態、学校のICT環境の地域格差など、さまざまな課題が顕在化していることを指摘するものでした。

 その上でSociety 5.0時代の到来に向けて、新時代に対応した義務教育及び高等学校教育のあり方、増加する外国人児童・生徒への教育のあり方、そしてこれからの時代に応じた教師のあり方や教育環境の整備等について、広範多岐にわたる審議を依頼するものとなっております。

 具体的には、義務教育では、発達の段階に応じた学級担任制と教科担任制のあり方などについて、高等学校では、学習意欲を喚起し、能力を最大限伸ばすための普通科改革等の学科のあり方などについて、また教育の質を高めるICT環境や先端技術の活用を含む条件整備などについて問われております。

 このことは、京都式少人数教育や高校教育の充実などに取り組み、学力の向上や個性と能力の伸長を図ってこられた京都府教育委員会においても重要な課題であると考えます。

 橋本教育長におかれましては、本年2月、都道府県の教育長代表として中央教育審議会の委員に選出され、また、この諮問を受けて設置された、新しい時代の初等・中等教育のあり方特別部会の委員にも選出され、我が国の教育の今後を決定する重要な議論に参画しておられます。また、教育長は日ごろから、市町教育委員会の教育長や府内の校長とも意見交換を重ねておられるとも伺っております。そこで得られた府内の各地域における現状や課題をつぶさに国へお伝えいただき、教育現場の実態を十分考慮するとともに、京都府の教育改革にも資する答弁としておまとめいただきたいと期待するものであります。

 他方で、新しい学習指導要領については、来年4月から小学校において全面実施となり、その後も中学校は令和3年度、高校は令和4年度から年次進行でスタートします。小学校における外国語教育の充実やプログラミング教育などが目を引くところではありますが、重点は、それらだけにはとどまりません。新学習指導要領では、何を学ぶのか、どのように学ぶかだけではなく、何ができるようになるのかについても明確に提示されており、未知の状況にも対応できる思考力、判断力、表現力等の育成を目指し、学びを人生や社会に生かそうとする、学びに向かう力や人間性などの涵養を図ることとされております。まさに、新時代に必要となる人間観や資質・能力を育もうとするものであります。

 京都府教育委員会においても、よりよい学校教育を通じて、よりよい社会をつくるという学習指導要領の理念を再確認し、大きな観点から教育のさらなる充実を進めていただきたいと考えます。

 そこでお伺いいたします。

 京都府におかれましては、本年10月に京都府総合計画を策定され、「一人ひとりの夢や希望が全ての地域で実現できる京都府をめざして」と題し、将来構想として、おおむね20年後に実現したい京都府の将来像を示されました。この20年後の京都府社会を担う主体となるのが、京都府で生まれ、京都府で学び、育つ今の幼い子どもたち、若い人たちであります。来年以降、新学習指導要領が次々と全面実施となり、また日本の学校教育のあり方そのものが、今後、大きく見直されようとしている中、京都府教育委員会においては、新しい時代を担う子どもたちを育むため、京都府ならではの教育をどのように進めようと考えておられるのか、お聞かせください。

 その京都府ならではの教育を進めていく指針として、平成23年度にスタートされた京都府教育振興プランの計画期間は来年度末までとなっており、改定・見直し作業に着手されたと伺っております。内容の検討はまだまだこれからと存じますが、現在の教育長の御所見をお伺いいたします。

 次に、警察に関して質問させていただきます。

 近年、訪日外国人観光客数は6年連続で過去最高を更新し、平成30年には初めて3,000万人を突破するなど、継続した増加傾向にあります。我が国は、観光立国推進基本法に基づく観光立国の実現に向けて多くの取り組みを行っており、来年には2020東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を控えるなど、今後、ますますの訪日外国人の増加が見込まれており、特に京都府は、世界でも有数の観光都市として多数の外国人観光客の来訪が予想されるところであります。

 私は、多くの外国人観光客に京都の歴史、伝統、文化等に親しんでいただくとともに、海外に京都の魅力を発信していくべきだと考えており、地域の方々とともに歴史、伝統、文化を生かしたまちづくりに取り組み、京都の魅力をさらに向上させ、京都の発展に向けて寄与できるよう、一層の努力をしてまいりたいと考えておりますし、一人でも多くの観光客の方々に京都を楽しんでもらいたいと願っているところでございます。

 多くの外国人観光客が京都に来られるわけですが、最近の旅行は、個人旅行者がふえているとお伺いしております。そして、その個人旅行者の旅行計画の立て方は、今の時代、スマートフォンで行き先の情報を得るほか、スマートフォンで宿泊先やレストラン、移動手段などの予約をし、決済も済ませることで旅行先での手間を省くなど、出国前に全ての予約や準備を済ませてから出発するというのが、現代の旅行計画の立て方となっております。

 一方、外国人観光客が急増する中、芸妓さんや舞妓さんを追いかけての写真撮影、ごみの不法投棄、住宅や農地等への無断立ち入り等の迷惑行為なども深刻化しており、行政や地域住民が対応に苦慮されているとも聞き及んでおります。

 これらの迷惑行為に加え、最近では、主に外国人による外国人観光客を対象とした白タク行為が全国で横行していると新聞報道等でも報じられており、嵐山、金閣寺、清水寺等の観光地を訪れる外国人観光客の中には、白タクを利用している者も少なからずいるとお伺いしております。日本では、タクシー事業者に任意保険加入や安全確保のための多くの義務を課しておりますが、白タクはこれら安全確保のための管理が行われておらず、万が一交通事故を起こした場合には、乗客に十分な補償がされない可能性があるなど、さまざまな問題を抱えています。

 本年5月、群馬県で乗客13人に重軽傷を負わせたバスの転落事故について、報道によりますと、このバスは運送事業の許可を受けていないいわゆる白バスでありました。10月16日に行われた裁判では、運転手に対し懲役2年、執行猶予4年と罰金50万円を併科するという厳重な処分が下されておりましたが、これは運送事業における安全管理の不備に警鐘を鳴らしたものであります。

 このような事故は未然に防ぐべき事故であると思いますし、何らかの対策により防ぐことができた事故であると考えます。外国人観光客を対象にした白タクは、運送依頼や支払いがアプリ上で行われ証拠が残りにくいため、犯罪の立証が容易ではなく、1件の事件を検挙するためには相当の労力を要すると聞いており、そのような困難な状況の中でも京都府警では、この種の事件をしっかりと検挙していただいていると伺っております。

 そこで、警察本部長にお尋ねします。

 京都府における外国人観光客を対象にした白タク行為の実態をどう把握し、現状をどのように捉えているのでしょうか。また、このような、外国人を相手にした白タクへの対策について、京都府はどのように行うのか、お答えください。

議長(田中英夫君)
 橋本教育長。

〔教育長橋本幸三君登壇〕

教育長(橋本幸三君)
 岡本議員の御質問にお答えいたします。

 新しい時代を展望した京都府ならではの教育の推進についてでございます。

 現在、いじめや不登校、貧困問題など、子どもたちを取り巻くさまざまな厳しい課題がある中で、これらの課題と向き合い、誰もが安心して学べる環境づくりに引き続き努める一方で、今後の急激な社会の変化をしっかり見据えた、新しい時代に向けた教育を積極的に推進していく必要があります。

 そのためには、AIの進化等によって社会がどのように変化しようとも、自分の力や他者との協働により生き抜いていけるよう、また幸せな未来のつくり手となれるよう、これまでの知識を重視した画一的な教育から、新たな価値を創造できる多様性のある教育へと抜本的な改革を進めていかなければなりません。

 具体的には、議員御指摘の新学習指導要領の趣旨を踏まえ、各教科において授業改善を進めるとともに、学びの場を教室の外にも広げ、地域の生きた課題を知り、さまざまな人、社会とかかわり合いながら課題解決等に向けた学習を行うことが大切です。

 特に本府には多様な企業や大学、文化資源の集積がありますので、これらを生かした学習を行うことにより、子どもたちの学びを深め、地域への愛着を育み、社会性を豊かにしていきたいと考えております。

 また、中教審の諮問にもありますICT機器や先端技術の利活用は、情報活用能力を身につけさせるとともに、効率的、効果的な集団学習の推進や生徒一人一人の能力等に応じた個別学習の実施、遠隔教育による多様な教育の展開など、学びの世界をより豊かにするものであります。今後、積極的に導入を図る一方で、AIにない力として、感性などの人間らしさを大切にした教育も進めていきたいと考えております。

 こうした考えのもと、府教育委員会におきましては、今年度から中学校で地元企業や大学と連携をした課題解決型学習のモデル事業を、また、全府立学校においてはICT環境の整備事業をスタートさせたところであります。

 今後、関係機関や市町教育委員会とも連携しながら、取り組みの波及や充実を図ってまいりたいと考えておりますが、その推進に中心となって当たるのは一人一人の教員であり、まずその理念や方向性を明確に示し、理解を得ることが重要です。また、日々の課題に直面し、非常に多忙な状況にある教員の働き方改革を進めるとともに、時代の変化に向き合える教員の資質・能力の向上を図ること、学校の教育環境の質を高めることなども含め、総合的な視点から本府の教育のあり方を検討し、具体的な施策へとつなげる必要があります。

 このため、今後の京都ならではの教育の推進に向け、次の時代の教育ビジョンとともに、その実現に向けて取り組むべき施策等を示す、新たな京都府教育振興プランを策定することとし、来年1月には有識者会議を設置し、検討に着手してまいります。

 今回の有識者会議の委員には、現行プランの策定からかかわっていただいた学識経験者や市町教育委員会教育長の代表、保護者代表、企業の方々のほかに、ICT活用や幼児教育、非認知能力、特別支援教育など、現代の教育の重要課題に関し最前線で活躍されている若手研究者にも加わっていただき、最新の知見がプランに取り入れられるよう工夫したいと考えております。

 また、有識者会議と並行して、学校現場で実践に当たる教員はもとより、保護者や地域、各種教育関係団体など、多様な皆様の御意見をお聞きし、御理解と御協力を得られるものにしていきたいと考えております。

 次代を担う子どもたちが、みずからの力で幸せな未来をつくり出せるよう、子どもたちに寄り添いながらも時代と社会の要請に応じた新しい京都府の教育を進めていく、その指針となるプランの来年度中の策定に向けて、全力で取り組んでまいります。

議長(田中英夫君)
 植田警察本部長。

〔警察本部長植田秀人君登壇〕

警察本部長(植田秀人君)
 岡本議員の御質問にお答えいたします。

 まず、外国人観光客を対象とした白タク行為の実態や現状についてでありますが、白タクとは、国土交通大臣の許可を受けないで自家用自動車を使用して、有償で人を運送する道路運送法違反となる行為であり、事故時の利用者及び相手方への補償も不十分であるなどの問題があると認識しております。

 議員御指摘のとおり、近年、外国人観光客が自国を出国前にスマートフォン等の配車アプリで予約、料金の決済も済ませ、タクシーがわりの配車を受ける白タクが全国的に広がっており、特に中国人が運転する自家用自動車を利用する中国式白タクが、中国人観光客の中で広がっているものと承知しております。

 白タクは、府内においても観光地として人気の高い京都市域を中心に、他府県ナンバーの車両も含め相当数が存在するものと認識しておりますが、白タクの事実確認が現場では困難であることなどから、その稼働台数や利用者数等の実態が正確に把握できていないのが現状であります。そこで現在、ホテル周辺でスーツケースを持った外国人たちが自家用自動車に乗り込む、観光地周辺で複数人が乗車できるワゴン車に外国人たちが乗り込む等の状況から、白タク容疑車両と認めれば、職務質問やナンバーチェックをするほか、タクシー事業者等から情報収集を行うなど、その実態把握に努めているところであります。

 次に、これら白タク根絶に向けた対策についてであります。

 当府警察では、各種警察活動やタクシー事業者等からの情報をもとに積極的な内偵捜査を行い、中国式白タクが社会に注目され始めた平成29年以降、7件10名を検挙しているところであります。また、外国人観光客の多い観光地やホテル、ゲストハウス等において、京都運輸支局やタクシー事業者等と連携した街頭啓発や広報啓発を行い、白タクの違法性や危険性を外国人観光客等に周知するなどの対策に取り組んでいるところであります。

 他方で、道路運送事業を所管する国土交通省においては先般、中国政府に対し、日本のルールを国民に周知する等の白タク対策への協力を要請したと承知しており、当府警察といたしましては、国による対策の成果が上がるよう、京都運輸支局を通じて白タク情報を随時提供するなど、積極的に協力していきたいと考えております。

 いずれにいたしましても、引き続き積極的な検挙活動に努めるとともに、関係機関と連携した街頭啓発等に取り組み、白タクの根絶に努めていく所存であります。

議長(田中英夫君)
 岡本和徳君。

〔岡本和徳君登壇〕

岡本和徳君
 御答弁どうもありがとうございました。

 まず、教育についてですけれども、教育は国家百年の大計と言われます。これから、新教育プランがつくられていくということですが、先ほども申しましたように、これからの京都、日本をつくっていくのは、今、小さい子どもたち、またこれから生まれてくる子どもたちですので、20年後の姿をしっかりと見据えて、先ほどおっしゃっていただけたのは時代と社会の要請に応じたプランにしていくというお話がありましたので、しっかりと、この多様化した時代の要請というものを取り入れていただきたいというふうに思っております。

 多様化するといいますと、デジタル化社会ということで、先ほどもクラウドというようなお話もさせていただきましたけれども、最近の子どもたちというのは当然そういった機器を自由に使えるような世代になってきておりますし、ICTを活用した授業の進め方というのも、これからが重要になってくると思います。  一方で、先生たちはなかなかそういったことになれていないというのが実情だというふうに思いますので、先生方のそうした授業の導入に向けた研修といいますか、取り組みもまた必要なのではないかなというふうに思っております。また、先生に求められてくるものというのも、これから変わってくるんじゃないかなという気がいたします。単なる計算とかであれば、もう機械でやったほうがおもしろいというような時代にもなってくるのではないかと思っております。

 そういう意味で教育長からは、知識一辺倒ではなくて、生き方といいますか、新学習指導要領の中にありますように、何ができるようになるのかとか、人間性の涵養というものがこれからの時代には必要になってくるのではないかというふうに思います。教育長は、人間らしさ、感性を大切にしていくということをおっしゃっておられました。

 この新学習指導要領の中には、今まで見なかったような課題に対して対応していくということが書かれていますけれども、これはなかなか難しいことでございます。数学とか計算式が解けるようになるというのではなくて、身の回りにどういった課題があるのか、そしてその課題は自分の知識や自分の持てるツールでどうやって解決していこうかということの訓練をしていくのが、これから重要だということだと思っております。

 高校生ぐらいでしたら身の回りということですけれども、もちろん大学や社会に出ていけば、あらゆるものを活用して我々の生活の発展に寄与するような取り組みができるような、そういう人材を育てていかないといけないわけでございます。先ほどおっしゃっていただいたような人間らしい感性という面でいいますと、そういうあらゆるものを活用できるというものが、私たち一人一人には能力として備わっているんだということを自覚して、実践していくということが大切だと思っておりますし、それができるのが教育しかないのじゃないかなというふうに思っております。

 ともかく、これから教育プランがつくられていくということでございますので、歴史や伝統というものも踏まえていただけるというふうに思いますし、京都はまた、ものづくりの都市でもありますので、次の世代のための教育振興プランを楽しみにしております。

 そして、警察ですが、これも私は実はベンチャー企業とかIT企業というものを学ぶ中でわかったのですけれども、今の旅行といいますのは、申し上げましたように出国する前に全部お金を払ってから出国するということで、事実上、日本国内にお金が1円も経済活動として生まれないというようなことが起こっているということがわかりました。その経済活動の明確な数字はありませんけれども、日本経済への影響というのが数兆円規模ということも言われているようであります。その一端を担っているのが、違法行為である白タクだということですので、なかなか表には出ない、検挙しにくいという話がありましたけれども、これをしっかりと検挙していただくことで、京都府民の経済活動にもしっかりと寄与できると思いますので、御答弁いただきましたように、対応の強化をよろしくお願いいたします。

 そして、最後に、私ども府民クラブ京都府議会議員団も、西脇知事とともに、新総合計画をもとにした取り組みを進め、府民生活の発展・繁栄を目指し、幸福で平和なまちづくりに向けて全力で活動してまいりますことをお誓い申し上げて、私からの質問とさせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。

(拍手)