議会ニュース

2019年10月28日|決算特別委員会 総括質疑 小原 舞

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1 平成30年度決算について
2 少子高齢化時代・人口減少時代の地域における
  公共交通のあり方について
3 リカレント教育について
4 中北部振興と京都舞鶴港振興について
5 その他

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林委員長
 休憩前に引き続き総括質疑を行います。
 次に、小原委員に発言を許可します。小原委員。

小原委員
 府民クラブ京都府議会議員団の小原舞です。よろしくお願いいたします。

 まずは、委員長のお許しを得て一言申し上げさせていただきます。

 台風19号、また25日の記録的な大雨でお亡くなりになられた方々に心より御冥福をお祈りいたしますとともに、被災された皆様に対しお見舞い申し上げます。一日も早い復旧・復興をお祈りいたします。

 平成30年度は西脇府政の初年度として、将来に希望の持てる新しい京都づくりに向けた安心で暮らしやすい社会の構築、京都産業の活力向上、スポーツ・文化力による未来の京都づくりの3つの観点から、6月に編成された補正予算を着実に執行され、子ども食堂・子どもの居場所等の開設・運営支援や、こども発達支援センターの新棟開設を初め、各分野で成果を上げられております。

 また、高齢化による社会保障関係費の増加や、たび重なる災害からの復興・復旧に多額の経費を要する厳しい財政状況の中、府民の安心・安全の確保を初めとするさまざまな分野で着実に成果を上げる府政運営を進めてこられたことを高く評価するとともに、今後の西脇府政にも大きく期待するものです。

 それでは、質問に入ります。

 まず、少子高齢化時代・人口減少時代の地域における今後の公共交通のあり方についてお伺いいたします。

 京都府の推計によると、京都府の総人口は2005年からの減少が今後も続き、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口によると、2040年には約224万人と約1.5割減となり、人口減少に歯どめがかからないとされており、地域別に見ると、丹後地域の減少率が高く、近年の合計特殊出生率が府内でも高いとされる中丹地域でさえ2割を超える減少が見込まれます。

 そこで、近年の交通分野においては、都市圏における道路混雑、過疎地域における交通サービスの縮小や移動そのものの縮小等というように、都市型と地方型によって抱える課題と対策が大きく異なってきますが、今回は地方部に焦点を置いて質問させていただきます。

 公共交通は、地方部において利用者の減少や公共交通事業者の慢性的な赤字運営、運転手の人手不足等の諸課題が顕在化しています。中山間地等の交通空白地域では、一層の高齢化が進む中で、これまで生活の足としていた自動車を運転できなくなった、もしくは自主的に免許返納した後の移動手段の確保の課題、買い物や通院ができない住民がふえること、移動意欲が減退する中で高齢者の健康不安の増大等が懸念されており、今から対応していかなければ間に合わなくなるという危機感を抱いています。

 また、丹海バスの福知山線路線再編計画が、福知山市並びに与謝野町で開かれた地域公共交通会議で承認を受け、10月から与謝-共栄高校前間が土日祝運休となり、平日も5往復から3往復へと減便になっています。

 地域の公共交通を守っていきたいと思っても、交通事業者の赤字経営に国、府、市町村が負担し路線を何とか維持しているのが現状で、かつ全区間を走行した乗車人数の1日の平均が15人を下回ると、国の補助金が受けられなくなるため、進展する少子化によって将来のめどが立たず、廃止になるところを何とか最低限の便数を確保するという苦渋の決断であったと推測されます。

 我が国において公共交通は、基本は独立採算制による民間営利事業を基本とする人口増加時代の事業スキームのままであり、北海道や九州など鉄道の廃線や路線バスの減便・廃止が進む地域も出てきていて、人口減少に伴う民間事業者の撤退など、公共交通ネットワークの維持はますます困難になってきています。

 中山間地の多い地方では、採算が取れないのは半ば当たり前のことで、少子高齢化・人口減少時代において公共交通をどのように捉えていくのかについては、国レベルで移動に対する考え方を変えなければ地方自治体や民間事業者等の努力だけに頼ることはできなくなっているのではないかと思っています。

 欧州での先進事例では、フランスにおいて1982年に国内交通基本法で、世界で初めて「移動権(交通権)」を明文化して、誰もが容易に低コストで快適に移動できる公共交通の実現を掲げ、公共交通に充てる目的税の地方税として交通税によって財源の確保と利用者目線に立った公共交通の利便性を向上させています。

 もちろん、欧州での事例をそのまま日本に当てはめるようなことはできませんが、現状の中で車を運転できない高齢者や、子ども、障害を持たれた方などの移動弱者が外出を控えることがないよう、移動することは生活の基本かつ権利であると捉えて、移動回数を減らさない都市政策、まちづくりを推進していくことが重要になっていくと考えます。

 日本の地方都市は、中心部においても空洞化、シャッター通り化がもはや普通の光景となり、それは避けられないものとして思われてきたのではないでしょうか。

 しかし、実際に同じく人口減少が進む先進国の地方都市で、自治体の政策転換によって人口増加とまちの活性化につながる成果を出した例もあります。

 そのような中、本府では新モビリティサービス推進事業において、国土交通省より先行モデル事業として選定された南山城村での相楽東部地域公共交通再編事業、京都丹後鉄道沿線地域での地方郊外型WILLERS MaaS事業におけるQRシステム導入実証を進めておられます。これらの先行モデル事業の成果を上げるには、市町村、既存の交通事業者や住民、関係機関、その他いろいろな関係者の協働の作業と合意づくりが大変重要になってくると思います。

 南山城村については、平成30年、31年に複合型輸送サービスとしてマルチ交通の実証実験を実施され、地方郊外型WILLERS MaaS事業については、ことし9月に推進協議会を立ち上げられ、観光と地域住民の生活といった目的に応じて交通サービスを組み合わせていく実証実験を行われます。

 今後の取り組みにおいては、公共交通を福祉と捉える発想が重要になってくると思われます。新たなシステムづくりには、それを支える財源の問題も含めて、これまでの公共交通の考え方と位置づけを転換する議論が求められます。

 今後の公共交通のあり方とまちづくりを一体として考え、現状を変えるために先進的に取り組む自治体や公共事業者等が柔軟にシステムを設計できるように、行政を初めとしたステークホルダー間の横串を通す連携や、例えば、場合に応じてはバスの新規路線には補助金が出ないといったような既存の制度の見直しや、目的に応じた規制緩和等や時には規制強化が前向きに協議される土壌をつくることも今後の新しい挑戦を後押しすることになると思われます。

 まずは、少子高齢化時代・人口減少時代の地域における公共交通のあり方についての本府の御見解と御決意について、マルチ交通事業などの取り組みについて、成果と課題、新モビリティサービス推進事業の今後の展望についてお伺いいたします。

 次に、2つの先行モデル事業の中でも取り入れられている鉄道、バス、タクシー、カーシェアなど、さまざまな交通手段を一体的に提供するMaaS(Mobility as a Service)等の新たなモビリティサービスについてですが、公共交通分野における新たな事業展開の可能性を広げるとして期待されていますが、日本型MaaSとしての取り組みは今後の実証に委ねられており、未知数の分野とも言えます。

 一方で、国は昨年6月に閣議決定した未来投資戦略2018でMaaSを次世代社会の構築に向けた重要戦略の一つとして位置づけ、また来年の東京五輪・パラリンピックに向けてのスマートフォンアプリを使った輸送円滑化のための実証実験の実施や、新しいモビリティサービスの推進等、その普及を後押ししています。  京都府総合計画の分野別基本施策では、「成長・交流・情報・暮らしの基盤づくり」において、「地域公共交通の利便性向上と、暮らしやすいまちづくりを進めます」とありますが、北部地域など周辺部においては、公共交通の維持確保が、これからのまちづくりを支える根幹になると考えています。

 具体的な施策として、「MaaS・α促進プロジェクト」を創設し、「MaaSなど新たなモビリティサービスの導入により、利用者ニーズに即したシームレスな移動を生み出すとともに、持続可能な地域交通の確立をめざします」とされていますが、今後、自治体や地域等が取り組まれるMaaS等導入に対しどのように連携・支援されるのか、お考えをお聞かせください。

林委員長
 西脇知事。

西脇知事
 小原委員の御質問にお答えいたします。

 小原委員におかれましては、ただいまは会派を代表されまして平成30年度決算に対し高い評価をいただき、厚く御礼を申し上げます。

 人口減少社会における公共交通対策についてでございます。

 地域の公共交通は、通勤・通学、通院や買い物など、地域の生活を支える基盤であり、特に車を運転できない高齢者や子ども、障害のある方などにとっては生活に欠くことのできない移動手段でございます。

 一方で、公共交通の維持・確保は、高齢化や人口減少、自家用車の普及などにより、交通事業者の独立採算によるだけでは困難な状況が拡大し、過疎地域を初め中山間地域などでは深刻な課題となっております。  府民の皆様がそれぞれの地域で希望を持って住み続けていただくためには、持続可能な地域公共交通の仕組みを構築することが極めて重要でございます。

 このため京都府におきましては、これまでから、鉄道につきましては、沿線自治体と連携した第三セクター方式による運営や、山陰本線などJR線の高速化・複線化等への財政支援を、路線バスについては、地域間幹線や過疎地域における運行費補助などを実施し、公共交通の維持・確保や活性化に努めてきたところでございます。

 国におきましても、地域間幹線バスへの運行費補助や、地方バス路線の運行費維持費への特別地方交付税などが措置されておりまして、平成26年には地域公共交通活性化再生法の改正により、地方公共団体が中心となり、まちづくりと連携した公共交通網を再構築する制度が導入されたところでございます。

 府域では、改正された地域公共交通活性化再生法に基づき7つの地域で地域公共交通網形成計画が策定され、地域住民、交通事業者、行政が連携し、計画に基づきまして地域公共交通網の再構築に取り組んでいるところでございます。

 京都府といたしましては、各地域において持続可能な地域公共交通の確保が計画的に進むよう支援してまいります。

 お尋ねのコミュニティ支援マルチ交通事業については、京都府が平成29年度から南山城村などにおいて貨客混載などの生産性向上や、ドア・ツー・ドアの交通サービスの実証実験に取り組んでまいりました。

 実証実験では、料金や予約方法などを工夫し、ドア・ツー・ドアで利用しやすいサービスを提供したことで利用者が増加し、高齢者の外出を誘発する効果もあることが確認されたところであります。

 一方、採算性の向上や持続性の確保のための公的支援のあり方が今後の課題と考えているところであります。

 京都府といたしましては、このような実証実験の成果を市町村と共有することで、地域に合った公共交通網の整備に反映させるとともに、さまざまな移動を一つのサービスとして提供するMaaSによる持続可能な地域公共交通の仕組みづくりに取り組むこととしたところであります。

 MaaSの取り組み状況につきましては、国の新モビリティサービス推進事業において、南山城村及び京都丹後鉄道沿線地域の2地域が地方郊外・過疎地域MaaSの先行モデル事業として採択され、現在、実証実験に向けた準備を進めているところでございます。

 南山城村におきましては、今回の事業実施に伴い10月18日に地域公共交通会議が設立され、南山城村全域で5回の住民の懇談会が開催されるなど、地域の交通について、地域で考える土壌ができつつあります。

 京都府といたしましては、引き続き、南山城村を初め、社会福祉協議会とも連携し、高齢者の外出を促進させる地域公共交通の再編とともに、高齢者や地域外の方も利用しやすいMaaSの導入に取り組むこととしております。

 また、京都丹後鉄道沿線地域の取り組みは、MaaSの導入により京都丹後鉄道などのキャッシュレス化が推進されるほか、タクシー、遊覧船、観光アクティビティなどの一括予約が可能となるなど、地元利用者や観光客の利便性を向上させ、公共交通の利用促進や観光振興に寄与するものと期待されております。

 今後、MaaSを継続・発展させていくため、まず地域の移動ニーズに応じた交通網の整備を推進するとともに、実証実験を通じて得られた課題や成果をもとにMaaS運営のビジネスモデルの構築や公的支援のあり方について検討を深め、持続的なMaaSの府域への拡大と市町村への導入支援につなげてまいりたいと考えております。

林委員長
 小原委員。

小原委員
 御丁寧な御答弁まことにありがとうございます。

 まさにおっしゃっていただきましたように、府内の先進的な取り組みに対する御支援や、また実証実験等の結果を反映して、持続可能な地域づくり、まちづくり、公共交通のあり方を今後とも検討していただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

 また、さらに超高齢化社会を迎えて地域部の高齢化が進んで、また独居の方がさらに多くなるとも予想できる中、おっしゃっていただいた地域における公共交通は、地域の生活を守るためにより幅広い役割を担うことになると思っております。既に取り組まれている地域もあるとは伺っておりますけれども、モビリティの先にある発展形について、例えば高齢者の見守りであったり、その方々への宅配であったり、より皆さんの生活に寄り添う形に発展させるべきと考えておりますので、ぜひこのような考え方を踏まえ、現在の形が発展していくことを期待いたします。ぜひ、またよろしくお願いいたします。

 さらに、地域でお話を聞いておりますと、集落においてはタクシーで片道6,000円、7,000円というところもございまして、今は何とかぎりぎり、家族であったり、地域や近所の方に買い物を頼まれたり、さらに病院に何かのついでに一緒に乗せていってもらったりしておられますけれども、これから独居老人がふえていったりとか、また、本当にあと三、四年のうちには必ず今のぎりぎり何とかやってるところというのが立ち行かなくなっていくことも想定されます。

 その前から対応策について、先ほどおっしゃっていただいたような取り組みを一層、引き続き、スピード感を持って取り組んでいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

 次に、リカレント教育についてお伺いさせていただきます。

 昨今の劇的な技術進化や働き方改革などにより、労働現場は非常に大きな変化を迎える中、社会人などの学び直しが注目され、「リカレント教育」という言葉を見ること、聞くことが多くなっています。

 リカレント教育とは、学校教育を人生100年時代と言われるその人々の生涯にわたって分散させようとする理念であり、その本来の意味は、あくまでも職業上で必要な知識・技術を習得するためにフルタイムの就学とフルタイムの就職を繰り返すことです。

 我が国においては、一般的にはリカレント教育を諸外国よりも広く捉え、働きながら学ぶ場合や、心の豊かさや生きがいのために学ぶ場合、学校以外の場で学ぶ場合も含まれており、いわゆる広義の生涯学習の捉え方に近いように感じております。

 その中で、今回、私が質問として取り上げますのは、あくまでも職業上における、そして本来の意味であるリカレント教育についてと思っておりまして、受講者が就職や今の職場におけるステップアップのために、自分自身の価値を高めるべく受ける教育であり、今、求められているものだと考えるからです。

 ただ、ひとくくりに受講者といっても、現在の職業において、ステップアップを求める方、転職や起業などを目的として、必ずしも現在の職業にとまることを前提としない方、子育てや介護、定年などのライフイベントにより離職したものの復職等を目指している方などを文部科学省がイメージしているように多種多様であり、当然学習目的もさまざまです。

 そして、文部科学省では、この学習の場について、大学・大学院といった高等教育機関を主に念頭に置かれているように思いますが、私はさらに府立高校などの通信制や定時制もその対象になるのではないかと思っています。御家庭の事情等で高校を卒業せずに社会に出ざるを得なかった方々も、学び直しの希望があればその機会が必要だと思うからです。

 また、受講者だけでなく、それぞれの企業や地域の特徴、特性があります。

 御承知のとおり、府北部地域は現在の人口構成上、高齢化がさらに進み、当面の人口減少は避けられない状況にある中、特にそれぞれの地域を支える産業を担う人材の確保が喫緊の課題になっています。

 そのような中、例えば、私の地元の舞鶴市が50歳代で定年を迎えられる自衛官の方などの学び直し、いわゆるリカレント教育を通じて地域が求めるIT人材や外国語人材の育成の意味だけではなく、次の職業につかれても、引き続き舞鶴に住み続けていただけるような願いも込めて取り組まれようとされています。

 このような多様な受講者や、事情もさまざまな地域のニーズを的確に捉え、リカレントの取り組みを継続的に実施することができる体制づくりや受講者が学びを深め続けられる仕組みが重要だと思っておりますし、ことしの骨太の方針にもリカレント教育について、「特定の職業分野への就職など、幅広い社会人や地域のニーズを踏まえた産学官連携による実践的な出口一体型のリカレント教育を推進し、地方の労働力不足解消や、都市から地方への新しい人の流れにつなげる」との記述もあります。

 そこでお伺いいたします。

 本府において、今までさまざまな対象の方にリカレント教育を進められてきたと思いますが、どのような支援をされてきましたでしょうか。また、現在の情勢におけるリカレント教育の重要性について、どのような認識をお持ちでしょうか。そして、骨太の方針に記載されているようなリカレント教育の推進について、今後、府としてどのように取り組んでいかれますでしょうか。お考えをお聞かせください。

 このリカレント教育は、さまざまな分野にわたっておりますし、多くの府政課題にかかわってくると思います。例えば、社会人の方のスキルアップだと産業の活性化、企業の人材確保だと人材不足への対応、子育て女性の復職で言うと子育て環境の整備、大学や府立高校等で言うと教育の充実、高齢者の生きがいづくりも入ります。さっと数えるだけでも、これだけ思い浮かびます。そこで、本府の組織体制を考えてみましても、それぞれに担当部局がある状況です。

 そこでお伺いいたします。

 国が進めようとしている産学官連携で進めていこうとしても、こちらの窓口といいますか、どこかしっかりとした司令塔の役割を果たすような部門、または子育て環境日本一に横断的な推進本部をつくられたような横串となる体制が必要かとも思いますが、お考えをお聞かせください。

 次に、中北部振興と京都舞鶴港振興についてお伺いいたします。

 今議会で議決されました新しい総合計画において、エリア構想として京都舞鶴港を拠点に海外に開かれた交流と、「誇れるふるさと」「住み続けられる地域づくり」「若者が戻ってくる地域づくり」をコンセプトとした「北部グローカル構想」が示され、京都府北部地域連携都市圏形成推進協議会と連携した新たな産業拠点の形成と職住一体型生活圏の構築を進めるとされております。

 この内容は、平成30年4月に綾部市に北部産業創造センターを開設され、本府、綾部市、京都工芸繊維大学、グンゼの産官学連携による取り組みを示されているのではと考えていますが、このセンターの目的は、交流から人材育成、事業化、競争力強化に至る一連の場を提供し、府北部ものづくり企業の成長発展、新産業の創出等を目指すとあります。

 そこでお伺いいたします。

 このセンターが開設されてからの実績や成果はいかがでしょうか。また、綾部市だけではなく、北部地域全体に好影響を及ぼしてほしいと思いますが、そのためには今後どのように展開されるお考えかをお聞かせください。

林委員長
 西脇知事。

西脇知事
 リカレント教育についてでございます。

 リカレント教育は、離職者が再就職するためのスキルを教育機関等で習得するものですが、京都府では職場内異動が多い日本の労働慣習を踏まえ、就業を続けながらスキルアップを図ることも考慮して施策に取り組んでおります。

 人生100年時代を迎える一方で、少子高齢化の進行により地域産業の担い手不足が深刻化する中、リカレント教育によるスキルアップの機会を利用して、就業し続けられる環境を整備することはますます重要性が増していると考えております。

 まず、求職者に対するリカレント教育の提供でございますが、就業に関する基礎を学ぶジョブパークカレッジを開講しているほか、高齢者の方には高等技術専門校においてITスキル等を習得できるコースを提供しています。また、女性の方に対しては、子育てで離職したブランクがあっても復職できるよう、大学と連携した実践的なプログラムを提供し、企業とのマッチングまで支援しております。

 また、人手不足が著しい介護や医療分野につきましては、民間教育訓練機関を活用して、必要な専門知識を3カ月程度で習得できる短期の職業訓練を実施しております。

 同様に人手不足が著しい農業分野についても、これから農業経営を開始しようとする人などを対象に、農業基礎知識等を学ぶ農業改良普及センターでの就農講座や、農業大学校の就農ステップイン講座を実施しております。

 次に、在職者に対する取り組みとしては、京都経済4団体だけで年間600件を超えておりますけれども、経済団体が数多くのコースを開講しており、そうした機会を多くの方に利用していただくため、京都知恵産業創造の森が調整役となり、オール京都での人材育成の取り組みを進めております。

 また、実習設備を要する技術的な教育につきましては、高等技術専門校におきまして、製図や機械CAD、建築CAD等の専門的なコースを実施しております。

 京都府では、就職希望者と企業のミスマッチを避けるため、人材育成と就業を一体的にサポートできるようジョブパークを設置し、個々の能力や希望職種に合わせたリカレント教育を受けていただきながら、そのキャリアを踏まえた就職あっせんを行い、大きな成果を生み出してきました。

 しかしながら、就業3年以内に離職された方や、就職氷河期でやむを得ず非正規で働いてきた方、難しい事情を抱えておられるひきこもりの方への対応など、課題も数多く残っております。このため、早期離職した若者等の再チャレンジを支援する専門コーナーを昨年9月にジョブパーク内に開設し、職場適性や職場理解を促進するためのカウンセリング、インターンシップ、研修等により再就職促進を図るとともに、先般、御議決いただきました9月補正予算では、就職氷河期対策の第1弾として、正規雇用への意欲を持つ方に対する集中的なスキルアップ研修と企業とのマッチングを通じた正規雇用化に取り組むこととしております。

 また、社会経験不足等により就職の難しい若者に対して、人手不足の企業と連携し、基礎訓練から就職定着支援まで伴走支援を実施しているところでございます。

 今後とも、大学等の協力も得ながら京都府総合計画に盛り込んだ、定年退職後の就業をサポートする、生涯現役クリエイティブセンター(仮称)の具体化を図るなど、課題に応じたリカレント教育を積極的に推進してまいります。

 京都府の推進体制につきましては、就業分野が商工業から農林水産業、医療や福祉まで幅広いことから、委員御指摘のように横断組織が必要で、商工労働観光部を中心に全庁横断的な推進組織を立ち上げ、関係部局間の連携を一層強化してまいりたいと考えております。

 次に、中北部の振興についてでございます。

 北部産業創造センターでは、昨年度、約1万3,000人の利用がございまして、就職フェアや複数の地元企業が参加するワークショップなど、各種交流が促進されました。また、試験機器の充実を図ったことから、機器の利用者数も対前年比1.4倍に増加し、品質の向上や技術開発に貢献していると考えております。

 人材育成面では、IoT実証セミナーや各種研究会等を約130回実施し、中核的な技術者の育成に努めるとともに、舞鶴工業高等専門学校と連携して次代を担う小中学生向けのプログラミング教室を開催するなど、幅広い取り組みを行って好評を得ております。

 また、京都工芸繊維大学や地元企業と共同で、3Dプリンターや試作シミュレーション機器なども活用し、産学連携による新商品や新事業創出に取り組んでおります。

 今後は、京都経済センターや、本年4月にリニューアルした丹後・知恵のものづくりパーク、来年度開設予定の福知山公立大学情報学部とも連携をし、経営・技術両面から地場産業のサポート機能をさらに強化いたしまして、北部地域の産業振興に取り組んでまいりたいと考えております。

林委員長
 小原委員。

小原委員
 御答弁ありがとうございました。

 まず、リカレント教育についてでございますけれども、御答弁いただきましたとおり、人手不足分野への対応、また若者再チャレンジに対しましてもジョブパーク内で取り組んでいただいております。このジョブパーク自体も、本当に京都府において全国的にも先進的なお取り組みをしていただいていると思っておりますし、これからはこういった分野における、とにかく大事なのはマッチングだと思っておりますので、引き続き、お取り組みの推進をお願いいたします。

 このリカレント教育は、本当に重要性がどんどん増していくと思っておりますし、今回はこの就職という意味を絡めたリカレント教育を取り上げさせていただきました。本当に人手不足対応、プラス人口減少の中で、この生きがいややりがい、そこも含めて人生設計につながり、また冒頭、知事がおっしゃったとおり、一人ひとりの夢や希望につながる大事な分野だと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 私は、平成9年の予算特別委員会の原稿を見返して読ませていただいておりました。舞鶴市選出の山脇府議会議員が、このリカレント教育、生涯学習という意味だったと思うんですけれども取り上げられておられまして、そのときのコメントを読ませていただきますと、「京都府においては、全国に先駆けて生涯学習審議会を設置するなど、生涯学習の推進にいち早く取り組まれ、平成6年にはその指針、京都府生涯学習振興基本構想を策定し、さまざまな事業を推進しておられる。このリカレント教育推進事業という形で、本当に全国に先駆けて生涯学習振興を京都府の府政の中心に捉えてこられた」というような発言をしておられました。

 まさに今、このリカレント教育というのが、この時代においてさらに重要になってきていると思いますし、この京都府から発信するというような中で、先ほど組織再編を商工労働観光部を中心にというような、横串を通す取り組みもというようなこともおっしゃっていただけました。ぜひ、横串を通して生き生きと暮らせるような京都府政づくりに今後も邁進していただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

 次に、中北部振興についてでございますけれども、北部産業創造センターにおいては、まさに1万3,000人も利用していただいたり、さらに子ども向けのプログラミング教育というのも本当に今後重要な視点でございますし、丹後、そして福知山との連携も含めて府域全般の産業振興につながるということで大変期待しております。今後とも、引き続きよろしくお願い申し上げます。

 先般、野原地域でフィールドワークをさせていただいて、学生さんや地元出身の高校生ともお話をさせていただいたんですけれども、皆さんは、意外と言ったら何ですけれども、やっぱり地元に戻ってきたいというような思いを持っておられる声が多かったです。それは、地域に魅力があるからということでございましたし、どの地域にいても働き続けられる、そしてまた戻ってこられるような地域づくりをよろしくお願い申し上げます。

 最後に、1点要望いたします。

 対岸交流のゲートウェイ機能の強化を図る京都舞鶴港の整備については、これまでの整備、機能強化への取り組みを含め、改めて感謝申し上げます。京都舞鶴港の機能強化により、人流、物流は着実に増加しているところであり、さらにクルーズ船の寄港増による人流拡大、インバウンドの増加は北部地域、京都府域に新たな人の流れを生み出しています。

 エリア構想では、舞鶴エリア、宮津エリアをキャッシュレスモデルエリアに位置づけられていますが、今後、インバウンドへの対応強化も含め、急速にキャッシュレス化を進めていく必要があると思いますので、関係市町村への支援も含め、しっかりと取り組んでいただきますようよろしくお願いいたします。

 以上で質問を終わらせていただきます。御清聴いただきまして、ありがとうございました。