議会ニュース

2011年9月26日|平成23年9月定例会代表質問 山本 正

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1 本府の執行体制の強化について
2 雇用対策について
3 防災対策について
4 本府の救急医療体制について
5 その他

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議長(近藤永太郎君)
 まず、山本正君に発言を許します。山本正君。

〔山本正君登壇〕(拍手)


山本正君
 民主党京都府議会議員団の山本正でございます。私は会派を代表し、山田知事に質問いたします。
 まず、今定例会に提案されております補正予算案についてでありますが、急激な円高の進行などにより厳しい状況が続く京都経済への対応を初め、災害対策やエネルギー対策など、まことに時宜を得た内容となっており、我々議員団として高く評価する次第であります。
 それでは質問に入ります。
 初めに、京都府の執行体制の強化について、数点にわたり質問いたします。
 効率的な組織運営体制の確立、マネジメントの強化についてお尋ねいたします。
 3月11日の東日本大震災からはや6カ月半を経過いたしました。この震災により、多大な人的被害が生じ、多くの方々が避難生活を強いられています。また、先日、四国・中国地方を縦断した台風12号と台風15号は、奈良県・和歌山県を中心に近畿地方にも大きな被害をもたらしました。まず、この大震災及び台風被害により犠牲になられました方々に対し、心から哀悼の意を表するとともに、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。
 政府によると、東日本大震災によるインフラや住宅などの物的被害は、阪神・淡路大震災の10兆円を大きく上回る約17兆円と試算され、工場などの産業施設への被害やサプライチェーンの滅失などによる経済活動の低下、さらには電力の供給不足による経済活動の低下など、被害総額は甚大な規模に膨れ上がると想定されます。この1000年に一度と言われる未曾有の大災害は、エネルギー政策の見直しなどに代表されるように、我が国の経済、社会、そして国民の価値観に多大な影響を与えると考えております。
 京都府においても、経済状況の悪化に伴う府税収入の減少や多額の国費が被災地へ集中投下されるなどにより、府の行財政環境は中長期的に大変厳しくなると考えられ、これまで以上に府民満足最大化プランに基づく行財政改革やマネジメントの強化を行う必要性が高まっていると考えております。
 御存じのとおり京都府では、これまでから、大変厳しい財政環境の中でも府民サービスを維持し、向上を図るため、広域振興局の再編による現地・現場主義の強化、本庁組織の再編による課題対応型組織づくりや意志決定過程の簡素化、内部事務の徹底的な簡素化など簡素・効率的な組織づくりが進められ、1,000人を超える職員定数の削減にも努めてこられました。あわせて、職員がみずからの仕事を見直し、府民サービスを向上・改善させるため、職員の意識改革や職員間の対話の促進、セルフアセスメントなどの行政経営品質の取り組みを進められ、組織力の向上や業務の改善などの成果を上げてこられたとお聞きしております。
 一方、団塊の世代が定年時期を迎え、ベテラン職員の大量退職に伴うノウハウや技術の継承問題、さらには若手職員へのOJT不足などの人材育成問題、チェック機能の低下や各職員への目配り・コミュニケーション不足、メンタルでの休務者の増加などの問題が生じていると聞いており、府庁のマネジメントの強化が喫緊の課題になっていると考えております。
 最近、「もしドラ(もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら)」が映画化されるなど、ドラッカーが大きな注目を浴びております。ドラッカーの名著「マネジメント」において、「世界じゅうの先進社会が転換期にある中で、日本ほど大きな転換を迫られている国はない。日本が50年代、60年代に発展させたシステムは、他のいかなる国のものよりも大きな成果を上げた。しかし、それゆえに今日のシステムが危機に瀕している」と序文で記していますが、まさに京都府も組織運営や業務の進め方を大きく見直していくべき大きな転換期を迎えているのではないでしょうか。また、ドラッカーは、マネジメントの役割を「組織がその使命を果たし」「仕事を通じて働く人たちを生かし」「組織や社会に貢献する」こととしていますが、私自身、府民満足と職員満足の両立が何より重要であるとのことだと解釈しております。
 そこで、京都府では、これまでの組織改革などや経営品質の取り組みをどのように総括・検証し、今後、どのような組織運営や組織マネジメントを進めようとしているのか、お尋ねいたします。
 次に、広域振興局再編についての検証・見直しについて質問いたします。
 平成16年5月、住民に最も近い市町村を支え、地域の課題をしっかり受けとめた府政が推進できる地域機関となるよう、12あった振興局が4つの広域振興局に再編されました。以来、7年が経過しましたが、この間、地域振興計画の策定や約1,300項目の権限委譲などにより、地域戦略費などの局長権限の拡大など現場対応能力や政策企画能力は強化され、広域振興局による積極的な地域発の事業が展開されるなど、多くの成果を上げてきております。
 一方、この間、府北部では人口が約10%減少するとともに、中北部地域では市町村合併が進展するとともに市町村への権限移譲も進められるなど、再編当時からは広域局を取り巻く状況が変化してきております。
 その中で、管内の人口は山城71万人、南丹14万人、中丹20万人、丹後10万人、市町村数は山城15、南丹3、中丹3、丹後4と、私の地元にある山城広域振興局は他局に比べると圧倒的に多く、乙訓問題を初め、木津川左岸や右岸、関西学研都市など同一地域の中に全く異なる地域事情を有しており、他の広域局と比べるとさまざまな問題があると考えており、局長の責任者としての役割も重大であると思う次第であります。
 また、私も実際に広域振興局にはよく足を運びますが、どこの庁舎も老朽化が進んでいるように思われます。府政推進の最前線を担い、災害発生時には防災拠点ともなる施設であり、十分その機能が果たせるような対策はとられているのでしょうか。
 広域振興局再編に係るこれまでの取り組みや成果をどのように評価し、今後、庁舎の整備も含め、広域振興局をどのようにしていこうとしているのか、知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、知事を支えるマネジメントの強化について質問いたします。
 平成18年5月、副知事3人の体制整備がなされました。私は、その際の本会議において、3人の各副知事が「活性化」「安心・安全」「行政経営改革」の3分野の推進組織のトップを務めるトップマネジメントの確立について大きな期待を寄せ、知事に今後この推進組織をどのように有効に活用していこうと考えているのかお尋ねをし、知事からは、「この体制により関係部局間の総合調整や課題対応型の組織へと変えていくことを通じ、府民生活の安心・安全の確保、京都の力を生かす希望の京都づくり、府庁の経営改革の推進の3つの重点課題に全力を挙げて取り組んでいく」との力強い御答弁をいただきました。
 山田知事は、次々と生じるさまざまな行政課題に対し、常に先手で対応されるとともに、危機発生時には組織の先頭に立って対応されるなど、そのリーダーシップについては全国的にも評価されています。
 一方、時代の大きな転換期にあるとともに、全国知事会の会長の任務と関西広域連合への対応など、府政の推進のほかにも、多大の任務と役割において、その領域が広がっており、ますます知事のリーダーシップを支えるマネジメントの強化が必要であり、副知事3人体制を検討すべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。
 次に2点目として、雇用対策について質問いたします。
 今、我が国は大きな変革の時期を迎えようとしております。世界に類を見ないスピードで進む少子・高齢化や、急速に進展する経済活動のグローバル化、高度情報化、そして就業形態の複雑・多様化に伴う非正規労働者の急増など、我々を取り巻く経済・雇用環境は大きく変化しています。
 こうした中、平成20年9月のリーマンショックによる世界的な金融危機、本年3月に発生した東日本大震災、さらには急激な円高など、経済・雇用をめぐる情勢はますます厳しくなっております。京都府の状況を見ましても、8月に公表された7月の有効求人倍率は0.66倍と、前月と比べ0.03ポイント改善しているものの、円高の進行などによる景気下振れのリスクやデフレの影響など、雇用情勢の悪化懸念が依然残っており、不透明感は一層深まるばかりであります。
 こうした中、京都府では、これまでから府民の安心・安全を第一義に、切れ目なく緊急の雇用対策や中小企業の資金繰り対策などに全力を挙げてこられました。とりわけ、平成19年4月に開設された京都ジョブパークにおいては、現場のニーズ、府民のニーズにこたえるため、若年者から中高年齢者、女性、障害のある方、生活困窮者など幅広い府民の方の就業支援の充実を図っておられるところであります。
 例えば、昨年には、母子家庭や子育てしながら働きたい女性のニーズにこたえるため、保育と就労の一体的支援を行うマザーズジョブカフェを開設されたり、住宅問題を初め多重債務の法律問題など、就職活動に支障となっている暮らしの問題を抱える方のニーズにこたえるため、生活と就労の支援を行うライフ&ジョブカフェ京都やパーソナル・サポートセンターを開設するなど、働きたいと願う方の就業を全面的にバックアップされているところであります。
 また、さきの6月補正においては、有効求人倍率が低迷する厳しい雇用情勢を踏まえ、雇用の確保につながる緊急求人開拓施策を盛り込み、早速8月から10月を求人開拓強化月間に設定し、積極的な雇用に取り組む中小企業を支援するなど、一段の求人回復対策を講じておられるところであり、こうした山田知事の迅速・的確な対応を高く評価するものであります。
 このように、これまで京都ジョブパークでは、求職者一人一人のニーズに合わせたオーダーメードのサービス提供や人材育成、さらには求人確保に至るまで、複合的、総合的な課題に積極的に、また着実に取り組んでこられたところでありますが、現下の厳しい雇用失業情勢のもとで京都ジョブパークの果たすべき役割はますます重要さが増している中、これまで実施してきた施策の効果や有用性を改めて点検し直した上で、一層の改革を図る必要があると考えますが、これまでの取り組みをどのように評価し、今後どのような事業展開を図ろうとされているのか、知事の御所見をお伺いいたします。
 今日の雇用を取り巻く情勢を見ますと、大震災に端を発するサプライチェーンの崩壊や、ここ関西においても例外ではなくなった電力不足が我が国経済に甚大な影響を与え、企業の一層の海外流出を招く可能性を内在するなど、今後の雇用情勢にはなかなか明るい展望が見出せず、特に確定値が91.0%と過去最低となったことし3月卒業の大学新規学卒者の就職率を見るにつけ、大企業を中心としたさらなる採用の落ち込みを懸念するのであります。と申しますのは、新卒者は大企業志向が強く、採用意欲の高い中小企業に目を向けない傾向にあります。そのため、中小企業では逆に人材が不足するといった状況が生まれ、いわゆる雇用のミスマッチが起こっております。
 新卒者が社会人として第一歩を踏み出すときに職業につけないということは、京都の未来を担うべき若者の人生にとっては厳しい問題であり、京都の経済、地域の活力低下という点から見ても大変憂慮すべき事態と考えます。こうした中、新卒者の就職率を高めるためには、この雇用のミスマッチの解消が私は喫緊の課題ではないかと思うのであります。
 本会議におきましても、学生の就職支援に係る補正予算案が提出されておりますが、新卒者の雇用対策について、京都府では、これまでどのような取り組みを行い、今後どのように取り組まれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。
 次に3点目として、防災対策について質問いたします。
 去る3月11日に起きました東日本大震災の発生後、京都府におきましては、関西広域連合と連携したカウンターパート方式による被災地支援や被災者の積極的な受け入れといった取り組みに加え、国の動きを待たずに専門家会議を立ち上げ、原子力に関しては、防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲、いわゆるEPZを、府民の安心・安全を確保するという観点から、府独自に従来の10キロメートルから20キロメートルに拡大し、これに伴う地域防災計画の暫定計画を策定されたところであり、こうした取り組みを評価するところであります。
 今回の東日本大震災で見えてきたさまざまな課題は、国全体で大きな教訓としていかなければならないところですが、京都府に置きかえてみれば、東南海・南海地震では府南部に大きな被害が想定され、日本海側で大地震があれば海に面した府北部地域が津波の不安にさらされ、隣接県にある原子力発電所で万一事故があれば府域へのはかり知れない影響が考えられるなど、いつ起こるかもしれない大災害に府内すべての地域がしっかり備えることが急務であります。
 まずは、災害時に支援物資などの備蓄集配や支援隊の集合する拠点となる防災拠点を、交通の利便性を考慮した場所に適切に整備・配置する必要があります。
 そして、今回の大震災で目にしたように、災害現場で活躍する消防人材が地域で確保されていることが、的確な災害防御と速やかな救助につながり、多くの人命を救う結果となったことを考えれば、消防職員や消防団員の育成と活動力強化は何よりも重要な点であります。また、府民みずからの危機回避能力を高めるため、各地域の自主防災力を高める訓練にも、より専門的に取り組むべきと考えます。
 私は、かねてより府立消防学校について、府民生活の安心・安全のため日々活動する消防職員や団員の養成は大変重要であり、そのためには府立消防学校のハード・ソフト両面の強化を図るべきと、これまで府議会で幾度となく申し上げてまいりました。
 府立消防学校については、今年度から必要な予算が措置され、屋内訓練場の建てかえや、専科教育の一部を先進的な設備などを備えた京都市消防学校で実施するなど、大きく動き出したところであり、一日も早くその成果があらわれることを期待するところであります。また、北部などにおける消防団員の訓練環境の改善、府民への防災教育の必要性など、府内全域で消防学校の教育力を発揮する仕組みについても早急に構築すべきと考えます。
 府立消防学校は、高速道路にも近くて立地がよく、地域の避難場所として一定の備蓄の許容量もあり、屋内訓練場建てかえ後は耐震性が十分確保されることもあわせれば、都市防災の拠点としての可能性は大変高いと感じております。防災の拠点については、関西広域連合が策定を進めている広域防災計画に関連して、構成府県が具体的な配置を検討していくようでありますが、府立消防学校の効果的な活用も含め、どこでどのような機能を持つべきか、拠点配置の全体像を府民へわかりやすく示していく必要も出ているのではないかと考えます。
 そこで、お尋ねいたします。広域かつ大規模災害に対応できる広域災害拠点について、早期に確保・整備すべきと考えますが、いかがでしょうか。知事の御所見をお伺いいたします。
 また、今回の東日本大震災を教訓として、府立消防学校の教育訓練などについて、どのように充実・強化していこうとしているのか。また、京都市消防学校及び関西広域連合との連携強化について、どのように考えておられるのか、お伺いいたします。
 次に4点目として、京都府の救急医療体制について質問いたします。
 京都府においては、これまでから患者の重症度・緊急度に応じた階層的な体制の整備を整えてきており、休日・夜間の軽度の救急患者を受け入れる初期救急医療は、5地区の在宅当番医制と9カ所の休日夜間急患センター、また、入院を要する救急患者を受け入れる二次救急医療は92の救急告示病院及び14の輪番群病院で運営されており、重篤な救急患者を24時間体制で受け入れる三次救急医療については、京都第一及び第二赤十字病院と京都医療センターの3カ所が救命救急センターとして整備されております。
 救急医療体制の中でも周産期医療については、平成9年から京都第一赤十字病院の総合周産期母子医療センターを中心として、現在、18カ所の周産期二次病院である地域周産期母子医療センターがすべての医療圏で整備されるとともに、うち府北部と南部のそれぞれに拠点病院としてサブセンターが1カ所ずつ整備されております。また、小児救急医療についても、6医療圏すべてにおいて、複数病院の輪番制による小児科医師の当直などの救急医療体制が整備されております。
 こうした救急医療体制の構築効果について、先般7月22日に消防庁が、「平成22年中の救急搬送における医療機関の受入状況等実態調査の結果」を公表しており、それによると、重症以上傷病者搬送事案に係る医療機関受け入れ照会回数4回以上の割合が全国で3.8%と、前年の3.2%から増加傾向にある中で、京都府は2.6%にとどまっております。特に周産期救急については、受け入れ照会回数4回以上の割合が全国で3.8%に対し、京都府ではゼロとなっており、一、二回で98%、3回以内で100%の受け入れとなっております。
 救急医療に携わる皆さんの昼夜を分かたぬお取り組みに、改めて感謝申し上げたいと思います。
 しかしながら、現実には、都市部に属する一部の医療圏、京都・乙訓に医療機関、医療従事者などの医療資源が集中しており、他の医療圏では地域の中核的な救急医療機関を中心に多くの救急患者が集中する傾向があるとお聞きしております。
 こうした地域の救急医療機関では、軽症・中等症・重症傷病までの幅広い救急患者を断ることなく受け入れるため、限られたスタッフは日々緊張感が張り詰めた状態を持続していかなければならず、救急医療の現場の厳しさを強く感じざるを得ません。一刻を争う緊迫する状況下で、救急患者の状態を瞬時にかつ的確に見きわめ、適切な治療方針を即断しなければならない救急医療の現場は、医師にとって体力的にも精神的にも大変ハードなものであると同時に、救急患者の生命を救う達成感は医師として大変やりがいのあるものとお聞きしております。
 救命救急センターなど一部の大きな医療機関を除くと、多くの二次救急病院は、一般の診療科の医師が自分の診療科の外来や入院患者の治療を行いながら順番に救急当直を担うなどの激務をこなしているとお聞きしておりますが、一人でも多くの医師が救命救急医療に主体的にかかわってもらいたいと願っております。そのためには、特に若い医師が、医師としてのキャリアを築き、一人前に成長していく過程において、指導医のもとで救急医療の現場を数多く経験していただくことが重要と考えます。
 その前提として、京都府内のすべての地域に医師を安定的に確保していくことが必要となりますが、京都府においては、従前から、特に医師確保が困難な北部地域を対象にした医師確保奨学金を初め、総合的な医師確保対策を講じられてきたところです。さらに、この6月には「京都府地域医療支援センター」を開設され、若手医師のキャリア形成支援のための魅力あるキャリアパスモデルづくりに取り組まれており、京都府内で働く医師数全体がふえるとともに、医師確保が困難な地域での医師確保が確実にできるものと大いに期待しております。
 そこで、お尋ねいたします。こうした医師確保にあわせて、救急医療の現場の厳しさを緩和することも必要です。救急車のタクシーがわりのような利用はあってはならぬことですし、不要不急の時間外受診を控えるなど、医師たちが真に緊急性の高い救急医療に集中できるよう、府民の皆さんも協力していくことが大切と考えます。
 ただ、小さなお子さんを持つお母さん、お父さん方にとって、お子さんの急病時には非常に不安な気持ちになると思いますので、こうしたときに医療の専門家からのアドバイスが受けられれば不安が解消され、適切な医療機関への受診が行われることで救急現場の負担を減らすことになります。こうした看護師など専門の職員が親身になって相談できる体制の充実は極めて有効なものと考えますが、その運営状況についてお伺いいたします。
 また、医師確保対策及び救急医療対策の両面から、医療提供体制の地域間格差の解消に取り組まれてきたところですが、救急医療においては、京都市内に三次救急の救命救急センター3カ所が集中していることから、各医療圏には多くの救急患者搬送を積極的に受け入れ、地域の中核となっている二次救急医療機関があります。こうした地域で頑張る医療機関の救急診療機能の一層の充実・強化を図ることで、京都府全体の救命医療体制の底上げを図ることが必要と考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。
 さらに、私の住んでいます京都南部の救急医療体制強化への強い要望もあるところでありますが、その取り組み状況についてお伺いいたします。
 これで私の1回目の質問を終わります。


議長(近藤永太郎君)
 山田知事。


〔知事山田啓二君登壇〕


知事(山田啓二君)
 山本議員の御質問にお答えいたします。
 山本議員におかれましては、ただいまは会派を代表されまして、補正予算案に対しまして高い評価をいただき、厚くお礼を申し上げたいと思います。
 まず、京都府の執行体制の強化についてでありますけれど、これまで、極めて厳しい財政状況のもとに事業費等の一律削減を行った財政健全化指針、それから内部業務の圧縮を目指した経営改革プラン、さらに、府民ニーズを第一の視点に掲げました府民満足最大化プランを策定いたしまして、行財政改革に全庁挙げて取り組んでまいりました。
 その中で、組織改革につきましては、現地・現場主義のもと、課題に対して柔軟で迅速・的確に対応する組織を目指し、平成16年度には広域振興局を再編し、大幅な権限委譲により、現地での課題対応力を強化したところであります。そして、平成20年度には本庁組織を再編いたしまして、あわせて意思決定過程の階層を見直しました。
 また、家庭支援総合センターや京都ジョブパークの設置など、従来の組織の壁を越えましたワンストップでのサービス提供体制づくりを進めてまいりました。その上で、全職員に府民第一主義を浸透していただくためにも、意識改革のかなめとなるセルフアセッサーを130名養成し、行政経営品質の向上に当たってきたところであります。
 こうした改革を進めてきてはおりますけれども、一方では全体の組織の年齢構成が頭でっかちになっておりまして、昔のようなピラミッド型の組織をつくることができない。そのために、私どもは、やはり迅速化ということも踏まえてフラット化を推し進めてまいりましたけれども、そのときにやはり横の連携がもう一つきちっとできていない部分がありまして、情報共有の欠如や総合的な行政運営の支障となる場合が出てきております。それから、職員の高年齢化が進む中で、若手職員の育成が不十分な面があるということも挙げられるというふうに思っておりまして、そうした点について、これから注意をしていかなければならないと考えております。
 こうした課題に対応するために、外部有識者から成ります「組織に関する研究会」を設けまして、今、点検・検証をいただいているところでありますけれども、その中では、業務実態に合わせた柔軟なグループ運営というものを確立していくべきではないか、そしてグループリーダーによるマネジメントをしっかりと確立していく必要があるという意見をいただいておりまして、こうした意見を踏まえた形で、これから組織改革にも乗り出していきたいと思っております。
 また、若手職員の育成につきましては、採用につきましては、来年も含めますと多分3年連続100人を超える採用になるというふうに思っておりまして、一時期の緊縮体制から少しその面では若手職員の育成へとかじを切ることができているのではないかなと思っておりますけれども、経験豊富なベテラン職員の能力を生かすためにも、これからも退職後の再任用職員や非常勤嘱託として任用いたしまして、こうした若手との連携をよくしていきたいというふうに考えているところであります。
 今後も、こうした改革を通じ、府民視点から業務改革に積極的に取り組んでいけるような組織への体質改善を促していきたいというふうに考えております。
 次に、広域振興局の再編についてでありますけれども、市町村合併に対応できる組織になること、そして広域統合による専門性の向上によって複雑・多様な行政ニーズにこたえること、さらには日常的な業務における企画力と実行力の向上、そしてスケールメリットを生かした緊急時の対応力の強化、こうしたことを目指して広域振興局の再編をしてまいりました。
 この中で、現在の認識でありますけれども、今は、さきの通常国会におきまして、地方分権改革に係る第1次、そして第2次の一括法が成立をしております。ここでは、社会福祉法人の定款認可を初め、農地の権利移動の許可、未熟児の訪問指導など、57項目にわたる許認可の権限が今後市町村に移譲されますとともに、義務づけ・枠づけの見直しによる条例委任事項も拡大をしていくことになります。つまり、都道府県と市町村との関係がこれから大きく変化をする時期にありますので、私は、こうした権限移譲等が市町村に円滑に定着するように、まずは現地・現場の最前線として広域振興局が安定的な組織として機能していく必要があるというふうに考えておりまして、当面は、こうした都道府県と市町村の権限移譲の関係をきちっと整備するまでは今の組織で運営をすべきじゃないかなというふうに考えているところであります。そうした形の中で、今後、都道府県と市町村の関係が変わっていく中で、また広域振興局のあり方についても検証していかなければならないというふうに考えているところであります。
 それまでは、地域振興計画推進費に見られますように、局長の裁量を拡大いたしまして、できるだけ市町村との中で総合的な調整機能が行えるように、さらに充実に努めていきたいというふうに考えております。
 総合庁舎につきましては、これまでから、庁舎の耐震化や自家用発電機の整備など、防災拠点としての必要な対策を推進してまいりました。東日本大震災では、庁舎自体が被災し、災害対応に支障が生ずるなどの課題・教訓もありましたけれども、京都の場合、津波でそうした機能が失われるということはなかなか考えにくいのですけれども、例えば福島県の県庁自身が震災によりまして使用不能になっているという例もありますから、そうした防災に対しまして、引き続き機能が発揮できるように、老朽化対策も含めて計画的な整備を進めていきたいと考えているところであります。
 次に、マネジメント体制の強化について副知事の問題を御指摘いただきました。議員から御指摘のありました、全国知事会長としての職務、また関西広域連合の委員としての活動につきましては、それぞれの組織が体制を持っておりますので、連絡調整的なところで人や体制づくりは要ると思うんですけれども、それ自体をマネジメントしていくというふうなことは私は今考えておりません。
 しかし、一方、京都府政を取り巻く状況を見ますと、急速に進む高齢化社会への対応ですとか、円高による経済・雇用対策、災害からの安心・安全確保など、課題はますますふえていく傾向にあります。さらに、観光対策や奈良線の複線化からリニアまで、また舞鶴港など、広域行政課題も山積しておりまして、トップマネジメントの強化が必要との考えは、私もこの間、変わっていません。
 こうした中で、現在は内部登用の2人の副知事がしっかり内部の押さえをしていただいておりますので、今後、3人目の副知事の選任につきましては、こうしたものを踏まえて、できる限り広域的な課題に対応できる人材の外部登用について、今、検討しているところであります。
 ただ、こうした外部登用になってまいりますと、やはり何といっても京都のことをよく知っている、そしてその上で主張できるような方が必要となってきますと、なかなかすぐに適当な人材がまだ見つからない状況が続いておりまして、その点では何とか急ぎたいなという気持ちはあるんですけれども、これはやはり一度選んでいただくときには議会の御承認もいただく納得できる人選をということでありますので、その点についてさらに人選を進めていきたいと考えているところであります。
 次に、雇用対策についてでありますけれども、京都ジョブパークは、幅広い方々を対象にオール京都でワンストップで就職を支援する組織として平成19年に開設をいたしました。その後、府民のニーズが複雑・多様化しておりますし、オーダーメードですのでさまざまな要請にこたえていかなければならないということで、「はあとふるジョブカフェ」やマザーズジョブカフェ、ライフ&ジョブカフェを開設するなど順次機能を拡大する中で、延べ21万人に利用いただきまして、1万5,000人を超える方々の就職を実現するなど大変大きな成果を上げて、国の施策にも取り入れられたところであります。
 ただ、一方、ジョブパークとして、職業紹介や職業訓練の受講指示など、なおワンストップで提供できない分野が残されております。また、ジョブパークで提供するサービスが専門化すればするほどコーナーごとの独立性が高まってまいりまして、連携不足や総合的な相談窓口といったものがわかりにくくなっているという現状があります。さらに、就職のための基礎的な能力の涵養など、長期的な支援が必要な方もたくさんいらっしゃいます。こうした課題が生じてきておりますので、今後、府による職業紹介など、ハローワーク機能とのより一体的な運営に関する特区提案をしておりますので、その早期実現を目指したいと思っておりますし、ジョブパークがより利用しやすいものとなるような相談窓口の一本化など、サービス機能の充実を図っていきたいと思います。
 また、求職者の意識改革を図るとともに、就職につなげるためのジョブパーク塾の開設等による長期的な就職力向上策の推進・強化も図っていきたいというふうに思っておりまして、これからも常に進化するジョブパークを目指して全力を挙げていきたいと考えております。
 次に、新卒者の雇用対策についてでありますけれども、来春卒業予定者の大卒求人倍率の民間調査では、大企業の求人倍率が0.49に対しまして、中小企業は3.35という数字が出ておりました。こういう関係から申しますと、学生と実際の求人との間で大きなミスマッチが生じていることがうかがわれるわけであります。このような状況が生じるのは、非常に今、社会自身が不安定ですから、どうしても大企業に行って安定を求めるという傾向が、これは学生も、また保護者の皆さんも強いということは言えると思います。それと同時に、なかなか中小企業もそうした自分たちの魅力を十分に伝えられないという点もあろうかと思っておりまして、理解不足の点もあると思っております。
 このため京都府では、これまでから、大学と連携し、就職相談会を昨年度は60回以上開催いたしますとともに、具体的に中小企業と新卒者を結びつける「京都未来を担う人づくり推進事業」を推進いたしまして、こうしますと対象者58人全員が中小企業に就職をしておりますので、やはりそういった面で理解不足の点があるということが私は実証されているんだというふうに思います。その上で、中小企業の魅力発信のために、8月には「中小企業人財確保センター」を開所しているところであります。今回、できるだけ早い段階から新卒者の方々に対してそうした対策を講じるために、「大学生就職緊急支援事業」を今定例会に提案しておりまして、これから、これらの事業を通じまして、卒業と同時に仕事につけるという形をとれるように努力をしてまいりたいと考えているところであります。  次に、広域防災拠点についてでありますけれども、東日本大震災では、私どもは福島県への支援物資の集積・仕分け作業を向日町競輪場、これは開催を中止しておりましたので、ここを使って行いました。これで何とかうまくできたわけでありますけれども、それでも10トントラックが入りづらいとか、雨天にはなかなか荷積みの作業が困難になるなど、改めて、防災拠点というものを恒常的に、いざというときにはすぐ完全に使えるという形をとる必要性を痛感したところであります。
 このため、広域防災拠点につきまして、全国の整備状況を調査したり、兵庫県の三木総合運動公園など先進的な地域につきまして、地域防災の見直し部会の委員の皆様の御意見を今伺っているところでありますけれども、こうした広域防災拠点としては、物資の備蓄機能、救援物資の集積・仕分け機能、それから、全国からの応援要員の集結とそれをきちっと指令する機能が必要ですし、立地条件といたしましては、大きなものが1カ所必要と思いますけれども、あとは、やっぱり細長い地形を考えますと、各地域にもそれを補完する機能が必要じゃないかなというふうに考えているところであります。
 こうした点から、今後、ハード面では、山城総合運動公園ですとか丹波自然運動公園、京都舞鶴港、そして府立消防学校等の既存施設を活用するとともに、その上で、集中的な広域防災拠点として今検討しております球技場等の使用も考えながら、今後進めていきたいというふうに思っております。
 ソフト面では、関西広域連合におきまして、東日本大震災を踏まえて、現在、関西防災・減災プランを策定中であります。その中で、各府県の備蓄物資を相互に融通し合うことを想定した救援物資の集積・配送マニュアルや備蓄計画を検討するなど、防災拠点が効果的に稼働できるように広域の応援体制を、今、整えているところでありまして、これが十分に動きますと、非常に広域的な形で、いい体制が関西では組めるのではないかということを期待しているところであります。
 防災人材の育成につきましては、大規模災害発生時は、特に消防職員や消防団員による迅速かつ的確な救出活動が今回の震災でも非常に目立ったところであります。それだけに、府立消防学校の教育訓練内容につきましても、今後そうした事態を踏まえた形で強化していくことが必要でありますけれども、今年度、初任科生等の実技訓練技能を向上させるために屋内訓練場の建設に着手をしております。さらに、有毒ガスとか生物剤の検知器等を活用した特殊災害対応などの専門的な教育訓練につきましては、大変すぐれた機能を持っております京都市の消防学校を使わせていただくことになっております。消防学校を全面的に使えればいいんですけど、規模の面とかさまざまな面がありますし、また、府の広域防災拠点として、今後、消防学校の立ち位置もありますので、そうした面からうまく両方の連携を図っていき、その中で消防団員も対象にした救助・救出訓練とかさまざまな訓練もしっかりと行えるようにしていきたいと思いますし、また関西広域連合でも、災害救助法とか家屋被害認定士養成等の研修などを通じまして、ハード・ソフトの両面から人材育成に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、救急医療体制についてでありますけれども、京都府では、府民の皆さんから子どもの急病時の相談を幅広く受けるために小児救急電話相談事業「♯(シャープ)8000」、これを平成16年度から実施しております。毎年度、相談件数は増加しているところでありまして、昨年度は5,782件の子どもの相談を受けましたけれども、約9割の方々から「納得しました」とか「やや納得した」との高い評価をいただいております。結果としては、約8割の方がその場で解決しているところでありまして、救急医療の適正な受診に効果を上げてきておりますので、今年度から回線数を2回線にふやしたところであります。そうしましたところ、前年度比約35%の増で、今、推移をしているところであります。
 救急医療体制につきましては、比較的軽症な救急患者の診療に対する初期救急と、手術・入院を要する患者の治療に対する二次救急、さらには高度診療機能をもって交通事故等によります多発外傷などの重篤救急患者に対応する三次救急により、段階的に対応しております。この中でも中核的な役割を担っておりますのが二次救急医療機関でありまして、このため京都府では、救急勤務医や産科医の配置に対する支援や、地域医療再生基金を活用した救急措置室や救急医療用機器等の整備を支援いたしますとともに、北部地域につきましては、昨年度からドクターヘリを導入いたしておりますし、南部地域におきましても、今、関西広域連合で導入に向かって進めるなど、この分野の充実を図っているところであります。
 さらに、三次の救命救急センターにつきましても、今後、確かに地域バランスを考慮していく必要がありますので、平成20年度から制度化されました、従来よりも小規模な地域救命救急センターの制度も活用しながら、新たな指定に向け努力をしていきたいと考えております。
 南部地域の救急医療体制につきましては、他地域に比べ公的病院が少ない中、14カ所の民間医療機関が連携して救急医療を担っていただいております。こうした民間医療機関の中で救命救急センターの要件を満たす病院につきましては早期の指定に向けて、府としましても必要な調整をしていきたいと考えております。


議長(近藤永太郎君)
 山本正君。


〔山本正君登壇〕


山本正君
 るる丁寧に具体的にお答えいただきまして、評価いたします。
 それでは、時間の関係もありますので、二、三意見を申し上げて代表質問を終わりたいと思います。
 さきの通常国会において、地方分権改革推進計画及び地域主権戦略大綱を踏まえた、いわゆる第1次、そして第2次一括法が成立いたしました。この2法の成立により、府の権限の市町村への移譲、そして市町村の条例制定権が拡大されるなど、地域のことは地域で決める、住民に身近な行政の権限は市町村へ移譲するというのが地方分権改革の大きな流れとなっております。
 理念としてはそのとおりであると思いますし、市町村職員の意欲と能力の向上を大いに期待するわけですが、とりわけ町村においては、その組織規模などに差があるのも事実であります。そのような実情において、今回の法律の成立によって、各市町村一律に条例を制定する必要が生じ、また、京都府の権限が移譲されるわけでありますから、今後、法律が施行されるまでの間、そして法律が施行された後の京都府の支援は、分権の本旨からするとおかしいとしても大変重要であり、現地・現場の最前線として日々市町村と連携しながら業務を行っておられる広域振興局が頼れる存在であってほしいと願っていることを、これは要望として申し添えておきたいと思います。
 それから、東日本大震災の教訓の問題だけお話ししたいと思います。各地域に対策本部ができると思いますが、その対策本部が広域振興局であるとするならば、防災備蓄をしっかり踏まえた庁舎であるということが最も大事であります。
 それから、救急医療体制については、第三次救命救急センターは京都市内に3カ所が集中しています。震災で明らかなように、京都市内がもし全滅をしたときにどのように対応するのかということを教訓として考えれば、まず京都南部から、そして各地域にそういうものをつくっていくという必要性が最も大事だということを申し上げ、私の代表質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。


(拍手)