議会ニュース

2011年7月 1日|平成23年6月定例会一般質問 岡本和德

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1 防災対策について
2 観光、商店街対策について
3 京都企業の海外進出について
4 教育問題について
5 その他

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議長(近藤永太郎君)
 まず、岡本和徳君に発言を許します。岡本和徳君。

〔岡本和徳君登壇〕(拍手)


岡本和徳君
 民主党議員団の岡本和徳でございます。
 質問に先立ちまして、議長のお許しをいただき、一言申し述べさせていただきます。
 この4月10日に執行されました京都府議会議員選挙におきまして、たくさんの有権者に信任をいただき、当選させていただきました。そして本日、府議会議員として初めての定例議会において初質問をさせていただきますが、まず、この機会を与えていただきました会派同志に感謝申し上げさせていただきますとともに、山田知事初め理事者の皆様、先輩議員の皆様、同僚議員の皆様の温かい御指導をいただけますよう心よりお願い申し上げます。
 私は、この選挙戦におきまして、地域密着型で府民の力をリードし、子どもたちに明るい未来を残すために政治をするとお約束させていただきました。これから質問いたしますのは、そうした私の政治家としての思い、府民の皆様の思いであると御理解いただき、山田知事を初めとする理事者の皆様には懇切丁寧なる答弁を賜りますよう、お願い申し上げます。
 それでは質問に入ります。
 まず、先般発生いたしました東日本大震災に関しまして、これまでに1万5,000人を超える方々が亡くなられ、7,000人を超える方々が行方不明になっておられます。そして、いまだに避難、転居されていらっしゃる方々の数も11万人を超えております。震災の発生直後から、自衛隊、消防、警察を初め、各都道府県、民間団体、そして国外からもたくさんの人的、物的支援が行われてまいりました。京都府からは、地震発生当日の3月11日に、緊急消防援助隊約200名、京都府警広域緊急援助隊約130名、災害派遣医療チーム42名を派遣し、14日には、知事を本部長とする災害支援対策本部を設置していただきました。そして、6月6日現在までに、京都府では770人の住宅入居を受け入れ、524名が受け入れ被災者登録されています。物的支援も食料を初め、マスクや毛布など109.5トンを現地へ送っていただきました。このように、地震発生直後から非常に迅速な対応をとっていただきましたことに改めて評価させていただきます。そして、何よりも迅速な初動対処こそが被災地住民の不安を取り除き、命を救うことに大きく寄与できたことは言うまでもございません。
 また、一連の原発事故をかんがみまして、防災会議を開催していただき、原子力発電所防災対策計画をつくっていただきましたことにも評価させていただきます。ただ、この原子力発電所防災対策計画を見ますと、基本的に高浜原発及び大飯原発を想定されているように見受けられます。しかしながら、そのほかにも敦賀や美浜にも原発はございますし、これらの原発が事故を起こすことは当然想定されるわけでして、20キロメートルの範囲外なのかもしれませんが、これらの原発が事故を起こした際には、京都府民にも大きな影響を与えることとなります。特に水に関しまして、京都府民のみならず、関西の人々は琵琶湖に大きく頼っております。原発に万が一のことが発生した場合、琵琶湖の水にも大きく影響することは想像にかたくありません。
 そこで、まずお伺いいたします。こうした琵琶湖の水への被害対処、対策に関しましては現在調査中かとは思いますが、現段階におけます京都府としてのこの琵琶湖の水が汚染された際の対処についてお聞かせ願います。
 そして、国内外、民間、行政を問わず、たくさんの支援チームが被災地へ派遣されているわけですが、その中でも自衛隊の役割というものが非常に大きな存在になっております。京都からもたくさんの自衛官が現地支援に派遣されましたが、あれほどの規模の災害が発生した際には、やはり常日ごろから綿密な計画を立て、訓練し、他の組織の支援が得られなくても、自力で任務が遂行できる自衛隊の重要性が今回本当によくわかったわけでございます。あのように混乱した現場においては、指揮命令系統もはっきりしている自衛隊の動きというのは本当に心強いものです。また、自衛隊、警察、消防、行政、民間団体など現地に派遣されている方々のみならず、後方で支援活動を支えている皆様、御家族の皆様にも大変な力を発揮していただきましたことにも、この場をかりて感謝申し上げさせていただきます。
 先ほど、原子力発電所防災対策計画についてお話しさせていただきましたが、原発で大きな問題が発生した際には、20キロメートル範囲の住民の避難が行われるとのことですが、計画で御指摘のとおり、20キロメートル圏外への当面の避難施設を確保し、市町村と協議・調整を図ることが重要です。そして、住民の避難などに対してもやはり自衛隊の力が大きく必要になってくるのではないかと考えます。原発事故や今後30年で60%以上の発生率と言われている、東南海・南海地震を初め、大規模な鳥インフルエンザ発生時の対処、近年頻繁に発生する大きな台風被害、集中豪雨による河川のはんらんなどという大規模災害が発生した際に、自衛隊の力をおかりすることがあるかと思います。
 そこで、お伺いいたします。自衛隊と京都府との協力体制、組織としての関係はどのようなものになっているのかお聞かせください。そして、京都府警や京都府内の自衛隊の部隊だけでは対応できなくなった際に、どこから支援に来ていただける予定なのでしょうか。また、山城総合運動公園などで、総合防災訓練を実施されていることは存じておりますが、例えばどこの空港を拠点に物資を空輸し、管内の被災地に届ける計画なのかなど、府民が不安を感じている今ですから、改めて少し具体的にお聞かせいただけますようお願いいたします。そして平時の間から自衛隊との何らかの交流の機会を通して、府民と自衛官とのより近い、よりよい関係を築けるように期待しております。また、総合防災訓練や原子力防災対策計画のように、より実践的かつ詳細を記した計画の作成を急いでいただき、指揮所演習の実施を継続して行っていただきたいと思っております。
 次の質問に移らせていただきます。
 震災発生後、その影響はあらゆる分野にも波及し、京都にも大きくダメージを与えています。特に、私たちの生活に密着した経済的ダメージは深刻で、大企業を初め、とりわけ中小零細企業の業績悪化が顕著となり、製造業を初め、観光業、ホテル業などのサービス業にも大きな悪影響を及ぼしております。6月14日に近畿財務局京都財務事務所より発表されました法人企業景気予測調査によりますと、京都の全産業の景況判断指数(BSI)は、4月から6月期にはマイナス30.3ポイントと大きく悪化し、特に中小企業においてはマイナス41.2ポイントと大幅に悪化する見通しとなっております。また、京都市内の主要ホテルの客室稼働率は、トップシーズンの4月で前年同月比19.3ポイント減の70.7%にとどまり、資料が残る平成6年以降では最低となっています。5月も8.6ポイント減の79.4%となっています。さらに、天橋立観光協会によりますと、4月10日から5月31日までの宿泊数及び宿泊予約数は前年比の57%にしかならず、外国人観光客は9割がキャンセルされたそうです。亀岡の湯の花温泉に関しましては、震災発生後から4月21日までに9,300人がキャンセルをされ、トロッコ列車のキャンセルも4月11日までに2万6,633人に上ったそうです。
 こうした震災の影響を受け、緊急融資や観光緊急回復対策事業費などに予算を割いていただきました。京都府においては観光客8,000万人構想に基づき、さまざまなキャンペーンが展開され、内外の観光客を誘致することに尽力していただいておりますが、震災の影響から立ち直らせるためには、今後さらに有効な施策を用いて誘客を進めていただきたいと思っております。
 また、京都府を訪れる観光客のうち約65%が市内の入り込みだと伺っております。京都府域にも魅力ある観光資源は多くありますが、観光誘客に十分につながっておらず、特に外国人観光客のニーズに対応したプロモーションも十分ではないという指摘もあります。中国を初めとする東アジア、欧米の観光客にも日本の心としての京都府の魅力をどんどん発信していただきたいと思っておりますし、観光客には1年を通して京都府を訪れていただきたく思っております。
 さらに、京都の場合、観光や生活文化、伝統産業の振興、商店街の再興といった施策は、一体的に取り組むことが大切であると考えます。例えば、京都には世界文化遺産が17カ所ありますが、それらを地域振興のために十分有効活用し切れていない部分があるのではないかと感じています。私の地元右京区においても仁和寺、龍安寺を初め4つの世界文化遺産や、嵐山、太秦映画村、妙心寺など多くの観光名所を有しており、外国人観光客も含め、多くの人々が訪れています。それにもかかわらず、近隣の商店街がシャッター通り化しているという現実もございます。それらの資源を単に観光だけではなく、商店街の振興や伝統産業の振興と積極的に結びつけていくことができれば、地域の活性化に大いにプラスになると考えますが、いかがでしょうか。
 関西広域連合においても、京都の文化、観光に対する期待は非常に大きく、また、本庁から国に対して文化庁、観光庁の京都移転も提案されるなど、京都が有するすぐれた観光資源を初め、伝統文化や匠の技などを世界に発信し、京都が世界の文化都市となるべきであるというのは知事のお考えどおりであると考えます。そうした資源を用い、京都にも海外に進出したいと考える企業や人材、または新規の販売ルートを開拓したいと考える企業は多くありますが、こちらも震災の影響も受けていることと思いますが、それ以前に、特に伝統産業におきまして、産業としての成立が難しくなりつつあり、伝統技術の継承という基本的な点において尽力しなくてはならない状況になりつつあります。そうした中、20代、30代といった若い世代の伝統産業従事者が、伝統技術に世界的な美的センスを組み入れ、伝統を重んじつつも新しい商品を開発し、他地域、海外への販売ルートの開拓を進めています。こうした民間、府民の努力を後押しするために、京都府でも、「クール・京都展」を東京の赤坂にある赤坂サカスで開催し、首都圏から京都の商品を全国、国外にアピールすることになっているとお伺いしております。
 こうした施策には大いに期待しているところであり、また、このように海外への進出を望む企業が増加する中、上海のビジネスサポートセンターの設置、京都産業21内に設置された京都府海外ビジネスサポートセンターなどの海外ビジネス展開のための支援は、グローバル化し、自由貿易などが進行する世界市場を目指していくために極めて重要であり、さらに地方分権が進む今、地域力を高めるこれらのような施策こそが次の時代のために必要なのだと思っております。
 そこで、お伺いいたします。これからは既存の商品だけを持って海外市場に紹介するだけではなく、現地の企業や外国人のニーズに合った商品開発やそのサポート、海外の実情に応じた販売戦略が必要であると考えますが、この点の見解、対策はいかがでしょうか、お聞かせください。あわせて、伝統産業に取り組む若い世代の海外進出サポート、販路拡大などを支援するような制度の必要性についてもお聞かせいただけますでしょうか。
 最後の質問は、教育に関してお伺いさせていただきます。
 私は今、日本は変革期を迎えていると感じております。震災からの復興はもとより、外交、軍事、財政、環境問題など、そして社会構造の変化、倫理観の崩壊、家族の役割やそのあり方など、人々のニーズは多様化し、これまでの価値観や制度では解決が困難な問題が山積みになっていると感じています。
 戦後、日本は目覚ましい経済成長をなし遂げたことは言うに及びません。戦後の焼け野原から、何もないところから、先輩方の必死の思い、必死の努力で復興を遂げていただいたことは、感謝の余り言葉も見当たらないほどの気持ちでいっぱいです。そして今、私たちの身の回りは最新の家電製品で満ちあふれるようになってまいりました。ところが、一方で、凶悪な犯罪が頻繁に発生する世の中にもなっています。子どもが親を手にかけ、親が子どもを手にかけるというような卑劣な犯罪も頻繁に発生する世の中になり、また、京都府においては、学校における暴力行為の発生件数は全国ワースト4に入るなど、心が失われつつある時代になっています。このように、日本は物質では満たされるようになりましたが、心の欠けた社会になってきています。物質で満たされるだけではなく、お互いを思いやり、きずなの強い、心の通い合った社会もつくり上げていかなければなりません。これからの日本は、物にも心にも満ちあふれた、物心ともに調和のとれた国家づくり、まちづくりを目指していかなければならないのではないでしょうか。
 京都府でも食育の取り組みが実施されておりますとおり、食を通しての心の醸成というのも大変重要だと感じております。みずからの命をつないでくれている食に対する意識の高揚は、食べ物の大切さ、命の大切さ、農業者への思いやり、そして、他者への気持ちを膨らませ、自然への感謝や畏敬の念を持つという心の醸成につながります。幸い京都には歴史的な伝統文化、寺社仏閣も極めて多く、日本人が本来持ち合わせている心を伝承していくには最善の地であると考えています。私は、京都こそが日本人の心のよりどころとなるべきまちなのではないかと感じております。そして、その京都府の教育理念を示した京都府教育振興プランに、「人づくり、教育こそが、京都の明日を切り拓く原動力となる」と明記してあることは、まさに本質を突いた理念だと思っております。
 そこで、教育長にお伺いいたします。府教育委員会では京都府教育振興プランを策定し、「京の子ども 明日へのとびら」の活用や「豊かな心を育てる教育推進事業」などの豊かな人間性をはぐくむ取り組みを推進しておられますが、どのような教育ビジョンを持ち、これらの取り組みを進めているのか、改めてお伺いさせていただきたく思います。
 そして、今、京都府内の学校における暴力行為などの発生状況は、非常に憂慮すべき状態にあります。「人づくり、教育こそが、京都の明日を切り拓く」とおっしゃられている理念からは不安を感じる結果となっておりますが、この点における見解、また、この結果を踏まえた今後の対策などをお教え願います。
 以上、防災、経済、教育についてお伺いさせていただき、私の初めての質問を終わらせていただきます。皆様、御清聴どうもありがとうございました。


(拍手)


議長(近藤永太郎君)
 山田知事。


〔知事山田啓二君登壇〕


知事(山田啓二君)
 岡本和徳議員の御質問にお答えいたします。
 自衛隊との協力体制についてでありますけれども、京都府におきましては、鳥インフルエンザの事件ですとか、台風23号の対策などを通じまして、自衛隊とは大変緊密な関係をつくってまいりました。地域防災計画において、自衛隊の災害派遣計画を規定しましたし、さらに、その実効性を高めて自衛隊との連携の強化を図るために、平成16年度以降、自衛隊の推薦を受けまして、元自衛官を危機管理部門の管理職として任用しております。さらに、毎年実施をしております総合防災訓練、国民保護訓練などにおきましても、福知山市、そして宇治市に駐屯する陸上自衛隊、舞鶴市に所在する海上自衛隊舞鶴地方隊を初めとして、関係部隊に参加を願いますとともに、常に対策本部会議の一員として行動して、一体的な活動を保っているところであります。
 また、陸上自衛隊第3師団、海上自衛隊舞鶴地方隊とは、全国でも例を見ない取り組みでありますけれども、毎年、師団長や総監とトップ会議を開いておりまして、協力体制の確認や課題について意見交換を行い、顔の見える関係を築き、連携を図っているところであります。
 災害の規模が大きく、京都府内の部隊だけでは対応できない場合の府外からの支援体制につきましては、近畿2府4県の防衛・警備を担当する第3師団から、また、さらなる対応が必要な場合は、東海から中国、四国までの防衛・警備を担当する中部方面隊から支援されることになっております。また、今回の東日本大震災のような激甚災害の場合におきましては、全国からの部隊が増援されることになっておりまして、トップ会議等で具体的な展開についても議論を行っているところであります。
 警察につきましては、警察庁の調整のもと、広域緊急援助隊の派遣及び他の都道府県警察からの応援など、必要な警察官の援助を受けることになっております。
 物資空輸の拠点につきましては、阪神・淡路大震災のときには、中部方面の航空隊が駐屯しております大阪の八尾空港に支援物資を集めまして、被災地である神戸の王子公園にヘリコプターで約1,000トンの物資が空輸されました。京都府内で災害が発生した場合は、やはり地理的条件から、飛行時間が大体15分程度と短時間での空輸が可能な八尾の空港を活用することが第一前提になると思っておりまして、あわせて、そうした物資の備蓄や配送機能を備えた広域災害拠点の確保・整備についても今後検討してまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁をさせていただきます。


議長(近藤永太郎君)
 中井文化環境部長。


〔文化環境部長中井敏宏君登壇〕


文化環境部長(中井敏宏君)
 原発事故に伴う水道水源への影響が心配される場合についてでありますが、まずは府内各地の水道水中の放射性物質のモニタリングを行い、厚生労働省が作成しましたマニュアルに基づきまして、浄水場等における徹底した放射能除去の取り組みを実施することが必要であります。その上で、飲食物制限に関する指標値を超えた場合には、飲用制限等を実施することになりますが、その際には迅速にその内容の広報を行いますとともに、給水車等による応急給水やペットボトル等、備蓄水の配布など、市町村等関係機関と協力して、府民の皆様への応急措置を講じることになります。
 また、汚染の広がりが琵琶湖エリアに限定される場合には、府営水道が3浄水場を接続したメリットを生かしまして、木津川や桂川から取水する木津浄水場や乙訓浄水場から宇治浄水場の給水エリアに振りかえて給水する等の取り組みを行うことが可能であるというふうに考えております。
 しかしながら、近畿の水がめである琵琶湖が広く汚染されたような場合には、その影響は極めて広範囲に及ぶものと考えられますことから、広域的な対応が必要であり、関西広域連合において、原子力災害対策専門部会を設置して、関西広域防災計画の策定の中で、琵琶湖等への放射能の影響についても広く検討してまいることとされたところであります。


議長(近藤永太郎君)
 田中商工労働観光部長。


〔商工労働観光部長田中準一君登壇〕


商工労働観光部長(田中準一君)
 観光と商店街対策についてでございますが、京都においては多くの世界文化遺産を初め、神社仏閣や豊かな自然環境などの観光資源と伝統工芸などのものづくり産業、商店街や京料理などの小売・サービス業等、地域産業が相互に結びつき、奥の深い京都の魅力を形成するとともに、京都経済の発展を支えてきたところでございます。議員御指摘のとおり、今回の震災の影響で京都経済が大変厳しい状況にある中、観光客数の回復は、観光産業のみならず、京都産業全体の維持・発展に欠かせない重要な課題でございます。
 京都府といたしましても、これまでから、例えば日本映画の都でございます太秦地域での映画を切り口とした地元商店街振興や、あるいは友禅や西陣等の産地での工房公開、さらには鴨川や堀川で開催する「京の七夕」、嵐山や東山で開催する「京都・花灯路」での周辺商店街や観光団体と連携した事業など、関係の皆様方とともに進めてきたところでございます。
 今後、一層新しい取り組みを進めるため、5月補正予算で計上した京都観光緊急回復対策を活用した地域や関係事業者の方々が連携した誘客イベントへの支援や、一商一特推進事業による景観や文化財、特産品といった地域資源を生かした特色ある商店街づくりへの支援などを積極的に進めてまいりたいと考えております。今後とも、商店街や伝統産業の振興と連携した観光施策の推進など、地域の活性化にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、京都企業の海外展開についてでございますが、経済のグローバル化が進行する中で、海外の販路開拓を図っていくためには、現地のニーズに合った新商品の開発やしっかりとした販売戦略の構築が必要でございます。そのため、京都府では、中国を初め、成長著しいアジア市場の開拓を目指し、経済界の皆様とも連携の上、昨年10月に上海ビジネスサポートセンターを設立し、中国のビジネスに精通したスタッフが現地の実情に応じた商品開発や契約方法、さらにはアフターフォローまで、事業者の皆様に寄り添い支援を行う新しいサポートシステムをつくり上げてきたところです。この中で、例えば製造業では、産業機械分野で現地企業との契約が成立した事例でありますとか、工芸品分野では、記念品として新しい需要が開拓できた例でありますとか、具体的な成果もあらわれてきているところです。さらに、中国だけでなく、意欲ある中小企業の海外への販路開拓を支援するため、京もの市場開拓推進事業により展示会出展費用の助成を行っており、昨年度にはフランスやドイツ、韓国など8件の海外展示会への出展を支援し、工業製品から和雑貨までさまざまな分野で海外市場開拓につながったところでございます。
 また、伝統産業の若手職人、事業者の方々の海外進出に対する支援でございますが、京都府とイタリア・トスカーナ州との経済交流協定に基づき、毎年、若手職人2人を現地派遣しているほか、国際的な職人交流に取り組んでいる京都伝統工芸大学校への支援などを進めるとともに、上海でのアンテナショップや物産展を活用した若手の事業者の皆様の海外販路開拓などの支援に取り組んできております。こうした結果、京都の職人さんがデザインした製品がフィレンツェで現実に販売されたり、イタリアだけでなくフランス、アメリカなど各国と取引を開始するようなグループも生まれてきているところでございます。今後とも、こうした成果も踏まえ、京都の持つブランド力や産学連携などの強みを生かし、世界に通用する高品質な商品づくり、販路拡大、人材育成に総合的に取り組み、京都の中小企業や若手職人の海外への展開をしっかりサポートしてまいりたいと考えてございます。


議長(近藤永太郎君)
 田原教育長。


〔教育長田原博明君登壇〕


教育長(田原博明君)
 岡本和徳議員の御質問にお答えいたします。
 豊かな心をはぐくむ取り組みについてでありますが、「京の子ども 明日へのとびら」の活用や、伝統文化体験活動などの「豊かな心をはぐくむ推進事業」は、子どもたちの規範意識を高め、人を思いやる心や倫理観を育成するなど、豊かな人間性の基盤を培うために実施しているところであります。また、これらの取り組みを通じて、京都府教育振興プランにも示した歴史と伝統にはぐくまれた京都の知恵や心を次の世代にしっかりと継承し、一人一人が地域社会の一員としての役割を果たしつつ、ともに支え合い、これからの京都を担う人づくりをしっかり進めてまいりたいと考えております。
 一方で、御指摘のように、本府における児童生徒の暴力行為の発生件数は大変深刻な状況であり、重点的に取り組む必要があると考えております。そうした暴力行為の件数の7割以上が中学校で発生しておりまして、その中でも約3割の学校に全体の7割の件数が集中していることから、今年度、新たに生徒指導緊急指導教員を配置することといたしましたが、地域社会や警察等の関係機関と連携した生徒指導体制を一層強化してまいりたいと考えております。
 また、暴力事象の背景にはさまざまな要因があることから、学校内での取り組みだけではなく、社会全体で取り組む体制づくりが極めて重要であると考えております。とりわけ、ボランティアによる学習支援や校内の環境整備活動など、地域住民や保護者と一体となった活動に取り組んだ学校では、暴力事象が減少しているという成果が上がっていることから、本年度のまなび教育推進プラン検討会議において、こうした学校、家庭、地域社会の連携・協力のあり方に視点を当てた検討を進めているところであります。今後とも、市町教育委員会や関係機関、またPTAなどと連携し、課題のある子どもへのきめ細かな対応や指導の充実を図ることにより、子どもの問題行動の防止や規範意識をはぐくむ取り組みを危機感を持ってしっかりと進めてまいります。