議会ニュース

2010年6月16日|平成22年6月定例会代表質問 佐川公也

100616_sagawa.jpg
1 知事選挙について
2 補正予算案について
3 地方公務員の再就職について
4 「地域包括ケアシステム」について
5 救急救命について
6 その他

>録画ビデオはこちらから

議長(林田洋君)
 次に、佐川公也君に発言を許します。佐川公也君。

〔佐川公也君登壇〕(拍手)


佐川公也君
 私は民主党府議会議員団の佐川公也でございます。さきに通告しております数点につきまして、議員団を代表いたしまして、知事並びに関係理事者に質問をいたします。知事選挙後初めての定例会ですので、山田知事の特段の熱い思いを府民の方に語っていただくことを心から期待するものでございます。
 まずは知事選挙についてお尋ねいたします。
 去る4月11日に行われました京都府知事選挙におきまして、山田知事は「しあわせ実感」「希望の京都」を未来設計図として示し、前回を上回る多くの府民の支持により3選を果たされましたことは、まことに御同慶の至りでございます。
 知事の確認団体である「希望の京都」では、会長に商工関係の政治団体である日本商工連盟京都地区の代表世話人、事務長に京都の主要な労働組合が結集する連合京都の会長のもと、すべての政党の推薦や支持も求めずに粛々と市民一人一人にみずからの政策、未来の京都づくりをマニフェストとして訴えられました。従来の首長選挙の常識を根底から覆すこの手法は、その後、全国各地の首長選挙のトレンド(潮流)となりつつあります。マニフェストのみならず選挙体制も徹頭徹尾府民本位、府民が主役であったことは一定評価するものであります。
 私たち民主党も政党である以上、中央・地方を問わず主体的に各種の選挙に取り組み有権者の審判を仰ぐべきものと認識いたしております。その結果、昨年8月の総選挙におきまして多くの有権者の御支持をいただき、長年の悲願でありました政権交代が実現し、民主党が政権を担わせていただくことになりました。
 そこで、今回の知事選挙の対応につきまして、私たちは府連や議員団で知事の4年間の施策の点検を詳細に検証いたしました結果、「おおむね評価する」との結論に達しました。その結果、府域の我が党所属議員や友好議員とともに「山田知事を支援する議員ネットワーク」を立ち上げ、当選に向けて総力で取り組みました。政党色をできるだけ前面に出さないように配慮しながら府民の方に支持を訴えることは初めての経験であり、極めて難しく苦しい選挙戦でありました。時には、民主党を支持していただいている府民の方から「何でそんなややこしい選挙をするのか」「政権政党やのにどうして民主党は山田知事を推薦しないのか」等々の批判やおしかりも少なからずございました。
 この結果を踏まえ、今回の選挙につきましても、今後、十分に時間をかけまして議論し総括していく必要があると考えるものであります。
 この選挙における知事のかたい信念、つまりいかなる政党の推薦や支持も受けずに大勝利をおさめられた新しい試みにつきまして、既にマスコミを初めいろいろな場面で述べておられますが、選挙戦を終えられてはや2カ月がたちました。そこで、政党等の気持ちを推しはかることなく、いわばそんたくすることなく率直な知事御自身の評価や感想をお聞かせください。
 次に、平成22年度6月補正予算につきまして伺います。
 今般の補正予算では一般会計331億円が提案されておりますが、各般の緊急課題への対応も組み込まれております。わけても、宮崎県都農町を発端とし、今や高品質の和牛を産出しております都城市を初め宮崎県内に蔓延している口蹄疫問題につきまして、本府では万全の備えを期しており、また、長期化に伴う畜産農家の負担軽減を図る等の対策が講じられております。そこには、あの鳥インフルエンザの猛威と対峙した山田知事と本府議会を初め関係者や全府民の筆舌に尽くしがたい懸命の取り組みの経験がしっかりと根づいていると確信するものであります。
 しかしながら、口蹄疫は非常に感染力も強い上に、早い速度で拡大しておりますことから一瞬の油断も許されません。いち早く私たち民主党議員団は、去る5月28日に山田知事に対し、口蹄疫対策につきましての緊急要望として、生産農家への的確で迅速な情報伝達と万一に備えた危機管理体制や防疫体制の整備等について要望書を提出したところでございます。
 宮崎県では東国原知事を先頭に昼夜を分かたず感染拡大防止に全力を傾注されておりますが、今なお口蹄疫ウイルスは猛威を振るい続けております。6月12日には菅総理も宮崎県を訪れ、感染拡大を「一種の国家の危機」と位置づけ、「政府としても的確な対策と畜産農家の再建について責任を持って対応する」と明言したところであります。
 私自身、殺処分が究極かつ唯一の感染拡大防止対策ということを頭で理解しておりましても、連日テレビの映像で大量の豚や牛が殺処分され、次々と埋められる報道には思わず目を背けたくなります。
 人間の食に供されるために、いずれは屠殺される運命にあるとはいえ、ワクチンを接種され、屠殺直前に涙を流したり悲しくうめく家畜たちの叫びは、まさに大きな打撃を受けられました畜産業に携わる方々の悲痛な叫びでもありましょう。被害を受けられました畜産農家の皆様に心からのお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い終息を祈念する次第であります。
 今後、さらなる口蹄疫の拡大、京都府への影響も懸念されるところであります。現在、本府では、口蹄疫防疫追加対策費として3,000万円の補正予算が計上されております。口蹄疫対策については、今後も気を引き締めて対応していくことが肝要であると考えますが、今回の補正予算の具体的内容も含め、知事の御所見をお尋ねいたします。
 次に、同じく予算案に関連いたしまして、私学助成についてお伺いします。
 京都府では、これまでから府内の私立学校が京都府の学校教育におきまして重要な役割を果たしていることを踏まえ、私立学校の教育条件の維持・向上、保護者の教育費負担の軽減に積極的に取り組んでこられたところであります。
 また、この不況下におきまして、経済的理由のために学業を断念せざるを得ない子どもさんが出ないように、昨年9月補正予算において、生活保護・リストラ世帯に対して授業料全額免除の緊急制度を全国に先駆けて創設されました。
 さらに、今年度当初予算におきましては、国の「就学支援金制度」に上乗せを行うことにより、年収350万円未満の低所得者世帯の生徒の授業料全額無償化を実現するために、「私立高等学校あんしん修学支援事業」も創設されたところでございます。
 私は常々「政治の基本は人にある」と訴え続けておりますが、その原点である教育は、まさに人づくりそのものであり、国づくりの基本となるものですから、積極的に私学助成に一貫して取り組んでおられる山田知事の姿勢に敬意を表するものであります。
 6月補正予算におきまして、私立学校教育振興費を増額補正することとし、4億円余りに上る追加補正予算案を提案されておりますが、具体的にどのように保護者の修学費用負担の解消・軽減を図ろうと考えておられるのか、知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、地方公務員の再就職についてお尋ねします。
 知事のマニフェストによりますと、「希望の京都」の扉をみんなで開こうと呼びかけられ、その志を実現するために5つの目標を掲げられました。その一つに、府民の皆様が将来にわたり幸せを実感できる府庁へと改革を進める「府民満足最大化府政」の実現と述べられております。菅総理は「最小不幸社会」の実現と表現しておりますが、同じ意味合いでありましても知事の提言はまさに国の政策を先取りした、より積極的・意欲的なものでありましょう。
 この中で、府職員OBの外郭団体への再就職につきまして、平成21年12月17日に全国知事会行政改革プロジェクトチームが「都道府県の行政改革」を公表いたしました。今後の改革の方向性として公務員制度改革を設定し、その中に平成22年度以降の天下りの全廃が提示されています。論点整理の一つに、国の官僚の天下りと都道府県における地方公務員の再就職について本年7月ごろに公表される見通しであります。山田知事はこのような全国知事会の検討を踏まえ、さらに見直しを行い、また外郭団体の見直し等の取り組みを進めると言われていますが、具体的にはどのような過程で、またどの程度の期間で実行されるのでしょうか。
 私は、本府知事部局OBの各方面への再就職を初め、教育委員会OBの社会教育委員等への就任、あるいは警察官OBが勤務経験を生かされ、交番相談員として地域社会に貢献されますこと等は大変有意義なことだと思います。しかし、現役以上の待遇を得るようないわゆる天下りについては、現況の雇用・経済不安のもとでありましても到底府民の方に理解されるものではないと考える次第ですが、知事のお考えを御教示ください。
 あわせて、府職員OBについて、外郭団体以外に各行政委員会等への任用についてはいかがお考えでしょうか。知事の御所見をお聞かせください。


議長(林田洋君)
 山田知事。


〔知事山田啓二君登壇〕


知事(山田啓二君)
 佐川議員の御質問にお答えいたします。
 まず、知事選挙についてでありますけれども、これはいろんな思いはあるんですけれども、この議場で知事として自分の選挙自身のということをなかなか申しにくい点はあります。ですから私の思いだけ申し上げますと、私は、地域主権時代にふさわしい京都府をつくるためには、一党一派に偏らずに、京都をよくしようと願うそうした府民の皆様の力をできる限り結集したいという思いから、今回、選挙戦に臨ませていただきました。その中で当選できましたのも、府議会の与党会派の議員の皆様を初め、市町村長の皆様、市町村議会議員など大勢の府民の皆様が、それぞれの立場を超えて御支援をいただいた結果であると感謝をしているところであります。
 とにかく大切なことは、これからの京都のために府民の皆様の力をどれだけ生かすことができるかということに尽きると私は思っております。そして、その皆様の力を背景に、京都という立場を貫いて地域主権時代の府政を展開することが、今回の選挙で御信託をいただいた皆様からの期待にこたえることではないかと考えておりまして、議員各位の御指導も賜りながら、3期目の府政推進に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、口蹄疫対策についてでありますが、まず、宮崎県で口蹄疫の被害を受けておられる皆様に、心からお見舞いを申し上げたいと思います。
 口蹄疫は、牛・豚への感染力が極めて強い家畜の伝染病であり、現時点で府内の発生は確認しておりませんが、蔓延すれば畜産業のみならず府民生活にも多大な影響があることから、早期発見そして早期対策による封じ込めが何よりも重要であります。このため、発生確認後、4月20日でありましたけれども、直ちに緊急対策として、秋口まで対応できるよう予備費で消毒剤や噴霧器などを備蓄いたしまして、府内の牛・豚等の全飼養農家255戸に家畜保健衛生所から戸別に配付し、消毒と監視を徹底しているところであります。
 さらに、今の拡大傾向を考えれば、これからやはり長期的な対応ということも必要になってまいりますので、そうした状況も見据えた消毒の徹底・継続と発生時の初動体制に必要な追加対策のための補正予算を、今議会にお願いをしているところであります。
 具体的には、農場に出入りする人や車両への消毒に必要な動力噴霧器の整備などへの農家支援、来年春までの消毒剤を府で備蓄、万一の発生に備え、車両の消毒のための消毒ポイントに必要な動力噴霧器・消毒剤・防護服などの整備でありまして、今後とも市町村や関係機関と連携・協力のもと、引き続き適時・的確に防疫体制の徹底を図ってまいりたいと考えております。
 次に、私学助成についてでありますけれども、京都府では私学教育の重要性を踏まえ、本当に京都の場合は私学の占める割合が大変多うございますので、教育条件の維持・向上、保護者の教育費負担の軽減に努めてまいりました。そしてその中で、本年度当初予算におきましては、「私立高等学校あんしん修学支援事業」を創設いたしまして、低所得世帯への授業料の全額免除を行う高校への補助を実施しているところであります。
 今回の補正案につきましては、私学の助成案につきまして、この事業の関係で高校分につきましては所得状況を完全把握いたしました結果、授業料の全額免除制度の対象者が当初に比べまして相当数、今は増加することが見込まれております。それだけに、私どもといたしましては、そうしたものに対して私学の負担をやっぱり軽減していかなければならない。しかしながら、一方では財政的な問題もございますので、地方交付税算定額が昨年より増額されていることを踏まえまして、その範囲内におきまして私学団体からの要望もある経常的経費の追加助成を、特に高校につきましては学校ごとの対象者数、先ほどの免除対象者数を踏まえまして追加配分をすることによりまして、学校負担のさらなる軽減と、全額免除の一層の定着と促進を図りたいと考えているところであります。
 今後とも、私学の振興を通じて子どもたちの学びをしっかりと支え、明るい未来の創造につなげてまいりたいと考えております。
 次に、府職員のOBの外郭団体への再就職についてでありますけれども、いわゆる天下り、この場合、国の天下りと地方の天下りの大きな違いは踏まえておくことが大事だと私は思っております。国の天下りというのは、外郭団体を定年までの早期退職者、もう50過ぎたらという話も出てくるぐらいの早期退職者の受け皿に位置づけているために、公務員時代と同額の給与水準を保証し、しかも退職手当を支給しているというものであります。それに対しまして、京都府におきましては、必要な外郭団体の運営のための府職員のOBを活用していく中で、これは府職員のときを大きく下回る給与水準を適用し、それで雇用し、退職金は支給しないなど厳しく抑制する上で働いていただいて、大変その力を生かさせていただいているということでありますので、ここはまず御理解いただきたいと思います。
 その上で、弊害をさらに防ぐために、この問題というのは、やはり都道府県として統一的にしっかりと考えていかなければ、ばらばらになってはいけないのではないかということで、知事会の中でも戦略会議を開いて申し合わせをしていまして、そこで担当を決めてしっかりと議論をした結果を出していこうではないかということで、現在、知事会のプロジェクトチームにおいて、あっせんによる再就職の廃止や給与水準などについて検討を進めているところであります。この夏にも報告がまとめられる予定でありますので、京都府といたしましても、京都府行政評価委員会の意見も聞きながら、再任用制度等も視野に入れた複線型の退職管理のあり方なども含めて検討を進め、府民の皆様の理解が得られる公平・適正な仕組みを構築してまいりたいと考えております。
 また、外郭団体の見直しにつきましては、これまでから、団体の統廃合を初め、組織体制の見直しや給与水準の引き下げなど抜本的な見直しを実施する一方で、府施設を管理する外郭団体につきましては指定管理者制度を導入し、より効率的・効果的な施設管理の取り組みを進めてきているところでありまして、今後、これまでの取り組みを、御指摘の府民満足最大化プランに沿いまして、府民ニーズに基づく事業仕分けのさらなる徹底や、府民サービス提供主体としてのあり方の検証・見直しや、公認会計士等の助言もいただきまして経営改善を徹底するなど、積極的に進めていきたいというふうに考えております。
 また、行政委員会の任用についてでありますけれども、これはちょっと性格が違いまして、京都府としての責任を持つ行政機関に対して知事が法的な権限に基づく責任を果たすという観点になってまいります。その観点からは、私といたしましては、キャリア・能力等を踏まえ、職務・職責に応じて一番ふさわしい方をこれから考え、それを議会を初め説明させていただくことによって、これからも運営させていただきたいというふうに考えているところであります。


議長(林田洋君)
 佐川公也君。


〔佐川公也君登壇〕


佐川公也君
 ありがとうございました。ただいま山田知事さんのほうから、知事選において、府民の知事は府民全部で選ぶ、府民の総意で選出するというような基本理念、さらにまた、最近特に言われております地域主権の中で府民の力を結集するということは、非常に今後とも重要なことになってこようかと思います。さらにまた、各般にわたります質問につきましても大変御懇篤な説明をいただきまして、特に私が触れておりませんでした事業仕分けについても触れていただきました。私ども民主党府議会議員団は、全国の地方議会史上、都道府県議会史上初めて単独で事業仕分けを行ったわけでありますが、その節には理事者の方々にも多くの御理解あるいは御尽力をいただきましたことを、高いところからではございますが御礼を申し上げたいと思います。
 それでは、次の質問に移らせていただきたいと思います。
 高齢化社会への対応についてお伺いいたします。
 日本は、世界に類を見ないほど急速に高齢化が進行しており、平成19年度の国立社会保障・人口問題研究所の推計によりますと、5年後の2015(平成27)年の全国の高齢化率は25%を超え、27%。つまり、人口の4人に1人は65歳以上の高齢者という状況が予想され、京都におきましても、同じく5年後の平成27年には全国平均を上回る27.5%、15年後の平成37年では30%、このときに私は存在しているかどうかという自信はございませんが、実に人口の3割が高齢者であるという時代が刻々と近づいております。
 一方、少子化の問題も深刻でありまして、2020年代の後半には、すべての都道府県におきまして人口が減少する時代がやってくるとされ、それに伴い、生産人口と言われる15歳から64歳の人口も減少することが予想されます。これは、今後ふえることが見込まれております高齢者の生活を支える年金や、高齢者になるとどうしても必要となる医療、そして介護にかかる費用を、だれがどの程度負担するのかという財政的課題でもございます。
 ここ数年、国におきましては、こうした将来の負担を踏まえた財政問題に対し、ふえ続ける社会保障費の削減を行うために、さまざまな制度改革を行ってまいりました。例えば、障害者自立支援法の問題では、応益負担という自己負担制度が導入され、また、記憶に新しいところでは、後期高齢者医療制度を創設し、より医療費が必要な後期高齢者を既存医療保険制度から切り離したため、結果的に被保険者に大きな負担を強いていることになりました。
 これらの制度では、地方分権という大義名分のもと、市町村がその運営主体となっておりますが、規模の小さな自治体では財政運営は非常に厳しく、サービスの提供が制限されたり、制度の枠組みから漏れる、あるいは市町村間における格差が増大するといったふぐあいな点が多く生じます。地方分権、地域主権の議論におきまして、国は単に権限委譲を行うというだけでなく、しっかりと財源を保障することは当然のことであり、最優先課題でもあると考えるものです。
 後期高齢者医療制度や介護保険制度では、国、地方を合わせた公費負担と利用者・被保険者が負担する割合が固定されているため、全体の給付費が大きくなる、言いかえればサービスが充実すればするほど保険料負担や利用者負担が増大するという問題があり、適正なサービスの提供と負担のあり方という点で、これからも議論をしっかりとしていかなければならないと認識するものであります。
 超高齢社会を迎え、多くの高齢者が地域で自立して生活することが最も望ましいことではあります。本府でも大きな財政負担が予測されますが、万一の場合でも安心して生活することができる社会を構築することが地方自治体の責務でもあります。知事は、さきの知事選挙におけるマニフェストに福祉安心型社会の実現を明記され、さまざまな提案をされているところです。特に、これからの高齢社会の中で、万一、医療・介護が必要となった場合でも、日々の暮らしを安心して過ごしていくため、医療・介護・福祉を一体的に提供する「地域包括ケアシステム」の構築を提唱されていますが、このケアシステムというものを、どのような考えのもとに、いかに進めていこうとされているのか、御所見をお伺いいたします。
 最後に、救急救命についてお伺いします。
 総務省消防庁の発表によりますと、平成21年度中の全国の救急出動件数は512万2,000件、京都府では11万4,000件であり、いずれも前年を上回っております。新型インフルエンザの全国的な大流行等の影響もあったと思われますが、救急現場へ出動する救急隊や、それを受け入れる救急病院のスタッフには、日常的に大変な御苦労をいただいているところでございます。
 これらの救急医療は、言うまでもなく迅速さが勝負であります。一分一秒が生死を分けると言われておりますが、消防白書には119番を受信してから救急隊が現場へ到着するまでに要した時間の全国平均が掲載されております。
 平成20年中の全国平均が7.7分、19年の7.0分から0.7分遅くなっております。さらにその前年の平成18年では6.6分ですから、2年間で1分以上遅くなっているわけであります。本府でも平成18年の平均が5.6分、20年には6.8分となっています。もっとも、平成20年に時間計測を119番入電時刻に統一されたことによる影響があるとはいいましても、救急隊の現場到着時間は長くなる傾向にあります。要因として救急出動の増加や交通渋滞などが主な原因ではないかとされていますが、その解決策としてヘリの活用がございます。
 同じ消防白書では、平成20年度の全国の救急ヘリの出動は、3,200件を超えておりますが、全体の救急出動件数およそ510万件、本府では11万件から見ますと、いまだわずかな件数にとどまっております。
 とりわけ、本府の南部地域や中・北部地域の市町村は、山間の僻地とも言える地域に多くの集落が点在しており、過疎化の進行とともに、いわゆる「限界集落」なども増加しており、身近に診療所等が存在しない無医地区、お医者さんが全くおられない地域のことでございますが、無医地区が見られます。住民の高齢化が進むこれらの地域への救急隊の出動は、現場到着まで、さらに病院収容までの時間は大変長いものになっており、救急医療の大原則である迅速な対応が不可能な状況にあります。
 この課題を克服するために、本年4月から、本府は兵庫県及び鳥取県と共同して、ドクターヘリを活用し、本年6月13日現在、府内への出動は実に44件に上っており、特に北部地域の救急医療体制が充実されましたことは大いに意義あるものだと思います。また、最近、テレビでドクターヘリの物語が非常に人気を博しておりまして、ますますその認識について重要さが改めてマスコミを通じても府民の皆様方に浸透しているところでございますので、このドクターヘリの運用は今後とも特に力を入れていただきたいと存じます。
 一方、傷病者を受け入れる救急病院の体制でありますが、本府の高度救急救命医療を担うべき病院は、第一日赤、第二日赤、京都医療センター、さらに府立医科大学、京都大学の両大学附属病院など京都市内に集中しております。このうち、第一日赤及び府立医科大学附属病院には病棟の屋上にヘリポートがございまして、京都市の2機ある消防ヘリや他府県からの消防防災ヘリあるいはドクターヘリなどがたびたび着陸し、迅速な救急搬送に大いに寄与しているところでございます。
 しかしながら、本当に府立医科大学で緊急治療が、あるいは重篤な患者さんを受け入れるときに他の病院の患者さんまで受け入れるということになりますと、非常に府民に迷惑がかかるわけであります。そこで、京都大学附属病院は、府立医科大学附属病院と並んで近畿地域はもとより全国を代表する基幹病院としての役割を担っていることは府民の安心・安全とするところですが、残念ながら屋上にはヘリポートがございません。そのため、救急医療はもとより全国からの臓器移植に関係する患者のヘリ搬送においても、府立医科大学附属病院の屋上ヘリポートを経由して、京都市の救急隊に引き継ぎ、搬送しているのが現状であると伺っております。
 公立豊岡病院を基地病院とするドクターヘリに関しても、京都市内の搬送先医療機関にはヘリポートがある第一日赤の1病院のみが明記されております。
 府内はもとより、他府県からのヘリによる重篤な患者、あるいは救急患者や移植患者を直接に、かつ迅速に京都大学附属病院にも受け入れる体制を構築するために、今後の病院の整備計画におけるヘリポートの設置については極めて喫緊の課題であると認識しております。もとより、文部科学省の管轄ではありますが、山田知事からも府民の安心・安全のために京都大学に働きかけを行っていただきたく要望する次第です。
 なかんずく、京都市内では建物の高さ規制などがあることから、屋上ヘリポートの設置には、規制の特例免除が必要であると聞いております。
 そこで、府市協調の重要な一環として、山田知事御自身も住民の安心・安全のために門川京都市長と協議を進めていただくことを強くお願いしたいと存じますが、知事の御見解を伺います。
 山田知事におかれましては、今後4年間、「人・間(にんげん)中心」の府政運営に当たられるのに際し一言申し添えさせていただきます。「民安んじて、はじめて改事(まつりごと)の本意(もとい)なり」と中国の古書にございます。
 以上をもちまして私の代表質問とさせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。


(拍手)


議長(林田洋君)
 山田知事。


〔知事山田啓二君登壇〕


知事(山田啓二君)
 地域包括ケアシステムについてでありますけれども、高齢者の皆様が住みなれた地域で、だれもが当たり前に安心して暮らしていける社会というのが、本当に高齢化社会に一番必要な、今、佐川議員がおっしゃった「民安んじて」ということだというふうに思いますけれども、その場合に、やはり高齢者の皆様の立場に立ったサービスの供給が必要だと思います。今の医療制度、福祉制度、介護というのは、それぞれ供給する側の視点に立っているわけでありまして、私どもはそれをサービスを受ける側の視点に変えていかなければいけない。一人の人が、福祉も受ける、介護も受ける、医療も受ける。その人の立場からワンストップでできるような体制をつくっていくことが、本当に高齢化社会を見据えた場合に必要になってくるのではないかという思いから、この地域包括ケアシステムの仕組みづくりが不可欠だと考えているところであります。
 しかしながら、高齢者の方々が最後まで自宅で暮らしたいとの希望が多い反面、老老介護や家族の負担の問題があること、認知症を併発した場合や急変時に在宅で十分な医療が受けられるのかといった不安があること、病院から在宅療養へ移行される場合においてもなかなかスムーズにいかないケースがあるなどの課題が山積しているのが現状だと思います。
 こうした課題は、市町村だけではなかなか解決できない、今、課題になっているわけでありまして、そのために私どもは、ハード整備をしっかりしていくこと、そしてソフト面では、人材育成や、また高齢者を地域で見守っていくようなそもそもの地域づくりにも触れていかなければならないこと、そしてそうした施設や人々をネットワークとしてきちっと体系づけることによって、これからの地域包括ケアのシステムを完成させていきたいというふうに思っておりまして、まずアクションプランを立ち上げて具体的な検討を進めることにしております。
 今は、もう市町村でも包括ケアの支援センターを中心にいろいろ取り組んでいただいているんですけれども、そのときには、ですからこのアクションプランの立ち上げに当たりましても、市町村や医療・福祉・介護関係者の御理解と支援を得まして、まずシステムの構築を議論していく。ただ、どんどん高齢化は進んでおりますので、協議・検討するだけではなくてできるところから着手したいということで、今議会におきましても、介護施設等の基盤整備や高齢者専用賃貸住宅のバリアフリー化の助成、在宅医療を支える人材の育成など、必要な経費をお願いしているところであります。
 今後とも、医師確保対策や総合リハビリテーション体制の整備などの医療施策を初め、高齢者が安心して生活できる住宅の整備、見守り体制の充実などの福祉施策を総合的に推進し、だれもが安心して地域で暮らせる福祉安心型社会の実現に向けて歩みを進めてまいりたいと考えております。
 次に、救命救急についてでありますけれども、ヘリコプター搬送が必要な非常に重い救急患者への対応につきましては、これは高度な救急医療提供体制の整った救命救急センターを持っている医療機関を中心に行っておりまして、ドクターヘリの場合はヘリポートを有する救命救急センターである京都第一赤十字病院がそれを担っているところであります。ですから救命救急センターにつきましては、救急医療の根幹をなすものとして京都府も独自助成を行うなど、その機能が十分に発揮されるよう積極的に支援を行ってまいりました。
 現状では、ドクターヘリも動き始めたところでありまして、その活動内容を検証して今後の対応を考えるべきでありますけれども、京都南部におきましてもドクターヘリの導入を検討しているところでありますし、救急医療ニーズの多様化に伴って、救急医療体制のあり方につきましても、現在、二次救急医療機関の運営実態について調査を行いますとともに、三次救急であります救命救急センターの増設等も含めた検討を行っているところであります。
 今後、ドクターヘリの運航状況やその救命救急センター等の配置のあり方の検討結果も踏まえましてその点は考えていきたいと思うんですけれども、確かに臓器移植等も京大病院は積極的に行っているところでありまして、そうした面でのニーズというのもあろうかと思いますので、それにつきましては京都大学のほうの意向も確認いたしまして、そうしたものを踏まえながら門川市長とも話し合っていきたいなというふうに考えております。