議長(林田洋君)
次に、上村崇君に発言を許します。上村崇君。
〔上村崇君登壇〕(拍手)
上村崇君
民主党京都府会議員団の上村崇でございます。さきに通告しております諸点につきまして、知事並びに関係理事者に質問をさせていただきます。積極的で明快な御答弁を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
初めに、あんしん医療制度構築プロジェクトについてであります。
都道府県が医療サービスの確保等、保健医療政策を通じて住民の安心を確保する役割を担う中で、保健医療政策に関する権限や実施主体が分散し、その役割を有効に遂行できない状況があり、地方分権改革推進委員会の第1次勧告等で国民健康保険についての都道府県の責任と権限の強化や都道府県単位での広域化などが提言されました。このような中、京都府では真に府民の健康確保に必要な医療サービスを将来にわたって安定的に提供できる制度の構築に資するように「あんしん医療制度研究会」が設置されました。
地方分権の進展がどのような影響を府民に与えるのか、その際には京都府として府民満足を最大化させるために何をしなければならないのかを考える中で、このような研究会を立ち上げて、府民の健康確保に必要な医療サービスを将来にわたってどのようにするのか検討するということは時宜にかなった取り組みであるというふうに思っております。
そして、国保の財政が、2008年度で赤字が2,400億円と発表され、しかも根幹である保険料の納付率が88.35%と前年度から2.14%低下し、1961年度以降で最低となり、国民のそもそも国保に対する信頼感が大幅についえてきているようにも思います。そして、国においては今国会で提出予定の「医療保険制度の安定的な運営を図るための国民健康保険法等の一部を改正する法律案(仮称)」において市町村国保の保険料軽減のために、1)国や都道府県による財政支援措置の4年間延長、2)財政安定化のため都道府県単位による広域化の推進、3)保険料滞納世帯でも医療の現物給付が受けられる子どもの対象を中学生以下から高校生世代以下へ拡大などが盛り込まれるとされています。
中でも、国保に対する都道府県の関与をふやす方針が大きく報道され、来年度からは都道府県が国保の再編を見据えた計画の作成、赤字国保の業務改善を求めることができる仕組みをつくるとも言われております。
本府においては、さきに述べましたようにあんしん医療制度研究会が国の取り組みを先取りして研究されてきました。現在までに合計7回の会議が開催され、昨年12月には中間報告が取りまとめられました。1月下旬までその中間報告のパブリックコメントが実施され、この府民意見を踏まえて最終報告がなされるものと考えます。
中間報告では、都道府県内をカバーする単一の保険者を設けるという基本方針を定めた上で、1)保険料設定は各市町村の自律的な運営を維持する「市町村別方式」、2)保険料設定を含む広範な運営を都道府県単位で統一する「全体一律方式」、3)医療提供体制が共通する医療圏ごとに地域をまとめ、保険料の収支を均衡させる「ブロック別方式」の3つの方式が挙げられています。
そこで、あんしん医療制度研究会の今までの取り組み状況と今後について、御所見をお伺いします。
さて、ナショナルミニマムとして国民が等しく安心して医療を受けられる仕組みを構築するのは、国が責任を持って取り組むのはもちろんであります。しかし、地方分権の議論が進展する中、今国会で取り組みが進められる法律などに伴って、今後は保健医療政策全般が都道府県事務になることも考えられる状況にあって、現在直面している国保の制度や財政の課題を都道府県がどのように解決していくのかが求められており、実は中間報告でもなされているように、制度構築の先にある、1つに、人材や医療機関の整備といった医療の確保、2つに、医療に関する情報の提供、3つに、保健事業の推進、そして4つに、レセプトデータ等を都道府県で集約する仕組みなどをトータルで考え、さらなる取り組みが求められていると考えます。
例えば、保健事業の推進とレセプトデータ等の分析を密接にすることでより健康で暮らすことのできる食事や運動、さらには治療法などがわかることで、結果として医療費の伸びを抑えることができ、それがひいては、さきの中間報告でもあったように、国保の1人当たりの保険料率が府内では現行の年約7万5,700円から、2025年度には57%増の約11万9,100円となると試算されているのを抑制することができる。そういった可能性も十分あると考えられます。
そこで、これまでのあんしん医療制度研究会での取り組みを踏まえ、今後本府として保健医療政策の将来像をどのように構築していかれるおつもりなのか、知事の御所見をお伺いします。
議長(林田洋君)
山田知事。
〔知事山田啓二君登壇〕
知事(山田啓二君)
上村議員の御質問にお答えいたします。
あんしん医療制度研究会についてでありますけれども、府内の疾病構造や医療資源、市町村国保財政の状況などについて調査・分析を行い、都道府県の保健医療政策をより効果的に実施するための方策、とりわけ現在非常に厳しい実態にありますし、また格差も生じてきております市町村国保の今後のあり方について、都道府県が主体的に責任を果たすべきという立場から検討を行ってまいりました。
昨年12月に取りまとめました中間報告におきましては、市町村国保の実情を分析する中で、都道府県単位で一元化し、都道府県が積極的にかかわるべきであるとして、議員御指摘のとおり見直し後の具体的な制度案等について複数案が提示されたところであります。
京都府といたしましては、医療提供の実情と医療格差の実情を考えれば、市町村が個別に保健医療を営むことには将来的にはかなり困難を伴う状況にあり、医療保険を含む保健医療政策を都道府県で一元的に行うことが効果的であり、制度の機動的かつ効果的な運営を図る観点からは、私は、本来は都道府県が保険者となるのが一番望ましいのではないかと考えております。
ただ、一方で保険料の徴収や保健事業などについて、都道府県と市町村の役割分担のさらなる検討が必要であることなどを踏まえまして、現実の課題も踏まえた場合には、報告書に示されている都道府県も含む広域連合での運営も過渡的には選択肢の一つになるものというふうに考えているところであります。
今後、パブリックコメントの結果なども踏まえまして、年度内に最終報告を取りまとめますとともに、来年度は市町村の実務者も交えて、市町村国保を一元化した場合の制度設計に関する議論などを予定しているところであります。既に国の後期高齢者制度を検討する審議会におきましても、こうした京都の取り組みが紹介されておりまして、今後、研究会報告の内容につきましては、全国知事会などを通じ、改めて国に対しても提案をしてまいりたいと考えているところであります。また、今回の研究の報告では、こうした内容とともに、全国で初めて、国保、後期高齢者医療及び協会けんぽのレセプトデータを都道府県単位で集約いたしまして、府内全域の医療需給の状況等をマクロ的に分析をしたところであります。この結果、疾病別、地域別の医療機関の患者受け入れ実績の把握が可能となりましたし、各医療圏単位での医療提供体制の課題が明らかになったこと。また、年齢構成を考慮した二次医療圏ごとの疾病構造を分析した結果、当該地域で優先的に取り組むべき健康づくりの課題が明らかになったことなど、非常に有益なデータを得られましたし、その中でも、従来は困難でありました将来の国保医療費の総額の推計、こうしたものが可能となったことなどは、私は大変効果があったというふうに思っております。
今後はこうした分析結果を踏まえて、地域の特性に基づく効果的な保健事業のプログラムの開発とか、市町村と共同で行いますけども、明らかになった医療資源の配置状況をもとにした医療計画の改定などを通じまして適切な医療体制を構築していくことと、そして国保運営の将来の姿、こうしたものの両面から取り組みを進めてまいりたいと考えているところであります。
議長(林田洋君)
上村崇君。
〔上村崇君登壇〕
上村崇君
このあんしん医療制度構築プロジェクトというのは、私が先ほども申しましたように、国に先駆けて取り組みいただいたその中で、先ほど知事もおっしゃいましたけども、有益なデータを得られたということであります。そういったことをどのように活用していくのかということが大変重要でありますし、今後の取り組みというものをさらに推し進めていただきたいと思うのですが、国におかれてというか、国においては来年度の関係で言うと、まず国保の財政問題が真っ先にあって、実は先ほど知事もおっしゃいましたけど、後期高齢者医療制度の制度見直しもまだまだ不透明な中で、国保の問題に根源的に対応するのがちょっとおくれてくるのではないかみたいな話も出ています。そういうことからすると、見えない部分もあるわけでありますが、ぜひ積極的なお取り組みをいただきたいということと、あと、先ほど適切な医療ということもありました。そして、各医療圏ごとでの諸課題等々についても出てきたということでありますが、例えば来年度の予算にも出てますが、他府県と共通する課題もありますけれども、今までから京都府は、予防医学研究センターを中心に、あらゆる生活習慣病であったりアンチエイジングといったところで研究の取り組みをされてきました。その研究成果の取りまとめの中でそれをどう活用していくのか、それが都道府県の先ほどのあんしん医療制度の構築の中にどう組み込まれていくのかというところが課題になってくるのかなというふうに思うんですが、ちょっとそこの部分だけ再度お聞かせをいただきたいなと。その予防医学研究センターと、そしてその研究成果のあり方をどうリンクさせていくのかというところをお示しをいただけたらなというふうに思っております。
議長(林田洋君)
山田知事。
〔知事山田啓二君登壇〕
知事(山田啓二君)
多分、これからの将来的な京都の医療を考えた場合、2つのことを考えていく必要があると思っています。一つは、非常に財政的にも持続可能な安定的な保険基盤をつくり上げていくこと。これは、今の後期高齢者の問題、国保の問題、さらには協会けんぽを初めさまざまな保険がばらばらになって、地域間格差または個人格差が生じている現状をどうやって国民が安心して医療ができる基盤へとつくり直していくかという問題でありまして、御指摘のように、ちょっと国保の将来像というよりは、後期高齢者と65歳医療とをどうリンクさせるかに少し話が国のほうは集中しているような気がしまして、そうした面からも指摘をしていかなければならないと思っています。
同時に、高齢化時代を見据えた場合の医療提供体制は、やはり健康長寿日本一を私たちは目指しておりますけれども、その中において、どれだけ地域において福祉と医療と、そして介護というものが、リハビリも含めて充実した体制をとれるんだろうかという医療提供体制のきちっとしたシステム化というものが図られていかなければならないと思っております。こうした点は、予防医学センターとか今までやってまいりました健康長寿日本一の取り組みなどを通じてつくっていく、市町村と連携をしてつくっていく、その両面から本当に安心できる医療体制を京都につくっていきたいというふうに考えているところであります。
議長(林田洋君)
上村崇君。
〔上村崇君登壇〕
上村崇君
ありがとうございました。ぜひ、積極的なお取り組みをさらにいただきまして、ある意味、地域主権、地方分権が進む中で、地方からこの制度のあり方、そもそもナショナルミニマムとしての医療のあり方というものは国が一元的に、まず根源的に考えなければならないことです。ですが、直面する課題というのは市町村であり都道府県が抱えるわけですから、その部分において、積極的に国に対しても突き上げるというか提言をいただきますように、よろしくお願いいたします。
次の質問に移ります。
地域力再生プロジェクトについてであります。
私たちの住む地域社会は地方分権改革や行財政改革が進められる中で変化への対応が迫られています。しかし、その中で、豊かな公共サービスを供給するために肥大化して財政危機に直面した地方自治体と、行政の公共サービスに依存して連帯と自立の力を失った市民の双方が、既存の官主導の社会構造にとらわれているために、安心と安全が持続的に確保される真に豊かな地域社会への変革の道程はいまだに確立されていないというのが実情だと思います。
今までからの地方分権改革論議で言えば、よく言えば専門的に論じられてきましたが、そのことが私たちの生活にどのような変化を与え、それによって何を自律的に行わなければならないのか、いわば団体自治の論議が中心で、住民自治の観点がややもすると置き去りにされてきた感が否めません。
そのような中で、本府としてもその問題意識の中から、人と人との信頼やきずなを強め、地域づくりを担う府民、NPO、行政、企業、大学など多様な主体が協働し、地域の課題解決や魅力アップを図る力、すなわち地域力を再生し、住民自治の新しいモデルをつくることを目指す息の長い取り組みとして始まった地域力再生プロジェクトの一環として、地域力再生プロジェクト支援事業交付金が平成19年度から平成21年度までの3年間の期限で始まりました。
京都は、今までから全国でも有数のNPO認証団体数を誇り、また地域力再生プロジェクトと相まって数多くのNPOが着実に地域社会に貢献し成果を上げてきています。
こうしたことからも、引き続き、平成22年度から団体の活動実態に応じたきめ細やかな支援へ充実転換するとして、3年間の期限で事業継続されることになり、3億円の予算が計上されています。
しかし、「協働」が「下請」ととらえられ、行政依存体質にNPO自身が陥るなど、NPOの自立的発展を妨げる結果となってしまい、現在進行している「協働」の動きが結果としてNPOの弱体化をもたらす結果となる可能性を大いにはらんでいるのではないかと危惧するところもあります。
「協働」が地域社会全体で正しく理解され、地域社会におけるあらゆる社会的資源が最適な連係によって結び合わされて、自立と連帯に基づく地域社会の再生を実現していくことが重要である中においては、きちんと今までのことを踏まえ、過去3年間の地域力再生プロジェクトの取り組み総括をどのようにされているのかお伺いいたします。
そして、その総括のもとで、来年度から継続される地域力再生事業の考え方や取り組み方、そして仕組みはどのようにされるおつもりなのかお伺いいたします。
また、昨年京都地域創造基金ができ上がることによって、NPOや社会貢献団体といった新たな公共の担い手に対する「お金の流れ」が細々ではありますができ上がりました。民間による民間支援のための公益財団法人として京都地域創造基金がある状況で、昨年9月の代表質問でのお答えでもあったように、「地域力再生プロジェクトと効果的に連携し、あらゆる府民が地域の活動に参加していく、地域の主人公は住民という京都府づくり」にあっては、京都地域創造基金との関係性や連携のあり方をきちんとしておかなければならないとも思います。その点についてはどのようにお考えか、お聞かせ願います。
さらに、寄附金の流れで言うと、地方税の寄附金控除のあり方が個々の自治体固有の権利ということで個別に取り組まなければなりませんが、府内で言えば本府において個人府民税控除がありますが、これが整備されている府内自治体は非常に少数であります。このような中にあって、税は自治の根幹であり、それぞれの自治体が取り組むことであるというのは大前提ですが、府内市町村と連携することで、例えば京都地域創造基金を活用したり、府民みずからが支援したいNPOなどに資金を回す流れを大きくすることの工夫などができれば、府民が民間公益活動を支える仕組みの成長を促すことができると考えます。地域力を掲げ、府内自治体と連携して地域で活動するNPOなどを支援する京都府としてのお考えをお聞かせください。
次に、ITガバナンスの構築についてであります。
ITガバナンスの構築の検討とシステムの最適化に向けた取り組みが今後は求められます。そもそも、ITガバナンスとは、「組織体・共同体が、ITを導入・活用するに当たり、目的と戦略を適切に設定し、その効果やリスクを測定・評価して、理想とするIT活用を実現するメカニズムをその組織の中に確立すること」と定義されています。
これまでは情報システムの導入が主眼となり、ITガバナンスが置き去りにされてきました。つまりは、情報システムの導入を試みるものの、それはハードウエアやソフトウエア中心の導入にとどまってきました。
これは、ITシステムの開発・更新、保守・管理に係る予算の要求、執行への支援などがそれぞれの担当レベルでの話にとどまり、その部署におけるITの最適化はされていましたが、トータルとしての業務を考えると決して全体最適になっていなかったのではないかと考えます。
昨今のITガバナンスは、「情報システムにかかわるすべての要素=人(の意識)・制度・業務と、情報システムそのものの整合性を確保し、求めるビジネスの姿を追求する活動」という考え方に変わってきています。その実現のためには、少なくとも「情報システム」そのものを「支配する」必要があり、それは新しい技術に飛びつき、いたずらに資源(人・物・金・情報)を浪費することではありません。「支配する」とは、「内容や中身を熟知し、どこに手を入れるとどうなるかがわかっている」ということで、つまり、常にアンテナを体内・外に張っており、モニタリングし、かつ、乖離が発生したときにアクションがとれるということにほかなりません。また、「情報システムにかかわる」とは、「情報システム部門にかかわる」という意味ではなく、庁内で情報システムを使っている人全員を指します。つまり、「ITガバナンスを確立する」には、府庁全体を網羅していなければならず、ハードウエアやソフトウエア、インフラだけにとどまってはいられません。
そこで、京都府庁におけるIT化、電子化について考えると、2つの側面があるように思います。その1つは、府民サービスに利するIT化・電子府庁化で、今までから電子申請や予約システムの構築、統合型地理情報システムなどの導入といった365日、24時間対応できるというものです。府内市町村と共同で開発された電子申請等の開発費は約1億5,000万円から6,000万円、運用費は府負担分で年間3,500万円であり、それに対しての利用状況は、施設予約案内システムで京都市と共同運用で年間3万件の利用状況。それ以外の電子申請に係る分は年間8,000件にとどまっています。
府民サービスということで、365日24時間いつでも申請できることは維持していきたいという方針により今後も進められるのであれば、さらなる府民サービスの向上に向けた取り組みが求められると思います。
沖縄県では、自動車税の住所変更について電子申請で行っていただくことを集中的にキャンペーンすることで利用状況を押し上げたともお聞きしております。そのような、府民に身近な申請業務を庁内で検討し部局横断的に集中的にキャンペーンをされてみてはいかがでしょうか。
2つ目は、府庁内での業務の効率化に資するIT化の面であります。ITシステムがそれぞれ個々に構築されることで、部分最適なIT化にはなっているが、それを業務の見直しや各部署でばらばらに使われている情報システムの一元化を進め、業務やシステムを最適な状態にすることで、部局横断的な連携体制が構築できると考えます。現状では、予算編成システムや給与、旅費、決裁などがIT化されていますが、これらのシステムの導入により、果たしてどれだけの業務の効率化がなし遂げられたのか検証する必要があると考えますが、いかがでしょうか。
そして、この二つの側面を解決するためには、以前にはIT政策監が庁内に置かれていましたが、ITガバナンスの構築に向けて、いわゆる企業で言う最高情報責任者(CIO)等の設置が今後求められるのではないかと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。
議長(林田洋君)
高嶋政策企画部長。
〔政策企画部長高嶋学君登壇〕
政策企画部長(高嶋学君)
ITガバナンスの構築についてでありますが、まず府民サービス向上に利するIT化等につきましては、申請や届け出、また施設予約等をされる方に時間とコストをかけて窓口まで足を運んでいただくのではなく、電子申請システムや公共施設案内システム等のオンラインサービスにより、24時間365日利用可能という高い利便性を確保しております。
公共施設の案内予約システムでは、1回の登録で京都府、京都市など府内の参加施設の予約等が可能であり、20年度は府立施設の申し込みが約3万件のところ、21年度は10%増の約3万4,000件へと増加が見込まれているところでございます。さらに、本年度は予約可能施設数の拡大や電子申請システムによる府民公募型安心・安全事業への意見募集を行うなど、幅広く府民の皆様に御利用いただけるよう取り組んでいるところでございます。
また、議員御提案の自動車税の住所変更届につきましては、年間約1万件程度あるところでございますので、その電子化に向けて検討いたしますとともに、今後も電子申請等の利用拡大に向けて市町村との連携を図り、府民だよりなどさまざまな機会をとらえて府民の皆様への周知に努めてまいりたいと考えております。
次に、行政事務の効率化についてでございますが、平成17年に策定をいたしました京都府経営改革プランに基づきまして、総務事務、電子決裁等のシステム導入による事務の集中化とその外部委託等により、直接府民サービスに携わらない部門の業務量を200人分まで半減をいたし府民サービス部門にシフトをさせ、大幅な経費削減と府民サービスの充実を両立しているところでございます。
また、京都府と市町村とが連携して統合型地理情報システム、いわゆるGISでございますが、これを整備・運用することで、個別整備や運用の場合と比べまして10分の1以下のコストに抑えることができ、さまざまな用途で利用が拡大しているところでございます。
昨年策定をいたしました府民満足最大化プランにおきましても、ICTの活用による業務プロセスの再構築に取り組むことといたしております。そのためには、副知事を本部長といたしますIT推進本部を中心といたしまして、府の情報システム全体の最適化を念頭に、議員御指摘のとおりITガバナンスの強化を図り、府民サービスの一層の向上やセキュリティ対策等の強化、新技術の導入などを進めてまいりたいと考えております。
議長(林田洋君)
黒瀬府民生活部長。
〔府民生活部長黒瀬敏文君登壇〕
府民生活部長(黒瀬敏文君)
地域力再生プロジェクトについてでございますが、過去3年間で子育て支援や農村都市交流など1,100を超える住民による活動が取り組まれまして、こうした活動団体と京都府とが協働して施策を立案するプラットホームも40を超えた状況になっております。
昨年度、府立大学等と行った調査では、これまでの取り組みを通して、府民による多様な公共活動が活発化し、地域づくりを担う人材の成長や各団体同士の市町村を超えた連携と協働が進み、住民自治による新しい京都府づくりが成果を上げてきているといった評価をいただいております。その一方で、持続的な活動を可能にする自主財源の脆弱さ、ノウハウやスタッフ人材の不足等といったことも指摘をされておりまして、議員御指摘のような、いわゆる下請状況に陥ることを防ぐためにも、団体の活動基盤の強化が必要な状況になっております。
こうした課題を踏まえまして、次の3年間は活動の性格に応じたきめ細かな支援をしていきたいと考えております。具体的には、地域の住民が互いに支え合いながら公共的サービスを提供するような活動につきましては、財政面におけるしっかりとした支援のほか、さまざまな課題を抱える地域と活動団体との橋渡しですとか、団体間の連携の促進、あるいは人材育成に対する支援などを総合的に行うことで、地域に根差した活動が持続的に行われるように支えていきたいと考えております。この際、活動団体の自主性が発揮されるように施策形成の段階から、プラットホームなどの場を通じて民間団体と行政とが対等な立場で課題の共有や意見交換を行うように留意をしてまいりたいというふうに考えております。
一方、自立的な事業経営を目指して社会的ビジネスを志向するような活動につきましては、交付金等により事業の立ち上げ支援を行うとともに、例えば商工系のファンドや融資制度へのつなぎですとか、または活動の担い手となる公共人材の育成を行う等によりまして、自立に向けた支援を強化していくということにしております。
京都地域創造基金と地域力再生プロジェクトとの連携についてでございますが、活動の公益性に着目をし、事業費について力強くバックアップをするという交付金と、各団体の透明性向上に向けた自主的努力を要件として、自由度の高い財政支援を行う財団とが連携をすることによりまして、NPO活動への共感と信頼を拡大しながら地域力再生活動が持続的・自立的に展開することが可能になっていくものと考えております。
なお、住民税に係る寄附金税制についてでございますが、議員御指摘のとおり、京都地域創造基金に対する寄附について、個人府民税は税額控除が受けられますが、市町村民税につきましては控除のために必要となる条例上の措置がとられている団体が少ないというのが現状でございます。この背景には、財団からの支援が必ずしも当該市町村内の活動に充てられるとは限らないということもあると思われますけれども、地域力を府全体として高めていきますためには、市町村の区域を越えて府民みんなで公益活動を支えていく仕組みづくりが大変有意義であると考えられますので、京都地域創造基金の役割や民間公益活動への資金の流れをつくり出す寄附金税制の意義が理解されますよう、今後とも市町村への周知に努めてまいりたいというふうに考えております。
議長(林田洋君)
上村崇君。
〔上村崇君登壇〕
上村崇君
まず、ITガバナンスの構築についてでありますけども、システム更新の時期がもうこの数年の後にやってまいります。そのときに、本当に必要なものは何なのか。そして、業務の効率化ということもあります。そして、それが図られたということでありますが、じゃ、それによって使い勝手はどうだったのか。そういうところの判断をした上で、実際この更新時期が来る中で検討していかなければならない。そのときに、全体最適を見据えた上でITのガバナンスを構築していかなければならないというふうに私は考えています。
その中にあって、副知事を本部長として取り組みをされるということでありますが、ぜひとも全体最適を見据えた中で、業務効率化として職員の方々も含めて、そして府民の方々、結果的に府民の利用の関係で言うと、年間8,000件ぐらいしか使われていない。240万を超える府民がいる中で8,000件しか年間使われていない状況の中にあって、じゃ、本当に必要なものは何なのかということも含めたシステムの構築というものが求められていると思いますので、その点を今後の検討課題としてお取り組みいただきますことを要望いたします。
そして、地域力再生のプロジェクトについてであります。協働が下請とならずということは大変重要であります。この地域力再生プロジェクトの出口戦略といいますか、要は行政とそれぞれの社会貢献をする団体、NPOとがどういう関係をつくって、その中でどう地域で活動していただくのか。単に補助金漬けにならない関係、そういった出口戦略を含めた取り組みというのが必要でありますし、そのための課題の抽出であったり、また一緒に連携していく姿勢というのが大切でありますので、お取り組みをいただきますことを要望しておきます。
そして、個人府民税の控除の関係です。府内でこの制度を持っているのは多分4つだったと思います。そういうことを含めて言うと、先ほども答弁ありましたとおり、京都府全域で社会貢献活動に係る個人の寄附がどのように回っていくのかということを考える中で今後のお取り組みが、連携が進みますことを要望して私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。
