議長(林田洋君)
まず、田渕五十生君に発言を許します。田渕五十生君。
〔田渕五十生君登壇〕(拍手)
田渕五十生君
民主党の田渕五十生でございます。私は、民主党京都府議会議員団を代表いたしまして、数点にわたって知事並びに関係理事者に質問をいたします。
さて、山田知事は、先週4日に開かれた今議会の冒頭で、4月の知事選挙に向けて3選目となる立候補の決意を正式に表明されました。私たちは、知事の「地域のことは地域で」という地域主権時代への思いを尊重し、党の推薦によらず、一人一人の自覚と責任を持って、おのおのの力を結集して全力で勝利に向かっての取り組みを展開したいと考えています。
昨年来、民主党京都府連の中で、あるいは府会議員団として、山田啓二京都府政の政策検証を、事業仕分けの手法も使いながら行い、かつまた私たちが目指す京都府のあり方や求められる知事像についても検討を進めてきたところでございます。
現下の情勢が、1つに少子高齢化の進展、2つに経済環境の悪化と雇用不安の増加、3つに地方の衰退と地域主権への流れ、4つに地球環境保護への要請など、さまざまな課題があり、これからの京都府の果たすべき役割も大変大きいものがあろうと思います。
私は、これまでの山田知事の2期8年の仕事ぶりは、今後の宿題を幾つか残しながらも、「京都雇用創出活力会議」を設置され、各般の雇用対策を実施してきたこと、府民が行う社会貢献活動を支援するための基盤整備を行ってきたことなど、おおむね評価できると考えるのでありますが、次の3期目への期待はさらに一層高まっているのであります。
そこで知事にお尋ねいたします。
さきの出馬表明の中で述べられました次期への抱負について、もう少し具体的にそのお考えを明らかにしていただきたいと存じます。
次に、平成22年度当初予算についてお伺いいたします。
民主党政権によります初の新年度予算案が、現在、国会で審議されております。税収の厳しい落ち込みが予想される中、事業仕分けや特別会計の見直しなどさまざまな工夫によって、国債発行額を前年並みに抑えつつ、一般会計総額92兆円という過去最大の政府予算案となっております。一部マニフェストが実現できない部分はありましたが、子ども手当や高校無償化、地方交付税の増額なども盛り込まれ、新たな政府の目指すべき方向がきちんと打ち出された内容になっていると思うのであります。その中で、「コンクリートから人へ」という方針がやみくもに公共事業費を削減させるとのイメージを与えがちでありますが、例えば京都縦貫自動車道のように真に必要なものについては、きちんと対応がされたところであり、「国民の生活が第一」との理念が貫かれた予算であると自負いたしております。
京都府では、政府予算を受けて当初予算を編成されたわけでありますが、京都府民の幸せのためにどのようにすればいいのか、困っている人を支え、府民すべてが安心して安全に暮らせるようにするにはどのようにすればいいのかが、まず基本に置くべき原点であると私は思いますし、この原点を実現するのが予算であります。
今回示されました当初予算案を拝見しますと、一昨年秋からの世界的不況の影響を受けて、景気が低迷し、厳しい経済・雇用情勢はいまだ回復せず、府税収入が前年度当初予算に比べ約426億円という2年続きで大幅な減少となっており、高齢者人口の増加などによる社会保障費の伸びを初めいろいろな歳出増加要因を考えますと、非常に苦しい台所事情には変わりがないと思います。加えて、平成22年度は知事選挙の年でありながら、ほぼ前年並みの規模で編成され、手綱を緩めることなく府民のために頑張っていこうとされている苦心の予算であり、府民を支えようという強い思いがあらわれた予算と高く評価するところであります。
ただ、気になりますのは、京都府の借金であります京都府債の残高が増加していることであります。国から交付されます地方交付税は、本来、全額が政府から現金で支給されるべきものであるにもかかわらず、都道府県が借金で肩がわりせざるを得ず、臨時財政対策債が発行されているわけでありますけれども、その臨時財政対策債の発行が大きく伸びていることがその原因とのことであります。
歳入面、歳出面でいろいろな課題を抱えた中での予算編成であったと思いますが、今回の当初予算を編成されるに当たって、最も留意された点と、税収が大幅に落ち込む中でどのようにやりくりを工夫されたのか、今後の財政見通しについてどのようになっていくとお考えか、お尋ねいたします。
次に、雇用対策についてお伺いします。
内閣府が先ごろ、1月21日でありましたけれども発表いたしました昨年11月の景気動向指数によりますと、景気の現象をあらわす一致指数が96.0と、8カ月連続で改善を示しており、景気の基調判断も2カ月連続で「改善を示している」とされたところであります。その要因としては、大口電力使用量や投資財の出荷の伸び、卸売業の商業販売額や鉱工業生産指数の改善などが挙げられるほか、中国経済の成長なども牽引役となり、企業の生産活動を中心に持ち直しの動きが続いていることによるものとされております。
しかしながら、この一致指数の数値は一昨年秋の金融危機前の水準を依然として下回っており、景気の水準としてはなお低いのであります。生産量は改善を示しておりますが、中小製造業の売上高は前月比1.4%減となるなど、デフレや円高の影響を受けやすい中小企業の収益環境は予断を許さない状況にあることに変わりはないのであります。
一方、雇用情勢につきましては、全国の完全失業率が昨年7月に過去最高の5.7%を記録した後、12月には5.1%まで低下しましたが、さきに申し上げましたように企業収益の改善が進まない中、有効求人倍率が0.46倍、京都は0.50倍になっていますけれども、にとどまるほか、11月の雇用保険の失業給付の受給者実人員が前年同月比43%増の79万7,000人に上るとともに、大企業の来年度の新卒採用計画も前年度比30.5%減となるなど、依然として厳しい状況が続いております。
私の地元、伏見にもたくさんの企業があり、そこの社長さん方ともお話をする機会が多いのですけれども、多くの社長さんがおっしゃいますには、「企業の業況感は先行き不透明で、なかなか雇用にまでマインドが及ばない」とのことであります。また、世間で景気回復が言われるようになってからも、伏見のハローワークには連日多くの府民の方々が並ばれており、企業にとりましても、労働者にとりましても、景気回復の実感は乏しいものであることを痛感しております。こうした雇用情勢の悪化の影響は、まず初めに経済的・社会的に弱い立場の方々にしわ寄せされる形であらわれますので、離職を余儀なくされた方や非正規労働者の方々に安心して生活していただくためには、生活面も含めた雇用対策を最優先課題と位置づけ、全力で取り組むことが重要であります。
そこでお尋ねいたします。
この間、京都府では、国、地方自治体等の関係機関の協力のもと、利用される方が一つの窓口で、雇用や住居、そして生活支援など必要な各種支援サービスの相談や情報収集ができるように、昨年11月30日の「ワンストップ・サービス・デイ」を初め、年末の「緊急ワンストップ相談」の実施など、利用者の視点に立った対応に努めてこられたところであります。職を失い、生活に困っている方々の切実な思いにこたえるためにも、こうした支援が引き続き必要であると考えますが、本府のこれまでの取り組み状況や成果を踏まえ、今後どのように施策展開されるのか、知事の御所見をお伺いいたします。
次に、地域経済の活性化対策についてお伺いいたします。
先ほども申し上げましたが、長引く不況のもとで、雇用や勤労所得がふえない中、小売店からは「客単価が低く、来客数も減少している」「客足の引きが早い」といった元気のない声が聞かれるなど、消費そのものが低迷していることに加えて、小売商業の分野ではますます競争が激しくなっており、昔ながらの商店街は大変苦戦を強いられているのであります。
京都府では、商店街施設の整備や各地域の資源を生かした誘客事業など、商店街が行うさまざまな取り組みに対して、これまでから積極的な支援を講じられてきたところでありますが、昨年はこれらの支援に加え、冷え込んでいる雇用・経済や生活を回復に導くための「京都温め予算」の一環として、「商店街で買おう!運動」推進事業により、商店街の利用促進と地域消費の推進に取り組まれてまいりました。
私の地元の大手筋商店街では、この事業を活用して「プレミアム商品券」を発行したのでありますが、全2,000セットのうちの7割以上が発売初日に売れ、そして2日間でほぼ完売し、換金率も95%以上と、消費者の方々にも大変好評でありまして、商店街の売り上げ向上に非常に効果があったと、地域の皆さん方に喜んでいただいているところであります。
また、さらに年末年始の緊急経済対策として取り組まれた「小規模事業者等活性化支援事業」では、商店街団体や小規模事業者から地域の活性化につなげるための新たな取り組みについて、300件を超える積極的な応募があったと伺っており、本府のこうした施策によって商店街の景気回復、消費拡大の契機となることに大いに期待しているところであります。
しかしながら、消費者の低価格志向が強まり、デフレによる単価下落に苦しむ企業も多く、まだまだ中小企業の景気回復が見込めない状況であります。こうした中、地域経済の活性化を図るためには、これまで知事が先頭に立って取り組んでこられた京都を温める施策をさらに進める必要があると考えます。地域に火がともれば地域が温まり、それで京都府全体に広がってまいります。それぞれの地元商店街の皆さんやそこで買い物をされる皆さんの顔を明るく元気にするためにも、商店街を初め中小企業を支える施策の推進に引き続き力を注いでいただきたいと考えますが、とりわけ厳しい商業環境に苦しんでいる商店街の振興につきまして、これまでの取り組み成果を踏まえ、今後どのように取り組んでいかれるおつもりか、知事の御所見をお聞かせください。
次に、外国人の観光誘客対策についてお伺いいたします。
本格的な人口減少・高齢化社会の到来を迎える我が国が、将来にわたって持続的に発展可能な国づくりを進めるには、地域経済の活性化、雇用機会の創出、国際相互理解の増進等に資する観光立国の推進が不可欠であり、我が国の21世紀の国づくりの柱として、観光の果たす役割は今後ますます大きくなるものと考えます。
とりわけ、外国人の観光誘客は、地域の交流人口の拡大や活性化を進める上で極めて重要な要素であります。国においても、訪日外国人旅行者数を平成20年の835万人から将来的に3,000万人とする目標達成に向けて、平成22年度政府予算案で、訪日旅行促進事業(ビジット・ジャパン事業)を約3倍の予算にするなど、外国人観光客の誘致を加速させる方向にあり、世界的な国際観光の中心である「京都」においても、外国人誘客の取り組みを一層推進する必要があると強く考えているところであります。
こうした中、さきの11月定例会において、我が会派の豊田議員の外国人観光誘客に関する質問に対して、「第二京阪道路の整備により関西国際空港の利便性が高まり、山科や宇治など周辺地域へのアクセスが向上することなどのアピールとともに、広域的な外客誘致に取り組む」との御答弁をいただいたところであります。関西国際空港とのアクセスが向上する我が地元伏見は、遠く奈良時代から街道が整備され、水運も発達した要衝の地であり、江戸時代には淀川舟運の拠点としても栄えていました。その当時、伏見と大阪を結んでいたのが、川の港町としての伏見の歴史を現在に伝える観光屋形船「三十石船」であります。地元では、これまでからこの「三十石船」やあるいは「十石舟」、全国有数の酒どころとして酒蔵等を活用した観光振興を進めてまいりましたが、ことし1月にスタートしたNHK大河ドラマ「龍馬伝」の舞台の一つ「寺田屋」があることから、国内外からのさらなる観光誘客に大きな期待を寄せているところであります。
そこでお尋ねいたします。
伸長著しい中国を初めとする東アジア諸国(中国・韓国・台湾・香港)からの誘客については、従来から積極的に取り組まれているところでありますが、もちろんそれは大事なことではありますけれども、アメリカやイギリス、またフランスなど欧米の観光客は、特に日本の伝統文化や歴史的な施設への関心が高く、我が国の歴史・文化・伝統等を理解する上で最適の地である京都は、欧米からの観光誘客を伸ばす大きな可能性があり、今後、こうした国々からの誘客をさらに強めていくことが重要であると思っております。
伏見には、伏見稲荷大社や城南宮・醍醐寺などの歴史遺産を初め、先ほど御紹介いたしました三十石船や酒蔵など欧米人にも好まれる文化や資源が数多く存在すると私は思っておりますが、このような地域特性を生かした京都ならではの、とりわけ欧米からの外国人観光誘客の推進方策について、知事の御所見をお聞かせください。
次に、教育問題について数点お伺いいたします。
「子育ての心配をなくし、みんなに教育のチャンスをつくります」をうたった我が党のマニフェストに盛り込まれた「高校授業料の無償化」について、公立高校の授業料無償化と私立高校等の「高等学校等就学支援金」の創設が国の予算案に盛り込まれています。今回の公立高校の授業料無償化、私立高校等の就学支援金支給制度の導入は、就学援助がないと教育を受けられない子どもたちがふえている中で、新たに国費で修学を支援し、経済的な理由により学業継続を断念することがないよう社会全体で教育機会を保障していく画期的なものであると自負しております。
京都府ではこれまでから、府内の私立学校が京都府の学校教育において重要な役割を果たしていることを踏まえ、私立学校の教育条件の維持・向上を図るほか、保護者の教育費負担の軽減を図るために、授業料減免制度など修学支援施策に積極的に取り組まれてこられたところであり、とりわけ9月定例会では、生活保護世帯やリストラ等による家計急変世帯の高校生を対象に、授業料全額免除化を促進する「私立高校授業料全額免除化緊急制度」を創設されるなど、修学支援施策の充実に努めてこられたところであります。
しかしながら、依然として厳しい雇用・経済情勢のもと、本府の私学を取り巻く環境には厳しいものがあり、とりわけ、最大で約24万円とされる国の就学支援金の交付を受けてもなお授業料負担が残る私学の高校生や、これから私学を目指す子どもたちが、経済的な理由で修学や進学をあきらめることがないよう、地域の実情に即した積極的な修学支援策が強く望まれるところであります。
そのような中、本府の来年度当初予算案に、低所得者世帯の生徒の授業料無償化制度を全国に先駆けて創設する「私立高等学校あんしん修学支援事業」が盛り込まれておりますが、この制度は、国の就学支援金に府独自の上乗せ助成を行うことにより、授業料の実質無償化を図り低所得者世帯の私立高校生の修学機会を確保しようとのことですが、その対象を350万円未満世帯とされたのはどのような考え方によるものか、また、具体的にどのような助成内容としているのか、国の就学支援金との関係も含めてお答えください。
また、この新たな制度の創設を受けて、350万円以上の世帯については、どのように対処されるかお考えをお聞かせください。さらに、公私間格差の是正は私学助成の大きな目的でありますが、これまで実施されてきました学費軽減補助制度については、どのように措置されておられるのかお伺いいたします。
次に、最後でありますけれども、最近、報道などで若者の「活字離れ」がよく取り上げられておりますが、活字離れは、子どもたちの読書離れを生み、言語力、読解力の低下へとつながるのではないかとの懸念を持っております。
文部科学省が実施した全国学力・学習状況調査では、小学生と中学生に共通して、活用する力に課題があることが明らかになりましたが、この結果は、今の子どもたちに出題文の意図を読み解き、知識を使って答えを導き出すという、読解力や思考力が不足していることを示しているのではないかと思うのであります。国においても、ことしを「読書年」としております。
京都府では、平成16年度に「京都府子どもの読書活動推進計画」を策定され、「京の子どもブックワールド」の作成や「みんなで読もう!1000万冊読書キャンペーン」を実施されるなど、学校のみならず、家庭や地域社会での読書活動の推進に取り組まれてきました。
私は、こうした取り組みの成果として、多くの小学校や中学校で読書活動が活発になるとともに、PTAなど地域の方々がボランティアとして子どもたちに本の読み聞かせをするなど、読書に対する府民の皆さんの意識が高まり、子どもの読書活動を推進する環境が充実してきたのではないかと感じております。しかし、一方で、最近の府教委の調査によって、府内公立中学校の図書室、図書館が、人手不足によって昼休みも放課後も閉館し、その半数があかずの図書館になっていると京都新聞は伝えています。これは大変残念なことで、この点はぜひとも改善される必要があろうと考えます。
そこで、教育長にお伺いいたしますが、これまでの子どもの読書活動推進の取り組みを通じて、どのような課題が明らかになりましたか、また、その解決に向けて、今後どのように取り組んでいこうとされていますか、お聞かせを願いたいと思います。
あわせて、読書活動を子どもたちの読解力、思考力、表現力などの育成につなげるために、どのような取り組みを進めようとされているのか、御所見をお聞かせ願います。
以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
議長(林田洋君)
山田知事。
〔知事山田啓二君登壇〕
知事(山田啓二君)
田渕議員の御質問にお答えいたします。
田渕議員におかれましては、ただいまは会派を代表されまして、私の府政運営及び平成22年度当初予算案につきまして、高い評価、温かいお言葉をいただきまして、厚くお礼を申し上げたいと思います。
まず、3期目の府政運営の考え方についてでありますけれども、1期目は、事業の見直しとともに、少人数教育の推進、子ども医療の充実など行政水準の向上と、当時喫緊の課題でありました雇用対策や鳥インフルエンザや台風23号への対応など、府民生活の安心・安全の確保に全力を注いでまいりました。
また、2期目は、障害者福祉や高齢者福祉に力を入れますとともに、きずなづくりをテーマに、産学公の連携による中小企業振興やジョブパークなどの雇用対策、さらには環境問題等に取り組みますとともに、地域力再生プロジェクトや府民公募型安心・安全整備事業の実施など、府民の皆様の力、府民力を高め、みんなで京都を前進させる府政の実現によって、犯罪の大幅な減少など、行政と府民の協働に努めてまいりました。
そして3期目は、こうした2期8年の成果の上に立ち、少子高齢化の進行など時代の変化に対応し、すべての府民の皆様が、喜びの中で生まれて、目標を持って学び、そして生きがいを持って働き、健やかに老後を送れるという、こういう基本に立ち返って、私は福祉社会というものを再構築していくべきじゃないか、もう既に手をつけ始めておりますけれども、こうした抜本的な改革と水準の向上による福祉安心型社会の、まず再構築を目指していきたいと思いますとともに、人の価値を高め、地域のきずなをより一層強化して、府民の力を生かした地域共生のまちづくりを行い、そして、京都ならではの文化や自然・環境、ものづくりなどの強みを生かした、人と中小企業と、そして集客・交流基盤等に集中投資いたします産業のエンパワーメントを実施していきたいというふうに思っております。
こうしたさまざまな施策を、それぞれの地域の特徴がございますので、私は、よく「住めば都」という言葉がありますけれども、北から南までそれぞれの地域の資源・個性を生かした形で、希望の京都というものを実現していきたいというふうに思っております。
そして、これはもう言うまでもありませんけれども、そのためにも府民満足最大化プランによりまして府庁改革をさらに進め、財源を確保しながら、未来に向かって安定的な筋肉質の行財政基盤を築いていきたいと思っております。
こうした私の目指す府政を進めるためにも、京都府政の基本であります一党一派に偏らない府政を推進し、府議会議員の皆様を初め、市町村長や地域・社会づくりを担われてきた方々、さらには府民の皆様の一人一人の力を結集して、京都のことは京都で決めるという地域主権時代の力強い京都を実現して、全国に向けて発信をしてまいりたいと考えております。
次に、平成22年度当初予算の編成についてでありますが、景気の低迷を受け、府税は地方譲与税の増を含めましても昨年度に比べ約330億円の減、2年間で見ると約700億円の減収という、極めて厳しい状況になっております。しかし、一方におきまして、この経済状況の中で府民生活も厳しい状態にあり、当初予算の編成に当たっては、まず、府民の生活や暮らしを守り支えるかを考え、できる限りのやりくりをして「京都温め予算」の継続・強化に力を注いでまいりました。
このため、歳出面におきましては、人件費について、給与の4.3%相当を削減いたしますとともに、事業の見直しなど乾いたぞうきんを絞るようにして、今年度を上回ります総額195億円の見直しを行いました。一方、府債の発行額は1,745億円と、昨年に比べまして20%の増となっておりますけれども、これは御指摘がありましたように、国の財源不足により将来交付税で補てんされます臨時財政対策債が大幅にふえているためでありまして、臨財債を除きますと逆に92億円の減となっております。見た目は悪いですし、交付税の将来を考えると懸念される点も多いのですけれども、これは地方財政全体の問題点でありますので、京都府という視点に限って言えば、何とかまだ公債費プログラムの目標に沿った形での安定的な財政運営にめどをつけているところであります。
私ども、公債管理基金からの取り崩し、一部の地方公共団体に見られるような基金の借り入れというのは我々はございませんので、こういう怪しげなことはしておりませんけれども、財源的な問題も視野に入れながら、将来を見据えた運営を行ってまいりたいと思います。
ただ、この事態が数年続くと、これは正直言いまして、日本の国家も含めてでありますけれども、厳しいなというふうに感じておりまして、今回の予算は、知事選も控えておりますので、「支える」こと、「守る」ことが中心でありますけれども、私たちは、この温め予算を通じて府民生活を守りながら、今後成長の期待できる分野へ、私は先ほど3期目当選させていただいたらということで申し上げましたけれども、しっかりと投資をしていく、攻めの姿勢を示していくことが必要ではないかなと考えております。
次に、雇用対策についてでありますけれども、景気は一部に持ち直しの動きはありますけれども、有効求人倍率は依然0.5倍ということで大変低い水準にとどまっておりますし、近畿の失業率も高どまりをしております。雇用情勢の悪化は、離職を余儀なくされた方にとって仕事探しということだけに、もはやこの段階ではとどまらず、生活全体の問題になっているところでありまして、住居や生活面も含めた一体的な支援をするシステムをつくり上げることが、今一番必要になっております。
このため、京都府では、ハローワークや京都市のほかに30を超えます機関と連携をいたしまして、京都ジョブパークや北部サテライトなど、仕事や住まい、暮らしなどの相談におこたえいたしますワンストップ・サービス・デイを計4回開催いたしまして、これまでに延べ336人の方に利用をいただいているところであります。その内容は、大体仕事の相談が半分でして、暮らしの相談が2割、住まいの相談が1割という状況でありました。特に年末には、京都市などとも密接に連携しながら、緊急的に6名の方の住宅を確保したところであります。利用者からは、こうした1カ所で話を聞いてもらえるのはありがたい、大変親切でよかったという評価をいただいている反面、身近な地域でも開催してほしいとか、もっと頻繁に開催してほしいという御要望もいただいているところであります。
このため、厳しい雇用情勢が続く北部地域におきまして、2月26日に綾部市内でワンストップ・サービス・デイを開催いたしますとともに、年度末でも京都ジョブパークでの開催を予定しているところであります。さらに、来年度におきましても、これまでの結果を踏まえながら、ワンストップ・サービス事業を大幅に拡大することといたしまして、毎月1回は定期的に開催する経費を本議会にお願いをしているところであります。
また、府内各地に出向きます地域ジョブパーク事業も継続をして実施することにしておるところでございまして、今後とも、ワンストップ・サービス事業の充実に向けて新たな仕組みづくりを検討してまいりたいと考えております。
次に、地域経済の活性化対策についてでありますけれども、商店街というのは単に物を買うという場所ではなくて、地域のコミュニティの中心でありますので、地元商店街の活性化というのは、地域をにぎやかにしていく、元気づけていくためにも不可欠な場所であると考えております。
しかし、景気後退の影響が長引き、個人消費も低迷する中、京都市内の中心部でも大型店が相次いで閉店を決めるなど、環境は極めて厳しい状況にあります。こうした中、商店街の振興対策としては、とにかく今の時期を乗り切っていくための短期的な対策と、それから、時代の流れに対応した、高齢化に対応したような、まちづくりと一体化した商店街づくりですとか、多様化する顧客ニーズに対し商店街全体として品ぞろえをしっかりとそろえていくような対策、さらには、商店街の地域の特徴を生かした個性ある商店街づくりなどが中長期的に求められていると考えております。
このため、京都府では、短期的には、御指摘がありましたように、緊急経済対策で行いました「商店街で買おう!運動」推進事業で支援しました商品券の発行総額は既に20億円以上に達しておりますし、小規模事業者等の活性化支援事業でも本当に多くの方々に応募をいただきまして、地域経済の下支えに効果を発揮してまいりました。私どもは、この経験を踏まえまして、まだ回復の姿が見えない厳しい状況を踏まえ、この地域限定商品券の発行を今度はもっと本格的に支援するため、商品券の発行経費に加えましてプレミアム分も補助していくという、「地元で買おう!」商店街振興費の予算を本議会にお願いをしているところであります。商店街や商工会議所、商工会、市町村でも工夫いただき、地元消費拡大のきっかけづくりに積極的に御活用いただきたいと思います。
そして、同時に、今後とも、歩けるまちづくりといった市町村と協調した対策、さらには、子育てステーションや空き店舗対策など中長期的な商店街の対策をしっかりと講じてまいりまして、今後とも商店街の活性化に全力を挙げてまいりたいと考えております。
次に、外国人観光誘客についてでありますけれども、平成20年の府内の外国人宿泊客数は約95万人でありますけれども、アメリカ・オーストラリア・フランス・イギリスの欧米4カ国が約45%を占めておりまして、京都にとりまして欧米人の観光誘客は極めて重要であります。これまでから、旅行セミナーやファムトリップ、海外プレスへの取材対応等につきまして、一生懸命私ども京都府は先頭に立ってアピールをしてまいりました。特に欧米人観光客は、欧米の文化とは対照的な日本の伝統文化に対する関心が高うございますので、文化体験など一人一人の多様化した観光ニーズへの対応、そしてそのための情報基盤の整備、さらには、個人行動がふえておりますので個人の自由行動をサポートする仕組みというものが、今、求められていると思います。
このため、個人観光客へのアンケート調査等によるニーズの把握、ニーズに合う観光魅力を発信するためのガイドブック掲載をお願いするための海外メディアのファムトリップ等のプロモーションの実施、そして、ウエブサイトやブログ、メール等を活用した個人向けの情報発信・提供、京都総合観光案内所での全窓口英語対応によるきめ細かい案内、ひとり歩きをサポートするための案内表示やガイドマップの整備とともに、観光関連事業者やボランティアガイド団体と連携した、個人客に対するホスピタリティーの向上等を目指していきたいと思っております。
議員御指摘のとおり、伏見には、海外のガイドブックや、正月も映画を見ておりましたらアメリカの映画の中に伏見稲荷の千本鳥居が冒頭の部分でばあっと出てまいりましたけれども、こうした海外でも非常に人気が高い地域や日本酒の酒蔵など、国際的な集客が期待できる資源が多うございますので、発信力の高い資源を広域的に統合して、京都や関西レベルで総合的にアピールをしてまいりたいと考えておるところであります。
次に、私立高校生に対する修学支援についてでありますが、高校生の皆さんが経済的理由により修学を断念することがないよう支援を行い、京都の次の世代を担う子どもたちの教育機会を守っていくことは、極めて重要であると思っております。このため京都府では、厳しい経済・雇用情勢を踏まえまして、私立高等学校に係る生活保護世帯や家計急変世帯につきまして全額完全無償化を、また、生活保護世帯に準じます年収350万円未満世帯につきましては、授業料と施設拡充費を含む府内の私学の平均額であります64万円、京都はこれ、近畿圏に比べますと非常に高いんでありますけれども、その64万円までを実質無償化するという近畿圏でトップの「私立高等学校あんしん修学支援事業」を設け、今議会に必要な予算をお願いしているところであります。
ともに、低所得の母子世帯等に対する給付型奨学金の創設も加えておりますので、本当にトップになっているんじゃないかなというふうに思っておりますし、こうした提案が、恐らくこれから提案をいたします各府県の予算の先鞭をつけていくんじゃないかなというふうにも感じているところであります。
国の高等学校等就学支援金制度では、年収250万円未満世帯には基本額約12万円の2倍を、年収250万円以上350万円未満の世帯には1.5倍の支援金が支給されておりますけれども、京都府では、先ほど申しましたように、生活保護・家計急変世帯につきましては全額無償化、そして350万円未満世帯には国の制度に加えて3倍までの独自加算を行い、さらに年収350万円以上から年収500万円までの世帯については、私立高等学校授業料の減免制度により、府内平均授業料等の64万円を基準に実質6分の5までを支援していく制度という形で、3段階に分けて厚い支援を行い、その上で、学費軽減制度につきましても、年収約1,200万円までの世帯に対する制度を年額5万円まで拡充をいたしております。
こうした京都府の私立高校生への修学支援事業を、私どもは全国で最も手厚い水準まで引き上げておりますけれども、人づくりは京都府の最重点投資目標でありますので、今後とも、こうした制度の実施状況を踏まえながら、さらに支援制度の充実の検討を進めるなど、子どもたちの学ぶ意欲をしっかりサポートし、明るい未来の創造につなげてまいりたいと考えております。
議長(林田洋君)
田原教育長。
〔教育長田原博明君登壇〕
教育長(田原博明君)
田渕議員の御質問にお答えいたします。
子どもの読書活動についてでありますが、読書は、言葉を学び、人間性を豊かにする上で大変重要なものであることから、京都府子どもの読書活動推進計画を策定し、その推進に努めてきたところであります。
この間、議員御紹介のとおり、さまざまな読書活動の取り組みによりまして、社会全体で読書活動を推進する機運が高まってまいりましたが、学年が進むにつれ家庭での読書の割合が少ないこと、また、学校図書館が十分に活用されていないといった課題があるところであります。このため、今回改定いたしました第2次の計画においては、子どもたちに読書の習慣が身につくよう家庭での読書の大切さを啓発するとともに、子どもたちが学校図書館をより利用しやすい環境をつくるため、地域の読書ボランティアの御協力や、児童生徒が校内の委員会活動で図書室の運営を行うなど、より効果的な取り組みを市町教育委員会と連携しながら支援してまいりたいと考えております。
次に、読書を読解力や思考力、表現力につなげる取り組みについてでありますが、授業の中で本の感想を述べ合ったり、自分の考えや調べた内容を発表するなどの取り組みをさらに充実させることが大切であると考えております。このため、授業での、いわゆる調べ学習に必要となる、例えば環境などの分野のまとまった図書を府立図書館に新たに備えて学校に貸し出すこととしておりまして、今議会に所要の予算をお願いしているところであります。
今後とも、子どもたちが読書活動を通じて言語力を高め、論理的な思考力や豊かな情操をはぐくんでいけるよう、市町教育委員会や学校と連携し、しっかりと取り組んでまいります。
