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2009年12月16日|決算特別委員会 総括質疑 佐川公也

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1 地域主権について
2 京のブランド産品について
3 府民の安心・安全について
4 その他

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奥田委員長
 次に、佐川委員に発言を許可いたします。佐川委員。


佐川委員
 私は、民主党府議会議員団の佐川公也でございます。さきに通告いたしております平成20年度決算にかかわる数点につきまして、知事並びに関係理事者に質問をいたします。どうか265万府民の方に、より一層の希望と活力が持てるような御答弁をお願いいたします。
 まず、「地域主権」についてお伺いいたします。
 我が国では、国民生活に関係の深い教育や福祉など、行政事務の3分の2近くを地方自治体が担っておりますが、地方には財源も決定権もないものが多くあります。そこで、地方分権改革によって自治体の活動量に見合った財源や権限を国から移譲し、地方自治体が自立・自主的に活動することができる、いわば究極の行政改革を指向しているのでございます。
 京都府では、平成19年10月に山田知事を本部長とする「分権型行政推進本部」を設置し、分権時代にふさわしい府行政のあり方について検討が始まっております。
 しかしながら、第1期地方分権改革が「未完の地方改革」と言われるのは、国から地方へ、俗に「3ゲン」と言われる権限・財源・人間の移譲という「団体自治」の拡充に力点が置かれ、住民みずからの責任と意思で地域のまちづくりや活性化を目指す「住民自治」の視点が欠落しがちであるように思われます。
 全国47都道府県、1,700余の市町村はもとより、国の下請機関でも下級従属官庁でもありません。各地方自治体はそれぞれ異なる役割を有する対等の行政機関として国より身近な納税者の監視のもとで自己決定、自己責任、自己負担の原則に基づいて運営されているのです。
 時まさに11月17日の閣議で鳩山首相を議長とする「地域主権戦略会議」を内閣府に設置することが決定されました。
 知事は全国知事会の地方分権推進部会のリーダーとして、時には省庁と対峙しつつ府民の地域力向上・再生を支援する「地域力再生プロジェクト」を推進するなど、まさに新政権の目指す「地域主権」の確立に向け全国に先駆けて取り組んでおられます。
 地方分権一括法の制定を受けまして、京都府の事務処理の特例に関する条例では、知事の権限に属する事務の一部を市町村が処理することに関し必要な事項が定められております。平成21年4月1日現在、市町村への権限移譲事務は62法令、376項目に及んでおります。わけても「京都府・市町村権限移譲推進会議」で本年4月から国の法整備を待たず、17法令、全129項目を市町村の希望に応じ移譲しているなど分権型社会の実現に取り組まれています。
 このような本府の先進的な権限移譲の取り組みは、その受諾の可否は市町村にゆだねられており、例えば「母子保健法」に基づく「低体重児の出生届」等にかかわる3項目は、府域の基礎自治体での受け入れは1市のみでありました。この状況からも、府と市町村への権限移譲にはより綿密な調整と相互理解が不可欠でありましょう。
 そこでお尋ねします。知事のこれまでやってこられた取り組みの評価と「地方分権」から今後の「地域主権」という分権の流れが変わろうとしていますが、そのためには何が必要か、知事の御所見をお聞かせください。
 次に、本府の農業振興の一大プロジェクトであります京のブランド産品についてお伺いします。
 近年、食の安心・安全について中央・地方、官民を問わず、極めて高い関心と強い対応が図られております。また、「食育」という観点からも「地産・地消」等、府域全体で取り組まれています。これをいま一歩前進させると、安心・安全で京都ならではの産品、なかんずく、ブランド京野菜は京都が全国に自信と誇りを持って発信できるものであります。ちなみに平成21年9月14日現在、京都府では「京の伝統野菜」37品目、「京のブランド産品」24品目が認定されております。
 こうした京のブランド産品については、京野菜検定などさまざまな振興策が講じられていますが、社団法人京のふるさと産品協会が主体となることが多く、府の顔が見えにくいように思います。この産品協会に補助金を交付するだけにとどまらず、本府としての主体性を持った展開をすべきだと考えますが、知事の御所見をお尋ねいたします。
 全国47都道府県のホームページを調べてみますと、ほぼすべての県でブランド展開がなされており、幾つかの県では市町村レベルのものが重なっている場合もございます。私なりに分析しますと、地域ブランドの推進は、1)地域振興作物の地域認知度向上、2)県内向け産品の県内認知度向上、3)地域団体商標登録制度の活用、4)地域特産物づくりなどを目指しているように思います。
 ところで、京都府によるブランド指定だけでなく、京都市でも「京の旬野菜」として38品目指定されています。府市異なる指定により、観光客だけでなく京都府民でさえ「伝統的京野菜」あるいは「ほんまもん京野菜取扱店」の京野菜とは、いずれが本当の京野菜なんだろうかと素朴な質問をよく耳にいたします。
 京都市内では、京都府と京都市がともに指定あるいは認定している野菜は11品目だけであり、残りの品目は府と市がおのおの独自に指定しています。これでは私たち京都府民、京都市民ですら判然としないのですから、いわんや観光客や府外の方にとりまして疑問を持たれるのは当然のことであります。
 私は京都市内部において、府市の重複している11品目だけでなく、府や市が独自に指定している品目も共通の京野菜として府内外に発信されることが必要ではないかと考える次第であります。
 こういった施策により重複指定品目は相乗効果が期待され、また他の品目にしましても、府市共通のブランドになれば、より大きな付加価値が図れるものと考える次第でございます。常に府市協調に特段の努力を傾注しておられる知事の御所見をお伺いいたします。
 最後に、府民の安心・安全についてお尋ねいたします。
 私は、平成16年2月定例会の代表質問で、心肺停止した方にとりまして携帯型自動除細動器──以下AEDと称します、の使用が救命率向上に大きな効果があることと、本府の各施設に可及的速やかに導入していただくよう初めて申し上げました。
 以降、知事部局や本府教育委員会では積極的にAEDの導入が図られるとともに、それらを活用した救命講習も大幅に増大しており、府民の安心・安全に大きく貢献していることに敬意を表するものであります。
 例えば京都市では、平成21年9月30日現在、消防局が把握しておりますAEDの設置数は、市内1,432施設、1,661台でございまして、常備消防隊員、救急隊員はもとより、AEDを含む救命講習は1万510回、22万9,000名が受講しております。また最近では、おのおのが受け持つ地元の状況把握のために消防車の巡回等も実施されております。もとより、本府の各施設や京都市を除く市町村におかれましても、精力的にこれらに取り組んでおられると聞き及んでおります。
 本府警察におけるAED活用訓練等の実施状況は、平成20年度より全所属に教養課保有の数器を貸し出し、救急法の指導訓練や駐在所の奥様に至るまでを対象としたAED活用訓練の実施等、鋭意取り組んでおられるところであります。
 ただ、いかんせんAEDの設置場所と絶対数が不足しているものと言わざるを得ないのでございます。およそ府民の安心・安全は一義的に生命・財産を守ることにあり、そのために110番の警察、119番の消防・救急が第一線に配備されているのであります。
 そこで、府域を熟知し、警備・防犯等に全力を傾注しておられる本府警察官、特に所轄署、交番、パトカーや白バイ等にかかわる警察官は、日常的に事件や事故により人命が生死をさまよう場に直面することも多いと存じます。
 私は機会あるたびに、少なくとも交番や地域を巡回しているパトカーにAEDの設置・搭載を訴えてまいりました。特に緊急時に現場に急行するパトカーなどの警察車両にAEDが常備されれば、事件や事故により心肺停止に陥った府民の救命率は飛躍的に向上すると考えるものでありますが、警察本部長の御所見をお聞かせください。
 さて、私が以前の代表質問におきまして、安心・安全の象徴である、そして最前線のとりでである警察署の耐震改修工事につきまして早急に取り組んでいただくことを要望いたしましたところ、地元西京警察署におきまして既に工事に着手していただいておりまして、おおむね8割方進捗、来春には完成の予定でありまして、地域住民の方々とともに感謝を申し上げたいと存じます。


奥田委員長
 山田知事。


山田知事
 佐川委員の御質問にお答えいたします。
 地方分権の取り組みについてでありますけれども、私は、地方分権と申しますか、地方自治というものの一番基本的なところというのは、住民自治と団体自治というふうに普通解されておりますように2つの側面がある。つまり、住民の皆さんの参加をきちっと確保して、住民主体の地域づくりを行っていくということと、そして、そのためには団体として権限や財源、そして人間が必要だという形で、この両方の歩調をしっかりとそろえていかなければならないというふうに思っております。しかしながら、残念ながらこの間の地方分権論議というのは、どちらかというと団体自治の強化という側面に力を入れてまいりましたので、これが、実は国民の皆さんから見ると、国と地方の権限争い、財源争いというふうに映ってしまいまして、本来の一番地方自治の中で基本であります住民自治というところになかなか配慮がなかったのではないかなというふうに思っておりまして、その点は私ども反省をしていかなければならないというふうに思っております。
 その中で、最近、地域主権という言葉が出てまいりましたけれども、地域主権と地方分権とは何が違うかと申しますと、これは私なりの考え方を申し上げますと、地方分権というのは国家権力を国と地方でどう役割分担をしていくのか、財源、権限をどういうふうに分けていくのかということが一つの考え方になってくると思います。それに対しまして地域主権という言葉は、私は当然のことだと思うんですけれども、やはり、私どものこの国におきまして主権というのはあくまで国民にございます。したがいまして、この地域主権というのは、憲法に規定されている国民主権の充実を地域において図れるようにしていくことによって住民主体の、国民主体の国家づくりを行っていくための政策だというふうに位置づけていくべきではないかなというふうに考えております。
 したがいまして、地域主権におきましては、地域主権の地域における住民の皆さんの国民主権の発露のあり方、国民主権のこうしたあり方というものが基本的に重要になってくるというふうに考えておりまして、私どもはそうした観点から、これまでも府民発・府民参画・府民協働の府政ということを掲げてきたのもそのためでございます。さらに、過疎・高齢化による限界集落問題や、都市化によるきずなの喪失等によりまして地域力が弱まるなど、地域を取り巻く状況が依然として厳しい中、地域力の向上、すなわち住民力の向上と言っても私は過言ではないかと思っておりますが、こうしたことを図るために地域力再生プロジェクトを立ち上げ、また住民の皆様がより行政に対して積極的にかかわれますよう、今年度は府民公募型安心・安全整備事業などを推進してきたところであります。
 あくまでも国民主権のもとでしっかりとした国がつくれるように、国においてもこうした観点から地方自治法を自治基本法へ全面的に変えていこうという動きも今出てきておりますけれども、今後ともこうした取り組みを通じて、住民自治のための真の地方分権改革に全力を挙げて推進していきたい、邁進していきたいと考えているところであります。
 次に、京のブランド産品についてでありますけれども、府内産の農林水産物につきまして、高品質化・高付加価値化に取り組みまして積極的な宣伝活動を展開することにより、例えば京野菜というのは、イコールおいしくて、そして上等なものという自動的な評価を得ることによって有利な取引と販路拡大を図って京都の農林水産業を振興するということを行ってまいりました。それだけに、ブランド戦略というものは京都府だけではなくて、あらゆる機関がそれぞれの特徴を生かしてオール京都で取り組むことが重要になってまいります。府が市町村やJAなどに呼びかけて、京のふるさと産品協会を設立したのもまさにそういった趣旨でございまして、各会員の持っている特徴・特色を生かしながら、協会においてはブランド認証や販売促進に加えまして、京野菜検定などのPR事業を展開しております。その中で、基本指針の樹立と施策化を、これは京都府としては担ってきておりまして、ブランド京野菜等の倍増戦略アクションプランを策定し、生産拡大や流通販売活動を支援いたしますとともに、京都府の持っている研究機関や普及センターが、紫ずきんなどの府独自品種の育成や京都こだわり栽培など技術面からの生産対策にも取り組んできたところであります。その結果、販売額は当初の4,000万円弱から、近年では12億円を超えまして、ブランド産品が野菜生産の牽引役となりまして農家の収益確保にも貢献しているところであります。
 ただ、こうした取り組みがお互いの責任感の希薄化やなれ合いになってきますと御指摘のような問題点も出てくるというふうに考えておりますので、常に見直しを行いながら、府といたしましても、主体性を持った戦略をこれからも展開していくように努めてまいりたいと考えているところであります。
 京都市との関係でありますけれども、京都府は、このブランド産品の戦略を20年来進めてまいりましたけれども、府内の各産地から市場出荷を通じて、首都圏を初め他府県にもこういう中で販売が拡大されてまいりました。京都市の「京の旬野菜」は、どちらかというと京都市でつくる野菜に対する振興策。ですから、トマトとかキュウリなんかも入っているわけでございまして、その中で市場を通らない振り売りや直売などの個別農家対策として展開をされてきたところであります。ブランドのつくり方としては、大きな立場からの推進と、さらにその中でさまざまなサブブランドがうまく重なり合っていって相乗効果を持つということが必要だというふうに思っております。例えば、宇治茶につきましても、和束茶というのがまた宇治茶のブランドとして出てきておりますし、丹後のカニの中で、間人(たいざ)のカニが一つのブランドを占めているわけでありますので、そうした地域の持っている特徴というものをさらに綿密につくっていくこともブランド戦略では必要ではないかなというふうに私は考えております。しかしながら、ただ、このブランド戦略が二重になってしまったり、そもそも非効率的になってしまったら、これは御指摘のような点があろうかというふうに思っておりまして、こうした考え方のもとに、「京のブランド産品」と「京の旬野菜」をポスターで一体的に啓発したり、先日開催の京都市の中央卸売市場での「鍋まつり」や、今週末の「農林水産フェスティバル」の出展など連携した取り組みを継続しておりまして、今後とも、こうした京都府と京都市の府市協調によりまして、全体として野菜の一層の消費拡大に努めていけるように努力をしてまいりたいと考えているところであります。


奥田委員長
 熊崎警察本部長。


熊崎警察本部長
 佐川委員の御質問にお答えいたします。
 当府警察のAEDの設置状況でありますが、従来は5台の保有だけでございましたが、本年11月に50台をライオンズクラブから寄附受けをいたしまして、大幅な増設を図ったところでございます。その結果、繁華街や観光地等を受け持つ16警察署及び36交番等の公かいや警察本部及び運転免許試験場に設置し、警察官のほか、いつでも、だれでもが使用できるようにしているところであります。
 そこで、パトカーなど緊急車両への配備についてでありますが、警察が取り扱う事件・事故現場におきましては、先着警察官は負傷者等の救護措置をまず行うとともに、速やかに救急車を要請しているところであります。また、心肺停止者がいる場合には、救急車が到着するまでの間、応急措置を施すとともに、交番等に設置している軽量かつ簡易になったAEDを現場搬送するなどして人命救助措置に当たることとしております。
 これまでに公務中におけるAEDの活用・救命事例が1件あることを踏まえまして、不測の事態に的確に対応できるように交番等に配置したAEDの有効活用を図るとともに、今後さらにパトカーなど緊急車両への配備の必要性についても検討してまいりたいと考えております。


奥田委員長
 佐川委員。


佐川委員
 ただいま知事から、特に地方分権につきまして地方自治の今後のあり方、そして、でき得れば自治基本法というのに至るまでの説明を聞かせていただきました。私も今後、地方主権のあり方というもの、そして地域主権、こういったものにつきまして、より一層学んでまいりたいというふうに思っているわけでありますが、いずれにいたしましても、府民の皆様方の生活が向上するということに眼目が置かれていると確信いたしております。
 そして、ただいま警察本部長より大変心強い御答弁をいただきました。今、財政が逼迫していることは十二分に承知しておるわけでございます。財政のほうの特段の御支援をいただきながらも、安心・安全のために、ぜひ今後、このAEDをふやしていただきたいというふうに思います。
 私が尊敬しております大正デモクラシーの父と言われました吉野作造博士は、民本論を提唱し、「政治の目的は民衆の利福にあり、政策の決定は民衆の意向に従うべきである」と論じました。このことは、とりもなおさず私の「政治の基本は人にある」というものに続くのではなかろうかというふうに思います。
 御清聴ありがとうございました。