
議長(林田洋君)
次に、山本正君に発言を許します。山本正君。
〔山本正君登壇〕(拍手)
山本正君
民主党議員団の山本正でございます。私は会派を代表いたしまして、さきに通告いたしております数点につきまして、知事並びに関係理事者に質問させていただきます。
議長のお許しをいただきまして、一言申し上げたいと思います。
さきの総選挙におきましては、私たち民主党に国民の皆さんの温かい大きな御支援をいただきまして、悲願でありました政権交代を実現することができました。政権を担うに当たりまして、まず1つは、明治政府以来続いてまいりました官僚システムを改革し、脱官僚依存、官僚主導の政治から政治主導の政治をつくることによって、国民が文字どおり主役の政治をつくること。2つ目には、徹底した情報公開で税金の無駄遣いを洗い出し、「生活が第一」として国民の皆さんと契約をし、お誓いをしたマニフェストの内容に基づきまして、一つずつ丁寧に仕上げし実現すること。3つ目には、中央集権を廃止し地方主権の確立。地域が自立し、生き生きとしたそういう社会をつくるために徹底した地方分権の推進を図ること。私たち民主党は、全党一丸となりまして、決しておごることなく、新しい日本をつくるために全力を尽くして取り組むことをお誓い申し上げます。
一方、京都府政におきましては、私たち民主党議員団におきましては、府民の皆様の命と生活を守るために全力を尽くして頑張ってまいる決意を申し上げ質問に入りたいと思います。
9月の月例経済報告によりますと、景気は「厳しい状況にあるものの、このところ持ち直しの動きが見られ」、生産や輸出が引き続き「持ち直している」とのことでありますが、雇用情勢の一層の悪化が懸念されるとのことであります。このような厳しい状況のもとにおきましては、まず、国民生活を立て直し、暮らしのための施策を講じることが必要であります。
これまでから、京都府では「府民の安心・安全」を第一義にさまざまな施策を提案されてこられました。今後も「府民の安心・安全」を第一義に、これまで同様、府民本位の議論を進めてまいりたいと考えるところであり、今定例会に提案されております補正予算につきましても、冷え切った府民生活をさらに温めるためのきめ細やかな対策を初め、府民の安心・安全のための補正予算が編成されており、府民目線での施策の展開と高く評価するものであります。
今回、私に与えられました代表質問については、幅広く府民の安心・安全に関する現在の課題について、数点質問をしてまいりたいと考えております。
今、政治に、行政に求められている喫緊の課題は景気対策であり、悪化している雇用に対する手だてであります。とりわけ京都は、機械金属、伝統産業を初めとする中小企業が数多く存在していることから、中小企業の活性化が京都を活性化し、雇用を回復させると信じているところであります。
そのような観点から、まず初めに、中小企業対策の成果と今後の展望についてお伺いいたします。
昨年秋以来、京都産業は大変大きな影響を受け、自動車や半導体関連産業など注文が7割減、8割減になった事業所も珍しくありません。大企業を中心に、全国的にはようやく下げどまり感が出てきたとはいえ、京都の地域経済を担っている中小企業はまだまだ厳しい状況が続いており、有効求人倍率などを見ても雇用環境はより一層厳しさが増していると言えます。
しかし、そうした厳しい環境の中でも、それぞれの特徴を出して頑張っている中小企業もあります。例えば、私の地元宇治市、久御山町においても、物体の質感をリアルに再現するスキャナーを開発し、「ものづくり日本大賞」の経済産業大臣賞を受賞された企業。また、京都府の支援を受け、産学連携により動植物性廃油を環境に優しいバイオ燃料に再生する新規事業に取り組んでいる企業など、他の企業ではまねのできない技術と経営で、この厳しい状況を乗り切ろうとされている企業が数多く存在しております。
私は、今回の世界不況は、お金がお金を生むマネーゲームの経済の不健全さ、そして、実需に基づく物の生産やサービスの提供など、実体経済の振興の重要さをはっきりと示したと考えています。私が今紹介した企業は、京都の中小企業のものづくりの技術力の高さを代表する企業であり、このように評価されるに至るまでには、経営者の信念やリーダーシップ、行動力、そして従業員の並々ならぬ努力があるとともに、産学連携の取り組みや、京都府を初めとする行政の技術、経営の各面での支援なども功を奏したものと考えております。
昨年来の不況に対して、京都府においては、昨年の12月補正、今年度の当初、6月、そして今回の補正と切れ目なく緊急の雇用対策や融資対策などに全力を挙げており、私もこのような緊急対策は、急激な経済・雇用の落ち込みに対するカンフル剤としてどうしても必要であり、今後しばらくは継続していかねばならないと思っております。
そのような緊急対策とあわせて、先ほど私が紹介したような他にまねのできないオンリーワンの力を持った企業を数多く育てていくことが将来の京都の地域経済を支える核づくりにつながるのではないかと考えております。そのためには、世界最高レベルの頭脳が集積する大学との共同の取り組みや長年にわたって蓄積された高い技術力の新たな活性化など、京都の強みを生かすとともに、それぞれの企業の持つ潜在力を引き出すための技術、経営指導などが重要になってきており、今後、京都府の果たしていく役割はますます大きくなると考えているところであります。
雇用状況が悪化を続ける中、地域において、元気な中小企業づくりを進めていくことは新たな雇用の創出を図る面においても非常に重要であると考えますが、京都府の施策展望について、御所見をお伺いいたします。
次に、京都府立消防学校の今後のあり方について質問いたします。
この夏、西日本を中心に大きな被害をもたらした豪雨災害、23人の死傷者が出た大阪でのパチンコ店放火事件など、私たちの周りには、自然の猛威や思わぬ危険が多く潜んでおります。いつ起こるかわからない災害、事件・事故、そのときに私たちの身を守り、献身的な働きをしてくれる消防職員・消防団員の存在がいかに大きなものであるかはどなたも異論はないと思います。
知事が常々言われている府民の安心・安全を守るためには、これまでに経験したことがない大規模な災害や、予期し得ぬ事件・事故に即応できる救急救助業務などに、消防職員、消防団員が的確かつ適切な対応を行っていくためには、十分に知識・技術を身につけ、恒常的に能力を発揮できることが不可欠であり、そのための教育訓練の重要性がますます増しているところであります。
御承知のとおり、京都府においては昭和51年に府立消防学校を開設し、これまでに多くの消防士を養成し地域に送り出すとともに、消防団員や自主防災組織の教育訓練に努めてこられました。しかしながら、養成機関である府立消防学校は、建物の老朽化、特に屋内訓練場である体育館の劣化が著しく、また訓練では現役を退いた車両を使用せざるを得ないなど、訓練環境が万全であるとは言いがたい状況にある上、テロやバイオハザードなど新たな事柄への対処も必要となってきています。つまり、近代消防の観点からも問題があると言わざるを得ません。
この3月、京都市消防学校が移設され、京都市消防活動総合センターとしての運用が始まりました。このセンターは、大規模な教育・訓練機能のほか、大規模災害時の作戦情報室や緊急消防援助隊集結場所としての機能が付加された総合施設となっております。
また、現在議論が進められている関西広域連合(仮称)では、災害や事故の広域性を考慮し、広域防災計画づくりや相互運営体制の強化などのほか、防災分野の人材育成についても広域的な連携のもとに取り組むこととされているとのことであります。
このような京都府の状況、京都市や近隣府県との連携の動きが見える中で、今後の府立消防学校のあり方について数点質問いたします。
テロやバイオハザードなどを考えれば、訓練の質的向上は喫緊の課題でありますので、あらゆる災害を想定した多くの訓練機能を持つ京都市との連携を深めていくべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
また、いざ災害となった場合、支援物資の集積基地が十分確保できていると言える状況にはないことから、京都市消防活動総合センターのほかに府として整備しておく必要があると考えますが、府立消防学校にそうした役割を付加することも十分考えられるのではないでしょうか。そのため、老朽化している施設の整備を速やかに行うことが必要であります。府立消防学校の果たすべき役割の明確化に加え、あるべき姿についてどのように考え、整備を進めていこうと考えておられるのか、御所見をお伺いしたいと思います。
また、現在議論されている関西広域連合の中での「防災分野の人材育成」の面で、府立消防学校としても一定の役割を担うことができるのではないかと思いますが、現時点でのお考えで結構ですので、あわせてお聞きしたいと思います。
次に、地域医療の充実対策についてお伺いいたします。
まず、地域医療を担う医師の養成についてであります。
御承知のとおり京都府の医師確保対策に大きな影響が懸念される臨床研修制度の見直し方針が示されたところであります。この問題は、私自身、予算特別委員会などで取り上げてきたところでありますが、知事も述べておられるとおり、京都府は府立医科大学に府民の税金を100億円も投資して自前で医師を養成してきているのであって、その医師が他府県の病院に移るようでは京都府の努力が無になることは明白であり、税金を御負担いただく府民の理解は到底得られないわけであります。
そうした危機意識を持って、各市町村長と連携しながら、積極的かつ迅速に行動いただいていることを心強く感じるところでありますが、一方で、私は、府立医科大学という府民の財産をより一層生かしていく工夫を積極的に進めていく必要性を強く感じております。極論ではありますが、卒業生が全員府立医科大学に臨床研修医として残って研さんを積み、いずれ府内の地域医療の担い手として定着すれば、京都府の医師確保対策にとってはこの上ない強い味方となりますし、府民の財産である府立医科大学の存在意義が一層高まるものと考えています。しかし、医師の医局離れにつながる臨床研修制度の見直し、さらに平成20年の公立大学法人化など大きな環境変化の波が押し寄せる中で、府立医科大学の本務であるべき京都府の医師確保や地域医療の確保を私たちの手で守ってみせるという意気込みが少し薄れつつあるのではないかという懸念がぬぐい去れないのであります。
そこでお伺いいたします。私は府立医科大学の使命は、日本のみならず世界で活躍できる医師の養成ももちろんですが、それ以上に京都府の医療を担う人づくりも重要であると考えておりますが、府立医科大学の役割・使命について、知事はどのように認識されておりますでしょうか。
毎年、約100名輩出している卒業生が、どの程度大学、府内に定着してくれているのか。その上で、府立医科大学の卒業生がすべて「臨床研修医として大学に残りたい」と思わせる魅力づくりはどのようになっているのか、府立医科大学の入学料は府外からの入学者と府内からの入学者で差が設けられておりますが、例えば、もう一歩踏み込んで、将来府内での勤務を希望する学生は授業料を免除するとか、府内の医師確保について大学自体が当事者として積極策を打ち出していく必要があると考えます。この緊急事態とも言える今こそ、100億円という府民の税金が交付され、まさに府民の手で設置されている大学自身が当事者意識を持って医師確保に大きな役割を果たすべきと考えます。京都府と府立医科大学の関係も含め、府立医科大学における京都のための医師養成について知事はどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。
次に、地域医療の再生に向けた取り組みについてであります。
地域の医療資源の不足、医療施設間での機能分化と連携ができていないという現状を踏まえ、国においては、地域医療の再生に向けた総合的な対策が進められているところであり、救急医療の確保、地域の医師確保など、地域医療の課題を解決するため、都道府県が二次医療圏を単位とした「地域医療再生計画」を策定して、実施する事業に対して財政支援を行うとされております。
さて、この二次医療圏単位で都道府県が策定する「地域医療再生計画」でありますが、国が設置する協議会の審査で採択されたものについてのみ支援が受けられるとお聞きしております。平たく言えば、各府県の計画のよしあしにかかっているというわけであります。
申すまでもなく、京都府の地域医療を取り巻く環境はまことに厳しく、医師や小児科・産科など診療科の地域偏在、救急医療体制の整備、脳神経外科・心臓血管外科を初めとする高度医療の確保など、京都府の懸命な努力によってもなお、すべての府民が心から安心できる地域医療体制整備には至っていないのが現状であります。
そこでお伺いいたします。京都府の二次医療圏は6つであり、全国では約350もの二次医療圏がありますが、国の資料では、採択枠は全国で80圏域であり、全体の4分の1以下と限りがあると伺っております。京都府の6つの二次医療圏すべてについて「地域医療再生計画」を策定し、国の採択を得ることは大変難しいと思います。このような中、京都府では、専門家による検討を踏まえ、各医療圏における地域医療の現状・課題などを見ながら、丹後、中丹医療圏を中心とした計画づくりを進められると伺っております。今後どのような「地域医療再生計画」を策定するのかという現実問題に突き当たります。将来の地域医療を左右すると言っても過言ではないこの難しい課題に、知事はどのように取り組まれるのか。「地域医療再生計画」策定プロセスや内容などの今後の予定も含め、御所見をお伺いいたします。
次に、府営住宅の建てかえ計画に関してお伺いいたします。
京都府では、平成19年3月に、今後10年間の京都府民の住生活の安定・向上に向けて、新たに低所得者のみならず、高齢者や子育て世帯などそれぞれの状況に適した住宅を必要としている府民に対する住宅セーフティネットについての施策や、公的な住宅供給量の数値目標を示した「住生活基本計画」を策定したところであります。また、住宅ストックが量的にも充足する中で、府営住宅の活用方策をまとめた「府営住宅ストック総合活用計画」の見直しが行われたところであります。
それらの計画で位置づけられているように、変動する社会経済情勢の中で、公営住宅においても急増する高齢者などに対する福祉環境を整備したり、多世代が暮らすバランスのとれたコミュニティを形成・維持することがこれまで以上に重要になっているところであります。
府民ニーズである高齢社会や子育て支援への対応など、良好な住環境やコミュニティを形成させる住民主体のまちづくり協議、PFI手法の導入など、新しい考え方での整備が大いに期待されております。
このような中で、京都府においても老朽化が進む大規模団地の早期整備が必要となっておりますが、次の点についてお伺いいたします。
まず、京都府は「府営住宅ストック総合活用計画」に基づき、地域における住宅供給を進めていますが、今後の方向性についてお伺いいたします。
次に、槇島団地の整備計画においては、まちづくりや福祉連携の分野で、地元宇治市と協調を図りながら進めていると聞いております。
新たな取り組みとして、府営住宅を核に高齢者や障害者のグループホームや多世代交流スペースとして集会所と広場の一体的整備を行い、それを子育て・子育ち支援や高齢者認知症予防の場としての活用を計画推進するといった地域に開かれたまちづくりを進められております。
また、有識者による「まちづくり懇話会」を発足させ、住民参加によるワークショップを行うなど新しいまちづくり構想について懇話会からの提案を受けたとのことであります。どのような提案内容であったのか。また、提案内容を踏まえた新たな取り組みの実現に向けて、どのような手法で整備計画を進めようとしているのか、お伺いいたします。
議長(林田洋君)
山田知事。
〔知事山田啓二君登壇〕
知事(山田啓二君)
山本議員の御質問にお答えいたします。
山本議員におかれましては、ただいまは会派を代表されまして、今回の補正予算案に対しまして高い評価をいただき、厚くお礼を申し上げたいと思います。
まず、中小企業対策でありますけれども、今回の経済危機というのは、私はやっぱりマネーゲームの経済から付加価値の高いものづくりの時代への転換という点からも、多分、重要な意味を持つものにしなければいけないというふうに考えております。
私どもは、これまでからも中長期的な視野に立って、中小企業がものづくりの基盤を受け継ぎ、新しい市場にチャレンジすることを応援していくことが重要であると考えまして、全国に先駆けて中小企業応援条例を施行し、中小企業を総合的に支援してまいりました。この中で、制度融資は20年度で2万4,299件、前年度比からしますと175.2%という大変大きな伸びを示しておりますし、販路開拓の支援も、21年度は160社、緊急サポートチームの活動も8月末で5万3,000件を超えるという形で、非常にきめ細かなサポートを行ってきているところであります。
今後とも、今の厳しい時代を乗り越え、地域を活性化させるためには中長期的な観点から、元気な京都の中小企業づくりを進めていくことが必要でありまして、そのためには、攻めの経営支援の観点から、チャレンジする企業を支える人材育成などの人づくり、すばらしい技術を有する中小企業の集積と世界的なレベルであります大学の知識をしっかりと交流する交流の場づくり、そしてそうしたものが融合して一つの新しい展開のできるような拠点づくりということを推し進めていく必要があるというふうに考えております。
このため、本年6月に国から指定を受けましたグローバル産学官の連携拠点推進の取り組みとして、環境やウエルネスといった成長分野での世界的なイノベーション拠点を形成し、エコ産業推進機構などを活用した中小企業の新分野開拓の支援をしてまいっておりますし、また、京都フェニックス・パークや京都新光悦村、太秦メディアパークを初めとして、異分野の中小企業が交流し成長する連携拠点づくりを推進しているところであります。
そして、さらに「京都未来を担う人づくり推進事業」などによりまして、先端産業から伝統産業まで、ものづくり産業の振興を支える中核的人材の育成と就業支援の強化など、京都の強みを生かした中小企業対策に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
私は、こうした厳しい時代だからこそ、伝統や先達からの知恵を生かした、次代をリードしていくような「ほんまもん」のものづくり産業の育成に全力を挙げていきたいというふうに考えております。
次に、府立消防学校の今後のあり方についてでありますけれども、昭和51年以来、初任教育卒業生1,318人を初め、延べ12万7,000人余りの消防関係者等に教育・訓練を実施するなど、防災の人づくりの拠点として活動を展開してまいりました。しかしながら、開設時から古い施設を再利用してまいりました屋内訓練場が、耐震性能が不足していることや、構造上、基礎的訓練でありますポンプ操法が屋内のここでは実施できないといったような問題もありますし、寮舎の寄宿自習室は狭隘な上、老朽化も進んでおりまして、しかも収容人員の制約などから、要望の多い警防とか予防分野等の教育の拡充が困難といった課題を今抱えております。
ただ、検討に際しましては、府立消防学校の将来像も見据えまして、一つには、従来からさまざまな形で協力を得てまいりました京都市消防との連携、特に先ごろ完成しました京都市消防活動総合センターの先進的な訓練施設を活用した質の高い専科教育の実施や、御指摘がありましたような大規模災害時の物資集配機能の整備などの防災拠点としての機能、そして、さらに関西における防災分野の人材育成のための他府県との協力関係のあり方などを考えなければなりませんし、その中で、京都ならではの問題点も踏まえた、特色ある教育・訓練内容などを考えていきたいというふうに考えております。
このため、現在庁内での検討を行っておりますけれども、こうした点を踏まえ、今後速やかに、京都市を初め府内の消防関係者や外部の有識者等から御意見を聞く場を設けまして、そこでできるだけ早期に方向づけを行い、府民に安心していただけるような人材育成拠点の整備を進めてまいりたいと考えております。
次に、府立医科大学の役割・使命についてでありますけれども、昨年7月に議決をいただきました中期目標におきまして「府立医科大学は府民の健康を守り地域医療に貢献する医療人を育成し、適正な府内の医師確保に貢献すること」としておりまして、これを受けて、公立大学法人が策定いたしました中期計画におきましては「府立医科大学が地域医療を支える医療人を輩出する拠点として中核的役割を果たすことや、卒前・卒後教育の充実による研修医の確保などにより、府内の医師確保に積極的に取り組む」と規定をするなど、法人化を受けまして、大学のあり方自身が明確化をしてきているところであります。
ただ、一方では、臨床研修制度の見直しがありまして、こうした大学の意向がストレートに研修医等に伝わらないというような形が生まれる中で問題が生じてきているのは事実です。府立医科大学も非常に努力をしていただいておりまして、平成20年度におきましては、研修医となりました学生85名のうち、府立医科大学の研修医も含め52名、約61%が府内で勤務するなど、昨年度の府内の定着率57%と比較しまして、4ポイントふえてきているということは言えると思います。
しかし、中期計画には70%以上の府内定着を目指すというふうなことで書かれておりますので、こういった目標を達成するためには、一つには、国における都道府県別の研修医募集定員の上限設定といった制約は解消していただきたいというふうに考えておりますし、府民の皆様に満足をいただける新外来棟の建設や大型診療機器の導入も含め、府立医科大学が最新の高度医療を提供できる、お医者さんにとって魅力的な場となるようにしていかなければならないとも考えております。
また、北部地域の病院等での体験型実習を行うことや、研修医の個別指導や相談を、より身近で経験豊富な教員が行うメンター制度の導入など、学生の地域への貢献意欲を高めることも必要だというふうに考えておりまして、こうしたことを通じて、地域医療を支える人材の育成に努めてまいりたいというふうに考えております。
現在、京都府におきましては、当初予算で総額5億2,000万円を超える医師確保対策を措置いたしまして、そのうち、府立医科大学には特命の病院助教の設置や医師確保助教枠の設置、若手医師の確保や地域医療を担う医師の育成等によりまして3億5,000万円を充てるなど、この問題を最重点課題として取り組んできております。
京都の医科大学は、あくまで府民のための大学でありますし、中期計画に従い、京都の地域医療のために貢献をする医師養成に取り組まれるよう今後とも京都府としてしっかり支援し、府民の税金で育てた学生が京都の医療に貢献できるよう取り組んでまいりたいと考えております。
次に、地域医療再生計画についてでありますけれども、地域医療の確保のために、地域医療機関の機能強化や相互連携など、交付金を活用する地域医療再生計画の策定を進めていきたいと考えておりますけれども、この対象医療圏域の選定につきましては、市町村、関係団体から事業提案の公募を行いまして、応募のありました11団体の提案のうち地域主体の連携事業という採択要件に合致していたのは、専門家の検討会での結果、丹後医療圏と中丹医療圏を対象としましたこの2圏域の提案であったということから、この2圏を採択いたしました。
丹後医療圏につきましては、医師の地域偏在等が最も厳しい状況にありますけれども、医師等医療従事者の確保と定着、救急医療提供体制の充実・強化、高度設備等の共同利用や病診連携などについて提案がされておりました。また、中丹医療圏につきましては、舞鶴市による公的病院再編を中心とした取り組みについて提案があったところでありまして、こうした提案を踏まえて計画づくりを進めてまいりたいと考えております。
また、府全体の問題であります医療従事者の確保等につきましても、可能な限りこの計画の中でも取り込んでいきたいと考えておりますけれども、今後は市町村や府立医科大学、関係団体等との調整の上、府議会や医療審議会の意見をいただきまして、国に計画案を提出し、採択に向けて努力を図っていきたいというふうに考えております。
次に、府営住宅の建てかえについてでありますけれども、住宅ストックを、多様な世帯の居住促進を通じて現入居者の暮らしの安定はもとより地域ニーズにも対応できるように再生をしていきたいと考えております。これまでから、京都府では、高齢化時代を見通したバリアフリー住宅の整備や住居を福祉施設に活用する福祉連携、子どもの多い世帯向けの優先入居など、さまざまな方策を通じまして多様な世代の入居促進に努めてきたところでありまして、今後とも、引き続き地元市町村とも連携の上協調して、時代のニーズを見据えた整備を推進していきたいと考えております。
この中で、槇島団地につきましては、新たな事業地で整備を進めるわけでありますので、府営住宅を核とした地域全体のまちづくりの視点を導入することが必要と考えまして、「まちづくり懇話会」を立ち上げ検討を進めてまいりました。その懇話会の提案では、世代間交流が生まれる場の創出や福祉サービス等との連携、ユニバーサルデザインなどの整備ビジョンを実践し、時代の変化に対応した柔軟性と地域住民との協働性に富んだ世代間の交流が生まれる府営住宅を目指すこととされているところであります。
既にこうした視点から、保育所や知的障害者や認知症の高齢者のグループホーム等の施設誘致を進めてきたところでありまして、地域に開かれ、多くの世代が交流し、いつまでも暮らし続けることのできる新しい型の府営住宅として、宇治市や地域住民の皆さんと一体となって推進をしていきたいと考えておりまして、今後、懇話会の提案も含め、一部敷地の有効活用方策も含めて、民間ならではの創意工夫も期待できるPFIの手法も導入いたしまして事業者を選定していきたいと考えております。
議長(林田洋君)
山本正君。
〔山本正君登壇〕
山本正君
それでは、2問目を質問したいと思います。
まず、府立消防学校について、ようやく前向きな答弁を聞けたと、非常に評価いたします。ただ、京都市との連携については、何のこだわりもなく、本当に真摯に受けとめながら、現場では、やっぱり京都市の施設を見れば、あの京都市を使えばいいじゃないかという強い意向もあることもお伝えをしておきたいと思います。やっぱり、必置業務の府立消防学校について、京都府でやらなければならないものもしっかり論議をしていただきたいと思いますが、もう一度、資機材も含めて近代消防の観点で非常に課題のあるところでございますので、知事の直接的なお言葉で決意を述べていただきたいなと思っています。
それから、2問目についての地域医療を担う医師の養成につきましては、府立医科大学の中期計画目標である70%以上の府内定着を目指して、今後一層の御努力をお願いいたします。先ほども答弁していただいたとおりでございます。その際、府内の医師確保が困難をきわめている今日、この70%は最低ラインであり、究極の目標としては卒業生全員の皆さんが極力100%府内定着されることが望ましいと考えております。また、その定着も、研修医の期間という短い間だけを見るのではなく、10年後、20年後にどれだけの卒業生が京都府の医療現場で頑張っていただいているのかということも見ていく必要があると思います。
繰り返しになりますが、府立医科大学が当事者意識をしっかり持っていただいて、みずから医師確保の対策を企画・提案し、それを京都府が全力で支援するという望ましい形で進むよう改めて求めておきたいと思いますし、京都府立医科大学が非常に医療現場をしっかり支えていただいていることも十二分にわきまえているわけですが、今の京都府の窮状を考えたときにも、しっかりとその意味も、私の申し上げている意味も御理解をいただければ本当にありがたいというふうに思っています。
最後に、槇島団地についてでございますけども、懇話会から提案された内容ということで発足し、建っていくということですが、むしろ懇話会の役割とか地域との協議会というのは、建ってからどういうまちづくりをしっかりやっていくのかということが大事でございますので、建てば懇話会は終わりだということにならないように、しっかりとまちづくりの協議会が見定められる、見本となるような、そういう府営住宅の建設をぜひお願いを申し上げまして私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。
議長(林田洋君)
山田知事。
〔知事山田啓二君登壇〕
知事(山田啓二君)
京都府立消防学校の今後のあり方について、さらに決意をということでございましたけれども、本当に京都市の消防活動総合センターというのはすばらしい先進的な訓練施設であります。ただ、寮舎の問題とかそうした問題の中で、一どきにどれだけ使えるかという点がありますので、こうした点を我々は補いながら、そして、これまた私ども消防学校でもしっかりとした訓練、特にポンプの操法等、今では雨が降ればできないという現状がありますので、そうした問題も踏まえた形で、今の課題を克服する形で、できる限り早く具体的な検討を進めて結論を得られるようにしていきたいというふうに思っております。しっかりと取り組んでまいります。
