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2009年3月17日|平成21年予算特別委員会 総括質疑 北尾 茂

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1 地域力再生プロジェクトについて
2 中小企業の金融対策について
3 政策形成過程の透明化の確保について

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植田委員長
 次に、北尾委員に発言を許可いたします。北尾委員。


北尾委員
 民主党議員団の北尾茂でございます。ただいまから会派を代表いたしまして総括質疑をいたします。御答弁のほど、よろしくお願いいたします。
 まず、質問の一点目は、地域力再生プロジェクトについてお伺いいたします。
 地域コミュニティの崩壊が叫ばれて久しいわけですが、特に最近の少子・高齢化や核家族化の進展、さらには情報化の流れなども相まって、地域と人の関係がますます希薄になってきているのではないかという懸念を強く抱いております。都市部では、人と人とのつながりやコミュニティとのかかわりが疎遠になり、高齢者や子育て世代の親が孤立するなどの問題が起こり、旧来の地縁組織である自治会や消防団への加入も減少しています。一方、農村部でも後継者不足から耕作放棄地や休耕田が増加し、過疎限界集落という言葉も生まれ、集落そのものが消滅していく危機を抱える地域も出てきています。
 こうした状況を踏まえ、山田知事は、地域を愛しみずから行動する人を支援し、人々が互いに支え合い、地域の資源を生かした個性ある地域をつくろうと、地域力再生プロジェクトを平成19年度から全庁的な取り組みとして始められました。このプロジェクトによって、私の地元・城陽市においても、青谷梅林の梅まつりによる地域の活性化や、グリーンカーテンなど地域発の環境保全活動、世代を超えて子育てを支援する活動など、さまざまな団体が支援を受け、元気に活動されています。
 今改めてこの2年間を振り返り、本プロジェクトにより、地域でどのような変化が起こってきているのか、また、京都府の職員の意識や行動にもどのような変化が生まれてきたと感じておられるのか、お伺いいたします。
 また、住民みずからが地域の課題解決や価値の創造に取り組んでいく地域力の再生は、地域の人たちが課題を共有し、信頼関係を築いていくプロセスが大事であり、息の長い取り組みの実践が必要であり、当然それに対する行政の支援も継続して実施をしていくことが何よりも大事だと考えます。
 これまでの成果を踏まえ、来年度はどのような点に留意をされ事業を進めていこうとしておられるのか、さらには、地域力再生プロジェクトを通じ、どのような社会を京都府において築いていかれようとされているのか、3年目を迎えるに当たって、改めて本プロジェクトにかける決意をお伺いいたします。


植田委員長
 山田知事。


山田知事
 北尾議員の御質問にお答えいたします。
 地域力再生プロジェクトについてでありますけども、この2年間で700件を超える府民によるさまざまな活動を支援するとともに、地域団体の交流ネットワークづくりの場づくりや、人材養成塾、アドバイザーの派遣、共同で活動のPRを行うコラボ博覧会などの取り組みを実施してまいりました。
 どのような変化が起きたかというよりは、私はやっぱり、変化が起こっていることを府の職員が実感をしていく時代に入ってきたというふうに思っております。特に私どもが一番ねらいとしているのは、府民の皆様が主役になる府政を展開していきたいということでございまして、その中で、地域づくりを担う人材やグループが着実にふえ、活動も充実しつつあるということを大変うれしく感じております。また、活動内容につきましても、地域の課題解決や魅力アップに向けた先進的な活動が本当に多く生まれておりますし、その中で、従来ややもすると単独で動いていた各団体が団体間でのつながりをつくり、地域をまたがったり分野を超えて協調・連携する動きが芽生えつつあります。そして、こうした動きに府職員も参加できることによって、地域団体と協働して施策に取り組んでいく事例も私はふえたというふうに思っております。
 しかし、一方で、地域や分野によって取り組みにまだまだ差があることも事実でありまして、新しい団体と、それから旧来からある団体との連携と申しますか、融和と申しますか、そうした問題も私はこれからレベルアップする中で課題になってくるというふうに思っております。
 そのため、21年度につきましては、活動団体間や行政が課題を共有いたしまして協働の施策を話し合う基盤、プラットホームという言い方をしておりますけども、このプラットホームづくりをしっかりと進めて、そして地域や住民のニーズに合った施策を立案いたしますとともに、地域力再生交付金のパートナーシップ推進枠や「京都府府民の力応援基金」の創設によりまして、支援の手段も多様化していきたいというふうに考えております。3月3日に地域力再生のためのコラボカフェという交流会を実施いたしましたけれども、多くの活動団体の方々が熱心に交流をしていただきました。本当に、一人一人の府民の皆様が自分の力を発揮し、そしてそれが連携することによって京都の未来をつくっていく、これが私は地方分権の本質ではないか、住民自治の本質ではないかなと思っておりまして、こうした住民自治の動きをしっかりと府政の中に根づかしていくようにしていきたいというふうに思っております。


植田委員長
 北尾委員。


北尾委員
 丁寧な御説明をいただきましてありがとうございました。知事が今おっしゃいましたとおり、地域力の再生、京都府としては、次年度で3年目を迎えるこの事業でございますが、まさにおっしゃったとおり、地方自治の本当に源のような、また地域の分におきまして、大変今厳しい状況の中で、まさにこの施策というのは私は重要なことであると思っております。
 ただ、先ほど御説明ありましたとおり、2年間で700件ということをお聞きしておりますし、平成20年度の中でも、公募事業としては392事業だったとお聞きしております。そのうちの約6割が新規で、あと4割が継続事業であったと。継続であるかどうかの基準というのが、要は前年度の事業が、一つは内容が違ったものになっているか、変化があるか、ブラッシュアップされたとか、あるいは規模が大きくなっているとか範囲が大きくなっているとか、その辺が一つの基準であったかなと思っているのですが、私は今、懸念というか問題意識を持っておりますのは、せっかく地域力というふうな形でおっしゃっていただける事業でございまして、この地域力というものを、公金を使う以上はしっかりと成果を出していかなければならないという考え方を持っております。その意味におきまして、先ほど知事のほうからも御説明をいただきましたとおり、さまざまな評価のものが、主体がありますし、私もベストプラクティス大会とか、あるいは気づきシート、自己評価のプロセス等も存じておりますが、さらに、大変財政状況も厳しい中にございますので、この事業そのものがしっかりとした成果を生み出すようにしていくことも必要と思いますが、その点について重ねてお伺いさせていただきたいと思います。


植田委員長
山田知事。


山田知事
 やはり、この事業の一番の目的というのは、府民協働のもとでの府政をどうやって展開していくことができるか。京都府も一つの行政主体として府民を支えていく主体でありますけれども、やはり府民が主役になって、府民一人一人の皆さんが責任を果たしていく、オバマ大統領みたいな言い方になりますけど、そういう京都府を実現していくことが京都府づくりにとっては不可欠だと思います。ですから、まさに成果というのは、そうした自主的な活動、そして京都府づくりにおける施策の協働化、同じプラットホームの中で、みんなが連帯し合うようなそういう活動の活性化、こうしたことを一番私は成果にしていかなければならないのではないかなというふうに思っておりまして、交付金を交付することが事業というよりも、その中での新しい協働関係をつくり上げていく、そういうサードステージにことしは入っていきたいというふうに考えておりまして、その点について十分に配意をしながら取り組んでまいりたいと考えております。


植田委員長
 北尾委員。


北尾委員
 御答弁ありがとうございました。いずれにいたしましても、行政と連携しながら自立していく。各種団体はそれぞれ中期目標、長期目標を持っていると思いますが、その中で、京都府がどういう形でかかわりを持って、そして後押しをしていくか、その点も、やはりしっかりと今後ともよろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、次の質問に移りたいと思います。
 中小企業の金融対策についてお伺いいたします。
 世界的な金融・経済危機を受け、昨秋から日本の景気は急降下をしており、ことしに入ってもその悪化に歯どめがかからない状況にあります。政府が先月27日に発表した1月の主要経済指標によると、鉱工業生産指数は76.0となり、前月比10.0%の低下を記録し、経済産業省では生産の基調判断を3カ月連続で「急速に低下している」とされています。経済の急速な悪化の波は京都企業にも及んでおり、今月4日に発表された民間の2月の景気動向調査では、業況判断指数が、昨年11月の前回調査と比べて24ポイント悪化のマイナス44と急落し、これまで京都経済の牽引役であった電気機械、精密機械などの業種の落ち込みが大きく、今後の経済への影響が非常に懸念されるところであります。
 こうした中、京都府においては厳しい経営環境にある中小企業者に対し、これまでから、原油価格高騰対策等特別支援制度や中小企業緊急資金対策融資など、セーフティネットによる各種の施策を講じてこられたところであり、この取り組みを高く評価するところであります。
 しかしながら、2月の京都府内の負債金額1,000万円以上の倒産状況は、前月比23.5%増の42件、負債金額にして208億5,000万円(前月比523.3%増)に上り、リーマンショック後の世界的な金融機関や経営悪化を背景とした海外需要の減少から急激な業績悪化とともに資金繰りに窮するケースが多発しているとしています。こうした状況を踏まえ、中小企業の経営安定を図るために、中小企業融資制度の一層の拡充など施策の充実が重要と考えるところであります。
 そこで、山田知事にお伺いしますが、この世界同時不況は業種にかかわらずあらゆる企業が影響を受けているのが実態である中、セーフティネット対策として国の緊急保証制度の対象となる業種以外の企業を支援する一方、中小企業の持っている特色を生かしながら成長促進を図ることが必要と考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。


植田委員長
山田知事。


山田知事
 中小企業の金融対策についてでありますけれども、本当に今、やっぱり世界同時不況により、特に弱い立場にある中小企業は大きな影響を受けていると思います。セーフティネット保証による業種指定につきましても、対象拡大を国に対し強く要望する中で、実は10月、11月、12月、2月と、ほとんど毎月のように業種の拡大が行われておりまして、760業種まで拡大をされてきておりまして、大体、府内の中小企業約8割が対象となっているところであります。
 私どもといたしましては、さらに、今後とも業種拡大に向けて要請をしてまいりたいと考えておりますけども、いまだセーフティネット保証の対象外の企業に対しましても、売り上げ減少だけではなくて、利益が減った企業も利用できるような融資の要件緩和や、セーフティネットと同様に最長10年の融資期間の制度を設けるなど、中小企業の資金繰りの改善を図っているところであります。また、中小企業が成長・発展していくためには、これは独自の技術とか小回りがきくということが強みでありますので、この強みを生かしますとともに、逆に弱みであります資金力とか販路とか人材不足、こういったものに対して支援をしていくということが必要だというふうに思っております。
 このため、試作ネットなど技術力を前面に出すとともに、中小企業応援条例に基づきまして、元気印中小企業や知恵の経営にチャレンジする中小企業に独自に資金を融資する制度を設け応援をしておりますし、また、重点的な分野として、環境関連分野にチャレンジする企業に対しては金利優遇をする、そして、農商工連携促進融資や農商工連携応援ファンドを創設するなど、金融面での支援をしております。
 さらに、中小企業サポートチーム等により、経営・技術の両面から厳しい状況の中小企業を総合的に支援していくなど、資金・経営・技術面の支援を強化することによって中小企業の成長・発展にも資していきたいというふうに思っております。


植田委員長
 北尾委員。


北尾委員
 中小企業対策につきまして御答弁ありがとうございました。1点、もしわかったらお教え願いたいのですが、1月から創設されました、書面審査のときに我が会派の山本委員のほうから指摘、あるいは質問がございました中小企業緊急資金対策融資のほうなんですが、こちらのほうは1月から始まっているということなんですが、数字をお聞かせいただきたいと思います。


植田委員長
 山下商工労働観光部長。


山下商工労働観光部長
 融資実績でございますが、1月から始めました中小企業緊急資金対策融資は、1月末現在で3,644件、1,002億円の実績でございます。


植田委員長
 北尾委員。


北尾委員
 ありがとうございました。2月時点で3,644件と大変な数だと思っております。中小企業対策は、本当に安定化と、そしてまた先ほども質問がございましたが雇用の安定、これは本当に今喫緊の課題でございますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、最後の質問に入りたいと思います。
 政策形成過程の透明化の確保についてお伺いいたします。
 私は、府民に対する府政の説明責任を果たしていく意味でも、また、昨今の厳しい財政事情の中では、とりわけ個々の施策がどのような課題に対応し、府民参画や議会との関係の中でどのように意思形成がなされ、政策に結びついていったのかを明らかにする「施策立案過程の透明化」が極めて重要であると考えております。
 そのため、京都府では、事業仕分けや事務事業評価などさまざまツールを用いて透明化を推進してこられました。また、平成14年度からアクションプランを策定し、京都府を取り巻くさまざまな課題への対応について、外部委員から成る検討委員会により幅広い意見を取り入れて検討され、その委員会自体も公開されるとともに、随時その議論の内容もホームページで公表されるなど、政策形成過程の透明化に努められているところであり、他府県に類を見ない仕組みであると評価しているところであります。
 新たに策定されるプランや改定されるプランについては、各定例会でその策定過程も報告いただくとともにパブリックコメントを実施されており、議会だけではなく、府民も政策形成過程に参画する機会が設けられているところであり、これらの過程を経て提案される予算案には、アクションプランの検討過程で交わされた議論が生かされるとともに、この策定過程に携わっている職員の政策形成能力の向上にも大きく寄与していると考えるところであります。
 そこでお聞きしますが、まず、事業仕分けや事務事業評価などについて、これまでの取り組みをどのように評価され施策等に反映されてきたのか、お伺いいたします。
 そして次に、アメリカの金融危機に端を発した100年に一度と言われる世界的な不況により、予想もしなかった生活の変化に府民が見舞われるといった経済社会情勢の変動は極めて厳しい状況の中で、ますます府民ニーズに的確に対応した施策形成が必要であり、府民ニーズに的確に対応するためには、これまでの内容をきちんと振り返り、ポスト新府総へつなげていくことが必要と考えます。
 現在、ポスト新府総として、これまでの新府総のような体系から発想を転換し、京都府の行政運営における基本的な考え方を示した基本条例、府が将来目指すべきビジョンを示す長期ビジョンと、社会・経済の変化に対応できるよう具体性のある中期計画を検討されているとお聞きしますが、これまでのアクションプランが果たしてきた意義とその成果を踏まえ、今後、アクションプランによってどのような府政の諸課題に取り組んでいくつもりでいらっしゃるのか、御所見をお伺いいたします。


植田委員長
 山田知事。


山田知事
 政策形成過程の透明化についてでありますけれども、私どもといたしましては、まずアクションプランで課題を抽出して、それを議論して、議会の御意見も聞きながら政策へと結びついていくという過程を一つとること。そして、行政評価を行いまして、その段階で明らかになった課題をもとに重点課題を予算編成方針で示して、そして予算要求、事業仕分け、事業評価の観点を盛り込んだ調書をその中で作成することによって事業の検討を行っているところであります。
 そして、その上で事業仕分けや行政評価を加え、年度当初に設定する運営目標で実施状態も明らかにしながら見つかった課題を次年度の事業見直しに反映させることとしておりまして、こうした過程を公表することで施策の透明過程というものをつくり上げようと思っているところであります。
 ただ、これはまだ中途でありまして、特に事務事業評価で、細かくつくればつくるほど何のことかわからなくなってしまうという欠点もありますので、一貫した形で今、事業仕分けから予算に至る形を整備しておりまして、そこをまたきちっとわかりやすい形で発表させていただきたいというふうに思っております。
 最終的には、やはり課題を明らかにし検討を重ねていく中で、当初予算案として提出をさせていただき、そして、それを審議していく中で予算案の御議決を得る、これによってPDCAサイクルが完結するということに私はなるのではないかなというふうに思っております。
 それから、アクションプランについてでありますけれども、アクションプランにつきましては、中期ビジョンとの連動というものを意識してまいりましたけれども、これからの新しい長期ビジョン、そして、それを具体的に実行する中期計画というものをつくってまいります過程の中では、特に中期計画の実施計画的な意味合いを大変強く持つようになるのではないかなというふうに思っておりまして、中期計画によって提起いたします課題に応じて、その中で特に議論を進めていかなければならないものをアクションプランとして整理していく形が、これからの中では一番きれいな、わかりやすい形になるのではないかなというふうに考えております。


植田委員長
 北尾委員。


北尾委員
 御答弁ありがとうございました。時間が決まっておりますので簡単に申し上げたいと思います。
 今新たな新府総、新たな総合計画、そしてまた、アクションプランにかかわりましては、いわゆる中期計画の実施計画的な形ということでおっしゃいました。私ども、あるいは私自身もそうなんですが、やはり先ほどのお話もございましたとおり、府民の願い、ニーズをかなえていくための財政出動、マンパワーを発揮していく、そのような過程の中で、やはりしっかりと道筋を明らかにしていく、そして評価を受けていく、それはもちろん第三者の客観的な評価を得ながらということが肝要だと思っております。
 大変今精力的にこの政策形成過程の透明化に関しては御尽力いただいていると私自身は思っておりますが、今後とも、さらに一層それをしっかりと推し進めていただきますように、要望にかえさせていただきたいと思います。
 それでは、私の質問を終わらせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。