議長(家元丈夫君)
次に、大橋一夫君に発言を許します。大橋一夫君。
〔大橋一夫君登壇〕(拍手)
大橋一夫君
民主党京都府議会議員団の大橋一夫でございます。代表質問の機会をいただきました会派の先輩・同僚議員の皆様に感謝を申し上げます。
それでは、さきに通告をさせていただきました数点について、知事に質問をさせていただきます。
最初に、地域医療、高齢者ケア体制整備について質問をいたします。
医療制度改革が進められ、保健医療の提供体制などの面で都道府県が担う役割が大きくなっております。京都府でも、3月に保健医療計画、地域ケア確保推進指針が策定をされ、このたび「高齢者ケア体制整備推進プラン」が発表されました。
まず、地域医療について、医療提供体制の構築につき、お伺いをいたします。
今、地域医療は、医師の不足を初めとして非常に厳しい状況のもとにあり、とりわけ府北部地域においては深刻な状況にあります。府民の命と健康を守り、安心・安全を支えていくためには、府民から見てわかりやすい、信頼できる、患者の視点に立った質の高い医療サービスが適切に提供できる体制を構築していかなければならないと考えます。
〔議長退席、副議長着席〕
そこで、二次医療圏の設定、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病という4疾病、救急医療、災害医療、僻地医療、周産期医療、小児医療の5事業の医療提供体制の構築についてお伺いをいたします。
保健医療計画では、二次医療圏として6つの医療圏が設定をされております。二次医療圏は、特殊または高度で専門的な医療を除き、一般的な入院医療サービスが提供される区域であります。しかしながら、現実には、丹後医療圏の約20%は中丹医療圏に、南丹医療圏の約30%、山城北医療圏の約28%は京都・乙訓医療圏に患者が流れているとのことであり、保健医療計画では、病床誘導などの経過、生活圏の広域化、医療の高度・専門化を踏まえ、今後そのあり方について検証するとされているところであります。
二次医療圏の設定は、地理的条件などの自然条件、日常生活における入院医療の需要、交通事情などの社会的条件もあわせて勘案しなければなりませんが、京都府として、現在設定されている6つの二次医療圏の設定について、今後どのようにしていくお考えなのかお聞かせをいただきたいと思います。
一方で、4疾病5事業については、二次医療圏で完結できることが最善でありますが、それが困難な場合には、疾病、事業の性格や内容に応じ、また医療資源などの実情に照らして医療圏を越えてでも、安心・安全な医療提供体制を整備していくことも重要であると考えます。どのような医療提供体制の構築を考えておられるのか、お伺いをいたします。
また、二次医療圏や4疾病5事業に関する医療提供体制については、府民にわかりやすく説明し、拠点病院などの診療機能についてのデータや評価などの情報提供を行うことも欠くことのできないものであると考えますが、お考えをお伺いいたします。
次に、救急体制など府県境を越えた広域的な医療提供体制についてお伺いをいたします。現在、京都府における3次救急体制は、京都市内にある3つの救命救急センターによる対応がなされており、北部には救命救急センターが設置されていません。そのような中、鳥取、兵庫、京都の3府県において、兵庫県の公立豊岡病院を基地病院として、来年度にもドクターヘリの共同運航に向けて検討中との報道がなされましたが、救急体制など、府県境を越えた広域的な医療体制づくりについてはさまざまな課題があると認識をいたしておりますが、その検討状況についてお伺いをいたします。
続いて、高齢者ケア体制整備についてお伺いをいたします。
平成18年に医療制度改革関連法が成立し、平成23年度末までに介護療養病床を廃止し、医療療養病床を全国で15万床まで大幅に削減するとのことであります。
京都府の療養病床は、平成19年4月時点で、医療療養病床2,647床、介護療養病床3,822床であります。特徴として、全国で唯一医療療養病床よりも介護療養病床が多いこと、医療療養病床に医療行為をさほど必要としないとされる医療区分1の患者の占める割合が50.2%と、全国平均の35.4%よりはるかに高く、全国一となっていることから、療養病床の廃止・削減は大変に大きな影響があるという状況にあります。
そのような中、平成18年6月時点で、全国で38万床あった療養病床数が、1年も経過をしない平成19年4月時点で1万床も減少し、そのすべてが円満な在宅への移行や他の施設へ入所されたものか危惧するものですが、京都府はどのような状況にあるのか、お伺いをいたします。
また、療養病床の受け皿として国が推奨している介護療養型老人保健施設を初めとする施設については、介護療養型老人保健施設への転換の問題や、施設で提供される役務の内容が不十分であるなどの問題点が指摘をされておりますが、京都府として、受け皿確保のためにどのような取り組みをされ、どういう問題点があるのかについてお伺いをいたします。
本府が検討している「高齢者ケア体制整備推進プラン」では、府民の安心・安全を守るため、臨時的、緊急的に必要な療養病床の確保を図るとされております。その中で、診療報酬が大きく引き下げられている医療区分1の患者については、医療行為をさほど必要としないとされ退院を余儀なくされるおそれもありますが、現実には、引き続き医療が必要な方も大変多くおられます。退院後の受け皿となる施設なども十分に整備されない状況を踏まえ、ぜひ早急に実効性のある施策の実施を進めていただくよう強く要望をいたしますが、将来的には、診療報酬の問題はあるものの、一般病床について、急性期から回復期までを機能別に分け、長期療養を担う病院と介護施設や在宅介護などが連携をする中で、医療行為が必要なのに行き場のない、介護が必要なのに行き場のないという事態が決して生じないように、切れ目のない安心・安全な体制づくりを京都府としても取り組んでいくことが求められると考えますが、御所見をお伺いいたします。
次に、野生動物の保護管理に関する問題について、有害鳥獣対策を中心にお伺いをいたします。
野生動物の保護管理に関しては、シカ、イノシシ、猿、アライグマなどによる農林業被害、営農意欲や定住意欲の減退、精神的被害などの有害鳥獣の問題や、クマなどによる精神的被害、人身被害、シカの増加や外来種、ペットの野生化による生態系への影響、E型肝炎などの人畜共通感染症に対する対応、絶滅危惧種などの保護の問題など多様な問題があります。その中で、有害鳥獣の問題については、農林業を営んでおられる皆様はもとより、地域の皆様にとって喫緊の、深刻かつ重大な問題であります。
先月、近畿農政局から昨年度の近畿における水田作経営農家の1戸当たりの農業所得が4万円、畑作経営農家は182万円という調査結果が公表されました。農業を営む府民にとって、その厳しい状況の中で大変な御苦労をされ、手間暇をかけて頑張っても、シカやイノシシにわずかな時間で田んぼや畑をひどく荒らされ、農作物が全部だめになるという本当に多くの地域の悲鳴とともに、もうどうしようもないというあきらめの声まで出ているのが現実でございます。
また、木津川市浄瑠璃寺の文化財につめ跡があり、アライグマ回虫症など感染症を媒介することが知られている外来生物のアライグマも農作物に被害を及ぼすとともに、野生化した半数が犬ジステンパーウイルスに、約7割が日本脳炎ウイルスに感染しているという調査結果も発表されております。
一方、絶滅寸前種にも指定をされているツキノワグマについては、その出没範囲が広がり、福知山市三岳小学校の児童がクマよけのカウベルを持って通学しているように、地域に恐怖心などの精神的被害をもたらしております。
そのような中、これまでに京都府内に設置された電気柵などの防除施設の総延長は、鉄道で、北海道の稚内から九州の鹿児島を結ぶ距離であるほぼ2,800キロに及び、中山間地域に行けば、動物ではなく、人間が柵やフェンスに囲まれて生活しているのが実情であります。
京都府では、シカ、クマ、猿について特定鳥獣保護管理計画を策定し、シカで申しますと、狩猟と有害捕獲を合わせて年間7,000頭の捕獲目標に対し、平成18年度はそれを上回る7,937頭の捕獲をしているものの、地域からは、シカはふえている、何とかもっと有害鳥獣捕獲をしてほしいという切実な声が上がり続けております。
有害鳥獣による被害や生息頭数については、明確な算定基準がなく推定に頼るしかありませんが、例えば昨年度、JR福知山支社管内で直前停止を含み、動物が列車に衝撃を与え、運転に支障を生じた件数は490件、うちシカが443件、イノシシが31件で、本年度はそのペースを上回っているそうであります。また、北近畿タンゴ鉄道においても、昨年度213件で、うちシカが175件、イノシシが29件を占め、本年度上半期は、既に前年度の同時期に比べ約1.8倍増の155件に達し、列車のおくれなどの被害がたびたび発生しており、確実にシカなどが私たちの生活の場所である里地にふえ、地域に深刻な被害をもたらしていることが十分に推定されるところであります。
このような中、本年2月に施行された鳥獣被害防止特措法で、市町村は、被害防止施策を総合的、効果的に実施するため、被害防止計画を定めることができるとされ、亀岡市以北の10市町において既に作成をされていると伺っております。京都府として、今後、さらにその策定を含め市町村の支援を行うことはもとより、市町村と役割分担を行いながら、府民、地域の苦しみや悲しみをしっかりと受けとめ、喫緊の課題である有害鳥獣対策へのさらなる取り組みの強化を進めるべきであると考えます。
野生動物の保護管理に関しては、人と野生動物との共生や自然環境との調和を基本理念に、生息環境の整備として奥山などへの広葉樹林の整備や、人と野生動物のすみ分けのためバッファゾーンの整備などを進める一方で、適切な個体数管理を行っていくべきですが、野生動物と共生をしていくためにも、科学的データの収集や将来予測、感染症を含むしっかりした研究体制の構築とその成果をもとにした施策の展開、情報の発信などを行うため、早期に研究フィールドを有する研究所や組織の設置が必要であると考えます。
さらに、早急に取り組むべき課題として、地域において研究成果などをもとに府民と一緒になり獣害に強い集落づくりなどを行うため、研究体制、組織の構築、人材の育成が必要であると考えますが、いかがお考えか、お伺いをいたします。
あわせて、現状を把握した上で、シカの特定鳥獣保護管理計画における年間捕獲目標頭数の変更も検討すべきであると考えますが、どのようにお考えかお伺いをいたします。
さらに、有害鳥獣捕獲について、現在、各市町村において猟友会の会員を中心に捕獲班が組織をされ地域の大きな頼りとなっているものの、猟友会の会員も高齢化が進み、60歳以上の方が全体の60%を占め、その会員数も減少をいたしております。
京都府でも、狩猟免許取得者を増加させるため施策の展開をされており、地域から有害鳥獣捕獲を行うために狩猟免許を取得される方もふえてきていると伺っております。しかし、その多くは、わなの免許であり、有害鳥獣捕獲において必要な第一種銃猟免許取得者は減少しており、このままで推移すると、近い将来、現状の捕獲班を維持することは困難になるのではないかと危惧いたしております。
鳥獣被害防止特措法では、鳥獣被害対策実施隊の設置や対象鳥獣捕獲員の設置をすることができるとされていますが、結局、捕獲員などの主体になられるのは、現状では猟友会の会員であると推測されます。
将来にわたり、地域の安心・安全を守り抜いていけるよう広域的な捕獲班の編成や捕獲の担い手となるべき組織について早急に検討すべきであると考えますが、お考えをお伺いいたします。
また、アライグマについては、外来生物法上の特定外来生物であり、現在、府内で3市が外来生物法に基づく防除実施計画を策定しその防除を行っているものの、多くの市町村では、鳥獣保護法に基づく有害鳥獣捕獲として捕獲を行っております。しかし、鳥獣保護法に基づく有害鳥獣捕獲は被害発生後の許可を受けての捕獲であり、繁殖力の旺盛なアライグマの生息頭数や被害を低減し、迅速な捕獲を実施するため、京都府も防除指針などを示し、市町村に外来生物法に基づく防除実施計画の策定を指導すべきであると考えますが、どのようにお考えかお伺いをいたします。
この質問の最後に、捕獲をされた野生動物、特にシカの経済的活用の研究についてお伺いいたします。御承知のとおりイノシシはその肉の活用もされ、流通経路もあると伺っておりますが、シカは狩猟と有害捕獲を合わせ、先ほど申しましたように、年間で8,000頭近くも捕獲されるものの経済的活用はなかなか困難な状況でございます。全国的にもさまざまな取り組みがなされる中、京都府においても、現在、南丹振興局や丹後振興局において、シカ肉の経済的活用の研究が行われ、山田知事もシカ肉の試食会に出かけられるなどの取り組みをされており、京丹後市においては、イノシシ・シカ肉処理加工施設の整備に向けた補正予算も可決されたと伺っておりますが、年間、府内で8,000頭という捕獲数を前提に経済的活用の問題を考えるとき、今後どのような取り組みを進めていかれるのか、お伺いをいたします。
まず、以上の質問について御答弁をお願いいたします。
副議長(北岡千はる君)
山田知事。
〔知事山田啓二君登壇〕
知事(山田啓二君)
大橋議員の御質問にお答えいたします。
地域医療についてでありますけれども、専門的、特殊な医療を除き、慢性疾患やリハビリ、骨折など、一般的な入院医療を提供するための地域的な単位として二次医療圏を設定いたしまして、二次医療圏ごとに病院群輪番制や小児救急などの一般救急医療体制、災害拠点病院、感染症病床などの医療体制を整備してまいりました。
しかし、御指摘のように、京都縦貫自動車道など交通網の整備等による日常生活圏の拡大や広範囲な救急搬送が可能となるなど、医療をめぐる環境も変化をしてきておりまして、周産期医療や急性心筋梗塞など、二次医療圏を超えた連携や柔軟な対応が医療資源の効率的活用という観点から求められているというふうに私は考えております。
このため、各保健所ごとに設置しております地域保健医療協議会におきまして、隣接する医療圏相互の連携や役割分担、府域全体を視野に入れた医療提供体制のあり方などについて議論をいただいているところであります。こうした中で、例えば府立医大から舞鶴の関係病院への心臓血管外科医の派遣を、これは中北部地域全体の体制整備として位置づけたり、周産期医療に不可欠なNICU病床等を各医療圏ごとに整備するとともに、その拠点となります総合周産期母子医療センターを設置して、医療圏を超えた周産期医療体制の整備に取り組んできたところであります。今後とも、入院医療需要の変化等も踏まえまして、医療提供体制の整備を図っていきたいというふうに思います。
また、4疾病5事業に係る医療提供体制につきましては、地域連携のクリティカルパスの活用によりまして医療機関の連携を図りながら、二次医療圏におきまして基本的な入院医療が受けられるよう体制を整備いたしますとともに、がん、放射線治療など、高度医療の重病患者の救急医療などにつきましては、圏域を超えた体制整備を図り、また柔軟な体制整備をする中で、府民にとってより充実した医療提供体制の整備に努めていきたいと思っております。
情報の提供につきましては、これは医療機関を選択する上で大変重要でありますので、本年4月から、医療機関等に関する各種情報を提供するホームページを新たに開設いたしました。「京都健康医療よろずネット」という形でオープンをしておりまして、診療科目、診療時間、専門スタッフの配置、保有設備の状況など基本的な診療情報を提供いたしますとともに、対応可能な診断検査領域や治療領域など、医療機関が有する専門的な機能の情報も提供しているところであります。
ただ、医学・医療の進歩によりまして、医療機関情報に対するニーズもどんどん高度化・多様化してきておりますので、診断検査実績や症例数、セカンドオピニオン情報など、より高度な情報の充実に向けまして、今後さらに取り組みを進めてまいりたいと考えております。
ドクターヘリについてでありますけれども、非常に南北に長く、東西には逆に短いという京都府の地理的特性を踏まえますと、ドクターヘリの導入に当たりましては、近隣府県との共同運航が私は有効な手段であるというふうに考えておりまして、京都北部につきましては、近接する救命救急センターである公立豊岡病院を基地としてドクターヘリを運航する方向で、3府県で今協議を進めております。
今後、早期運航に向けて運航方法などの検討、消防関係機関との調整に取り組む一方で、ドクターヘリをさらに近畿府県で効率的配置・運航することにより、もっと速やかな出動体制を整えるということも重要でありますので、これは設立準備を進めております「関西広域連合(仮称)」による運航も視野に入れ、さらに京都、兵庫、鳥取だけではなくて、大阪や滋賀とも連携した形での協議を今後進めてまいりたいというふうに考えております。
次に、高齢者ケア体制整備についてでありますけれども、療養病床の再編問題につきましては、制度の見直しに伴いまして、必要な医療・介護サービスを利用できない、そういった事態が生じることを私も大変危惧をしております。
京都府内の療養病床数は、平成18年6月に6,900床であったものが、約1年間で470床減少しておりますけれども、療養病床の転換に当たりましては、すべての入院患者について、医療機関の責任におきまして、医療・介護サービスが提供されるようにいたしますとともに、その状況を報告していただいております。今のところは混乱が生じていないということでありますけれども、ただ、療養病床の転換につきましては、制度設計が不明確な点もありますので、態度未定が8割以上というふうになっているのが現状であります。
こうした状況において、受け皿整備が十分に進まないまま、国の目標どおり療養病床の削減を進めることは、私は問題が多いというふうに考えておりまして、まずは必要な医療・介護サービスを提供できる受け皿の整備が大切であるというふうに思っております。特に、国が受け皿として想定している介護療養型老人保健施設を初めとする施設への転換が現在進んでいないのは、職員の配置基準や介護報酬の水準等に問題があるためでありまして、国に対して、近畿ブロック知事会や府の予算要望等あらゆる機会を通じて強く要請を行っているところであります。
あわせて、京都府独自に病床の確保を図ることが必要であると考えておりまして、高齢者ケア体制整備推進プランでの議論を踏まえて、当面の臨時的・緊急的な対応も含めて現在検討を進めているところであります。
さらに、高齢者の皆様のお気持ちを考慮すれば、病床確保だけではなく、在宅療養や在宅介護の環境整備も大切でありますので、関係機関が連携して、高齢者の皆様に必要な医療・介護・福祉サービスを一体的、重層的に切れ目なく提供することができる在宅ケア体制の整備を進める必要があると考えておりまして、在宅医療を担う医師の確保を進める在宅医療サポート事業や訪問看護ステーション支援事業などに取り組んでいるところでありますけれども、今後、在宅ケアをチームで行う体制づくりへの支援など、府、市町村、関係団体等が連携・協力して、体制充実に向けての取り組みを進めてまいりたいと考えております。
次に、野生鳥獣の保護管理についてでありますけれども、鳥獣被害は経済的損失にとどまらず、農家の生産意欲を減退させますし、集落の維持にも影響する大変深刻な問題でありまして、私どもは、短期的には有害鳥獣の捕獲や防除施設の設置などを、中長期的には里山整備などを今実施しております。
この研究でありますけれども、これまでは林業試験場や農業総合研究所などにおきまして、それぞれが生息調査や被害対策の研究を行ってきたところでありますが、現在検討している新たな試験研究機関では、組織の統合によりましてタスクチームで一体的な研究を行い、さらに府立大学とも十分連携した研究体制を確立することにより、より効果的な対策が講じられるよう努めていきたいと考えておりまして、さらにこうした研究成果を現場で指導できるよう各広域振興局の鳥獣対策チーム員に対して指導力の充実・強化を図ってまいりたいと考えております。
シカの捕獲につきましては、平成19年度に策定いたしました第3期特定鳥獣保護管理計画を着実に推進いたしますとともに、生息状況を踏まえて捕獲目標頭数の変更も考えてまいりたいと考えております。
捕獲の担い手対策につきましては、捕獲員の確保が困難な中、鳥獣被害の広域化に対応して効率的かつ効果的な捕獲を推進するために、関係団体等による広域捕獲協議会を立ち上げまして、来年度から複数市町村が主体となり、広域捕獲隊を編成できるように支援してまいりたいと考えております。
アライグマにつきましては、これも繁殖力が極めて旺盛でありまして、捕獲数が南丹及び中丹地域で急激に増加しておりますけれども、市町村が捕獲した個体を府の施設で処分する現在の対策では、処分量にもはや限界があるのが事実であります。
このため京都府では、昨年度、全国に先駆けて「外来生物対策マニュアル」を作成いたしまして、特にアライグマにつきましては、外来生物法に基づいて計画的な防除が必要な種としてお示しするなど、市町村の防除計画策定を支援してまいりました。アライグマ防除対策を円滑に進めるためには、市町村で捕獲から処分までの一連の対策を実施できるような仕組みをつくり上げることが必要でありますので、今後、市町村単位での処分方法を早急にマニュアル化し、現場での機動的な防除を軸に計画的に生息数を低減させていく対策に取り組みたいと考えております。
捕獲したシカ肉の経済的活用についてでありますが、私もシカ肉キャンペーン・試食会に行ってまいりましたけれども、御指摘がありましたように、いろいろ工夫はされているところでありますけれども、まだ安定した供給体制とか、食肉としての品質確保とか、廃棄物の処理コストとか、非常に多くの課題がありますので、これからも市町村と連携しながら、レシピづくりや加工品の開発、料理講習会の開催などに引き続き支援を行いまして、一層の活用推進に向けて取り組みを強めてまいりたいと考えております。
副議長(北岡千はる君)
大橋一夫さん。
〔大橋一夫君登壇〕
大橋一夫君
御答弁ありがとうございました。まず、地域医療についてですが、現在、勤務医を中心に過酷な環境の中で地域医療を支えていただいている皆様、とりわけ困難な府北部地域の医師確保のためにも御尽力をいただいております関係の皆様に、心から感謝を申し上げます。
そのように大変厳しい医師不足の中にあって、医療提供体制の構築については、かかりつけ医や地域医療支援病院の位置づけなどの問題とともに、先ほど質問をいたしましたが、二次医療圏の設定や4疾病5事業について、データや、そしてきちんとした評価からも、診療機能が充実している病院を拠点病院などに位置づけて医療資源を集積させるなど、今、府民の皆さんに提供できる最善の体制を構築していただきたいと思います。
そして、その医療提供体制を構築するためには、体制の構築に必要な医師の確保が前提となります。どの程度の医師数が必要なのかという問題はありますが、保健医療計画では、地域医療確保奨学金の貸与を受け、医師確保困難地域の医療施設に従事した医師を平成24年度に75名にするとされております。その75名の確保に御尽力をいただきますとともに、他の施策により確保された医師も含め、体制の構築に必要な医師を確保して、府民の安心・安全を守る医療提供体制を構築していただきたいと考えます。
また、広域的な医療提供体制の構築については、本年度、周産期医療について近畿ブロック広域連携体制による運用が始められ、先ほど関西広域連合というお話もありましたが、救急体制で言えば、京都府として府民の命を守るために整備した体制においても、当然ながらしっかり責任を果たしていく必要があります。そのような体制づくりを要望いたします。
高齢者ケア体制整備については、先ほども御答弁にありましたが、国は十分な受け皿整備も行わず、診療報酬、介護報酬の改定についても不透明な状況の中で、推進プランでは、臨時的、緊急的に必要な療養病床の確保を図るとの方向性を示され高く評価するものでありますが、ぜひ実効性のある施策の展開を重ねて要望させていただきます。
野生動物の保護管理については、その研究体制について一体的研究を行うというお話をいただきました。ぜひ研究体制や組織の構築、そして人材の育成に早急に取り組んでいただきたいわけですが、現地・現場に研究フィールドを持った研究施設の整備もいただくよう、あわせてお願いをいたします。
また、有害鳥獣捕獲について、捕獲班の確保ができなくなれば地域は頼るものがないという状況になります。しっかりした捕獲体制が将来にわたり確保できるよう、早急に十分な検討をお願いしたいと思います。
それでは最後に、福知山駅付近連続立体交差事業と山陰本線の複線化についてお伺いいたします。
先月、来年2月28日に、福知山駅付近連続立体交差事業の北近畿タンゴ鉄道福知山高架駅の完成、宮福線の高架化開業がされるとの発表がなされました。この事業は、父・大橋健が昭和54年に初めて要望し、以後、毎年要望を続け採択に至った事業でございますが、山田知事を初め長年にわたり大変な御尽力をいただいてまいりました関係の皆様方に、心から御礼を申し上げます。
さて、いよいよ来年春には高架化の完成により9カ所あった踏切がなくなり、交通安全対策にも大きく寄与するとともに、福知山市のまちづくりも進展するのではないかと期待をいたしておりますが、既に完成をしていたJR福知山駅とKTR福知山駅が同一の駅舎となり、乗り継ぎなどを初めとする利便性なども大幅に向上すると考えております。
そこで、まず、この高架化事業の事業効果についてどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。
また、私は、高架化事業の完成を一つの大きな契機として、JRとKTRが連携をより密にしていくことがぜひとも必要であり、これはまた、多くの皆様にKTRを知っていただく絶好の機会であると考えております。
そこで、この高架化事業の完成に合わせ、広く府民にKTRをPRし、またJRとともにKTRをより多くの方々に御利用いただけるような方策、今後、この高架化の事業効果を十分に生かした利用促進策についてどのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。
次に、山陰本線の京都?園部間の複線化についてお伺いをいたします。京都?園部間22.8キロの複線化事業については1年おくれの平成22年春の完成予定に変更され、今月には、その一部区間である馬堀?亀岡間2.1キロの複線化が完成し、その利用が開始されると発表されたところであります。
沿線地域からは、全線複線化の完成により、所要時間の短縮、普通列車・快速電車の増発などのダイヤ編成が可能となり、利便性が大幅に向上し、人口の増加など活力あるまちづくりが進むと大変に期待をされ、その完成が待ち望まれております。
そのような大きな期待のもと、平成22年春には開業を迎えようとする中、京都府としては、複線化の沿線地域はもとより関係する京都府中北部地域の市や町などの地域の意見・要望をしっかりと聞き、それらを取りまとめ、JRとの間で要望、協議を行い、期待にこたえられるようなダイヤ編成などを実現していくように取り組んでいくべきであると考えますが、現在の工事の進捗状況と、今後どのような取り組みを進められるのか、お伺いをいたします。
最後に要望をさせていただきます。
山陰本線の京都?園部間の複線化が平成22年春の開業を目指して進められる中で、園部以北の園部?綾部間については複線化に向けた進展が見られません。財政状況も含め、さまざまな大変に厳しい要素があることは承知をいたしておりますが、京都?園部間の複線化の開業がなされれば、園部以北から京都へ行く場合、園部まで車で行って京都へ行く人もふえるのではないかとも言われており、園部以北の利用者が減少するという事態も想定されます。悲願である京都?福知山間の複線化を実現するために、残る園部?綾部間の複線化に向けた取り組みを強く要望し、私の質問を終わります。
御清聴まことにありがとうございました。
副議長(北岡千はる君)
山田知事。
〔知事山田啓二君登壇〕
知事(山田啓二君)
福知山駅付近連続立体交差事業についてでありますが、福知山は古くから京阪神地域と丹後、山陰地域を結ぶ鉄道交通の要衝として栄えてきた町であります。ただ、このことが一方で鉄道が市街地を分断して町の発展を妨げているという面がありました。このため、福知山市では、昭和57年度に福知山駅の周辺地域整備構想策定委員会によりまして、鉄道の高架構想を策定の上、連携する土地区画整理事業を実施されたところであります。
京都府も福知山市の活性化や府中北部地域の発展を図る観点から、6.1キロメートルの鉄道高架事業に平成9年度に着工いたしまして、平成17年度にはJR福知山駅の高架工事が完成したところであります。その後、KTRの工事も順調に進みまして、来年の2月28日に開通予定で作業を進めているところであります。
〔副議長退席、議長着席〕
この鉄道高架事業は、9カ所の踏切が除却されまして交通安全の向上と渋滞解消を可能にいたしましたし、幹線道路4路線のほか10カ所で区画道路が立体交差し交通ネットワークの完成に貢献するなど、福知山市内の商業・業務施設の集積や市街地の活性化に寄与するものというふうに考えております。
また、地元の皆様や利用者の方々にとりましても、新駅舎構内の歩行者通路設置によりまして自由な往来が可能となるほか、JRとKTRのホームも近接化いたしますので、乗りかえの移動距離・時間が短縮されますし、またエレベーター等のバリアフリー機能が充実いたしまして、さらに駅南側には、新設の駅前広場によりまして、鉄道とバス、タクシー等との結節機能の向上など、利用環境や快適性が飛躍的に向上することになります。
この高架事業の完成を記念いたしまして、KTRではラッピング車両の製作、開業に合わせた運行によるPRを予定しておりまして、沿線自治体と連携し、イベント列車を計画するなど誘客に取り組んでいくこととしております。
また、JRとKTRが同一駅舎となる利点を生かしまして、駅舎内のコンコースなどの新たなスペースを活用し、企画商品の紹介や観光案内、利用者向けサービスを拡充するなど、非常に身近に感じていただけるようにしていきたいと思っております。
同時に、本事業の完成を契機といたしまして、JRとKTRとの連携を一層強化し、利用者の視点に立ったダイヤ編成や接続改善、きめ細かな乗り継ぎ情報の提供を図るなど、JR、KTRの利用促進に努めていきたいと思っております。
次に、JR山陰本線の京都?園部間の複線化事業についてでありますけれども、これも本当に多くの府民の皆さんの長年の悲願でありました。現在の進捗状況でありますけれども、京都?園部間の全工区で順調に工事は推移しております。京都府域におきましては、馬堀?亀岡間で今月14日に、八木?園部間でも来年3月に工事が完成するなど、平成22年春の全線開業を目指して着実に進捗はしております。
ただ、本事業は工事延長が長くて長期間を要するプロジェクトでありますので、建設資材の価格高騰とか、地盤等の状態が悪いことによる工法変更など、事業費の増加に対する対応をJR西日本から要請をされているところでありまして、今後、関係市町とも十分連携して適切に対応していきたいと考えております。
また、昨年の工期延伸が示されたとき、JR西日本に対しまして、完成した区間から事業効果が発揮できるように要請をしましたけれども、JR西日本においては、車両の更新を積極的に進めますとともに、複線化事業が完成した区間から順次使用を開始し、来年3月のダイヤ改正では、所要時間の短縮を図る予定というふうに伺っているところであります。
京都府といたしましては、平成22年春の全線開業時においても、列車本数の増発、上り下りのバランスのとれたダイヤ設定など、御利用される方々が本当に便利になったと、京都まで早くなったと実感できるようなダイヤが実現され、さらに中北部地域の利便性がより一層確保されるように関係市町からの要望をお聞きしながら、JR西日本に対し強く要請をしてまいりたいと考えております。
