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2008年9月30日|平成20年9月定例会代表質問 熊谷 哲

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1 分権改革の方向性について
2 行政経営改革について
3 新エネルギーの導入促進について
4 遠隔医療ネットワークの導入について
5 がん対策について
6 教育問題について
7 その他

>録画ビデオはこちらから

議長(家元丈夫君)
 次に、熊谷哲君に発言を許します。熊谷哲君。

〔熊谷哲君登壇〕(拍手)


熊谷哲君
 民主党の熊谷哲です。私は、民主党議員団を代表し、通告に従い知事並びに関係理事者に質問いたします。
 今日、私たちが住んでいるのは、相互浸透が深まりグローバル化が進んでいる世界であり、その恩恵を最も享受している国際国家の一つであり、自由と民主主義が約束された地域社会であります。世界を見渡すと、数多くの紛争とその火種が今なお存在している中で、対テロ戦争は出口が見えず、北朝鮮の核はいまだに検証にも至らず、そしてグルジア紛争は再び世界が分断される危機に直面する可能性を改めて予感させました。
 いわゆるサブプライムローン問題に端を発した金融・商品市場の混乱は一層深刻さを増し、アメリカでは、政府系住宅金融2社に続き、保険最大手AIGの公的資金による救済策が打ち出されたものの、リーマン・ブラザーズは経営破綻に陥るなど、連鎖的なデフォルトなどへの懸念は依然として収束していません。けさも、アメリカの下院で金融安定化法案が否決されたことから、東京も含め世界各市場で暴落に近い水準にまで株安が進行し、大混乱しています。


〔議長退席、副議長着席〕


 一方で、BRICs(ブリックス)諸国を初めとするエマージング経済の著しい発展・拡大を背景にした資源・エネルギー・食料価格の高騰は、資源採掘や生産能力の増強に向けた投資不足、投機的資金の市場流入などと相まって不足感が高まり、世界経済の不安定要因となっています。
 私たちは、こうした世界的な動静と無関係に仕事をすることも、あるいは人ごとのようにやり過ごして生活することもできません。もはや、世界と切り離され孤立した、18世紀の幕藩体制下のような村社会では決してないのです。だからこそ私たちは、この京都の将来と展望を思い描くとき、世界における日本の立ち位置を見定め、その中で果たすべき役割や価値を見通した上で、あるべき姿を論じていかなくてはならない。そのような決意と覚悟に基づいて質問してまいります。
 ところで、山田知事はこのような現下の情勢を受けて、「中小企業経営安定等緊急対策」を今議会に提案されております。企業経営を圧迫する不安定要因が重なる中、さらに米国発の金融混乱によって地域金融機関に追加損失が発生するような事態となれば、貸し渋りの懸念も含め、中小企業はもとより、府民生活にとっても大打撃になると大変危惧しているところであります。中小企業の実情に耳を傾け、府民生活の安心・安全のための資金繰りや販路開拓支援、また、オール京都体制でのサポートチームの設置など、きめ細かく対策を講じられようとされていることに期待を寄せるとともに、時宜を得たものと高く評価しております。
 なお、原油高などによるコスト増の価格転嫁を不当に妨げる買いたたきなどを防ぐために、適正取引の一層の推進と徹底にも重ねて取り組まれますよう要望しておきます。
 さて、質問の第一は、分権改革の方向性についてです。
 先般、9月1日に福田首相は辞意を表明され、安倍内閣から2代にわたって政権が投げ出されました。国民の審判を仰ぐことなく発足した政権の脆弱さを見ると同時に、いわゆる「ねじれ」の国会状況を「対話と協調による創造的対峙」に導くことのできない、今の永田町政治の限界を露呈しているとしか言いようがありません。
 こうした状況の中で、地方分権改革推進委員会を初め、さまざまな場面で分権改革論議が進められています。私は、「地域のことは地域で」「民間にできることは民間で」という原則はもとより、世界の中で日本をどのように立て直していくのかに具体的に結びつける「国の役割及び公の範囲の再定義」に基づく地域のあり方の検討でなくてはならない。と同時に、住民や地域の潜在的な力をいかに引き出していくかに着目をして、国民主権と民主主義を隅々まで徹底することが欠かせないと考えています。
 山田知事は、全国知事会の地方分権推進特別委員会の委員長として、また「地域・生活者起点で日本を洗濯(選択)する国民連合」、いわゆる「せんたく」の地方政府創造会議の座長として、まさに全国的な分権改革運動の中心にいらっしゃいます。
 そこで、今日の日本が抱えている課題を俯瞰したときの分権改革のあり方と将来的な展望について、まず知事の御所見をお伺いいたします。
 質問の第二は、行政経営改革についてです。
 まず初めに、副知事3人制の評価と特別職の拡大についてお伺いいたします。
 これまで知事は、「府民発・府民参画・府民協働」による府民本位の京都府づくりを実現するために、かつ、現下の厳しい行財政環境のもとでも揺るぎない執行体制を確保するために、経営的手法も取り入れながらトップマネジメントの確立を図ってこられました。中でも副知事3人制は、地方自治法の改正施行に先んじる形で2006年5月に導入されて以降、「京都府活性化推進会議」は麻生副知事が、「京都府安心・安全推進会議」は小石原副知事が、「京都府行政経営改革推進本部」は猿渡副知事が、それぞれ担当する新たなマネジメント体制がしかれ、事務分掌も明確化されながら今日に至っています。
 そこで、副知事3人制がどれだけのトップマネジメント機能を果たしてきたとお考えなのか、また、どのような課題が見えてきたのか、さらに今後の見通しについて、知事の御所見をお伺いいたします。
 私は、「自治体がその実情に応じて、みずからの判断で適切なマネジメント体制を構築する」という時代の要請を具現化するためには、民間の経営体制を例に引いても、また欧米諸国の行政経営体制を見渡しても、権限と責任を明確にした執行役員に擬せられる特別職の拡充が必要ではないかと感じています。例えば、横断的・重点的な政策課題担当として政治任用特別職を配置することによって、経営目標や意志の徹底、変化への迅速な対応、職員の事務遂行の監督など執行体制の強化や、今後、より求められるであろうマニフェスト型行政経営の確立に直結するのではないでしょうか。政治的任用については、法の規定も十分ではなく、また制度的にも議論のあるところではありますが、地方公務員法第3条第3項に示されている特別職参与や特別職秘書等の設置条例を工夫することで、例えば「知事補佐官」のように運用していくことは可能であり、私は導入に向けて検討を進めることが有益ではないかと考えています。知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、給与費プログラムについてお伺いいたします。
 知事は、2005年に「経営改革プラン」を策定し、施策の見直しや人件費の抑制などの改革に大なたを振るってこられました。中でも「給与費プログラム」の推進では、総務業務の圧縮・IT化や組織再編による職員定数の削減、さらに給与構造改革や諸手当の抜本見直しなどによって、740人の定数削減と総人件費172億円の抑制という実績を上げてこられましたが、幾つかの課題も浮かび上がってきています。
 第一に、新たな行政需要の増加です。この間にも、安心・安全なまちづくりのための警察官や、少人数教育充実のための教員の増員に加え、児童虐待防止対策や地域力再生対策など、当初計画時とは異なる政策的要請が積み重なってきました。一方では、職員のメンタルヘルス疾患の増加などという状況も見受けられます。これまでは機動的にめり張りのある対応で乗り越えてこられましたが、定数目標については中間的に見直す必要があるのではないでしょうか。
 第二に、人員を削減しつつも、同時に行政サービスの水準を維持・向上させていくためには、中長期的視野に立った戦略的・効果的な人材育成がますます重要となります。なかんずく、職員の意識改革はもとより、高い専門性や政策形成能力、現場対応能力、府民とのコミュニケーション能力の養成を進め、民間からの任期付雇用などを活用しつつ、グローバルかつ分権時代を担える人材の育成・確保に努めていかなくてはならないと考えますが、いかがでしょうか。
 第三に、給与体系の見直しです。行政の構造変化に伴い、仕事は質・量ともに厳しくなる一方で収入は抑制傾向にあります。その状況下で、公僕としてやりがいを持って職務に臨むためには、職員の使命感や達成感に過度に寄りかかるのではなく、やはり仕事の成果に対する公平・公正な評価と、その職務や職責、勤務評価に応じた人事・給与制度でこたえていくことが求められますし、今日的な時代背景を加味すれば、それが優秀な人材の確保につながっていくものと思います。現在、一般職員に対する新たな人事評価制度や勤務実績の給与反映は試行あるいは検討中とのことですが、今後どのように進めていかれるのでしょうか。
 以上、3点について、知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、指定管理者制度についてお伺いいたします。
 「民間にできることは民間に」「民間のノウハウを活用する」ことを念頭に、指定管理者制度が導入されて3年がたちました。出資法人等の公的団体に限定されていた公の施設の管理が、民間事業者にも委託できるようになったことで、府民目線に立った効果的・効率的な管理・運営が進められるとの期待感が当初ありました。その導入に際しては、単に経済性・効率性の追求だけではなく、施設の設置目的に従ったサービス提供を安定的に行えるか、より効果的な府民サービスを提供できるか、という3つの視点を基本に、公正かつ総合的な評価の上で最も適する団体が選定されたと理解しています。
 そこで、今年度末で指定期間切れとなる施設が23施設あることを踏まえ、指定管理者制度を導入した効果について、全体的にどのように分析・評価されているのか、知事の御所見をお伺いいたします。
 また、前管理者を上回る評価で民間事業者が指定を受けた堂本印象美術館や学研都市記念公園などについて、特にどのように見ているのか、あわせてお伺いいたします。
 また、指定管理者制度によって、公の施設の管理・運営に競争原理が導入されるために、以前は当然のごとく受託していた外郭団体においては、生き残りをかけた厳しい体質改善が進むことが期待されていましたし、強く求められてもいました。そうした観点から見たとき、外郭団体における経営改革はどの程度進んだと判断されているのか、知事の御所見をお伺いいたします。
 さて、現在のところ、府民利用施設として無償貸し付けを行っているものが13施設、そのうち指定管理者制度の例によって貸付先を選定したものが7施設あります。その中には、今年度末で無償貸付期間が終了する施設もあり、今後の管理のあり方が問われます。すべての府民利用施設は、指定管理者の例によりつつ無償貸し付けを行うことを前提に、施設の設置目的や利用のあり方などによって、公募の手続を経るものや単独指定を行うものに使い分けていくことになるものと思いますが、説明責任と情報開示が一層求められることは言うまでもありません。これら無償貸付施設の管理のあり方について、既に検討されていることと思いますが、今後の見通しについて、知事の御所見をお伺いいたします。
 施設の無償貸し付けに関連して、「花空間けいはんな」についてお伺いいたします。
 花空間けいはんなは、京都府における花卉の生産振興を図り、農業経営の安定に資することを目的に、関西文化学術研究都市の公的施設第1号として設置されました。28億円余の巨費を投じて1986年に開園し、1991年には最高の約14万2,000人の入園者を数えたものの、その後は右肩下がりに減少し、2004年には過去最低の約5万人となりました。その2004年3月には、有識者や地元関係者などで構成する経営検討委員会を設置して経営見直しに着手され、2005年には、山城地域の授産施設の皆さんに花の苗や京野菜の生産・販売、園内の花壇づくりなどを体験していただく園芸福祉のモデル事業に、あるいは園芸作業等でのボランティアとの積極的な連携推進などに取り組んでこられました。ですが、若干入園者数は回復したものの、昨年度も最盛期の半数以下の約6万5,000人にとどまっています。
 収入面で見ても、平成18年度から黒字転換したとはいうものの、府からの運営費補助金1億円余がなければその分が丸々赤字になり、なおかつ累積欠損金が約6,000万円あるという、自立というにはほど遠い運営状況にあります。であるにもかかわらず、当初の目的に掲げられていた「花卉の生産振興と農業経営の安定に資する」施設として有効に機能しているかと言えば、必ずしもそうなっているようには見受けられません。これを維持するという前提に立てば、近隣の施設とは異なるサービスを提供し、すみ分けしつつ存在意義の明確な差別化を図り、格段の府民サービスの向上に努めなくてはいけませんが、解決しなくてはいけないハードルは高く、決して容易ではありません。生涯学習や園芸福祉の実践施設としての利用を高め、運営費用をぎりぎりまで縮減するという方策は有益だと思われますが、その場合は施設や運営母体の大幅な縮小は避けられないものと思われます。
 いずれにしても、今年度末の貸付期限切れを控え、管理者の選定方法を初め、今後の運営のあり方を早急に結論づけなくてはいけませんし、先行きを見据えて、存廃も含めて検討することも避けられないものと思われます。知事の御所見をお伺いいたします。
 まず、以上、ここまでお伺いいたします。


副議長(北岡千はる君)
 山田知事。


〔知事山田啓二君登壇〕


知事(山田啓二君)
 熊谷議員の御質問にお答えします。
 熊谷議員におかれましては、ただいまは補正予算案に対し高い評価をいただきまして、厚くお礼を申し上げます。
 まず、地方分権のあり方と将来展望についてでありますけれども、地方分権というのは、本当にこの国を再生させる、国民の皆様一人一人の力を最大限に活用し、セーフティネットを張る中で、本当に豊かな日本づくりをする上で、私は欠かせないものだというふうに思っています。やはり主役は国民である、住民であるということを実現することが地方分権の一番大きな目的だというふうに思っておりますけれども、最近、そうした点からいたしますと、ちょっと問題が起きているというのも私は事実だと思います。
 つまり、国から地方への権限・財源移譲を軸とする、これは正しいと思うんですけれども、これをずっと進めてきた結果、一つには、役割分担という名のもとに地方切り捨てが行われてしまったのではないか。逆に霞が関から見ると、権限をとられるならどうぞ地方勝手にやってくださいという、大変ふてくされた状況が生まれてしまったのではないかということを私は危惧しておりますし、役割分担の明確化と責任の明確化というのは地方分権で欠かせないんですけれども、それを強調してしまいますと、都道府県、市町村間でも非常にぎすぎすした関係になってしまうのではないか。かえって、連携と協働で地域を支えるという府民の視点に立った地方分権というよりは、団体間の争いにとられてしまうような地方分権になってしまっているのではないかということを私はおそれます。そうなりますと、やはり国民・府民・市民から見ますと、あれは国と地方公共団体の権限争いだけだというふうにとられてしまって、本当の意味での地方分権につながらないということをおそれております。
 そうした点からいたしますと、不毛な団体間の争いの議論ではなくて、国民の皆さんにどうすれば本当に安定した生活を送っていただけるか、またその力を発揮できるように、まちづくりも府民のニーズ、市民の皆さんのニーズに合ったようにできるかというような姿で、もう一度この地方分権というのを考え直していかなければならない時期に来ているというふうに私は思っております。
 例えば、京都府では、ジョブパークにハローワークが入っています。これによって、どこが本当にうまくできるかとか、どれだけ国と地方の持っている情報を効果的に府民のために活用できるかというようなことを、今、しっかりと実証・実験するような形になってきております。それから、話題になっております琵琶湖・淀川流域の問題に対しましても、単に河川整備だけではなく、環境の問題とか防災の問題だとか、まちづくりとか幅広い視点から、それを担っている都道府県知事が連携をしていくことによって、初めて地域全体の最適をつくり上げる地方分権ができるのではないか。私は、こういった形でこれから地方分権を進めていかなければならないのではないかなというふうに考えております。
 したがいまして、国は、一律規制や義務づけといった地方を縛るのではなくて、地方を支えるという側に意識転換をしてもらわなければなりませんし、私たち地方公共団体も、市町村という基礎的地方公共団体をしっかり支え、同時に、府民の立場から一番いい行政は何か、そのために権限というものをできるだけ柔軟に、府民ニーズに合わせてやっていけるような視点での分権を進めることによって、日本再生に向かっての歩みを進めていきたいというふうに私は考えております。
 次に、副知事3人制の評価についてでありますけれども、京都府の業務というのは、公共事業から福祉、医療、産業政策、そして教育や警察まで、本当に幅広いものがございます。これは大変幅広いものがございますし、しかもその分野は、グローバル化とか情報化など多様・複雑化しておりまして、危機管理も含めて対応の難しさを増しております。その上で、これは京都の特徴なんですけれども、外国の要人ですとか皇室ですとか、本当に多くの皆様が訪れる。そういった形での対外的な役割は、普通の府県とは違うものがあると私は実感しております。
 こうしたことを考えますと、副知事さんには幅広い分野を分担していただくために、1人というのはまず難しいのではないかなというふうに考えております。その上に、今は行政改革という根本的な、やっぱり地方公共団体の構造改革を実現しなければならない時期にあるということでありまして、このために、基本的には京都府の業務を2人の副知事が担当し、行財政改革という視点を変えて取り組む業務を3人目の副知事が中心に取り組んできており、府政の安定と改革のために3人の副知事はそれぞれの役割を確実に果たしていただけるというふうに今考えております。
 今後のことは、こうした一定の役割の達成度をもとに考えていきたいと考えておりまして、その中で、固定的ではなく柔軟なあり方を考えてまいりたいというふうに思っております。
 次に、特別職の拡大についてでありますけれども、昨日もケベック州の文化・コミュニケーション・女性の地位担当大臣が来られましたけれども、これは普通で言えば部長と副知事の間ぐらいですが、この方も政治任用の方でありました。外国では政治任用というのは大変多いのでありますけれども、それはやっぱり日本の風土の中でどういうふうに考えるかということの問題もありますし、私は今は副知事に、先ほど申しましたように担当部局に加えて全庁横断的な重要課題を担当させて、責任と権限をしっかり行使していただいております。また、トップマネジメント体制を構築するために経営戦略会議を開催いたしまして、各部長さんにも入っていただきまして横断的調整を行い、さらに専門的知識を持った「特別参与」を設置して応対をしておりますので、現在はこうした体制により府政の諸課題に対応できるというふうに考えておりますが、事態は常に流動的でありますし、御指摘の点や他府県の事例も勉強しながら、今後、府政のあり方や展開に応じた柔軟な対応を考えていきたいというふうに思っております。
 次に、給与費プログラムについてでありますけれども、非常に厳しい行財政環境の中で、どうすれば一番いい府民サービスを提供できるかといったときに、歳出の4割を毎年占めている人件費。収入がふえない中でこれがふえていけば、当然府民サービスは減っていくということを、私たちはやっぱり理解していただきたいなというふうに思っております。そのために、これまでから給与構造改革の取り組みを進めますとともに、ITを活用した効率化や本庁組織の再編などによりまして職員の定数の削減を進める一方で、府民サービスの向上を進めるために、児童相談所とか警察官とか教員といったような、府民の直接サービスにかかわる部門の増員を図ってきたところであります。
 ただ、こうした内部管理的な事務の職員の削減というのは、職員にとりましてはボディーブローのように効いてくるというのは、私はこれも事実だろうというふうに思っておりますので、サポート体制の整備を初めとしまして、できる限り職員の負担を軽減するよう配慮しなければならないというふうに考えております。
 ことしも交付税では、日本全体で約2万8,000人の公務員削減ということを前提とした交付税の配分が行われているという中で、府民サービスの見直しか、無駄をなくして定数を削減するのか、給与水準を見直すのかといったような厳しい選択を迫られている中で、何とか職員の皆さんの生活を守りながら、そして府民生活の維持をしながら、ぎりぎりの線で今、財政運営をしていることについて御理解を賜りたいと思いますし、その中で給与費プログラムのあり方についても検討させていただきたいというふうに思っております。
 次に、職員の人材育成についてでありますけれども、分権型社会になりまして、職員のストレスというのがやっぱり──今までは、国から来る通達をそのまま市町村に流していけば、また補助金をそのまま執行していけばいい時代から、本当に府民のニーズに即した形で判断を求められる場面がふえてきたという時代になっているだけに、職員の人材育成というものは私は大きな意味を持っていると思います。
 したがいまして、多様化する府民ニーズに迅速かつ的確に対応できる職員を育成するため、まず府民の視点を大切にする「府民第一主義」の意識を全職員に浸透させることが必要と考え、「行政経営品質」の取り組みを実施し、その中で、セルフアセッサーを中心に、各職場で風通しのよい対話ができるようなオフサイトミーティングを実施して、府民サービスの向上に取り組もうということを心がけてまいりました。このため、本年3月には、そうした成果の発表会をするまでに至ったところであります。
 また、府民と連携・協働できる人材を育成するためには、多様な組織で多様な業務を若いうちから経験してもらうことが必要であるということで、庁内ベンチャー事業や、市町村・他府県・民間との人事交流を大幅にふやしてきましたし、任期つきの職員や民間からの採用も、行政II職ということでふやしてきているのも事実であります。ただ、民間からすぐに持ってくるというのは、景気に結構左右される話でありますし、民間からよい人材を求めるというのは、私どもは読売巨人軍ではありませんので、どんどん金に飽かせて人材をというわけにはいかないというふうに思っておりますから、そうした点からすると、やっぱり一人一人の職員を地道に育てていくということが必要ではないかなというふうに思っておりまして、新しい行政改革プランの中でも人材の一層の能力向上というのを大きな視点として掲げて、人材の育成について考えていきたいと思っております。
 人事評価制度につきましては、これにつきましてもやっぱり客観的に評価されなければ、職員のやる気というものは生まれてこないと思います。ただ、成果主義に陥りますと、成果主義の悪弊が指摘されているだけに、私は問題も多いと思っております。ですから、できるだけ多面的な評価を導入して、いろいろな観点から光を当てることによって評価を積み重ねて、職員の能力や適性を生かせる、そういう職場づくりをしていきたいと思っております。
 次に、指定管理者制度についてでありますけれども、指定管理者制度の目的は、可能な限り競争を導入するとともに、民間の能力や経験を活用することによって府民サービスの向上を図って、効果的かつ効率的な行政を目指すため、法的に義務づけられた制度であります。指定管理者制度の導入によりまして、開館時間の延長や休館日の見直し、管理者の創意工夫による自主事業の展開が見られまして、施設の利用者数は、全体で約37万人、13.9%の増加となりました。また、管理運営費のほうも、制度導入前と比較して、一般財源ベースで約4.3億円、13.5%の減になっておりますので、管理運営費が減って利用者がふえたという点では、私は大きな効果があったのではないかなというふうに思っております。議員御指摘の堂本印象美術館や関西文化学術研究都市記念公園なども、施設利用者数が大幅に増加をしているところであります。
 そして、公募の結果、引き続き公的団体が管理者となったところでも、やはり民間との競争を経て改善をする意欲が出てきたり、民間事業者を意識して運営の努力というきっかけにもなっておりますので、私は、その点では本当にこの制度の効果というものはあったのだろうというふうに思っております。
 普通財産を無償貸し付けしている府民利用施設につきましても、基本的には設置目的は公の施設と同じでありますので、私どもは貸付先の選定につきまして、今後、制度の趣旨を踏まえ、競争原理の導入と民間能力の活用のため、あくまで公募を原則として対象施設を拡大してまいりたいと考えております。
 ただ、市町村やそれに準ずる団体が管理している、地元とも密接に結びついている中で運営されている団体ですとか、また競争にはなじみにくい福祉関係団体、こういったところについては、例外として、単独施設とすることも法的に認められておりますので、議会の御理解を得ながら最適な管理者を選定して、府民サービスの向上を図ってまいりたいなというふうに思っております。
 次に、「花空間けいはんな」についてでありますけれども、御指摘のように、花空間けいはんなにつきましては、61年の開園以来200万人を超える方々に利用していただいたわけでありますし、一方では、生産者への花卉生産の振興のための栽培技術の実証展示とか園芸福祉など多面的な取り組みを行ってきたという点で、私は評価できると思うのでありますけれども、人々の憩いの場としての役割から申しますと、全国的なレジャー施設が、今、余暇の過ごし方や人々の考え方の多様化の中で、どんどん閉園に追い込まれている、花空間もそういう例外ではないような減少状況にあるというふうに考えております。こうした中で、民間企業との連携による庭園整備やフリーマーケットや、また企業からの花の提供によります花壇づくりや、またイチゴ狩りなど、運営努力を重ねてまいりまして、ちょっと回復は見えるんですけれども、根本的な回復には全くつながっていないというのが私も現状だと思います。
 こうした実態を踏まえ、学研地域内にあるこの施設に、花卉の生産に対する貢献などの施設の多面的な用途を考慮に入れながら、どう府民の皆さんのために貢献できるかということにつきましては、私は、平成21年度以降のあり方について、時代の流れに対応した抜本的な見直しを行ってまいりたいと考えておりまして、年内にも結論を出していきたいというふうに考えております。


副議長(北岡千はる君)
 熊谷哲さん。


〔熊谷哲君登壇〕


熊谷哲君
 御答弁ありがとうございました。
 まず、分権改革についてですが、今の知事の御答弁をお聞きして我が意を得たりという思いもいたしているところもあります。地方分権は日本を再生させる、その思いを本当に強くいたしましたし、私は、これまでの配分をする政治から、住民そして生活者を起点とする政治へと大きくかじを切るときであると思いますし、そのために地域が果たす役割、また地域のあり方というものが、知事の御答弁の中にありましたように、その中で整えられていかなくてはならないというふうに考えています。
 そこで、1点再質問させていただきたいのですが、例えば後期高齢者医療制度の見直しが今進められようとしています。また、今、市町村がやっている国保の制度も、今のままでいいのかというところは、やはり基本的に考え直さなくてはいけない大きな課題であるというふうに思っています。その見直しの方向を考えたときに、やはりそれは広域的な団体、都道府県が担っていくのではないかというような思いが、漠然とではありますがそういう思いがいたしますし、また、そういうさまざまな今の制度上のいろいろな課題を抱えている中で、これから都道府県が担っていかなくてはならない事務あるいは施策というものも数多く予測されるのではないかというふうに思っています。
 そうした中で、今さまざまな議論がありますけれども、知事としては、都道府県の将来的なあり方について、どのようなお考えをお持ちであるのか、また見通しをお持ちであるのか、改めてお聞かせいただければと思います。
 また、行政経営改革について、副知事の3人制と特別職の拡大については、私は基本的には、知事の官房機能を強化していくというその方向性は揺るがしてはいけないと思っています。その中で、副知事をどのように位置づけるか、あるいは特別職の方々を入れるのか入れないのか、また入れるとしたらどういう形をとっていくのかということは、十分に検討をしていただきたいというふうに思っております。これは、今が悪いとか改善が必要だということだけではなしに、これからの行政経営のあり方について、やはりこれも抜本的に考え直さなくてはいけない時期でありますし、知事はそうしたところからの視点をたくさんお持ちであるというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 給与費プログラムについて御答弁をちょうだいしました。定数外増員などの手法は限定的にすべきではないかなというふうな個人的な感想を持っています。また、一方で、臨時、派遣、非常勤職の職務のあり方やメンタルヘルスなどの問題を考慮すると、知事も先ほど答弁されましたサポート体制の構築というのが、本当に喫緊の課題であるというふうに思っています。そういうことを考え合わせると、この給与費プログラムの推進については今は政策企画部が進めておられますが、ここは職員長が一元的に取り扱いをして、知事の指揮のもとで機動的に対応していくような体制へと変えていくことが必要ではないかと思いますが、この点についてはいかがお考えでしょうか。改めてお聞かせいただきたいと思います。
 指定管理者については、利用が伸びているという話をいただきました。効率的になって、また利用者も進んでよかったということだけではなしに、府民の目線に立ったときに、それでは、利用のしやすさはどうであるか、リピートをするような希望がどれだけ広がっているか、そういったことを幅広くチェックをし、確認をしていく作業というものが必要ではないかというふうに思っています。年度末の期限切れということを控えれば時間的にはなかなか難しいところもあるかもしれませんが、今後のためにも、そういった視点での評価というものもお願いいたしたいと思います。
 1点、期限つきの指定であることから、評価は高くなったものの、内部的には専門性の高いスタッフの雇用がなかなか確保しにくいであるとか、せっかくつくった地域や住民の皆さんとのネットワークが途切れてしまうのではないかというような、引き継ぎの懸念がいろいろと指摘をされています。そのあたりをどのように対応されるのか、改めてお伺いいたします。
 お伺いをして、次の質問に移らせていただきます。
 質問の第三は、新エネルギーの導入促進についてです。
 今日、新エネルギーへの期待は、技術的な可能性から量的・面的な普及へと発展し、具体的な導入拡大が焦眉の急となっています。その後押しをしているのは、もちろん地球温暖化防止に向けた低炭素社会構築の重要性であるとともに、資源小国の脆弱さに改めて直面した昨今の国際情勢であり、新規産業、新規雇用を生み出すビジネスモデルとしてめどが立ち始めている状況にほかなりません。我が国が持続可能な新たな経済社会を構築していく上での確かな礎となることも、また疑いようもありません。
 京都府では、平成9年3月に「京都新エネルギービジョン」を策定し、風力発電、太陽光発電等の新エネルギー設備の導入を進めてこられました。太鼓山の風力発電所やエコエネルギープロジェクトは、当時としては全国最大級のビッグプロジェクトであり、積極的に取り組んできた一つの成果だと受けとめています。
 そこで、知事のマニフェストや府の温暖化対策推進計画では自然エネルギー利用の促進がうたわれていますが、それは京都府全体のエネルギー利用のどのくらいの割合を目指そうとしているのか、知事の御所見をお伺いいたします。
 さて、太鼓山の風力発電所は、2001年の建設当時は年間850万キロワットアワーの発電目標で、約2,300世帯分の消費電力を賄う力があるとされ、自治体の風力発電所としては全国最大規模となるはずでした。ところが、周辺の地形や、風車の羽根同士の干渉による「ウェーク現象」により発電ロスが当初予想を上回る約20%にまで達する、落雷によって運転停止を余儀なくされ避雷鉄塔を整備する、すると落雷被害は減少したものの新たに主要部の故障が発生し、発電効率が落ちる。結果として、発電目標を年々切り下げても達成できず、2006年度の発電量は建設計画の5割強、売電収入は4,500万円の減、風力単独では赤字の状況となっています。
 そこで、今後の風力発電事業の立て直しについて、知事の御所見をお伺いいたします。
 一方、京都エコエネルギープロジェクトは、気象条件によって発電量が変動する自然エネルギーの課題を克服するべく、風力や太陽光にバイオマスなどの新エネルギーを組み合わせ、安定的に電力を供給できる世界最先端のシステムを開発する実証研究プロジェクトとして整備されました。ところが、2005年度から2007年度までの実証研究については、余り具体的な成果が語られないままにプロジェクトとしては終了し、各設置事業者に運営が引き継がれました。そのうちバイオガス発電施設は、京丹後市がNEDOからの無償譲渡と指定管理者の導入を条例提案したものの、昨日の市議会で否決され、また、風力発電施設は目的を達したとして既に撤去されています。
 そこで、エコエネルギープロジェクトに、ほとんどが残り香のようになってしまっていますが、京都府として今後どのようにかかわっていかれるのか、その見通しについて知事の御所見をお伺いいたします。
 両事業ともに、新技術導入の先行モデルという意味合いが強い以上、採算性はもちろんのことながらも、そこから得られた知見や課題を整理し、精査した上で、次の技術開発や施設整備、地域におけるエコサイクルの確立や環境学習などに結びつけ、新エネルギーの導入に具体的に貢献させるものでなくてはならないと思います。
 そこで、これらの事業を通じて得られた成果や課題を、今後どのように活用していかれるのか、今後の京都府の自然エネルギー導入の可能性も含めて、知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、グリーン電力発行事業への参入を求めて質問いたします。
 風力や太陽光、バイオマス、小規模水力などの自然エネルギーや再生可能エネルギーには、「電力そのものの価値」に加えて、「化石燃料の削減価値」や「CO2の排出削減価値」などの「環境付加価値」があるとの評価が一般化してきました。例えば、ドイツでは、この環境付加価値分を上乗せした、電力買い取りを電力事業者に義務づける「再生可能エネルギー法」が制定されています。ドイツの太陽光発電が、この制度によって飛躍的に普及したのは御承知のとおりですし、EU各国でも同様の制度や助成金が次々と制度化されています。
 一方、日本では、この「環境付加価値」を電力と切り離し、「証書」の形にして取引することを可能にした「グリーン電力証書」システムが実施されています。これまでは環境に配慮していることを証明する抽象的な意味合いにとどまっていた感がありましたが、グリーン電力証書に記載された電力量を係数を用いてCO2の削減量に換算できることから、カーボンオフセットの展開とCO2の排出量取引の具体化によって一躍注目を集めています。
 私は、このシステムに、京都府が発行事業者として参画してはどうかと考えています。その意義としては、第一に、京都府の電力事業の大野ダム、太鼓山風力のいずれも自然エネルギーであり、京都府自身が自然エネルギー発電事業者として証書収入を直接的に得られ、収益改善に寄与することが期待できるからです。第二に、例えば家庭用の太陽光発電は、余剰電力を電力事業者に買い取ってもらえますが、それは使用電力との相殺となっており、単価も安いのが現状です。また、個別にグリーン認証を受けるには規模が小さく、発行事業者の取り扱い対象とされることも多くはありません。ここに公的な枠組みを設け、家庭と企業との間に立って環境付加価値の仲介を実施することで、太陽光設備の経常的な収入効果もあらわれ、導入に向けたインセンティブになることが期待されます。第三に、企業は自社のCO2削減目標に組み込めるメリットがあることから、府民と地元企業とが一体となって自然エネルギーを普及する新たな取り組みにつながっていく持続性と将来性が確実視されます。
 これは、全く新規にということではなしに、例えばエコポイントの枠組みを活用して発行事業体を構成するという制度設計も十分可能であると思われます。具体的な検討を進めていただきたいと存じますが、知事の御所見をお伺いいたします。
 質問の第四は、遠隔医療ネットワークの導入についてです。
 医師不足の懸念の一方で医療の高度化が進む今日、地域医療連携の拡充や医療の質の確保、さらには地域住民の健康づくりに貢献する「EHR(エレクトリカル・ヘルスケア・レポート、生涯を通じた健康情報の管理・支援システム)」の構築に向けて、早急に、かつ各般にわたった医療連携体制づくりが求められています。
 私ども会派においても、地域医療連携の促進は急務の課題であるとの認識から、先般、その先行事例の調査のために香川大学医学部を訪問いたしました。香川県では、県と県医師会と香川大学医学部が一体となって運用する、遠隔画像診断の支援を主体とした「かがわ遠隔医療ネットワーク(略称:K?MIX)」を、2003年度に全国で初めてスタートさせました。これは、それまで一般的であった医療機関同士というデータの伝送形態をとらず、外部センターにサーバーを設置し、医療機関相互の検査データや撮影画像、その診断結果のやりとりや、また、患者紹介や紹介患者の経過報告を、すべてそのデータセンターを通じて行い、保存し、継続的な医療連携に活用する仕組みとなっているのが大きな特徴となっています。
 ところで、京都府では、病理関係の専門医が不足する地域での医療水準の向上のため、手術中の迅速な病理診断などを可能とする遠隔病理診断を、府立医科大学附属病院と府立与謝の海病院との間で実験的に行っていました。また、画像情報の提供や患者紹介を可能とする「医療情報連携システム」の構築に向けて試験研究が進められていましたが、それらの研究成果が今日どのように生かされているのか、知事の御所見をお伺いいたします。
 さて、このK?MIXは、今や県境を越えて岡山県や広島県福山市にも広がり、実に65の医療機関が参加するに至っています。それは、特定の系列性がなく、依頼先の選択も柔軟なオープンな仕組みとなっていること、民間の遠隔診断システムの参加費に比べ約10分の1以下と非常に廉価であるにもかかわらず、経営的にも自立できていること、香川県の英断により日本全国どこからでも利用可能となったこと、などが要因であると言われています。このシステムならば、関連する病院群で地域医療が分断される危険性はうかがえません。
 さらに、デジタルマンモグラフィーの遠隔診断システムも、このK?MIX上でスタートし、シームレスな医療を目指した脳卒中地域連携クリティカルパスに関しても稼働予定であるなど、大変注目を浴びています。また、異なる医療機関で独自に発達した電子カルテの相互接続も、現在、重要な課題の一つとなっていますが、K?MIXが情報の共通化を担う交換センターとして機能できることが確認されるなど、汎用性も高いものとなっています。
 京都府においても、遠隔医療ネットワークの本格的な導入に向け積極的に推進していくべきときと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。
 質問の第五は、がん治療の総合的な対策についてです。
 40代以上の死因の第1位は圧倒的に悪性新生物、いわゆる「がん」で、年間30万人以上が命を失っています。生涯がん罹患率は、男性が2人に1人、女性で3人に1人を超え、既に一般的な国民病と言える状況になっており、がん治療の総合的対策の確立と実効性の向上が依然として急務の課題であることから、我が会派としても最重要課題の一つと位置づけ、また、私も繰り返しお尋ねしてまいりました。その上に立って質問いたします。
 がん撲滅の第一歩は、早期発見・早期治療にあることは言うまでもありません。そのためには、がん検診の質の確保や受診機会の拡充が不可欠ですが、その受診率向上策について、本年2月議会の答弁では、今年度に、健診受診率向上のための対策協議会を設置し、がん検診と特定健診のセット検診を初めとした総合的な受診率向上策を検討すること、健診強化月間の設定、各種がんのセット検診や夜間・休日検診に取り組む市町村への支援などを推進するとのことでありました。まだ年度途中のことではありますが、それらの進捗状況についてお尋ねいたします。
 これは市町村が行うがん検診を念頭に置いたものですが、ほかにも人間ドックの受診や職場などでの定期健診、あるいは医療機関や診療所における個人的な受診など、さまざまな機会があるものの、これまで取り上げてきたように、これらの検診受診状況を全体として一元的に把握する仕組みがありません。その統一化に向けて、本年度はがん検診評価事業に取り組み、がん検診に係るデータ収集の仕組みづくりが進められているものと思いますが、その進捗状況についてもあわせてお尋ねいたします。
 さて、府民に発生したがんを登録し、がんの発生や診療、予後の状況を明らかにし、がんの予防や対策、ひいてはがん医療全体の向上に役立てる取り組みが「がん登録制度」で、現在は、各医療機関が実施する「院内がん登録」と自治体が実施する「地域がん登録」が、それぞれ運用されています。「院内がん登録」については、全国的な統一した制度が昨年できたことを受けて、府立医大附属病院を初めとするがん診療連携拠点病院において順次実施されていると仄聞しています。まず、その登録状況についてお尋ねいたします。
 かねてから申し上げているとおり、「がん登録」はがん対策を進めるに当たっての基礎的かつ貴重な情報の源となることから、府内で一元的な、かつ、がん検診・治療にかかわるすべての医療機関が参加する仕組みづくりが最も重要であると考えていますし、医療関係者の方々からもそうした声を数多くお聞きしています。決して低くはないハードルだとは思いますが、これを具体的にどのように進めていくのか、中期的な見通しや、医師会などとの連携も含めて、知事の御所見をお伺いいたします。
 ところで、「最適な治療を受けたい」、あるいは「現状の治療に対する漠とした不安を相談したい」という思いにこたえ、納得の上で今後の治療を選択・継続していくために、現在は多くの医療機関で「セカンドオピニオン」が行われています。一方で、治療の相談にとどまらず、がん患者や家族、遺族の方々の経験を踏まえた幅広い意見を受けとめる場を設置し、京都府の施策や診療体制に反映していくことが、客観的な評価を積み重ね、がん対策そのものを進化させていく上で非常に重要だと考えています。そのためには、府立医大病院が中核的な機能を担いつつ、身近な地域の拠点病院などにおいて相談窓口や意見聴取の機会を設けて、日常的な取り組みを進めていくことが大きな効果を生み出すもとになっていくものと思いますが、現在の状況も含めて、知事の御所見をお伺いいたします。
 質問の最後は、教職員の支援体制の拡充について、教員が子どもと向き合う時間を大切にし、教育者としての使命感や教育愛が折れないように支える仕組みづくりを進めなくてはならないという観点からお尋ねいたします。
 まず、教員の事務負担の軽減・サポートについてお伺いいたします。
 文部科学省が2006年に40年ぶりに実施した教員の勤務実態調査では、公立小・中学校の教員は毎日2時間近い残業をしていることが明らかとなりました。持ち帰りの仕事や授業準備などを考慮すると、相当の時間に上るものと推察されます。
 一方、教育庁が昨年行った「教員の多忙改善検討に関するアンケートのまとめ」では、多忙原因に「事務・報告書の作成」を挙げた者が全体の約65%、過去10年間の負担増の内容では、「事務・報告書の作成」を半数以上が挙げています。教育庁では庁内にワーキングチームを設置し、「苦情対応への支援や外部人材の活用」と「調査事務などの業務の精選」の2つの視点から、教員業務の見直しに向けた検討を積極的に進めてこられたと伺っております。
 そこで、大きな負担となっている調査統計事務の整理統合について、どのような改善が図られてきたのか、お尋ねいたします。
 業務の見直しに加え、多忙な教員をサポートする方策について、2点提案し、お伺いいたします。一つは、学校事務職員の力をかりることです。学校現場の負担軽減を考える文科省のプロジェクトチームが取りまとめた報告書では、学校事務の共同実施推進が負担軽減策の一つとして挙げられています。学校事務職員の充実や、教員との職務分担の見直しとあわせて推進していくことで、より具体的な改善が図られるものと思われます。二つは、事務文書を電子化して、情報を共有・保存するシステムを構築することで効率性を高めることです。例えば宮崎県小林市では、市立小・中学校の事務職員20名で「小林市スクールサポートセンター」を設立し、市教委と市内19の小・中学校を結ぶ文書処理システムを稼働させ、事務処理負担の軽減に大きな効果を上げているとのことであります。
 いずれにしろ、市町村教委の姿勢と取り組みが重要なかぎを握っているわけですが、府教委が明確な方向性を打ち出し、具体的な支援策を講じて誘導していくことが必要であると思われます。教育長の御所見をお伺いいたします。
 次に、「まなびアドバイザー」とスクールソーシャルワークについてお伺いいたします。
 私は、児童生徒の成長や学びを支援するとともに、社会福祉的な観点から児童生徒の置かれた環境の改善を働きかけていくスクールソーシャルワークの有効性について、これまでに何度か取り上げ、お尋ねしてまいりました。国においては、今年度予算で国庫10分の10の活用事業を新規計上し、京都府もそれを活用する形で「まなびアドバイザー」を配置されたことは大きな一歩であり、早くからモデル的に展開し検証を進めてきたこととあわせ、大変意義ある取り組みと評価しています。
 京都府内では、市町村で独自に取り組んでいる事例も含めると23名のスクールソーシャルワーカーが、子どもや親、教員への面接やカウンセリング、社会的な資源やサービスを活用するためのコーディネート、子どもの人権擁護、子どもや家族・学校・地域の間に立って調整と連携促進などに大変御尽力されていると伺っております。
 そこで、これまでの「まなびアドバイザー」の活動状況と、そこから全体として浮かび上がってきた課題について、教育長の御所見をお伺いいたします。
 ところで、スクールソーシャルワークの観点からすると、最も重要な課題は「子どもたちを取り巻く環境を具体的に改善していくこと」にあります。それは、「家庭における教育の支援にとどまらず、児童相談所や福祉事務所、医療機関、民生・児童委員、就労支援機関などとの連携強化を図りながら、個別具体的な問題解決を図り、児童生徒の健やかな育ちを阻んでいる要因を一つ一つ取り除いていくことで達せられる」と、言葉で定義づけるのはたやすいものの、現場では個々の子どもたちが抱えている事案の複雑さや困難さに直面し、大変御苦労なされていると仄聞しています。
 一人一人の人格を尊重し、それぞれの可能性を十分発揮できるようサポートしつつ生活の質を高めていくためには、特に社会福祉分野における関係諸機関との密接な連携が不可欠であるとともに、「まなびアドバイザー」に対する十分なバックアップ・サポート体制も重要です。現状をどのように受けとめ、また、今後いかに対応していかれようとしているのか、教育長の御所見をお伺いいたします。


副議長(北岡千はる君)
 山田知事。


〔知事山田啓二君登壇〕


知事(山田啓二君)
 まず、再質問にお答えいたします。
 都道府県のあり方でありますけれども、私は先ほどから申しておりますように、地方分権の一番根本は、住民の皆さんのまちづくりとか地域づくりをしっかり自分の力でやっていく点。それからすると、おのずから後はそれに適したまちづくりや地域づくりをやっていきますと、当然それの福祉体制ですとか教育体制、子育て体制と関連していますから、そういったことを一つの基礎的地方公共団体の枠としてとらえると、それに対して、例えば産業とか基盤整備とか警察とか、こういったものをやっていく広域的団体というのが別にどうしても必要になってくるのではないかなというふうに思っております。
 その中で一番難しいのは福祉制度の問題でありまして、これは実は、支え合うという観点が少子・高齢化時代になってきますと大変強く出てまいりますので、そうなるとどうしてもスケールメリットというのがないと非常に難しくなってくる。これは、今も個々におきましては政令市レベルでも非常に厳しい状態が出てきていることを考えますと、その中で福祉というものをどうやって位置づけるかによって、都道府県というもののあり方も変わってくると思います。
 長寿医療制度につきましても、これは広域連合という形で行いましたけれども、本来、広域連合というのは、今、関西広域連合を言っておりますように、その段階に地方公共団体がないところをどうするかという連携行政の話をやるところでありますので、私自身も広域連合の創設にかかわった人間としては、大変異例の使い方だなというふうに思っておりますから、そうした点も、これから都道府県域のあり方と申しますか、新しい広域行政団体のあり方ということを含めて、基礎的地方公共団体との連関の中で考えていくべきではないかなと。しかし、基本的には、二層制というものは、今の行政というものをしっかりと住民自治も踏まえてやっていくためには、私は絶対必要だというふうに思っております。
 それから、人事と組織の所管の問題でありますけれども、人事と組織というのは、本来は組織というのは、府政のさまざまな課題に対してどういう体制で臨むのか、規模で臨むのかという問題でありますし、人事の問題は、そこにどういう人を当てはめれば一番活性化するのかという問題で、視点は違うわけです。これをうまく連携させてやるのが、確かに効率的だということは私もそのとおりだと思いますけれども、これをずっと長年やってきてしまいますと、このことが混同されてしまう場合がありまして、組織のために人を当てはめてしまったり、人を見て組織をつくってしまったりするという弊害が出てきている。大きな組織改正のときには、ここは分けて、最終的に知事・副知事のところできちっと議論をして体制をつくれるようなものにしていかなければならないということで、平成19年度の組織改正に際しまして、ここを分けたわけであります。
 当然、その中では、人事部門との必要な連携もできるように工夫はいたしましたけれども、私は、やっぱり官僚制度の一番の危険な点は、なれとルーチン化によって組織としての活性化が失われるという点でありますから、業務の配分のあり方につきましても、常に点検・見直しを行いまして、状況に応じてここは考えていきたいというふうに思っております。
 それから、指定管理者制度の引き継ぎの件でございますが、指定管理者制度の場合には、そもそも引き継ぎに関しては協定を設けまして、きちっとできるようにはしているんですけれども、御指摘のような点も確かにあるというふうに思っております。ですから、単に金額の問題ではなくて、どういうふうに府民サービスを一番効率的に提供できるかという総合評価の中で、私は判断していくべきであろうというふうに思っております。その中でうまく人の引き継ぎとかそういったものも工夫していけるように、これからも努力をしていきたいと思っておりますけれども、今の場合にはまだそのあたりは出てきておりませんし、単独指定からの引き継ぎの場合にはそこを考慮するという形になっておりますから、そういったものをしっかりやりながら進んでいきたいというふうに思っています。
 それから、新エネルギーの導入促進でありますけれども、これからの経済と環境が両立するそういう社会をつくるためには、省エネの推進とともに、新エネルギーの技術開発と積極的な導入が欠かせないというふうに思っております。このために、私たちも、太鼓山の風力発電のほかに、バイオマスの洛南浄化センターの発電機とか海風風力とか、いろいろなことをやってまいりました。私のマニフェストでは自然エネルギー発電を1万キロワットを目指すというふうにしておりますけれども、実はもう平成18年度で、京都府全体では3万キロワットになっております。したがいまして、今後は府の施設で1万キロワットを目指していきたいなというふうに考えております。マニフェストのグレードアップをしていきたいと思っております。
 それから、京都府地球温暖化対策条例に基づきまして、その推進計画では、平成22年度までに、住宅用の太陽光発電の新設は4,000世帯、府施設での太陽光発電は500キロワットの数値目標を設定しておりまして、平成19年度末の達成状況は、住宅では55%、府施設では72%というふうになっておりますので、これも目標に向けてしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思っております。  それから、太鼓山発電ですけれども、もちろん自然エネルギー発電とともに環境学習と地域振興も目指すということで、平成13年度に環境先進地・京都のシンボルとしてこれを設置しました。先日、潘基文(パン・ギムン)国連総長が来られたときも、国連総長の最初のあいさつの中でこの太鼓山の風力発電を取り上げていただきまして、大変感激したのを覚えておりますけれども、そうした面では、日本における自然エネルギー発電の、いわばパイオニアとしての役割を果たしてきたのだというふうに思っております。
 ただ、経営面とか状況面では、落雷被害とか風況の変化によりまして苦戦をしているというのも事実であります。これは、私はやっぱり先駆者の苦労ではないかなと思っておりまして、これが避雷塔の設置や襲雷予報システムの導入とか、発電出力を向上させるための制御ソフトの改良など、我が国の風力発電技術の実は貴重なデータとして今取り上げられているという点は、国でも非常に高く評価されているのが現実であります。
 公営企業の赤字につきましては、これは減価償却と、それから、難しい話になってしまうんですけれども、借金の返済と二重計上しておりますから、本来はキャッシュフローでとらえるべき問題であるということだけは、ちょっと申し上げさせていただきたいというふうに思います。ただ、今後どこまでこの事業をやっていくかにつきましては、今言ったようないろいろな状況を踏まえながら考えていかなければなりませんので、本年6月に「風力発電事業評価委員会」を設置したところでありまして、今後、日本の風力発電事業の先駆けとなりました太鼓山発電事業のあり方につきまして、この審議を踏まえ、環境面も含めた多角的な観点から検討してまいりたいというふうに考えております。
 京都エコエネルギープロジェクトの実証実験についてでありますけれども、自然の影響を受けやすい太陽光発電・風力発電と、比較的安定的に供給可能なバイオガス発電を組み合わせていくという、これも実証実験として非常に先駆的な取り組みを行ったわけです。経営採算面では課題はありますけれども、技術的には可能であるという貴重なデータを得まして、モデル事業としての役割は終了したわけであります。
 私ども京都府といたしましては、こうしたモデルの成果を府域に還元していく、これがやっぱり京都府としての役割でありますので、この実証実験の安定的な実績を残している太陽光発電の導入を中心に、エコポイントも連携させながら幅広くやっていきたいとか、学研都市における環境住宅のあり方について参考にしていきたいとか、さまざまなこの成果というものを生かしていきたいというふうに考えております。
 グリーン電力証書発行事業につきましては、自然エネルギーというのは地域によって全く異なっておりますし、自然エネルギーの発電に余り適さない地域もたくさんあるというのも事実でありますから、そうした面では、この制度は自然エネルギー発電の普及拡大を図る上では有効な制度であるというふうに私は考えております。
 京都府におきましても、環境フェスティバルや植物園等のライトアップ等でグリーン電力を購入し、その普及に努めておりますし、これからはエコポイントモデル事業の中でも位置づけを考えていけるのではないかなというふうに思っておりますので、その面でも研究をしていきたいというふうに考えておりますけれども、一番本来の姿は、国において電力会社が環境価値を上乗せした価格で買い取る統一的な制度をつくっていく、これがやっぱり基本ではないかなということで、国に対しましても要望していきたいというふうに思っております。
 次に、遠隔医療のネットワークの導入についてでありますけれども、京都府は、繰り返しておりますけど南北に極めて長いわけでありまして、京都府の高度医療拠点であります府立医科大学などと、特に中北部地域が地域的に隔たりが大きいことを考えますと、高度・専門的な診断技術を府内全域に広げるなど、限られた医療資源を有効に活用し、府民の皆様に質の高い医療を提供していくためには大変有効な手段であるというふうに考えております。
 このため、府立医科大学におきまして、実用化に向け、与謝の海病院等との間で病理診断や放射線画像等の遠隔診断につきまして実験的な取り組みを行い、実用性を検証いたしますとともに、有用であるというもとにデジタル疏水ネットワークを整備して、遠隔医療を支える情報通信基盤の整備も図ってきたところであります。
 現在では、こうした府立医科大学等での研究成果を活用しながら、舞鶴医療センター、綾部市立病院、公立山城病院など、地域の中核的な病院で遠隔病理診断等が実施されておりまして、例えば舞鶴医療センターでは、デジタル疏水も活用し、CTなど月に約500件、年間では5,700件余りの遠隔画像診断が実施をされております。また、がん対策事業といたしましても、府のがん診療連携拠点病院や地域がん診療連携拠点病院で、遠隔病理診断を実施できるよう機器を整備いたしまして、国立がんセンターとの遠隔診断の実施に向けて準備を進めているところであります。
 今後の課題といたしましては、一つには、まだまだデジタル疏水ネットワークの活用率が低いということがございますので、この改良をしていかなければいけないということと、地域医療全体に普及させるためのネットワークづくりというものが必要であるというふうに考えておりまして、御指摘の点も踏まえ、遠隔医療の普及や地域医療連携につきまして、大学や関係医療機関や各市町村、関係者等の御意見も伺いながら、この拡大に努めてまいりたいというふうに考えております。
 次に、がん対策についてでありますけれども、高齢化が進む中で、生涯を通じて2人に1人の方ががんになり、3人に1人が亡くなられているという状況だけに、健康長寿日本一を目指します京都府にとりまして、がん対策というのは最重要課題の一つとして取り組みを推進する必要があると考えております。このため、これまでからは、がん予防という面、早期発見という面、そして治療体制の整備という面、こういった面で私どもは体制整備に努めてまいりまして、医療体制の整備といたしましては、今申しましたがん診断・治療機器の整備の支援や、がん診療連携拠点病院の確保、そして、中心となります府立医大附属病院の外来化学療法センター設置や緩和ケアの推進などに取り組んでまいったところであります。
 また、がん検診、予防ですね、早期発見のほうにつきましては、がん検診の受診率が市町村ベースでは高いとは言えない状況にありますので、がん対策を推進するために、一つには、府民の皆様の理解をお願いして受診率を上げていくということをやっていかなければならないというふうに思っておりまして、健診強化月間を設定し、乳がんの早期発見につきましてはピンクリボン活動──私も今つけておりますけれども、多くの方々にやっぱり知っていただきたいということで、特にことしは京都タワーのライトアップをピンクで行う、あわせて市役所や府庁のライトアップもピンクで数日行いますので、京都府庁がピンクになったということでびっくりされないようにしていただきたいと思いますけれども、特に京都タワーは京都の玄関でありますから、大勢の方にその意義をわかっていただきたいというふうに思っております。もちろん、ライトアップにつきましては、先ほどの証書のグリーンエネルギーとかそういうものを使って、環境面にも配慮して行ってまいりたいなというふうに考えております。
 それから、乳がんの検診体験事業とか啓発活動も、ほかのがんでもさらに広げていきたいと思いますし、府民意識調査を実施するなど、それによっての取り組み強化もしてまいりたいと考えております。
 また、市町村のセット検診の取り組みに関する経費につきましては、国民健康保険の調整金を配分するなどの財政支援を行うこととしておりまして、ほとんどの市町村で、今、複数のがん検診が受診でき、また18の市町村では、特定健診とのセットでもがん検診が受けられるようになってきているところであります。
 それから、やっぱり京都の場合は、民間とか企業のがん検診、人間ドックも含めての受診状況を把握しないと全体像がつかめないという実態がございますので、この仕組みにつきましては、府立医大とか国立がんセンターの協力も受けまして、近く市町村検診に加え、こうしたものの受診状況についても調査を行っていきたいというふうに思っておりまして、今後、この結果をもとに受診動向等を分析し、府全体の受診状況を把握いたしますとともに、あわせて、来年度以降どういう形で把握していくかについても考えていきたいというふうに思っております。
 がん登録につきましては、がんの発生状況や治療成績に関する基礎データの収集・分析のために重要ということで、「院内がん登録」につきましては、府内のがん患者の半数以上の診療に当たっております府立医大附属病院を初めとするがん診療連携拠点病院において実施されておりますし、また、今後は京都大学医学部附属病院につきましても、拠点病院への指定及び「院内がん登録」の実施を求めることによって、充実を図っていきたいと思います。
 しかし、こうしたがん登録を府内で一元的に行っていくためには、やはり「地域がん登録」と「院内がん登録」との連携というものを図っていく必要があるというふうに思っておりますけれども、国立がんセンターを中心に「院内がん登録」と整合性を持った「地域がん登録」の統一的な実施方法がこのたび示されましたので、この方法への移行について、医師会とも連携をして進めていきたいと考えております。
 がん患者、家族の相談体制につきましては、各拠点病院に相談支援センターを設置いたしますとともに、国立京都医療センターや福知山市民病院におきまして、がん患者サロン等の取り組みが行われておりますけれども、これは先ほど申しましたように2人に1人の方ががんになるという時代になっておりますから、かなり幅広い形でこうした病院やネットワークを通じて情報共有を図っていくことによって、いろいろな面での支援策というものを総合的に進めていきたいというふうに思っております。


副議長(北岡千はる君)
 田原教育長。


〔教育長田原博明君登壇〕


教育長(田原博明君)
 熊谷議員の御質問にお答えいたします。
 教員の事務負担の軽減についてでありますが、教員が子どもとしっかり向き合い、本来の職務と使命を十分に果たせるようにするためには、事務処理の軽減のための具体策を講じていくことが不可欠であります。そのため、調査統計事務につきましては、昨年度から、その内容を精査し、重複した調査項目や報告回数を削減するなど、全体の約2割について廃止や見直しを行ったところであり、さらに今年度は、軽易な照会から報告書の作成に至るまで範囲を広げて見直しを進めております。
 また、こうした調査の削減だけでなく、小・中学校での事務処理のあり方についても検討を進めるため、現在、府内の3地域において実践的な研究を進めております。具体的には、会計処理や調査統計等、現在、教員が行っている事務の中で事務職員が分担できることについて検討したり、複数の学校による事務の共同実施、各種様式の統一化など、事務の効率化に向けた研究を行っているところであります。
 今後は、こうした取り組みの成果や課題を踏まえ、効率的な事務のあり方について検討を進めるとともに、議員御提案の文書の電子化や情報の共有化等についても、市町村教育委員会と連携しながら研究を進めるなど、あらゆる角度から多忙な教員をしっかりとサポートする取り組みを進めてまいります。
 次に、「まなびアドバイザー」についてでありますが、小学校の早い段階から、生活・学習習慣の定着を図るため、国に先駆けて、平成19年度から小学校に配置しているところであります。この「まなびアドバイザー」は、例えば、生活習慣の乱れにより遅刻などが目立つ子どもの家庭に対して家庭訪問を繰り返したり、担任や養護教諭への助言や福祉機関との調整を行うなど、精力的に活動いただいているところであり、中には家庭に受け入れられない困難なケースもありますが、保護者が子どもの生活習慣に目を向けるようになり、子どもも落ちついて授業を受けることができるようになったという報告も受けております。
 今後の課題としては、一つには、現在、小学校低学年を中心に行っているこのような取り組みを、小学校入学前から中学校卒業までを視野に入れた取り組みとする必要があること、二つには、福祉関係機関等との連携をさらに強めていくこと、であると考えております。そのため、スクールソーシャルワークの趣旨を生かすことができる人材を確保していくとともに、さまざまな課題を有する家庭に対して、「まなびアドバイザー」や担任教員、スクールカウンセラー、社会福祉関係者等から成る支援チームを設置するなど体制を整備の上、継続的に支援していく取り組みが必要であると考えております。
 また、今年度の「まなび教育推進プラン」の検討会議におきましても、こうした視点からの議論も積極的に進めていただいているところであり、今後は、プランの内容も踏まえ、市町村教育委員会や福祉関係機関との連携を深めながら、子どもたちの生活習慣の確立と学習習慣の定着に向けて積極的に取り組んでまいります。


副議長(北岡千はる君)
 熊谷哲さん。


〔熊谷哲君登壇〕


熊谷哲君
 御答弁ありがとうございました。
 まず、新エネルギーの導入促進についてですが、確かに、太鼓山、エコエネ、両方とも先駆的な取り組みの宿命のようなものがあるというふうには思っています。ですので、余り建設時の計画にはこだわらずに、知事も御答弁されておりましたように、環境学習や地域での理解を広めていく、またその得られた成果というものを府内全域に拡大していく、そういう位置づけでなくてはならないと考えておりますし、これまでから我が会派としてもそういうふうな取り組みを求めてきたところであります。
 ではあるのですが、ではここからどうするんだというお話で、例えば、太陽光を中心にということの御答弁もありましたが、じゃ、これから風力はどうするんだ、エコエネのような取り組みは、市町村を中心にやって京都府としては余りそこには立ち入らずにやっていくのかどうか、その辺の明確な方向づけが必要ではないかなというふうに思っております。
 エコエネは、確かに実証研究として一つの成果を残されましたが、既にそれぞれの施設はばらばらに運用されて、1個はやめている。そういう状況が、果たして地域の発展や地域でそういう理解を促進していく上で有益かどうかと言われれば、そこはとても疑問が残ってしまうというふうに思います。そういうさまざまな課題や、これからの取り組まなくてはいけないいろいろな宿題が残されているというふうに思うのですが、知事は、これらの施設、まず実証プロジェクトで得られた課題、それから成果というものを、どのような形で府内全域に拡大をしていこうとされているのか、また自然エネルギーの導入を具体的に進めていかれるのか、改めてお尋ねいたしたいと思います。
 また、グリーン電力については、大変前向きな御答弁をいただきまして、本当にありがとうございます。
 私は、国の対応を待つのではなくて、例えば神奈川県では、モデル事業として既に2005年に導入をされて、一部ではありますけれども実施をされておりますし、山梨県都留市でも、小規模水力のグリーン電力の発行事業者として、その認証を受けられるように今準備を進めていらっしゃるというふうにお伺いいたしております。また、現地へ行かせていただいてお話もお聞きしましたが、大変地元では熱を入れて、住民と行政と、そして地域とが一体となった取り組みを進めるということで熱心に取り組んでおられました。そういった展開が広がるように期待をしておりますし、またそうなるように努力をしていただきたいと思っております。
 エコポイントの制度については、これは持続可能な制度なのかどうなのか。それから、これまで96年のCOP3のときから精力的に取り組んできた家庭や個人の皆さん方のメリットというものが、この制度で受けられるのかどうかということに関しては、私はこれまでから申し上げてきましたが、若干異論がございます。ですので、これもエコポイントをモデル的に全国のモデル事業としてまず進めていくわけですが、これをよしとしないで、1年ごとにでも制度のあり方を見直し、また新たに取り組めるものは取り組み、改善を進めていっていただきたいというふうに思っておりますので、その点については強く要望をさせていただきます。
 次に、がん対策についてです。
 これも、これまでから何度も我が会派の議員それぞれにお尋ねをしてまいりました。がん検診の受診率を上げること。全国的に見ても、知事もおっしゃいましたが、とても胸を張れるような状況ではないということは、皆さんも御承知のとおりだというふうに思っています。これを具体的に改善をしなくてはいけない。検討委員会をつくって検討を進めて、策は打ち出したんだけれども、実際に成果が上がらなくては本末転倒になってしまうわけで、そこは、打ち出された施策が実際の数字にどの程度反映されているのか、そこもまた不断に検証をし、また新たな努力を重ねていかなくてはならない課題だというふうに思っています。
 ピンクリボンの取り組みは、今年度から知事が積極的に導入を進められて、鋭意努力が進められています。これも、例えば海外に目を向ければ、アメリカでは乳がん検診の受診を広めるための特別プロジェクトを連邦政府として取り組んで、80%を目標に取り組むということが打ち出されて、実際にその成果が上がっています。これはがん登録にもつながるのですが、医療保険制度のないアメリカにおいて一元的に数字が把握されるシステムがあると。我が国では世界に誇るべき医療保険の仕組みがあるにもかかわらず、個々の診療状況や検診の状況がわからない。これは何でなんだろうということは、素人考えではありますが、やはり大きな疑問を持たざるを得ません。そこは京都府だけでの取り組みに限界があることは重々承知をしていますが、そういった状況が一刻も早く改善をされて、京都に住まう皆さん方が、がんにかかっても、がんが見つかっても安心して治療に臨んで、そして健康に暮らしていける、そういう地域づくりを進めていくためにも、ぜひとも早急な取り組みと実効性の上がることを期待しておきたいと思います。
 教育の問題について、事務の共同化ですが、これは1点要望させていただきます。
 共同化を推進していただくことは大変ありがたいのですが、人減らしにならない、実質的なサポートの拡大につながる共同化であってほしいというふうに思っております。そのあたりの工夫も含めて、ぜひとも御努力いただきますようにお願いいたします。
 また、スクールソーシャルワークの取り組みは小学校入学前から中学校卒業までということで、教育長に今、方針をお聞きしました。ぜひ進めていただきたいと思います。子どもたちの学びの場、生活の場が、学校だけではなくて、いろいろなところでさまざまな問題が起きていく中で、やはり家庭の環境を具体的に改善しなくては、問題の解決にならない部分も多くあると思います。そのためには、人材の育成も含めて、先ほど御答弁いただきましたとおり、各般にわたってこの取り組みを、京都府教育委員会としての大きな柱の一つとして進めていただきたいと思っております。
 最後に1点、知事にお願いですが、このスクールソーシャルワーク、まなびアドバイザーの制度については、子どもたちの個別具体的な問題解決ばかりではなくて、社会の安定や地域力の向上に具体的に結びついていくものだというふうに考えています。財政的な裏づけとともに、福祉や医療、労働分野との緊密な連携体制の構築とサポートが必要であるというふうに思っております。ほかの施策もさまざまに取り組まれていますけれども、それらとも密に絡ませながら、知事部局としても積極的に協力し、また推進していただけますようお願いいたします。
 再質問にお答えいただきたいと思います。


副議長(北岡千はる君)
 山田知事。


〔知事山田啓二君登壇〕


知事(山田啓二君)
 自然エネルギー発電の問題に関します再質問でありますけれども、自然エネルギー発電は太鼓山もエコエネもどういう形で行われたかということを考えていただきたいと思うんですけれども、これは一つの地方公共団体とかいうレベルのものを超えていた先駆的な実験として行われました。ですから、財政的な基盤といたしましては、国のNEDOからの補助金というものをその大きな財源として行っていき、その成果は、だから国に還元されていくことによって、環境技術、環境産業として日本の環境保護全体に広がっていくという効果をもたらしていったものであります。それは、私は、太鼓山もエコエネも一定の成果を上げて、モデルとしての役割は大体終えてきているというふうに思っております。
 太鼓山につきましては、日本における、やはり山岳地域における風力発電が大変難しいという実態の中で、多くの技術改良を行いました。そして京都府では、安定的な海風による発電というものを、今、奨励をしております。ヨーロッパでも非常に大きなものがありますけれども。その中でどういう形で、とはいっても風力発電として太鼓山におきましても、稼働させてまだ十分に動いている部分もあるわけですから、こういったものを生かしながら、私はやっぱり京都府における先駆的な取り組みとして、しっかりと未来に向かってつなげていくような形にしていきたいというふうに考えております。
 それから、エコエネにつきましては、この問題というのは地域における循環型のエネルギーシステムをつくれるかどうかという実験でございました。ですから、まさに地域づくり、まちづくりと一体となった形で行わなければ、これは意味のないものであります。その点では、京都府の立場は、あくまでそうしたものを行っている市町村を支えていく立場、それに対して技術的な成果も踏まえてこれから広めていく立場という形ではないかなというふうに思っておりますので、主体的な地域の活動に対して、これから京都府として応援できるものは応援してまいりますし、その中で広めていくものは広めていきたいというのが、基本的な私どもの立場ではないかなというふうに思っております。


副議長(北岡千はる君)
 熊谷哲さん。


〔熊谷哲君登壇〕


熊谷哲君
 ありがとうございました。
 さまざまなモデル事業というのが、自然エネルギーの問題にかかわらずいろいろな事業の中で取り組まれるのですが、それがモデルで終わってしまって、後の成果やその施設というものが具体的にどのように生かされていくのかというのが、はっきり方向性として示されないと、そのときだけ胸を張っていいものができますというふうに言っていても、後になってみたら、あれは何だったかなということが少なくないというふうに思っています。その意味でも、先ほど来知事からも御答弁をいただきました、環境学習や地域でのさまざまな取り組みに活用される、そういう意義も一方ではいまだにあります。そういうところで、そういうことを組み合わせて、どういう事業を構築していくのかという点について、さらに御努力をいただきたいと思っております。
 いずれにしろ、分権時代の今日、京都府の行政経営というものも、そういった視点の中で推し進められていくものと思いますし、知事にはそういった視点でのお取り組みとあわせて、先ほど一番最初に申し上げました、やはり全国的な分権改革運動の中心にいらっしゃいます。ぜひとも、その先頭に立って分権改革の旗を振り続けて、この国の分権改革をリードしていただきたいと思っております。何とぞよろしくお願いいたします。
 最後に、議長のお許しをいただきまして、一言申し上げます。
 民意の選択なき政権移動の3度目の果てに、麻生政権が誕生いたしました。2005年の総選挙では「改革をとめるな」と絶叫していながら、その改革の旗はどこへやら、国民生活に痛みと失望を残し、国際社会ではジャパン・パッシング、日本軽視が進行しました。ことし1月のダボス会議での「Japan:A Forgotten Power?(ジャパン:ア・フォーゴットン・パワー)、忘れ去られた大国・日本」などというセッションが設けられる体たらくは、この間の紛れもなく思考停止・機能不全の政権の姿を映し出したものにほかなりません。
 何としても、この日本を立て直さなくてはなりません。私たち民主党は、そう遠くない時期に迫っている衆議院総選挙において、年金・高齢者医療に信頼と安心を、食生活に安全と安定を、そして疲弊した地域に活力を取り戻すために、税金の無駄遣いを徹底的になくし、中央集権から分権社会へ、そして官僚のコントロールから生活者起点へと、国の形を変えるために、何としても国民の皆さんからの信託を勝ち取らせていただきたい。
 政権交代なくして日本の再生なし。どうか、府民の皆さんの「今の日本を変えてほしい」という願いを民主党に託してくださいますよう、心からお願い申し上げますとともに、また皆さんの生活を守り支え、希望の灯を明々とともすその日まで正々堂々と最後まで戦い抜くことをお約束し、私の質問を終わらせていただきます。
 御清聴まことにありがとうございました。


(拍手)