副議長(北岡千はる君)
休憩前に引き続き会議を行います。
次に、佐川公也さんに発言を許します。佐川公也さん。
〔佐川公也君登壇〕(拍手)
佐川公也君
私は民主党府議会議員団の佐川公也でございます。会派を代表いたしまして、知事並びに関係理事者に、通告しております数点について質問をいたします。「政治の基本は人にある」という視点から、どうか府民の皆様に温かい御答弁をお願いいたします。
質問に先立ち、お許しをいただきまして、一言申し述べさせていただきます。
去る2月17日行われました京都市長選挙におきまして、私どもが連合京都を初め多くの皆様と一緒に応援をいたしました門川大作氏が初当選されました。まさに薄氷を踏む思いの勝利ではありましたが、今後とも、山田京都府知事とより一層強い府市協調のもと、必ずや147万市民の期待にこたえられることと確信しております。厳寒の中にもかかわらず熱い御支援をいただきました方々に、心より感謝を申し上げます。ありがとうございました。
また、3期12年にわたりまして、荒巻前知事、山田現知事と文字どおり府市協調を図り、京都市政を推進されてきました桝本頼兼市長の御苦労に深甚なる敬意を表するものでございます。
それでは質問に入ります。
まず、本府の財政運営についてお尋ねいたします。
平成20年度の当初予算案では、「安心・安全、希望の京都」づくりを推進するために、「府民生活を守り、地域力をさらに進化させる」とともに、「中期ビジョンを着実に推進させる」ことを基本方針として編成されたとのことであります。アメリカのサブプライムローンに端を発する景気の減速感の広がりや、株価急落、円高、原油価格の高騰などにより、地域の経済・雇用環境の先行きも非常に不透明さを増し、府民生活にも影響が及び始めております。そのような中、知事は、まず府民生活を守るということを第一に、景気・高齢者対策に重点を置き、府税収入の減少する厳しい状況の中、昨年度と同規模の8,224億円に上る予算案を提案されている点に、強い期待感を持つものであります。
また、本年度から実施している地域力再生の取り組みをさらに充実するとともに、京都の持つ歴史や文化、世界に発信し続けてきた「環境」に対する情熱、ものづくり産業の集積など、いわゆる「京都力」を生かした新しい魅力や価値の創造に、教育・医療・福祉・産業・雇用・文化等、多岐にわたる分野で取り組む内容となっております。このような予算案の編成は、アクションプランの策定等による創意工夫を凝らした施策の立案とともに、職員定数の削減や業務改革の推進など、府庁の経営改革に地道に取り組まれた結果であると考えております。
この経営改革の柱になっているのが、平成17年3月に策定されました「京都府経営改革プラン」であります。本プランに基づき、事業の集中と選択による施策の見直し、指定管理者制度の導入や外郭団体の見直し等の事業手法の改革、給与費プログラムに基づく人件費の圧縮や、公債費プログラムに基づく投資的経費のコントロールなど、あらゆる行財政改革が行われ、府民ニーズに合った行政サービスを適切に提供できるよう、持続可能な財政基盤の確立に全力を傾注されました。私ども民主党府議会議員団は、このような多くの課題に果敢に取り組まれた山田知事の行政手腕を高く評価するものであります。
そこで、知事にお伺いします。経営改革プラン策定時に、平成20年度に見込まれる500億円の収支不足の解消を目標とされておりました。プラン策定後に地方交付税の削減等、当初想定できないこともあったとは思いますが、次年度はその節目の年となり、その達成状況はいかがでしょうか。
また、平成20年度当初予算案を見ましても、後期高齢者医療制度の導入の影響等により福祉医療関係の予算を60億円追加する一方、府税が減少するなど、財政運営の厳しさは変わらない状況にあると思います。今後も、社会保障関係経費の増加や、団塊の世代の退職により退職手当も300億円を超える規模で推移することが予想される大変厳しい状況の中で、本府の財政運営の基本姿勢について、御所見をお願いいたします。
次に、「偽(ぎ)」つまり「にせもの」「いつわり」ということについて、知事の御所見をお聞かせいただきたいと思います。
昨年末、1年間の社会事象を1字であらわす恒例の行事では、「偽」という漢字が選ばれました。食品の原材料、産地、賞味期限の改ざん等々が相次いで発覚した偽装事件は、社会に大きな不安と衝撃を与えました。さらに、ことしも、いまだに「偽」の連続にあります。安心・安全な生活を守り、うそ、偽りのない社会をつくるためにも、「偽」という負の連鎖を「正」や「真(まこと)」に変えていきたいという思いでいっぱいでございます。
そのような思いを持つ中で、今度は再生紙をめぐる古紙配合率の偽装が発覚し、ほとんどの製紙会社が偽装を行っていたと報じられております。このことは、環境負荷の低減を目指すグリーン購入にも大きな影響を及ぼすものであり、国においては、製造業者を厳しく指導いただきたいと考えるところであります。
環境に配慮した物品等の需要面からの取り組みを促進するためのグリーン購入法は、国等の公的機関が率先して環境に配慮した物品等の調達を推進することとされており、地方自治体には努力義務はありましても、法による拘束力はありません。しかしながら、本府では、環境問題、地球温暖化対策について、いち早く府独自の「京都府地球温暖化対策条例」を制定し、積極的に推進されており、その条例第48条でも、再生紙を初めとする環境物品等の購入の促進を事業者や府民に求めているところであります。環境問題に取り組まれている事業者・府民やNPOの努力が偽装によって水を差されることにもなりかねないと思いますが、今回の問題を知事としてどのように考えておられますか。
また、再生紙の偽装問題を踏まえ、再びこのような問題を引き起こさないためにも、環境物品等を取り扱う事業者に対し、知事としていかに対応していかれるのでありましょうか。
次に、食の問題についてお伺いいたします。
食は、人々の生命と健康を支え、生活していく上で欠かすことのできないものであります。いにしえより、「衣食足りて礼節を知る」と言われていますが、そこにはまず食の安全性が大前提でありましょう。しかしながら、いまだに食に関する数多くの問題が発生し、新聞・テレビを初めマスコミに報じられない日がないほど深刻な状況に陥っています。さらにまた、最近では、中国で製造されたギョウザなどの冷凍食品で人命が脅かされる事件まで起こっております。被害に遭われた方々に心よりお見舞いを申し上げる次第でございます。
食品にかかわる問題が発生するたびに、さまざまな情報がマスコミを通じて消費者に提供されていますが、情報がはんらんし、多くの消費者はその都度大変な不安を感じているのが実情であります。そこで、消費者が安心して食品を購入できるよう、食品事業者は当然遵守すべきことを守り、安全性を確保し、食品に関する情報をわかりやすく正確に伝えることが何よりも大切であります。食品事業者が、原材料や生産・製造過程を確認できる情報を消費者に正確に提供することが不可欠であり、それを行政が速やかに指導・支援することが重要であると考えます。
農林水産省でも、中国製冷凍ギョウザによる中毒事件を機に、2月12日に、現行の日本農林規格・JAS法の原産地表示の対象を拡大する方針を固めたと報道されていました。近年、IT技術の飛躍的な発達により、食品の流通経路を容易に調査できるトレーサビリティシステム、いわゆる生産流通履歴の追跡や、ホームページなどによる情報提供が、全国の食品事業者によって取り組まれているところであります。私は、かねてより、食品の表示方法につきましては、「賞味期限」より「消費期限」とするほうが、消費者にとってよりわかりやすいと考えるものであります。
私ごとでありますが、小学校6年のときにお伊勢さんへの修学旅行で、初めて両親にお土産を買いましたあの何とかもちが賞味期限を過ぎていたということを知りまして、あのときもそうだったんかなということで、青春の大切な思い出が汚された気がいたします。
そこで、知事にお尋ねいたします。食の安心・安全を確保するために、どういった考えのもとで取り組みを進めておられるのか。また、最近の食に関するさまざまな問題を踏まえ、府内で生産・製造されている食品の信頼確保に向け、今後どのように対応されていかれるのでしょうか。
次に、府民の健康を守る観点から、保健、医療にかかわる分野についてお尋ねいたします。
まずは、肝炎対策であります。
血液製剤フィブリノゲンなどでC型肝炎に感染した患者さんが国や製剤会社を訴えていた薬害C型肝炎訴訟を機に、薬害肝炎救済法が成立し、今までの集団訴訟で闘ってきた患者さんを含めて、薬害患者が救済されることになりました。平成14年10月の初訴訟以来、実に長く薬害に苦しんでこられた原告患者が、これで心置きなく治療に専念していただけることを率直に喜びたいと思います。
しかし、いまだに過去の輸血や医療行為で感染した多くの方がおられ、肝炎はB型、C型合わせて感染・患者は約300万人と推定されています。これらの方々も安心して治療に専念できる環境を早急に確立する必要があります。さらに、住民の中には、まだ感染に気づかずにいる方も数多くおられるのではないでしょうか。そうした意味からも、気軽に検査が受けられる機会を整備することが第一ではないかと考えます。
我が国最大の感染症と言われる肝炎が早期に発見されること、さらには、感染・発病した方が、最近の医学的知見に基づいた専門的かつ適切な治療を、だれでもいつでも平等に受けられる機会の確保など、さらなる幅広い取り組みが必要であると考えますが、知事の御所見をお伺いします。
厚生労働省によりますと、難病とは「原因不明で治療方法が未確定であり、かつ、経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず介護等に著しく人手を要するために家庭の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾病」とされています。一方で、QOL(生活の質)の向上を目指した福祉施策の推進等が必要であるとされ、こうした中で、さまざまな在宅サービスが広がるとともに、医療機器の技術進歩により、自宅で療養されている難病の方も少しずつ増加する傾向にあります。
京都府におきましては、医療費助成制度を中心に、難病相談・支援センターの運営などの展開をしておられるところでありますが、最近では、こうした在宅で療養されている重症の難病患者さんが御家族とともに安心して安全に暮らせる条件を整えていくことも、府政の重要な施策の一つであると考えます。知事の御所見をお聞かせください。
副議長(北岡千はる君)
山田知事。
〔知事山田啓二君登壇〕
知事(山田啓二君)
佐川議員の御質問にお答えいたします。
佐川議員におかれましては、ただいまは会派を代表されまして、平成20年度当初予算案に対しまして高い評価をいただき、厚くお礼を申し上げます。
経営改革プランの達成状況についてでありますけれども、平成18年度から20年度までの目標であります500億円に対しまして、約560億円の行政改革を行ってまいりました。具体的には、「給与費プログラム」の推進で給与構造改革を行うとともに、総務業務の圧縮や、本庁組織についての行革の視点も踏まえた再編を行うこと等により職員定数の削減を進めまして、総人件費を172億円抑制いたしました。「施策の集中と選択」では、700件を超える事務事業の見直しを行い、148億円を削減いたしましたし、「公共事業費の重点化」では、「公債費プログラム」に基づき、学校、病院等の事業に重点化し、113億円を削減いたしました。「公営企業の経営改善等」では、病院の経営改善等を進め、23億円を削減いたしますとともに、「戦略的な自主財源の確保」では、企業誘致を積極的に進めますとともに、府税の徴収率の向上に努め、110億円の財源を確保いたしました。
これでかなり楽になるはずだったんですけれども、しかも、当初のプラン策定時から、歳入面では、税は当初の見込みよりも税源移譲分を除きまして300億円伸びておりますので、非常にいい状況になるはずでしたが、残念ながら、三位一体改革に伴い、地方交付税、補助金が大幅に減されまして、これがそうした増収分をはるかに上回る減になっておりますし、歳出面では、人件費は当初より削減したのですけれども、その中から、教員や警察官の大幅増、さらには児童虐待対策などの増員を行っております。そして、障害者自立支援法や後期高齢者医療制度の導入に伴いまして、社会福祉関係経費だけでも約130億円以上増加したという状況にございます。そのため、本年度も、平成19年度当初予算から50億円は減らしたものの、190億円の基金の取り崩しにより財源対策を行い、何とか予算を編成した形になりました。
今後も、少子・高齢化の進展に伴いまして、社会保障関係経費が年々増加する中で、一般財源の増加も期待できないことから、事務事業を厳しく見直し、府民サービスの維持・向上のための財源を確保するという厳しい財政運営が続くというふうに考えております。それだけに、中長期的な見通しを持って財政運営を行うことが求められており、引き続き、給与費プログラム、公債費プログラムを柱に、義務的経費の大宗を占めます人件費と公債費をコントロールいたしますとともに、今後、さらに財政健全化のために構造的な見直しを進めていく必要があり、昨年設置した外部有識者による行政評価委員会や事業仕分けの意見等も踏まえまして、府民目線で事業をしっかりと見直す等、持続可能な財政運営に一層努めていきたいと考えております。
次に、再生紙をめぐる古紙配合率の偽装についてでありますが、地球温暖化など今日の環境問題は、大量生産、大量消費、大量廃棄を前提とした事業活動や、日常生活に伴う環境負荷の増大によるところが多く、その解決のためには持続可能な循環型社会を構築していくことが重要であります。このため、京都府におきましては、平成17年に制定した地球温暖化対策条例で、事業者及び府民の皆さんに、廃棄物の減量・リサイクルの取り組みや、環境負荷を低減する環境物品の購入などの取り組みに努めていただくよう定めたところであります。一方、府もみずからが率先して温室効果ガスを削減するため、京都府庁グリーン調達方針を定め、環境物品の購入促進等の取り組みを推進してまいりました。
昨今、偽装事件が相次ぎ、事業者のモラルが問われる中で、今回の製紙会社による古紙配合率の偽装が行われていたことは、私どもの環境への取り組みに対する努力を無にするばかりか、環境製品に対する社会全体の信頼を裏切る行為であり、強い怒りを覚えます。
「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律」におきましては、環境物品に適合するかどうかをチェックする仕組みがありませんし、罰則等の規定もないなど、法的な不十分さや、製造技術がグリーン購入法で定める環境物品に追いついていない実態などの問題点が、今、指摘されております。今回の偽装問題を踏まえ、国において検討会が設置され、グリーン購入法の問題点等を整理の上、3月を目途に対応策がまとめられる予定になっております。
今後、このような問題が二度と起こらないよう、知事会等を通じ、まずは権限を有する関係省庁に対し、業界の指導監督の強化や法整備について強く意見を述べますとともに、京都府におきましても、環境物品の監視強化や、さらなる事業者への啓発、指導・助言に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、食の安心・安全についてでありますが、食は命と健康を支え、人が生きていく上での基本となるものでありますだけに、食の安全性を確保することは、京都府政におきましても大変重要な問題であります。このため、食の安心・安全対策を総合的に進める行動計画に基づき、生産から消費までの一貫した取り組みを推進してまいりました。
具体的には、消費者に食品の生産・製造過程が確認できる情報を正しく適切に伝えることが極めて重要であり、関係団体とともにトレーサビリティシステムや生産情報提供システムなどを整備し、例えば京都米やブランド京野菜では、農薬の使用状況などの情報を提供しております。鶏卵や鶏肉では、携帯電話で生産農場や鶏肉の加工施設などの情報を店頭で入手できるシステムを開発しておりますし、加工食品につきましては、ハサップ(HACCP)の手法を活用し、中小企業の多い本府の実態を踏まえて、府の定めた品質管理基準を満たす食品を登録する「きょうと信頼食品登録制度」を創設し、豆腐や漬物など約200食品の製造情報を公開してまいったところであります。
しかし、御指摘のような食の安心・安全を脅かすさまざまな事件が多発する中で、食への信頼が揺らぎ、「食品表示110番」に寄せられる通報や相談は、昨年秋、菓子類の偽装発覚以降、急速に増加をしております。このため、今後は、今申し上げました京都府の取り組みをさらに強力に実行していきたいというふうに考えておりまして、対象食品業者をふやしますし、府民へのPR、普及についても一段と取り組みを強めてまいりたいと考えております。
また、食品事業者に委嘱をしております「京の食"安全見はり番"」には、衛生管理面からの指導を強化していただくこと、適正な食品表示につきましては、業種組合ごとに指導者を育成する食品表示違反「0」推進事業に取り組むこととし、今議会に必要な予算をお願いしているところであります。
さらに、この問題は京都府だけで確保できる問題ではありませんので、これまでからも国に対しまして、法律の一元化や輸入食品の監視体制の充実・強化につきましても強く要望しているところでありますけれども、今後とも、食の安心・安全の取り組みを一層強化していただくよう強く要望いたしますとともに、府民が安心して食生活が送れるよう、京都府といたしましても、全力で取り組んでまいりたいと考えております。
次に、肝炎対策についてでありますが、京都府におきましては、これまでから、フィブリノゲン製剤を投与された方の立場に立って、国に対し、徹底した実態調査や救済制度の創設などを繰り返し要望してきたところであります。そうした中、このたび、薬害肝炎救済法の成立により薬害患者の救済への道が開かれたことにつきましては、一歩前進したものと受けとめております。
一方で、全国で約300万人とも言われているB型・C型肝炎感染者の早期発見・早期治療や、適正な医療が受けられるような取り組みが必要と考えており、京都府におきましては、肝炎の早期発見のため、これまでから保健所で肝炎検査を匿名・無料で実施しており、また昨年秋からは夜間検査も導入し、より受検しやすい環境を整備してきたところであります。あわせて、相談窓口を設置いたしまして、府民からの感染不安などにこたえるとともに、医師会の協力を得て、適切な治療が受けられる医療機関等の情報も提供しているところであります。
こうした中、昨年のフィブリノゲン等の納入医療機関名公表以来、受検希望者が増加しておりますことから、保健所の肝炎検査について、府民の皆様にさらに広報いたしますとともに、より身近な場所で検査が受けていただけるよう、今回、新たに府内19カ所の医療機関を指定し、2月下旬から無料検査を開始することとしております。
また、肝炎治療に最も効果的とされるインターフェロン治療が高額でありますことから、より多くの患者が治療を受けられるよう、4月から医療費助成制度を導入すべく、今議会で予算をお願いしているところであります。
さらに、府立医大や京都大学など、肝疾患の拠点病院を早急に指定し、医療機関での情報共有・連携による治療体制を強化する中で、今後とも、肝炎対策を一層充実してまいりたいと考えております。
次に、難病対策についてでありますが、難病相談・支援センターや保健所における専門相談、保健師の家庭訪問等により療養支援を実施しているところでありますが、こうした中で、患者さんからの生の声や、難病医療連絡協議会において専門的な医師からの意見を伺ってきたところ、病変時等に専門医に熟知したスタッフのいる医療機関や、小児から高齢者に至るまでの多角的な相談窓口の必要性について、御意見や御要望をいただいているところであります。さらに、府民サービス等改革検討委員会からも、個人給付事業から生活支援施策にシフトすべきとの意見もいただきましたので、在宅療養支援を一層きめ細かく展開することとし、府内13カ所の難病協力病院において、病状悪化時や介護者が不在になる場合等に円滑に入院できる受け入れ体制を確保することにより、安心して在宅療養ができる環境を整備いたしますとともに、療養生活用機器の貸し出しや、日常生活用具・医療用具の購入助成を行うなど、在宅療養の充実策を講じ、加えて、保健所での専用相談窓口の設置や相談体制の充実など、きめ細かな対策を講じるための予算を今議会に提案させていただいたところであります。
今後とも、市町村、医療関係機関などと連携を図りながら、府民目線に立った安心・安全な保健医療体制を確立し、健康長寿に向け積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
副議長(北岡千はる君)
佐川公也さん。
〔佐川公也君登壇〕
佐川公也君
ただいま、知事から非常に御懇篤なる御答弁をいただきました。財政面につきましては、いささか安堵いたしました。
また、医食同源と言われますように、医療と食事の問題は非常に重要でございますが、この安全が脅かされるということは、基本的に非常に生命あるいは健康にかかわる問題でございまして、とても健康長寿は望めないという結果にならないように一段とお力を入れていただきたいと思いますし、また、こういう問題が起こってまいりますと、地産地消の観点からも支障を来すのではないかと存じるわけでございます。
また、環境保全のため、本日もこの議場で大変低い温度というか寒い中での代表質問が行われておりますけれども、私ども議員みずからが範を示すということも大切ではなかろうかというふうに思います。
次に、教育問題についてお伺いします。
この質問に先立ち、議員各位、理事者の方、そしてこのテレビ中継やインターネットを視聴されている方を初め、府民の皆様に紹介させていただきたいエピソードがございます。
「頼みもしないのに勝手に出しておいて、義務教育やのに何でお金払わんならんの」と、これは給食費を滞納している保護者の言葉です。「これが原因で将来の進学や就職に悪い影響があったら、どう責任をとってくれはるの」、喫煙で停学処分になった生徒の保護者のお話です。「何でうちの子出してくれへんの」、部活動の試合を見に来た保護者の言葉です。「仕事中だとわかっているくせに、何で学校が送ってくれへんの」、高い熱が出た子どものお迎えを依頼する電話に答えた保護者の言葉であります。「それは全部、先生、あなたの指導力不足でしょう」、面談で子どもの学習状況を聞いた保護者の言葉です。まだまだあります。いわく、「塾の宿題があるので学校では宿題を出さないでほしい」「卒業アルバムの写真写りが悪いので撮り直してほしい」「劇の主役になれへんので、うちの子どもは登校拒否してます。どう責任とらはんの」。まさに枚挙にいとまがないとはこのことであります。いずれも、実際に教育現場で日常的に生じている事実なのです。今、学校におきまして大きな課題の一つになっている、いわゆる「モンスターペアレンツ」と呼ばれる保護者の実例であります。
このように理不尽な要求を繰り返し、連日のように学校に押しかけたり、昼夜を問わず何時間にもわたり電話をかけてくるなどの保護者の行動により、学校長や担任の先生の精神的・肉体的苦痛は、はかり知れないと言われています。同時に、登下校を初め子どもたちの安心・安全を確保するために、家庭や地域と連携した取り組みの重要性がより一層増しております。私も幼児教育にかかわる者として、こうした社会の変化を日々肌で感じているところであります。これは、とりもなおさず、家庭や地域社会で担われてきた教育機能が低下し、学校に中心的な役割を求める構造に変化してきたことも一因であります。
一方、学校現場では、いじめ、不登校、暴力事象、科目の未履修等々、何かあれば実態把握のために詳細な調査書類が教育現場に押し寄せ、この事務処理が大きな負担となっても、なお年々増加しているという指摘もあります。まさに、学校現場には従来とは比較にならないほどの責任や仕事が投げ込まれ、緩和どころから沸点を超えて「噴きこぼれ」の状況にあるのではないかと案じているところであります。そして、その「噴きこぼれ」が、さまざまな問題となって表面化しているのではないでしょうか。
今般、文科省は、「ゆとり教育」から「学力重視」へと大きく政策転換を行いました。このことの是非について今論じるつもりはありませんが、真の「教育改革」を目指す原点として、教員が本来の職務に専念できる環境を整えることが、最重要かつ喫緊の課題なのであります。
そこで、教育長にお伺いいたします。学校現場において、先生が今まで以上に、子どもたち、また保護者ともしっかり向き合えるようにするには、教育委員会としてどのように対応されるのでしょうか。また、例示した保護者と学校長初め現場の先生の資質との関連はいかがでしょうか。
昨年6月定例会におきまして、我が会派の松岡議員の質問に答え、教育長は「教員業務の見直しは喫緊の課題であり、庁内のワーキングチームを立ち上げました。全力で取り組んでいきます」と力強く答弁されました。それから半年以上経過した庁内のワーキングチームの現時点での進捗状況と、それを取り入れた今後の対策についてお尋ねします。
1月31日付京都新聞に、次のような記事が掲載されておりました。「『指導力不足認定に指針』?文科省、有識者らに意見聞き審査?」と表題があり、教員の指導力不足の認定についてのガイドラインがまとめられたとあります。その適用対象は、公立の小・中学校、幼稚園などの一般教諭でありますが、養護教員や栄養教員にも研修を受けさせることができるとのことであります。この文科省の指針についても、御所見をお聞かせください。
次に、サミット関連についてお尋ねします。
京都は、世界文化遺産にも登録された数々の文化財を初め、1200年の歴史、文化、自然環境、さらに社会的水準を凌駕する学術、芸術、伝統産業に加え、先端産業・技術等、知的財産を有しています。国内はもとより広く海外から入洛される方も多く、観光客を魅了してやまないのも当然のことでありましょう。こうした特性や特徴を生かし、本府が国際協力や文化交流等を通じて世界の平和と繁栄に貢献していくという国際化の施策は極めて有意義なことであります。
時あたかも本年は、我が国で主要国首脳会議、いわゆるサミットが開催されます。我が京都でも、首脳会議につなげる外相会合が予定されており、世界的な緊急課題である地球温暖化に関する議論の行方が耳目を集める中、京都議定書締結の地で開催されますことは、まことに意義深く、世界に誇り得る京都の魅力を改めて国内外に発信する絶好の機会であります。
しかしながら、最近のサミットを振り返りますと、テロや暴動が深刻な課題となっております。2006年、英国グレンイーグルズサミットでは、首都ロンドンにおきまして同時多発テロが発生したのは記憶に新しいところです。一部の過激な団体による違法デモや暴動なども見られるところであり、サミットを取り巻く治安情勢が一段と険悪さを増す中、京都での外相会合の成功のためには、参加国関係者や京都を訪れる人々、そしてこの京都に住むすべての府民の安心・安全を確保し、いかなる事態にも対応できる万全の体制を構築することが肝要でありましょう。そのことが、外相会合を成功に導くことは申すに及ばず、京都が安心・安全な都市であることを世界じゅうの人々に認識され、引き続き安んじて入洛していただくことにもつながるものであります。
外相会合によって要人が多く入洛されることから、おのずと警備は厳重にならざるを得ないとしても、例えば平安騎馬隊のより一層の活用など、「みやびなおもてなし」を感じていただけるようなソフトな警備体制が、京都のイメージをさらにグレードアップさせるのではないでしょうか。まさに、「言うは易く行うは難し」で、本府、特に警察本部を初め関係各位には大変な御苦労をおかけすることになります。
そこで、警察本部長にお尋ねします。6月の外相会合に向けた警備諸対策は当然トップシークレットであり、粛々と準備が進められていることとは存じますが、府民の協力がなければ、やはり万全という形での警備は難しいと思います。府民の皆様には、交通規制等も含め一定の御不便もおかけすることになりますので、サミット警備に向けた府民への協力依頼について、どのようなことを考えておられるのか、お聞かせください。
また、外相会合の開催を契機として、内外、特に外国からの要人・マスコミ・関係者等入洛客も多くなると思われますが、今後、京都を訪れる人々の安全・安心のよりどころとして本府警察に対する期待もさらに高まる中、府警として、国際化に対して取り組んでおられる施策があれば、あわせてお聞かせください。
最後に、警察署施設の充実についてであります。
本年も、1月17日、未曾有の被害をもたらした阪神・淡路大震災により亡くなられた多くの方の追悼行事がしめやかにとり行われました。ここに改めて、震災の反省と教訓を胸に刻むものであります。
元来、日本は地震大国であり、我が国の大型建築物は大地震にも耐え得る構造であるとされていました。ところが、阪神・淡路大震災では、1982年(昭和57年)以前に建てられたビルやマンション、病院、鉄道の駅舎などでも、広範囲にわたって半壊・全倒壊が見られ、警察施設につきましても例外なく倒壊し、兵庫警察署はその機能を全く失ったと記憶しております。
特に私が感じましたのは、悲惨な状況の中で、被災者の気持ちを逆なでするような物品等の略奪や暴力行為等が至るところで発生するなど、治安の悪化が顕著となったことであります。このような卑劣な者からすると、治安のとりでである警察署が倒壊し、その機能を果たすことができないわけですから、これを奇貨とし悪行に走ったものと考えられるわけであります。
本府におきましても、花折断層・樫原断層帯を初めとした多くの活断層が存在することから、将来、マグニチュード7程度の大きな地震の起こる可能性があります。万一、地震により警察署が倒壊し、その機能を失えば、府民に与える不安感ははかり知れないものがあります。
そこで、本部長にお尋ねいたします。安心・安全の象徴である警察署の耐震改修工事につきまして、平成20年度当初予算では1億3,700万円が計上されておりますが、今後、どのように考え、取り組まれるのでしょうか。お聞かせください。
副議長(北岡千はる君)
田原教育長。
〔教育長田原博明君登壇〕
教育長(田原博明君)
佐川議員の御質問にお答えいたします。
教員業務の見直しについてでありますが、従来は家庭や地域社会が果たしていた多くの役割が学校教育に求められている中で、教員が子どもと直接向き合う時間を確保することが年々困難になってきていることは、大きな課題であります。そのため、庁内にワーキングチームを設置し、一つには、苦情対応への支援や外部人材の活用、二つには、調査事務などの業務の精選など、2つの視点から教員業務の見直しに向けた検討を積極的に進めてきたところであります。
その中で、議員御指摘の保護者対応につきましては、昨年11月に、京都府独自に作成して高い評価を得ております「保護者対応マニュアル」をより実践的に活用できる研修を行うとともに、学校や教員の悩みや相談に対応するため、退職教員による学校支援アドバイザーを配置し、精神科医や弁護士等の専門家とも連携を図りながら、新たな学校支援体制を整備したいと考えております。
また、学校の部活動に外部のスポーツ指導者を招くことによって部活動の指導が軽減された教員が、補習等の学習指導や生徒指導などにおいて、子どもたちと向き合う時間をふやしていく取り組みも実施したいと考えており、所要の予算を今議会にお願いしているところであります。
さらに、事務の専門家ではない教員にとって大きな負担となっている調査統計の整理統合、さらには、効率的な会議運営のため、民間企業の会議運営のノウハウを取り入れた実践的な研修なども計画しており、こうした取り組みを積極的に進め、教員が意欲と誇りを持って、より一層子どもと向き合うことができるよう、全力で支援してまいりたいと存じます。
次に、指導力に課題を有する教員についてでありますが、本府では、全国に先駆けて平成14年度から、指導力の回復を目指した「指導力特別研修」を実施し、その回復が極めて難しいものと認められる場合には、分限免職とするなど、厳しく対応してきたところであります。
議員御紹介のガイドラインにつきましては、全国の対応がさまざまであるところから、文部科学省において、ようやく着手され、先日まとめられたものでありますが、その内容は、本府がこれまで実施してきた指導力に課題を有する教員に対する方針や対応に沿うものと考えております。
府教育委員会といたしましては、今後、このガイドラインも踏まえて、改めてその趣旨を周知徹底し、地域や保護者の信頼にこたえる学校づくりのため、指導力に課題を有する教員に対しては、厳正に対応してまいりたいと存じます。
副議長(北岡千はる君)
青木警察本部長
〔警察本部長青木五郎君登壇〕
警察本部長(青木五郎君)
佐川議員の御質問にお答えいたします。
近年のサミットをめぐっては、開催中に公共交通機関を標的とした同時多発テロ事件や、反グローバリズムを掲げるデモ等に伴う違法行為が発生するなどしており、我が国でのサミットも厳しい情勢下での開催になると予想されます。
〔副議長退席、議長着席〕
こうした情勢のもと、当府警察といたしましては、府民の皆様の安全・安心を確保することはもちろんのこと、サミット警備に当たりましては、国内外要人の身辺の安全と、会議その他諸行事の円滑な進行の確保、国際テロの未然防止を基本方針として、警察庁、他府県警察及び関係機関と緊密な連携を図りつつ、組織を挙げて万全な警備を行ってまいりたいと考えております。
そのためには、何よりも府民の皆様の御理解と御協力を得ることが重要であると考えており、今後、府民の皆様には、会場付近などにおける不審者、不審車両、不審物件など発見時の通報への御協力、警戒警備に伴う検問等への御協力、不要不急の自動車利用の自粛など交通混雑緩和への御協力などをお願いすることになろうかと考えております。
今後、このような御理解や御協力をいただくため、当府警察としては、適時適切な事前広報等に取り組むとともに、警戒に当たる警察官の適切な対応などに努め、府民の皆様と一体となりながら、サミット警備体制を確立したいと考えております。
次に、国際化に対する取り組みについてでありますが、近年の社会経済のグローバル化は、人々の生活にさまざまな恩恵をもらたす一方で、国際犯罪組織による組織犯罪や国際テロが地球規模の問題となるなど、世界の治安情勢を著しく変化させてきております。こうした中で、警察が関係各国の捜査機関と協調し、国際的な犯罪対策を積極的に講じていくことは、国際社会の安定と発展に貢献するのみならず、我が国の治安対策にも資するものであることから、当府警察では、平成18年1月に「京都府警察における国際協力に関する指針」を策定し、ジャイカ(JICA)を通じた関係国の治安機関への職員派遣や外国からの研修員の受け入れ、国際警察緊急援助隊への要員の派遣等の積極的な取り組みを通じて、国際協力の一端を担ってきたところであります。
また、国際的な警察活動を進めるための基盤整備として、民間通訳人の委託や、外国語に堪能な警察職員の育成により通訳体制を整備する一方、国際捜査官養成のための警察大学校の研修や府警察独自の教養等を通じて、国際感覚豊かな人材の育成にも努めてきたところであります。
今後も、各種教養体制の充実や、能力・適性に応じた配置を進めるとともに、外国語等各種資格保有者を積極的に採用するなど、国際的な活動を担う優秀な人材の確保に努めてまいりたいと考えております。
次に、警察署の耐震改修工事についてであります。
御指摘のとおり、警察署は地域の「治安のとりで」であり、災害対策の中核的な役割を担う施設であることから、大規模な地震の発生により機能が失われることのないよう、十分な耐震性能を確保する必要があると考えております。このため、「建築物の耐震改修の促進に関する法律」に基づき、順次耐震診断を実施し、補強を要すると診断された警察署につきましては、平成18年度から、改修に向けた設計や改修方法の検討などを進めているところであります。
今後の取り組みでありますが、平成20年度の予算では、西京警察署の耐震改修工事に着手するほか、上京警察署や田辺警察署などの改修に向けた設計をお願いしているところであります。今後も、引き続き、改修が必要な警察署については、関係当局の御理解を得ながら、できる限り速やかに耐震化を進めてまいりたいと考えております。
議長(家元丈夫君)
佐川公也君。
〔佐川公也君登壇〕
佐川公也君
ただいま教育長から、保護者対応マニュアル等が用意されているということをお聞きいたしましたけれども、まだこのマニュアルだけでは対応できないような多くの事案、事例が出てくると思います。それには、やはり校長先生の責任を明確にし、そして、現場の先生方に対しても、高い資質を求めつつ、仕事量をもっと教育面に向けられるようにしていただくことを強く要望させていただきたいと思います。
次に、警察本部長には、このサミットを初め、第一線の警察官に至るまで、より一層活動していただきまして、日本で、いや、世界で最も治安にすぐれた安心・安全のまちが京都である、どうぞ京都に皆さんおいでくださいというような願いを込めまして、強くこのことを期待するものであります。
さらにまた、耐震につきましては、今、私の地元・西京署も既にその視野に入っているということでございます。一日も早く、京都府下の全警察署が耐震構造物になりますことを心から要望いたしまして、私の代表質問を終わらせていただきたいと思います。
御清聴まことにありがとうございました
(拍手)
