議会ニュース

2007年12月11日|平成19年12月定例会一般質問 田中健志

071211_tana.jpg
1 2008年サミット外相会合と地球温暖化対策について
2 教育現場でのAEDの活用等について
3 その他

>録画ビデオはこちらから

副議長(北岡千はる君)
 休憩前に引き続き会議を行います。
 次に、田中健志さんに発言を許します。田中健志さん。

   〔田中健志君登壇〕(拍手)

 

田中健志君
 民主党議員団の田中健志でございます。さきに通告しております数点につきまして、知事並びに関係理事者に質問いたします。前向きな御答弁をよろしくお願いいたします。
 また、今回2回目の一般質問の機会を与えていただきました民主党議員団の先輩各位の御配慮に感謝申し上げます。
 まず最初に、G8サミット外相会合と温暖化防止対策についてお伺いいたします。
 来年6月26、27日に京都で行われるG8サミット外相会合は、主要国の外務大臣が京都に集い、国際テロ、地域紛争、大量破壊兵器の問題、エネルギー問題など、外交上の重要課題を解決するための実質的な意見交換の場であり、国際的にも注目される大変重要な会議であると存じます。
 7月7日から北海道洞爺湖町で首脳会合が行われますが、これに先駆けて行われる各閣僚会合は、関西では、5月24日から26日の神戸での環境相会合、6月13、14日の大阪での財相会合があり、京都での外相会合はこれら一連の閣僚会合を締めくくるものであります。
 首脳会合ほどではないにせよ、世界じゅうの耳目が京都に集まることになりますので、京都の名を改めて世界にアピールする絶好のチャンスだと思います。本府は、単に観光都市、歴史都市というだけではなく、国際会議都市として、ここ10年間で2,000以上の国際会議が開催された世界有数の知的交流都市であると言ってもよいと思います。議定書にその名を刻んだ「京都議定書」採択の地球温暖化防止京都会議などが世界的にも有名です。
 今回の外相会合も府民一体となって成功させれば、国際会議都市、知的交流都市としての京都の名声はさらに高まり、ひいては日本の国際的地位の向上に大きく貢献できるものと考えます。そのような重要なチャンスである今回の外相会合で、京都をどのように世界にアピールするおつもりなのか、お考えを伺いたいと思います。 
 また、府民にとっては、世界が直面している外交問題や安全保障といった諸問題を身近に見聞きする絶好のチャンスであります。国際交流、国際相互理解などを含め、府民に対してどのような啓発活動を考えておられるのでしょうか。
 さらには、その一方で、多数の要人が出席する国際会議等では、交通規制など府民が迷惑に感じることもあるかと存じます。テロなどの危険性も考えておかなければなりません。先日、京都府警本部で「2008サミット関係機関警備対策会議」が開かれ、関係機関の連携強化を呼びかけたとのことでありますが、府民の生活に支障を来さないようにするためには、どのようなことを考えておられるのか、お伺いをしたいと思います。
 次に、我が会派の北尾議員、大野議員も指摘されていることでありますが、環境問題、地球温暖化防止の観点から、「来年の2008年」に「京都」で外相会合が開催される、その意味合いを少しここで考えてみたいと思います。
 御承知のとおりでありますが、来年のサミットでは、温暖化防止対策が主要なテーマの一つになると言われております。現状を見れば、ハイリゲンダム・サミット以降、温暖化防止の取り組みが世界じゅうで急速に加速しております。ゴア前アメリカ副大統領と世界の科学者らでつくる国連のIPCCがノーベル平和賞を受賞されました。温暖化防止の取り組みなくして世界の平和はあり得ないということを世界じゅうに示したものと思います。オーストラリアでも、京都議定書の批准を訴えた野党労働党が総選挙で勝利をいたしました。それには、だれの目にも明らかな温暖化の進行が背景にあるのだと思います。
 さて、御案内のとおりでありますが、来年の2008年は、「京都議定書」が採択されて丸10年がたつ年であり、京都議定書の第一約束期間が開始する年でもあります。2008年から2012年までの第一約束期間では、日本においては、温室効果ガスの1990年度比6%の削減が定められております。この約束を守るためには、今のままの取り組みで本当にいいのでしょうか。足元を見れば、温室効果ガスの削減は思うようには進んでいない状態です。
 2006年度の速報値では、日本は削減どころか6.4%の増加になっております。「来年の2008年」に開催されるという意味は、このタイミングで改めて、「このままの取り組みで本当に大丈夫なのか」と日本の温暖化防止の取り組みを考え直す必要があるということではないでしょうか。
 イギリスでは、ブラウン首相が2050年までに80%の削減を打ち出し、「イギリスが世界をリードする」とメッセージを発信されました。フランス、ドイツなども、2050年までの中長期削減目標を示し、ノルウェーやコスタリカでは排出量をゼロにする方針を表明しました。日本を含む先進国では、60から80%程度の削減が求められております。しかしながら、日本は具体的な中長期目標を示すには至っておりません。日本はCOP3の議長国であり、これまでも国際的なリーダーシップを期待され続けてまいりました。日本がいまだ中長期の削減目標を提示できないということは、議長国としていかがなものかと考えます。
 次に、「京都で開催される」意味合いを考えてみたいと思います。京都は、「京都議定書」採択の地として、これまで環境の大切さを世界に発信し続けてまいりました。世界と未来に対する責任を果たすには、「京都議定書」の目標を達成し、さらなる温室効果ガスの大幅削減を進めるとともに、持続可能な社会を実現することが必要不可欠であるということは言うまでもありません。
 本府では、日本の削減目標が6%と定められていることに対し、独自目標として2010年までに10%の削減を率先して取り組む姿勢を示しております。しかもこの10%には、森林吸収分や京都メカニズム活用分は含まれておりません。具体的には、大規模事業者に削減計画の報告や公表を義務づける、また府庁舎においては、みずからが率先して20%の削減に向け消費電力の大幅な削減を図るなど、府独自の施策にも取り組んでまいりました。
 しかし、さまざまな要因はあるでしょうが、足元を見れば削減量が大幅に足りておりません。直近の実績では、2004年度本府の温室効果ガス排出量は90年度比2.8%の増加となっています。日本、あるいは京都の温暖化防止の取り組みを世界の首脳に向かって胸を張って示すには、さらなる取り組みが必要だと思います。
 本年10月に開催された公開シンポジウムの中で、著名な養老孟司先生が、「長い歴史を持つ京都こそ、持続可能な社会の知恵を持っている。京都が訴えれば世界は耳を傾けるはず」と、このようにおっしゃっていました。
 京都は1200年余りの歴史を持ち、その間、長い年月をかけて、自然環境、伝統文化を守り、持続可能な社会を創造してまいりました。これからの持続可能な社会の第一の条件は、地球温暖化などの環境破壊を防止できるということではないでしょうか。したがって、総力を挙げて全府民が取り組むというもっと強い意志とメッセージを京都から世界に発信するべきだと考えます。
 ここで具体的に、2つ提案をさせていただきたいと思います。一つ目に、京都府として、2011年以降の中長期削減目標をいち早く策定し、内外に公表すること。二つ目に、法律で各市町村にも義務づけられている「地球温暖化対策実行計画」を府内全市町村において策定すること。本年の10月末現在でありますが、府内26市町村のうち15市町しかこの実行計画は策定されておりません。さらには、法律の義務づけではありませんが、「市町村地域推進計画」を府内のすべての市町村で策定、実行することもあわせて提案をしたいと思います。
 また、具体的な施策としては、京都版エコポイントシステムの推進や家庭での太陽光発電の設置など自然エネルギーの利用促進、中小零細企業向けエコローンなど、さらなる施策を一刻も早く徹底して実施するべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 少し理念的な話になるかもしれませんが、日本では安易な利潤獲得を優先し、大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会となってしまい、環境の破壊だけではなく、人間の心の豊かさをも奪い去ってしまった。他人に対する優しさや思いやりが感じられない社会になってしまった。したがって、今まさに価値観の転換が必要な時代が来ている、このように指摘する方もいらっしゃいます。
 その一方で、世界を見渡せば、南太平洋のツバルなど海面上昇で沈みつつある小さな島々の人々、干ばつや水害で苦しむ人々、食糧不足にあえぐ人々、また生息環境を奪われる多数の生物、あるいはテロや紛争などで苦しんでいる人々が多数存在します。これらの人々のことに思いをはせながら、それぞれの地域で、そしてここ京都で「何ができるか」を考えて行動し、環境を保全し、平和な社会を創造しようということを改めて考えることが、「来年の2008年」に「京都」で外相会合が開催される大きな意味合いではないでしょうか。
 この点も踏まえ、京都議定書の約束を守り、温暖化防止のさらなる取り組みを行うことが重要であると考えますが、知事の御所見を伺いたいと存じます。
 まずは、これらの点のみお伺いいたします。

 

副議長(北岡千はる君)
 山田知事。

   〔知事山田啓二君登壇〕

 

知事(山田啓二君)
 田中議員の御質問にお答えいたします。
 外相会合を契機としました京都の世界へのアピールについてでありますけれども、外相会合は首脳会合で議論することを最終的に決めていく会議であるだけに、首脳会合に次ぐ重要な会議として位置づけられており、確かに注目というのは首脳会合に集まっていくのですけれども、実質的な議論としては大変重要な場になるというふうに考えております。
 その中で、特に今回の外相会合で京都として考えなければならないのは、御指摘のように、まずは環境問題が一番に来ると思います。来年のG8サミットが環境問題を主要テーマとして開催されることは御存じのとおりでありますので、京都議定書採択の地として、京都としてもポスト京都議定書への大きな道筋が開かれますように、私どもといたしましては、各国の首脳に働きかけていくということをしていかなければならない、そういうアピールの場にしていかなければならないというふうに思っております。
 二番目といたしましては、次はやはり日本の文化の発信ではないかと思っております。京都は美しい自然や伝統文化に恵まれ、特に外相会合が京都の伝統技能の粋を集めました京都迎賓館を主会場に開催される予定でありますだけに、会議参加者に対し、大きなインパクトを与えることができると思いますし、会議を通して世界の大勢の方々に、こうした環境と共生しながら本当に人に優しい京都の文化のよさを見ていただく大きな機会としていきたいというふうに考えております。
 そして、三番目といたしましては、やはり「おもてなしの心」を発信していきたいなというふうに思っております。1,400人を超える政府・マスコミの関係の方々が来られますだけに、京都の「おもてなしの心」を披露する大きな機会であり、観光産業を中心産業の一つとする京都にとりまして、警備の問題も含めましたこうしたホスピタリティーを示すことは、これからの京都の未来にとっても大きな意義があるというふうに思っております。
 正直、開催期間中は、首脳会合ほどではないにしろ、府民生活に対する影響はかなり予想されますだけに、ぜひとも京都市を中心とした府民の皆様には、こうしたサミットの外相会合の意義を理解していただき、御協力をお願い申し上げたいと思っております。
 啓発活動につきましては、具体的には、12月2日に開催しまして、500名も参加をいただきました記念シンポジウム等の開催、さらに府内の中・高生に対する国際問題をテーマとした作文の募集、G8各国の音楽や食文化の紹介等、府民に身近な分野の文化交流事業の実施、国際社会で活躍する京都府関係者からの京都の役割に関するメッセージを府民だよりに掲載するなどの取り組みを行い、やはり特に子どもたちに関心を持っていただきまして、京都の未来に対して誇りを持ってこのサミットを迎えていただけるように、積極的に啓発活動を推進していきたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁をさせていただきます。

 

副議長(北岡千はる君)
 山内企画環境部長。

   〔企画環境部長山内修一君登壇〕

 

企画環境部長(山内修一君)
 地球温暖化対策についてでありますが、京都府におきましては、全国に先駆け、2010年度までに温室効果ガスを10%削減する目標を掲げました地球温暖化対策条例を制定するなど、環境先進地・京都として地球温暖化防止の取り組みを府民総参加により推進しているところでございます。
 2011年以降の中長期の削減目標につきましては、まずは10%削減に全力を挙げて取り組むことが重要であると考えておりますが、世界の動きや国の動向などを見ながら、今後、議定書誕生の地にふさわしい京都府としてのビジョンを示してまいりたいと考えております。
 市町村の実行計画及び推進計画につきましては、昨年10月に策定した京都府地球温暖化対策推進計画におきまして、府内全市町村での策定を目標としており、京都府や国で整備いたしましたマニュアルを活用いたしまして、市町村担当課長会議などで策定の促進に努めているところであります。
 実行計画の策定状況は、市町村合併等の影響もあり、現在15市町にとどまっておりますけれども、今後とも、推進計画の策定とあわせて、地球温暖化防止活動推進センターの支援も得て、早期策定を積極的に働きかけてまいります。
 また、一層の取り組み強化が必要とされております家庭や中小企業向けの支援策といたしましては、議員御指摘のとおり、家庭での省エネの取り組みを促進する京都版エコポイントシステムモデル事業でありますとか、太陽光発電など自然エネルギーの導入支援策、あるいは京都エコローンの創設などの御意見をアクションプランの委員の方々からもいただいているところでありますので、検討を進めてまいりたいと考えております。
 京都議定書の第一約束期間が始まる歴史的な節目であります来年に、ここ京都でG8が開催されますことは、議定書誕生の地の地元自治体として大変意義深いことと考えておりまして、この機会をとらえて、府民総ぐるみによる地球温暖化防止の取り組みを一層積極的に進めてまいりたいと存じております。

 

副議長(北岡千はる君)
 青木警察本部長。

   〔警察本部長青木五郎君登壇〕

 

警察本部長(青木五郎君)
 田中議員の御質問にお答えします。
 近年のサミットをめぐっては、サミット開催中に公共交通機関を標的とした同時多発テロ事件や反グローバリズムを掲げるデモ等に伴う違法行為が発生するなどしております。したがって、我が国においても、厳しい警備情勢のもとでのサミット開催になると予想されます。
 こうした情勢のもと当府警察といたしましては、外務大臣会議開催に伴う内外要人の身辺の安全、会議その他諸行事の円滑な進行の確保、国際テロ等の未然防止を基本方針として、警察庁、他府県警察及び関係機関と密接に連携をしながら、万全の警備を行いたいと考えております。
 今後、具体的な警備方策の検討に当たりましては、府民の皆様への影響が最小限となるように配意してまいります。しかし、警戒警備、交通規制などにより、府民の皆様の日常生活に影響が及ぶことも予想されます。そこで、こうしたことについて、府民の皆様の御理解と御協力を得ることが何よりも重要と考えております。
 このような観点から、当府警察といたしましては、警戒警備に伴う交通規制などについての適時・適切な広報活動、警戒に当たる警察官の府民への適切な対応などに努めるとともに、引き続き、2008年サミット外相会合京都支援推進協議会、京都府や京都市などの関係機関・団体と密接に連携しつつ、諸対策を講じてまいりたいと考えております。

 

副議長(北岡千はる君)
 田中健志さん。

   〔田中健志君登壇〕

 

田中健志君
 御答弁ありがとうございました。2011年以降の削減数値目標というのは、御答弁にありましたとおり、今まさにインドネシアのバリでCOP13が開かれておりまして、新聞報道によりますと、1990年という基準年そのものを見直そうというような議論もあるようでございます。おっしゃるとおり、そういった国際的な議論を見ながらではありますけれども、一方では、2011年以降の目標というものが定められていないというのも事実でございます。国際的な議論を見ながらではありますけれども、速やかに、また前向きに数値目標の策定に向けまして御検討いただくことを重ねてお願いをさせていただきたいと思います。
 それでは、次の質問に移りたいと思います。
 教育現場でのAED(自動体外式除細動器)の活用等についてお伺いいたします。
 突然の心肺停止には、速やかな除細動が必要であり、そのためのAEDの有効性、重要性については理解が深まっているものと存じます。AEDとこれに関係する2点、合計3点についてお伺いいたします。
 一点目、AEDについてでありますが、まず新聞記事を2件御紹介したいと思います。
 本年5月1日付の記事によりますと、大阪府岸和田市で行われた春の高校野球大阪府予選の試合中に、投手の左胸に打球が直撃し、その投手はその場で倒れ心肺停止状態になってしまった。観戦していた岸和田市消防本部の救急救命士が学校に備えつけのAEDを使うなど適切な処置をしたため、この投手は一命を取りとめることができた。なお、この投手は夏の大会には元気に試合に出られたそうでございます。
 二つ目の新聞記事であります。本年9月2日付ですが、大阪のある名門校で、やはり野球の練習中でありますが、捕球しようとした、ボールをとろうとした生徒さんの胸付近にボールが当たり、前のめりに倒れてしまった。病院に搬送されましたが、約7時間後にその生徒さんはお亡くなりになってしまわれた。AEDはグラウンドにはなく約1キロ離れた体育館に設置され、それを野球部の副部長さんが車でとりに行かれましたけれども、AEDをとって戻ってきたのは、救急車が到着した後であったということでございます。
 2つの新聞記事を紹介させていただきました。この差は何によって生じたのでありましょうか。つまり、AEDという「もの」があっても、緊急時には速やかに、また正しく使えなければ意味がないということではないでしょうか。
 府教委では、昨年の12月までに全府立学校にAEDを配備し、所轄消防本部と連携する中で、生徒及び教職員へのAEDの使い方を含む「普通救命講習」の受講を推進するとしています。しかしながら、この普通救命講習の受講率は、教職員で、平成18年度19.6%、平成19年度は、11月現在でありますが18.2%で、累計すれば約38%と徐々にふえてはおりますけれども、受講状況はまだまだといったところでございます。また、生徒の受講率に至っては、同じく4.7%、5.7%といった状態です。
 なぜ、受講が余り進まないのでしょうか。私は、受講をさらに進めるために、指導者側の体制と受講者側の仕組みの2つの側面から提案をしたいと思います。
 まず、指導者側の体制ですけれども、府教委が連携するとしている消防本部には人手不足の問題があるのではないでしょうか。消防本部では、いつ何どき、災害時等の消火、救急活動が発生するかわかりません。それ以外の時間に講習を行いますので、学校側が受講したくても、教える側の消防本部の方々とのアンバランスが生じてしまうということも考えられると思います。
 私も先日、地元中京消防署で普通救命講習を受講しましたが、その受講時も緊急出動があり、指導を補佐されていた救命士の方が現場に出かけられるということがありました。なぜ、消防本部のみとの連携なのでしょうか。このアンバランスの解消には、多少予算が必要であっても、AED普及に取り組む民間企業やNPOなどをもっと活用することを提案したいと思うのですが、いかがでしょうか。
 次に、受講者側の仕組みについてでありますが、まず学校現場の教職員の意識をさらに高める必要があるのではないかと考えます。確かに、現場の先生方は大変忙しいと思います。早朝から深夜まで、時には休日も含めて授業や生徒指導はもちろんのこと、学校行事、部活、外部との連絡などなど、そんな中で先生方の忙しさに拍車をかけるようでありますが、しかしながら、学校現場でのAED講習の受講の優先順位は高いという意識を改めて持っていただく必要があるのではないかと思います。
 さらに、受講のより進んでいない生徒に対しては、AED講習を授業に入れてみてはいかがでしょうか。大阪府では、来年度から全府立高校の授業にAED講習を取り入れる方針を固め、それに対し文科省も「命の大切さを学ぶ上でも有効だ」とコメントしています。本府でも大阪府と同様、全国に先駆けてAED教育に取り組むべきであります。
 少なくとも、AEDが学校のどこにあるのかを把握するAEDマップを作成することや、使い方のビデオやパンフレットを活用することなどはすぐにでもできることだと思います。
 次に、二点目に、BLS教育についてお伺いいたします。
 BLSとは、Basic Life Support(ベーシック・ライフ・サポート)の略、BLS教育ということでありまして、一次救命処置と訳され、日常生活で突発する緊急事態に際して、一般市民でも即座に判断し、とるべき行動をまとめたプログラムのことでありますが、このBLS教育も授業に組み入れることを検討されてはいかがでしょうか。
 目の前で人が倒れているときに適切な対処をすることは容易なことではありません。多くの先進国では、学校や地域社会でBLS教育が行われておりますし、日本でも慶応義塾などで既に取り組まれております。教育の現場で、なるべく早い時期からBLS教育を行うことで、単に健康危機に際しての対処方法を学ぶだけではなく、実践を通して「命の大切さ」を学ぶことは非常に意義深いことだと思います。
 最後三点目に、熱中症についてもお伺いいたします。
 ことしの夏も大変暑く、京都市立の中学校の生徒が熱中症により救急搬送される事態がありました。府教委としては、予防の徹底や防止を学校現場に3回通知されましたが、もう一歩踏み込んで熱中症の予防の知識や応急手当てなどの方法も授業に取り入れること、あるいはマニュアルを作成して配付することなども検討されてはいかがでしょうか。
 来年の夏も猛暑が予想されます。熱中症の予防には小まめな水分補給や常日ごろから健康管理に気をつけることなども大切ですが、周りの人が熱中症になって倒れたときの応急手当ての正しい知識や訓練を授業に取り入れることも今や必要な状況になっていると思いますが、いかがでしょうか。
 以上、AED、BLS、熱中症についてお伺いをいたしました。実際に人が倒れたときにはどうなるのか、血があふれ出たときにはどうしたらよいのか、単に救急車を呼べばいいというだけではなく、救急車が到着するまでの間、まず自分自身が対処しようとすること、すなわち自分のできる範囲で困っている人を助けようという意識を持つことが現代社会には必要ではないでしょうか。
 さらに言えば、これらに取り組むことによって、毎日のように新聞に載っている簡単に失われてしまう命、若年層の犯罪の増加、いじめや自殺の問題などの諸問題の改善にも寄与できるのではないでしょうか。救急救命のノウハウの普及や実践を通じて、困ったときにはお互いに手を差し伸べられる社会を創造することが大切です。
 京都では、一般常識として、だれもが救急救命の知識や技術を身につけている、そのような地域になればすばらしいことだと思いますが、いかがでしょうか。生命の尊さや他人の苦しみを理解できるということは、まさに現代の教育において優先順位が高く、大変意義深いことだと思いますが、どのようにお考えでしょうか。お伺いいたします。
 以上で私の質問を終了させていただきます。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)

 

副議長(北岡千はる君)
 田原教育長。

   〔教育長田原博明君登壇〕 

 

教育長(田原博明君)
 田中議員の御質問にお答えいたします。
 AEDについてでありますが、府教育委員会では、全府立学校にAEDを配備し、子どもたちの命を守る救急体制の充実を図るとともに、教職員や生徒全員への救命救急研修が可能となるよう取り組みを進めてきたところであります。

   〔副議長退席、議長着席〕

 各府立学校では、AEDを玄関、体育館、保健室等に設置し、いつでも利活用できる状況を整えるとともに、所轄消防署が実施される普通救命講習に、これまで約4,000名の高校生と約1,800名の教職員が参加したところであります。
 しかしながら、御指摘のとおり消防署との連携だけでは受け入れ人数に制限があったり、講習時間設定が授業の時間とうまく合わなかったりする等の課題があるため、今後は消防署に加え、AED普及に取り組まれているNPO団体等とも連携するなど、校内における指導者養成を進め、生徒全員が卒業までにAEDの取り扱いについてしっかり学習できるよう努めてまいりたいと考えております。
 また、議員御紹介のBLS教育についてでありますが、現在、府内の中学校や高等学校では、包帯法、止血法、人工呼吸法など応急手当てについて保健の授業等を通じて学習を進めております。これらの学習の中で、命の尊さや正義感をはぐくむことは、まさに心の教育の充実につながるものであり、今後とも、生徒たちが学んだ知識や技能を実践的な行動へと結びつけられるよう、学習内容や指導方法の工夫等について研究してまいりたいと存じます。
 次に、熱中症については、その予防や応急処置等のマニュアルを各学校に配付し、教職員に熱中症に対する適切な対応を徹底するとともに、生徒自身が環境条件に応じて行動できるよう、授業の中でも指導しているところであります。今後とも、こういったマニュアルも活用しながら、各学校において熱中症も含めて児童生徒の健康管理に万全を期すよう努めてまいりたいと考えております。