議会ニュース

2007年12月 7日|平成19年12月定例会代表質問 大野征次

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1 雇用問題等について
2 介護労働者問題について
3 モラル・ハラスメントについて
4 地球温暖化対策について
5 シルバー人材センターの活動について
6 学校の経営力向上について

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議長(家元丈夫君)
 次に、大野征次君に発言を許します。大野征次君。

   〔大野征次君登壇〕(拍手)

 

大野征次君
 私は、民主党議員団の大野征次でございます。府民の暮らしと幸せを守り、京都府のさらなる発展を願い、当面する諸課題について、会派を代表して質問をいたしたいと存じます。
 質問に入ります前に、お許しをいただきまして、一言御礼申し上げます。
 八幡市民が長年念願いたしておりました主要地方道京都守口線の宇治川にかかる「御幸橋」のかけかえが平成15年11月に竣工いたしまして、利便性と経済効果、渋滞による精神的苦痛の解消へと進んでおります。そして、引き続き木津川「御幸橋」のかけかえにつきましても工事は着々と進められており、竣工が待たれております。
 知事は、この完成を見通して、平成20年度政府予算重点課題に関する政策提案において、「淀川三川合流域の広域的な地域間交流の拠点づくり」として要望され、去る11月21日、「淀川三川合流地域づくり検討会」において構想を取りまとめられました。ここに、大きく前進することになりました。改めて、市民とともに感謝するものであります。

   〔議長退席、副議長着席〕

 私は、さきの京都府第4次総合計画において、京都半環状都市ゾーン整備構想の中での位置づけについて何度か提案してきましたが、形が変わっても、この地域においての拠点づくり構想につきましては、感慨深い思いをいたしております。一日も早く構想の具体化と実現を市民とともに願うものであります。知事の一層の御尽力をお願いいたしまして、質問に入ります。
 まず、雇用問題について、何点かお伺いいたします。
 ここ近年、格差やワーキングプア(働く貧困層)が問題になっております。パートやアルバイトなど非正規雇用労働者は、ことしに入って1,726万人に達し、全雇用労働者の33.7%を占めるに至ったとしております。フリーター400万人、完全失業者は約269万人、ニート、いわゆる働く意欲のない人62万人、生活保護世帯が107万余世帯、150万人を超えたと言われております。そして、若年層と言われる15歳から24歳の非正規労働者が48.1%と約半数を占め、電話一本で日雇い派遣される「ワンコールワーカー」やインターネット喫茶に寝泊まりする「ネットカフェ難民」などが、目新しくもない現象となったと言われております。
 現在の日本には、「ワーキングプア」と呼ばれる人々、すなわち働き続けても年所得200万円以下となる人たちのことを言われておりますが、去る9月、国税庁の「民間給与実態統計調査」では、実に給与所得者全体の22.8%を占め1,022万8,000人で、4年前よりも169万8,000人も増加し、その中で年収が100万円に届かない人たちもふえてきているとしております。
 一つの句が思い出されます。それは、「はたらけど はたらけど猶(なお)わが生活(くらし)楽にならざり ぢっと手を見る」、青年詩人の石川啄木の句であります。明治時代も終わりに近づいた1910年ごろの生活を通しての切実な思いを託して詠まれた句と理解をいたしております。当時、身分制度が廃止され、一応は四民平等にはなったが、まだ国民の貧富の差は大きく開き、正確な数字は解しませんが、生活にあえぐ多くの貧困層がいたと推察されます。戦後の日本経済が高度成長期に入り、人々の所得水準は急激に上昇し、「中流意識」「中流」という言葉が生まれるなど、貧富の差は余り語られなくなりました。しかし、今日になって再び石川啄木が詠んだこの句が現実となる状況が生まれつつあると思えるのであります。汗水垂らして一生懸命働いているのに、いつまでたっても低所得水準からの脱却ができない、すなわち「働く貧困層」が定着してきたのではないでしょうか。
 「ワーキングプア」が増加している背景には、特にここ10年の間に、構造改革、規制緩和のもとに、もうけることを最大の目的として、倫理的、社会的、人間的な営為を軽んずる生きざまをよしとする考え方、すなわち「市場原理主義」が企業経営の中へと大きくかじを切ったこと、そのことは、厳しい競争に直面している状況下では、人件費のかかる「正社員」を人件費の安価な「非正社員」に置きかえることによって、競争に勝つ一つの手だてとされてきたことが、経済的、社会的格差を拡大してきた要因の一つではないでしょうか。
 日本は、今や世界の先進国の中では格差の大きい部類の国の一つとなってきています。2005年の統計では、ジニ係数では、日本はアメリカ、ポルトガル、イタリアといった経済格差が特に大きい国々に続く位置にありますが、一方、貧困率では、アメリカが17.1%と先進諸国の中で一番悪く、次いで二番目に、日本が15.3%で悪い状況にあります。
 そこで、お伺いいたします。こういった状況をどのように認識されているのか、まずお伺いいたします。
 二つ目は、所得底上げ対策についてであります。時間当たり、フランスでは1,238円、イギリス1,190円、アメリカ860円、日本の東京、全国で最高と言われておりますけれども739円、秋田など全国最低では618円と最低賃金であり、いかに日本は低いか、連合などでは1,000円以上を要求いたしておりますが、中央最低賃金審議会において示されております。
 そこで、お伺いいたします。働く人全体の所得や生活水準を引き上げることを目的に、国では「成長力底上げ戦略」を策定したところですが、この戦略の一つの柱である「就労支援戦略」の京都府における拠点とも言うべき「京都ジョブパーク」については、本年4月の開設以来、予想をはるかに上回る利用者のニーズに即応するため体制強化を図られてきておりますが、今日までの状況についてお聞かせください。
 加えて、生活保護世帯より低い所得者の底上げについては、自治体としての取り組みは大変困難であると考えますが、本府として、どのように取り組まれているのかお聞かせください。また、本府独自で低所得底上げ政策として、企業への働きかけや実施企業に対して何らかの奨励ができればと思いますが、お考えをお聞かせください。
 それと、あらゆる部門で生じている格差の現実を踏まえて、どうすべきか、何をするのかという目標をはっきり定め、その達成のために、例えば若者を育成するキャリア教育の充実とか、非正規あるいはそれと変わらない低賃金しか保障できない企業に対して、経営のノウハウ等の支援をするということも具体的にできるのではないかと考えますが、お考えをお聞かせください。
 次に、介護労働者問題についてお伺いいたします。
 先日、ある福祉施設、特別養護老人ホームへ行ってまいりました。コムスン問題がありましたので、いろいろな問題について懇談いたしました。理事長は、「幾ら広告を出しても介護労働者が集まらない。その上に、近年離職者も多くて大変です。生身をお預かりしたり、訪問介護など心を込めて携わりたいと常々思ってきましたが、今は職員集めに四苦八苦ですわ」と開口一番のあいさつでありました。内容は、聞けば聞くほど深刻な状況でありました。
 そこで、よく調べてみますと、厚生労働省の調べですが、ホームヘルパー(女性)の平均年収は約260万円で、全労働者の平均給与である約434万円を大きく下回っています。また、本年7月に公表された財団法人介護労働安定センターの調査結果では、賃金は月収20万円未満が56.4%、訪問介護員の平均月収14万4,700円、非正社員の時給、訪問介護員、平均1,140円、介護職員869円であり、また「この介護報酬では十分な賃金が支払えない」が45.9%と報じております。賃金はもちろん大切な問題でありますが、根本的に労働条件の過酷さも見逃すことのできない要因の一つであります。また、2006年度の介護保険法改正も人材流出に拍車をかけているのではないかと感じます。
 理事長は、「我々への報酬は、保険料と税金による政府の介護保険で賄われていることは申すまでもありませんが、サービスの担い手の介護従事者への待遇を改善するには財源が必要になります」「一方、それなら外国人労働者の受け入れをと言われていますが、今の状況ではとてもとても。宿泊施設の建設からいろいろな労働条件を整えることは無理ですわ」と語られました。「大野さん、情熱や使命感、心と言ってもなかなか難しくなりました」とつけ加えられたことが、今も心に残っております。
 そこで、お伺いいたします。厚生労働省において「社会福祉事業に従事する者の確保を図るための措置に関する基本的な指針」を見直されましたが、京都府においても今後の介護職員の確保のための待遇改善に向けた取り組みが必要であると思いますが、介護職員の確保に向け、どのように取り組まれるのか、お考えをお聞かせください。
 介護従事者の待遇改善は、超高齢社会において福祉の充実にとって欠かすことのできない課題であります。知事を初めとして、私たちの課題として真摯に取り組まなければならないと考えるところであります。
 次に、モラル・ハラスメントについてお伺いいたします。
 暑中見舞いとともに、ある中堅企業の労働者の方から投書がありました。簡単に紹介しますと、「モラル・ハラスメントについて、この年(約50歳ぐらい)になるまで気づかなかった自分を情けなく思っている。多くの方が苦しめられている現実を見過ごすわけにはいかない。年に3万人以上の自殺者が出ているという。また、苦しんでいる人は想像以上だと思う。うつ病になり、自殺する人を少しでも減らせるように、ぜひとも法制化が必要です。協力を惜しみません。私自身もこの年になって『老害』のように言われるようになり、初めてモラル・ハラスメントという言葉を知りました。一人でも多くの人が精神的安らぎを覚え、笑顔で働き、過ごせる社会にしてほしい。利益優先で弱者を切り捨てていくことが、どれだけ大きな損失を招いていることか。『格差是正』を言っているあなたに訴えます」という内容でありました。
 新しい言葉でありましたので、私なりに勉強いたしました。モラル・ハラスメントとは一体何なのかと調べてみました。フランスの精神科医のマリー=フランス・イルゴイエンヌ氏の「モラル・ハラスメントが人も社会もダメにする」著書を高野優フランス語翻訳家の「訳」の本に出会うことができました。
 それによりますと、「モラル・ハラスメントとは、不当な行為、すなわち身ぶり、言葉、態度、行動などを繰り返し、あるいは計画的に行うことによって、ある人の尊厳を傷つけ、心身に損傷を与え、その人の雇用を危険にさらすことである」としています。すなわち、精神的な暴力、平たく言えばいじめのことです。モラル・ハラスメントを受けた人間は、精神的に大きな打撃を受け、まともな状態では働けなくなり、いや、もっと言いますと、その打撃がどれほど大きいか。うつ病、自殺、心身症等、職場におけるメンタルヘルスの問題は、このモラル・ハラスメントと大きくかかわっています。
 専門家の見解では、メンタルヘルスの不調になる原因は人によりさまざまであり、特定が難しいと言われております。また、これらの問題は、日本では労働法政策として真剣に取り上げていこうという動きは、政労使のいずれにも見られないと言われておりますが、私は一労働者からの投書でありますが、一つの問題提起をしてくれたと考えるのであります。
 内閣府の2007年度版「国民生活白書」では、正社員の67%強は5年前と比べて「仕事上の責任や負担が増した」と感じており、中堅層の30歳代では78%近くに上るとしています。社会経済生産性本部のメンタルヘルス研究所の昨年の調査では、61%強の企業がここ3年間に「心の病」が増加傾向にあるという。「心の病」が最も多い年齢層については、「30歳代」という回答が年々ふえて61%に達し、飛び抜けて多いとしています。理由は単純ではないものの、「人間尊重」の軽視につながっているのではないかと思います。
 また、濱口桂一郎教授(政策研究大学院大学教授)は、イルゴイエンヌ著作から、彼女の調査ではモラル・ハラスメントの件数は公的機関と私企業で50%ずつだという。公務員と民間労働者の比率から考えると、これは公的機関の方がモラル・ハラスメントが起こりやすいということを意味している。確かに日本でも、職場のいじめ・自殺のリーディングケースは地方自治体であったとしておりますが、このケースでは、自治体の安全配慮義務違反を認め、国家賠償法による賠償を命じた判決が出されたところであります。
 このモラル・ハラスメント(精神的ないじめ)は、一人一人の日常の事例を見ると、ささいなことのように思えて問題にされてこない。証拠となるものが希薄である。一つ一つをとってみると「取るに足らない」ことのように思えることが多い、「大の大人がこんな程度で特にとりたてるものではない」「精神的に弱い人間だ」など、このために精神的に遠慮しがちな人は訴えることもできないでいる。しかし、これが長期にわたると我慢の限界を超え、あるとき突然にぷつんと神経が切れてしまう。心の傷は何十年たっても「心的外傷後ストレス障害」「トラウマ」として残り、外科手術のように心の傷口は治癒することがないと言われております。
 一つの出来事として、去る10月15日、製薬会社勤務をしていた自殺した男性営業マンの連れ合いさんが、静岡労働基準監督署に労災認定するよう求めた訴訟での、東京地裁において自殺との因果関係について次のように認める判決が出されました。裁判長は、上司の暴言の事実を認定した上で、「上司から人格否定の言葉が発せられることの部下の心理的負担は、上司との通常のトラブルより重い」と評価。「上司の言動がうつ病発症と自殺の原因になった」としています。判決は、パワーハラスメント(地位を利用した嫌がらせ)によると原告側代理人としてコメントをされていました。まさに、モラル・ハラスメントであります。
 たまたま表面化した事件でありますが、日本の職場においては、上司、同僚による暴言や嫌がらせなど、いじめ行為が放置されていると思います。この判決は、改めて問題を提起されたと思います。
 そこで、お伺いいたします。本府において、このような問題はいかがですか。また、休職者の内容と理由について、どのように押さえられているのか。単に数だけなのか。理由によっては、何らかの手だてやケアが行われているのか、その内容についてお聞かせください。
 また、学校現場など、教育委員会においても問題がないのか、その現状についてお聞かせください。
 加えて、濱口教授は「公的機関のような非営利の組織におけるいじめは、純粋ないじめとしてとらえ、社会全体として問題意識を喚起していくことが必要であるのは言うまでもないが、公的機関は特にみずからの組織内部において、こういう事態が起こっていないかどうか、きめ細かくチェックし、真剣に取り組んでいく必要があると思われる。自殺者が出てからでは遅いのである」と言われております。まさに、多岐に及ぶ自治体行政の中で、さまざまな事象があると考えます。
 これらを裏づける調査結果が、去る9月6日、社会経済生産性本部の発表にありました。地方自治体の47.7%が、うつ病など「心の病」を抱える職員が増加傾向にあるとしています。職員3,000人以上では、実に78.6%、1,000人未満でも43.4%となっています。今後も心の病が増加すると考える自治体も42.1%に上っております。その原因は、働く環境の変化について「住民の行政を見る目が厳しくなっている」97.6%、「1人当たりの仕事量がかなりふえている」が94.6%を占めているとし、同本部は「職場のゆとりがなく、コミュニケーションが、いや、助け合いが減った自治体で心の病が増加している」と分析されています。
 私は、これらは表面的な現象ととらえられていないか。むしろ、この中に潜んでいるモラル・ハラスメントが起こっていないかと思うのであります。思い過ごしでしょうか。モラル・ハラスメントに対する知事のお考えと、その問題に対する対応について、どのようにお考えなのかお聞かせください。
 次に、温暖化対策についてお伺いいたします。
 地球の平均気温がこのまま上昇し続けると、今世紀末に動植物は深刻な絶滅の危険にさらされるというある新聞記事に出会いました。それによりますと、温暖化の進行では、夏の最低気温が摂氏27度以上の暑い夜が20世紀末に比べて3倍に増加、最高気温が35度以上の「猛暑」の日数も1.5倍になると、国立環境研究所の研究チームが予想をまとめたとしています。
 確かに、最近暑い日や熱波の発生が非常に増加したように感じるのは私だけではないと思います。記憶に新しいところでは、北大西洋のハリケーンに増加傾向が見られたように、特に2005年のアメリカ・ニューオリンズを中心に千数百人の犠牲を出した超大型ハリケーン「カトリーナ」であり、日本でも2004年には史上最多の10個の台風が襲来し、その中の台風18号は広島で60メートル以上の風速を観測するなど、大きな被害をもたらしました。2004年10月20日、府北部を襲った台風23号は、戦後二番目と言われる記録的な豪雨をもたらし、各地で大災害が起きました。最近では、ことしの7月14日、台風4号は超大型の台風で、風と豪雨被害をもたらし、その後7月末において、鹿児島県では「猛暑日」が1週間以上続いたり、また晴れの日であっても局地的に1時間に30から70ミリといった集中豪雨に見舞われるという、思いも寄らない被害を受けることが多くなってきました。
 このような状況下で、世界の研究者が結集した「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の報告では、2100年までの世界の姿を描いた未来図では、今世紀末の平均気温は20世紀末に比べて最大6.4度上昇するとしています。
 そして、近未来と言える2030年代では、平均気温が0.5から1.5度上昇、夏は「暑い夜」がふえ、冬の「寒い昼」が減少、サンゴの死滅による白化が増加、洪水と暴風雨による損害拡大、数億人が水不足に直面するとしています。2050年代では、平均気温が1ないし3度上昇、感染症の媒介生物の分布が変化、熱波や干ばつによる死亡率の増加、最大30%の種で絶滅リスクが拡大。2080年代では、平均気温が1ないし5度上昇、地球規模での生物の絶滅、世界の沿岸湿地の約30%が消失、穀物生産高が低下、グリーンランドや南極などの氷が解けて世界の海面が最大50センチ上昇し、米国や東南アジア、オーストラリアの沿岸は洪水や暴風雨に見舞われる、日本も東京や大阪の都市が水没し、数百万人の住宅が失われるとしています。
 このように、コンピューターシミュレーションによってショッキングな地球の未来の姿が描き出されていました。言い過ぎかもしれませんが、8月には101地点で過去最高の猛暑を記録したと言われ、また8月16日、岐阜の多治見市、埼玉県の熊谷市では40.9度と74年ぶりの最高気温を更新するという猛暑を経験いたしました。急速に進んできているのかと危機感すら覚えました。
 そこで、お伺いいたします。1997年、京都で「気候変動枠組条約第3回締約国会議」において「京都議定書」が採択されてから10年になろうとしています。これまで温暖化対策について、2005年2月16日京都議定書が発効いたし、先進国に対して2008年から12年の間に温室効果ガスを1990年比で一定数値を削減することを義務づけました。日本は6%です。本府として、どのように取り組まれてきたのか、お聞かせください。
 二つ目は、京都府として「京と地球(アース)の共生計画・地球温暖化対策推進版」や、その内容を見直し、新たに策定した「京都府地球温暖化対策推進計画」により、高い削減目標を掲げておりますが、どのように取り組まれてこられたのか、その成果や課題の検証と評価についてお聞かせください。
 三つに、府民一人一人が日常生活の中でライフスタイルの変革に取り組むことが不可欠であると考えますが、精神的努力目標でなく、具体的に何をどうするのか、知事を先頭にどのように取り組みを拡大されるのか、お聞かせください。
 最後に、シルバー人材センターの活動についてお伺いいたします。
 シルバー人材センター事業は、端的に言えば「定年退職後などの高齢者に対して、地域に密着した仕事を提供することによって、高年齢者の生きがいの充実や高年齢者の社会参加の促進を図るとともに、年金の支給開始年齢引き上げなどの社会制度改革に円滑に対応することを目的として実施している」と、厚生労働省職業安定局では位置づけられております。
 しかしながら、ほとんどのセンターにおいて、かなりの部分において運営が大変苦しい状況にあると推察するところであります。2007年以降、団塊の世代が引退過程に入るなど、高齢社会が一層進む中で、シルバー人材センター事業の果たす役割はますます重要となってきていることは申すまでもありません。
 そこで、お伺いいたしますが、都道府県シルバー人材センター事業推進連絡会議が設置されたと仄聞いたしておりますが、その目的、役割などについてお聞かせください。
 二つ目は、昭和55年度に国の高年齢者労働能力活用事業として開始されて以来、京都府においては京都府高年齢者労働能力活用事業費補助金交付要綱を制定されて、今日まで助成を続けてこられましたが、厳しい財政状況から、シルバー人材センターへの補助について見直しがなされているところでありますが、その内容と今後の取り組みについてお聞かせください。
 三つ目は、我が民主党会派といたしまして2008年度の予算要望をいたしておりますが、京都府の月1回の広報紙「府民だより」の配布についてであります。
 ただいまは、京都市域を除いて新聞折り込みがなされております。ところで、1軒3種類の新聞をとっていれば3部入ることになり、大きな無駄と費用負担につながっています。また、新聞をとっていない家庭には「届かない」という府民の知る権利が閉ざされていることになっております。
 そこで、提案でありますが、シルバー人材センターに配布委託してはと考えます。これは、各市町村単位で印刷所から直接シルバー人材センターに発送すれば問題がないと考えます。補助削減のみを進めるのではなく、本府の事業の一つとして考えていただければと思います。試験的に受け入れ可能なシルバー人材センターにおいて実施されるのも意義があると考えますし、高齢者の雇用対策の強化と地域力再生の一つの方法に結びつくと思います。知事の大英断を望むものでありますが、知事の御決意をお聞かせください。
 与えられました時間になりました。再質問が不可能でありますので、実りある答弁をお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
 御清聴まことにありがとうございました。(拍手)

 

副議長(北岡千はる君)
 山田知事。

   〔知事山田啓二君登壇〕

 

知事(山田啓二君)
 大野議員の御質問にお答えいたします。
 まず、我が国の現状に対する認識についてでありますけれども、バブル経済の崩壊後、グローバル化による国際的な経済競争が激化する一方で、国内においても少子・高齢化など社会的な変化が生じており、日本自体が、また企業が、今の日本の繁栄を維持するために過酷な生き残りを図る中で、さまざまな課題が発生していると思います。
 私は、日本の活力を維持するためには、民間の活力や地域の活力を最大限にしていかなければならないという方向性はよく理解をしているつもりであります。しかしながら、例えば地域の力を最大限にするということが東京一極集中という形になってあらわれてくるとするならば、それは、かえってそれ以外の地方の活力の低下を招いたり、限界集落を初めとする高齢化や過疎化の著しい農山村で地域コミュニティの希薄化や地域文化の衰退といった地域力の低下を招いたということでは、かえって地域の活力が損なわれるのではないかなというふうに思います。もう一つは、御指摘のような雇用の問題として、非正規雇用が平成18年で約3割を占め、特に若年層のフリーターやニートなどが増加するとともに、障害者や高齢者など社会的に弱い立場の人の雇用も厳しくなっており、これらの人々の多くが将来に希望が持ちにくい状況が生まれてきております。非正規雇用によってコストを下げるということは、短期的に見て企業にはいいかもしれませんが、これはやっぱり長期的に見れば、その企業の活力をそぎ、民間活力をそぐことではないかという点を非常に憂いているところであります。そして、こうした地域の活力と民間活力のバランスの崩れが重なることによって、さらに日本全体のバランスが崩れていくことを憂慮するものであります。
 こうした問題につきましては、やはり国家的な見地からの対策が必要なことは言うまでもありませんけれども、京都府といたしましても、地域間格差解消のために真の地方分権改革に全力で取り組みますとともに、今年度からは、地域の力を最大限に発揮し、人と人とがつながった温かい地域社会をつくるために、地域力の再生を重点的に進めております。
 また、雇用格差の解消につきましては、雇用創出活力会議のもと、行政も、働く人も、経営者も一体となって、まさに京都の力を生かして取り組みを推進しているところでありまして、企業に対する啓発や京都ジョブパークの開設による幅広い就業支援、ニーズに応じた職業訓練の充実等の人材育成など、問題解決に対し積極的に取り組んでいるところであります。
 次に、京都ジョブパークについてでありますけれども、景気は回復傾向にありますものの、いわゆる就職氷河期に就職できなかったり、正社員になれなかった年長フリーターや非正規雇用の割合が高い若年者を中心に女性や高齢者の正規雇用の促進を図るための総合就業支援拠点として、本年4月に開設いたしました。オープン以来、本当に多くの府民の方々に御利用いただいており、1日平均約150名の来所がありまして、昨年に比べて約2倍となるなど、当初の想定を大きく上回る状況が続いておりまして、改めて期待の大きさを感じております。
 このため、さきの6月補正でジョブパークの体制強化を図り、これまでに延べ約3万人に近い方が来所されました。その結果、既にオープン半年ちょっとで2,000人を超える方を正規雇用等に結びつけたところでありまして、今後とも、ジョブパークならではの一人一人の状況を踏まえましたオーダーメードの支援を、より幅広い府民の方々の働きたいという思いにしっかりとこたえてまいりたいというふうに思っております。
 所得格差の解消を初めとする雇用問題につきましては、社会、時代のさまざまな問題を内在しているだけに、国はもとより京都府においても関係者が幅広く連携して取り組む必要があると考えております。
 このため、全国に先駆け、先ほど申しましたように、労働団体や経営者団体と共同して「京都府雇用創出活力会議」を設置したところでありまして、この会議におきまして、京都ジョブパークの設立を初めとした就業機会の確保のほかにも、最近では仕事と子育ての両立支援の問題についても、三者連名で企業に対して働きかけを行うなど、オール京都での取り組みを推進しているところであります。
 さらに、企業誘致に当たりましても、より正規雇用を促進するため企業立地促進条例を改正いたしますとともに、フリーター等を正規雇用につなげるトライアル雇用の奨励金などの奨励制度についても活用が図られるよう支援をしていきたいと考えております。
 また、議員御指摘のキャリア教育につきましては、丹後の人材育成拠点ですとか職業訓練校の抜本的な改革を通じて一層の充実を図りたいと考えておりますし、さらに、企業に対する経営ノウハウに係る新たな支援方策についても検討を進めることとしております。
 国におきましても、所得格差の解消に向け、最低賃金法等の改正が行われたところでありますけれども、京都府といたしましても、労働法制の周知・啓発に努めますとともに、さらなる労働環境の改善や指導・監督の一層の強化を今後とも積極的に国に働きかけてまいりたいと考えております。
 次に、介護労働者問題についてでありますけれども、福祉は人と人との関係で成り立つサービスであり、質の高い熱意を持った人材の確保が不可欠であります。しかしながら、全国的に介護・福祉職場は、給与水準も他産業に比べて低い中、求人に対する求職が少なく、離職率が高いという厳しい状況にあります。
 これは、国の定める介護サービス等の報酬水準が、安定したサービス提供のための職員の給与水準や職員配置を確保するには低過ぎることがやはり大きな問題でありまして、こうしたことが人材不足を招き、それがさらに過酷な労働を招き、さらに人材不足を招くという、私は今、悪循環に陥っているのではないかなということを危惧しております。
 先ごろ国は、福祉人材確保指針を見直しましたけれども、肝心の財源的な裏打ちがなければ、この指針は機能しません。このため、指針の具体化に向け、国が責任を持って人材確保に必要な財源措置や条件整備を行いますよう、近畿ブロック知事会で共同提言をいたしますとともに、京都府でも単独要望を行ってきたところであります。
 福祉施設経営者からも懇談の場において、人材確保が大変厳しい状況にあり、府とともに知恵を絞って人材確保の方策を考えていきたいとの切実な声が寄せられておりまして、京都府といたしましても、今後、「現場のニーズを反映した人材養成」「介護・福祉職場の魅力をアピールするための方策」など、福祉施設関係者等と協働して人材確保対策の取り組みや検討を進めますとともに、さらに国に対しても強く要請をしてまいりたいと考えております。
 次に、モラル・ハラスメントについてでありますけれども、まず、メンタルヘルス系疾患の総患者数は、厚生労働省の調査によれば、この6年間で倍増しておりまして、これは全国の都道府県や京都府の職員についても大体同様の傾向が出ております。社会全体の問題としてとらえれば、プライバシーの重視、核家族化の進展など、個々の人の孤立感が深まることが私はさらにこうした傾向を助長しているのではないかなということも危惧しております。
 京都府におけるモラル・ハラスメントの状況につきましては、過去、これに起因する公務災害申請が2件ございましたけれども、いずれも公務外とは認定されております。しかし問題は、やはり訴えた人はそれをモラル・ハラスメントだと思っていたということを私は重大に受けとめなければならないというふうに考えておりますし、平成18年度中にメンタルヘルスの不調により25名の職員が休職しておりますけれども、その原因は、一部を除きまして主治医でもなかなか特定が難しいという実態になっているのも、私はやっぱり深刻に受けとめる必要があるというふうに考えております。
 それだけに、職場の状態を含め、きめ細かな対策を講じる必要があるため、本年4月に策定した職場復帰支援プログラムに基づき、休務中から個々の状況に応じて産業医、メンタルヘルス・アドバイザー等が助言・指導を行い、円滑な職場復帰のための支援を実施しているところでありますし、さらに職場全体で相互理解を推進するためにオフサイトミーティングを実施し、何でも話せる職場づくりの取り組みを進めますとともに、管理職や係長を対象に、モラル・ハラスメントを生まない職場環境づくりや、相手の立場や人格を考慮したコミュニケーションのとり方の研修を実施しているところであります。
 また、職員からの相談対応につきましては、府庁内において専門医による相談事業を実施しているほか、外部における24時間電話相談事業等、多様な窓口を設置しているところでございます。この問題は、被害者と加害者の意識のずれも大きい場合もありますだけに、いじめ等の行為は人間の尊厳を傷つける人権にかかわる問題として再確認をいたしますとともに、明るい職場環境の形成のため、お互いに見守り、注意し合う、意思疎通を十分に図ることのできる組織づくりをこれからも進めてまいりたいと考えております。
 次に、地球温暖化対策についてでありますが、ことしの夏は記録破りの暑さになりまして、紅葉もまだ見れるというような遅い状況が何となく肌身に違和感として伝わってくるような気がしております。そして、ことしも世界各地で干ばつやサイクロンによる被害が起きておりまして、本当に地球温暖化の危機はもう目前のことになっていて、引き返すことのできないノーリターンポイントが近づいているのではないかなという危惧を覚えるところであります。
 京都府におきましては、京都議定書誕生の地として、全国に先駆けまして地球温暖化対策条例を制定し、10%の温室効果ガス削減目標を掲げまして、大規模事業者に対する排出削減計画書の提出の義務づけと公表、そして省エネ製品やエコカー等を勧めるマイスターの養成、温暖化防止活動推進センターを中心とした家庭や地域での温暖化教室の開催など、13分野に及ぶ総合的な対策を実施してまいりました。
 府内の温室効果ガスの総排出量は、2004年度におきましては関西電力の美浜原子力発電所の運転停止の影響が大変大きくて、1990年度に比べまして2.8%の増加になってしまいましたけれども、この運転停止という突発的な事故がなければ7.3%の減少ということが推定されておりますので、美浜原子力発電所が本年1月から稼働再開しましたので、今後は減少していくものというふうに推測をしております。
 部門別では、産業部門では25.1%の削減が進んでおりますけれども、家庭部門では、逆に16.4%、そして民生・業務部門、つまりオフィスの方では43.2%の増加となっておりまして、特にこうした部門での対策の強化が必要でありますだけに、議員御指摘のとおり、府民運動として一人一人が何ができるかということを考えて行動することが重要であります。
 このため、府庁におきまして、まずCO220%削減運動に率先垂範して取り組みますとともに、従来から取り組んでまいりました、小まめに電気を消すとか、暖房温度を20度以下に設定するといった省エネ運動を一層徹底して取り組んでまいりたいと考えております。同時に、太陽光など自然エネルギーや省エネ家電製品の導入促進が重要でありまして、こうした一人一人の取り組み、具体的な取り組みを総合的に支援し促すようなシステムを検討して、国に対しても今提案しているところでありまして、これからそうした取り組みをしっかりと進めてまいりたいと考えております。
 来年からは、京都議定書の第一約束期間が始まりまして、温暖化対策は本当に待ったなしだと思います。京都議定書誕生の地としまして、ここ京都から持続可能な社会を目指した行動の輪が広げられるよう、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、シルバー人材センターについてでありますけれども、昭和55年に制度が発足して以来、各市町村に順次設置され、現在では京都府内で20カ所、約1万4,000人が会員として登録されております。そして、会員の皆さんが長年培ってきた経験を生かされて地域社会の活性化に貢献されるなど、非常に重要な役割を果たしてきていただいていると考えております。しかしながら、その活動の原動力となります会員数は、高齢化時代で高齢者がふえているにもかかわらず減少傾向にあるのが現実であります。制度が発足した当初には想定されていなかったNPOを初めとしますさまざまな事業主体があらわれる中で、シルバー人材センターのあり方も今問われているのではないかなというふうに感じております。
 このため、京都労働局を中心に、京都府シルバー人材センター連合会、京都府で構成します「シルバー人材センター事業推進連絡会議」を設置いたしまして、本年8月には、会員の拡大や事業評価制度の導入などを目的とした「京都府シルバー人材センター事業活性化計画」を策定し、魅力あるシルバー人材センターとして活動ができるよう助言を行うこととしているところであります。
 京都府におきましても、これまでから経営基盤の強化に向けて支援を行ってきたところでありますけれども、こうした減少傾向も踏まえながら、一層自立・効率化に向けた会員や就業日数の拡大を目的とする事業への補助制度の見直しを図ってまいりました。また、私はやはりシルバー人材センターの活動も大きな地域力の一環であると思っておりますので、こうした見直し後におきましても支援自身は全国トップクラスの水準を保っておりますけれども、団体的・補助的なものから地域力再生プロジェクトのような活動に対する助成も織りまぜていく中で、シルバー人材センターがしっかりと役割を果たせるように国や市町村とも一緒になって応援してまいりたいというふうに考えております。
 次に、府民だよりの配布委託についてでありますけれども、府民だよりは府民の皆様に府の政策をお伝えする上で中心的なものの一つでありまして、すべての府民の皆様に、効率的で確実にお届けしたいというふうに考えております。従前は新聞折り込みが一番確実だったのですが、最近、特に都市部で顕著なのですが、新聞をとらない方もふえてきておりますので、京都市域につきましては、平成18年度において折り込みから配布業者が直接各戸へお届けする方法に変更しております。京都市以外の地域につきましては、今は新聞折り込みを継続しておりますけれども、各戸配布について適切な配布業者がいないかなどの調査・検討を続けているところであります。
 議員御指摘のとおり、シルバー人材センターは高齢者の能力を生かしながら地域の活性化にも貢献するものでありますので、今後、コストの面も考慮しながら、確実で効率的な配布方法について、シルバー人材センターの活用も含めて検討してまいりたいというふうに考えております。

 

副議長(北岡千はる君)
 田原教育長。

   〔教育長田原博明君登壇〕

 

教育長(田原博明君)
 大野議員の御質問にお答えいたします。
 学校現場等におけるモラル・ハラスメントについてでありますが、子どもたちの教育を預かる学校現場において、指導者である教職員の間で、そうした上司・同僚という立場からの精神的ないじめが起こるようなことはあってはならないことであります。しかしながら、御指摘のとおり、モラル・ハラスメントの概念は新しく、その原因も見逃されやすいことなどから、昨年度、メンタルヘルスの不調で休職している34名の教職員について、モラル・ハラスメントが原因であったかどうかは、先ほど知事からもありましたが、専門の医師でも判断がなかなか難しいというのが実情であります。
 こうした休職者に対するケアにつきましては、一人一人の状況に合わせ、丁寧に対応しているところでありますが、予防や早期の対応、さらには復帰支援等をより一層きめ細かに行うため、先日、「教職員の心の健康問題に関わる対応と職場復帰支援の手引き」を作成し、各学校に周知をしたところでございます。その中では、校長が日ごろから明るい職場環境をつくり、教職員が何でも話し合える関係を築くための注意点や、校長自身が心の健康を保つポイントを具体的に示すなど、学校現場におけるモラル・ハラスメントの予防に生かせる内容を盛り込んだところであります。
 今後は、御指摘のような視点も踏まえた管理職等の研修の実施や相談体制の充実を図るとともに、子どもたちのいじめの問題に取り組む学校現場であればこそ、モラル・ハラスメントは人権にかかわる重大な問題であるという共通認識を持って、教職員同士がどんなささいなことでも決して見逃すことなく、お互いに注意し合える環境づくりを図ってまいりたいと存じます。