議会ニュース

2007年12月 6日|平成19年12月定例会代表質問 北尾 茂

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1 財政問題について
2 人材育成について
3 環境問題について
4 地元問題について
5 自主防犯活動支援について
6 学校の経営力向上について
7 その他

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議長(家元丈夫君)
 日程に入ります。日程第1、一般質問を行います。
 通告により順次発言を許します。
 まず、北尾茂君に発言を許します。北尾茂君。

   〔北尾茂君登壇〕(拍手)

 

北尾茂君
 民主党府議会議員団の北尾茂でございます。私は会派を代表いたしまして、さきに通告いたしております数点につきまして、山田知事並びに関係理事者に質問をさせていただきます。
 質問に入ります前に、議長のお許しをいただき、このたび京都府監査委員により実施されました政務調査費に係る監査の結果につきまして、一言申し述べさせていただきます。
 我が議員団におきましては、かねてより政務調査費について適法・適正な執行に留意してきたところでありますが、このたびの監査結果を踏まえ、監査委員から指摘されました事柄につきましては、真摯に受けとめ、前向きに対応してまいりたいと考えております。また、これを機に、その透明性の向上を初め、より一層議会改革に取り組んでまいる所存であります。
 それでは、質問に入ります。
 山田知事におかれましては、府民サービスを守り、またその向上を目指し、平成17年3月に「京都府経営改革プラン」を策定され、以来今日まで、徹底した内部改革に取り組まれてまいりました。今年度の当初予算におきましても、「集中と選択」による200件を超える施策の見直しを初め、170人もの職員削減による人件費の抑制など、施策や組織の見直しで費用を捻出し、真に必要なところにお金をかける、まさに、「今」の府民生活を守るだけでなく、「将来」を見据えた取り組みをいただいているところであり、その行財政運営を評価するところであります。

   〔議長退席、副議長着席〕

 さて、季節は師走に入り、あと一月足らずで新しい年を迎えようとしております。新たな年に期待を膨らませる一方、残された数少ない日々ではありますが、やるべき課題を一つ一つ解決していかなければなりません。特に、ことしは、私たち京都府議会にとっては節目の年でもあり、4月の統一自治体議員選挙を受け、新たな4年のスタートを切ったところであります。
 私たち民主党京都府総支部連合会は、この4月の選挙において、2011年に民主党が目指す京都の形として、民主党京都マニフェスト・京都スタイルを掲げ、選挙を戦ってまいりました。このマニフェストで、私たちは、「より民主的で自立した社会を」「より生活者本位の社会を」「持続可能で、より環境に配慮した社会を」「より包容力のある社会を」「より格差の小さい社会を」、そんな京都を形づくっていきたいとの夢を掲げ、京都に暮らす皆さんとかたい約束を交わし、それを実現していくための取り組みを進めていく決意のもと、日々活動しているところであります。
 このマニフェストとして約束したことを実現するために、また、具体的な施策として実行していくための取り組みの一つとして、我が議員団は、去る11月2日、平成20年度京都府の予算編成に対して254項目に及ぶ要望事項を取りまとめ、山田知事に提出したところであります。
 その中で、特にマニフェストで掲げた重点項目、将来にわたってきらめきある京都、生きがいと安心あふれる京都の未来を開くために欠かすことのできない重要・緊急課題等として、「子どもが安全に過ごせる地域づくり」「子育てニーズに即した多様な教育・保育機会の確保」「住宅等の災害予防及び再建支援」「自然エネルギーを軸とした地域自律のまちづくり」など、24項目を重点要求項目として要望したところであります。また、京都府の中期ビジョンに基づく施策の展開を図るための事項も含め、いずれも府民の生活を守るための重要諸課題について、厳しい財政状況の中ではありますが、その実現に向け積極的に対応され、適切な対策が講じられることを強く要望するものであります。
 折しも、本府においては、来年度の予算編成作業が続けられているところであり、国の予算編成作業も年末の財務省内示に向け大詰めを迎えつつあります。予算編成に当たって、国を初め多くの府県ではシーリング方式を採用し、予算の縮減に努めているとの報道がされておりますが、これは肥大化する行政需要にこたえるための財源を確保することが非常に困難であることがその背景にあることは論をまたないものであります。
 実際、本府におきましても、府税は増収傾向にあるものの、国の地方財政抑制方針のもと、地方交付税の削減が続き、一般財源総額はふえておりません。一方で、医療、介護の社会保障関係経費や、団塊の世代の大量退職に伴う退職手当など、義務的経費の増加が見込まれ、また、依然として厳しい状況にある中小企業や和装・伝統産業、高齢者やニート、フリーター等への課題の対応など、苦心の財政運営をされているのが実情であります。府民サービスをしっかりと守っていくためには、さらに徹底した行財政改革に努めていくことはもちろんでありますが、限られた財源を有効に活用し、教育、医療、福祉、産業、環境などの複雑・多様化するさまざまな府民ニーズに迅速かつ積極的に対処し、府民サービスの維持・向上に努めていくことも、また必要となってまいります。
 そこで、お尋ねいたしますが、経営の基本は歳入に見合った歳出を組むことであり、そのことが持続可能な健全経営へつながると考えます。府税収入を初めとする一般財源総額の増加が見込めない中、限られた財源の効果的・効率的な活用を図り、中期ビジョンを初めとする施策の実現を図るために、どのような工夫をされ来年度予算を編成されようとしているのか、御所見をお伺いいたします。
 また、現在問題となっている地域の疲弊、地方財政の回復を図っていくためには、各地方公共団体が継続して行財政改革を取り組んでいくのはもちろん、都市と地方の地域間格差の是正、地方が住民に必要な行政サービスを行うための地方税と地方交付税を含めた必要な税財源の確保を行う必要があります。今後、高齢化等に伴う社会保障経費等の増加が予想される中、住民一人一人が主役の「地方分権型社会」をつくり、住民に必要なサービスを提供していくには、住民に最も身近な地方の財政基盤を強化しなければなりません。
 現在、国と地方において第二期地方分権改革が進められ、山田知事におかれましては、京都府知事としてのお立場だけでなく、地方分権推進特別委員長としてこの問題に取り組まれておられますが、都市と地方の地域間格差の是正、各地方公共団体が必要な行政サービスを行うための税財源の確保について、今後、どのように国に働きかけ、取り組んでいかれますか。知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、本府職員の人材育成に関しまして、数点お尋ねいたします。
 今も申し上げましたが、本府の財政運営は非常に厳しいかじ取りが強いられているところであります。さきの決算特別委員会でも明らかになりましたが、平成18年度決算を見てみますと、財政力指数は0.54と、全国平均の0.46より高い水準を維持しておりますが、経常収支比率が96.5と、全国平均の93.5を上回る状況にあるなど、財政構造の弾力性が失われつつあると言わざるを得ません。
 このような中、本府においては、「京都府経営改革プラン」のもと、施策の見直しや職員削減による人件費の抑制など、経営改革に果敢に取り組まれております。しかしながら、単に経営改革と申しましても、その結果、人材の大幅な減少が行政運営に支障を与えないか、いささか心配しているところでもあります。例えば、給与費プログラムでは、18年度からの5年間で警察官や教員を除く職員数の17%を削減することとされているのに加え、今年度からは、いわゆる団塊の世代の大量退職が始まるなど、行政サービスの基本となります人材の大幅な減少に危惧を抱くものであります。
 今後とも、厳しい財政運営が続く中、人件費総額を抑制していかざるを得ないことは理解いたしますが、人員を削減しながらも行政サービスの水準を維持・向上させていくためには、戦略的・効果的な人員配置や人材育成を積極的に推進するなど、量的な損失を質でカバーしていくような人事政策が今後ますます重要になってくるのは明白であります。俗に「人は城、人は石垣」と言われますように、民間企業では、そこに働く従業員の意識一つで業績が左右されると言っても過言ではありませんし、本府におきましても、職員の質の向上を図ることが府民生活の安定・向上に直結するものであります。本府の19年度当初予算におきましても、人件費が3,156億円と予算総額の約4割を占めており、府民サービスの向上という観点はもとより、限られた財源を最大限有効に活用するという観点からも、職員がその持てる力をフルに発揮させることが府政推進の第一の原動力になるのであります。
 そこで、お伺いいたします。
 ただいま申し上げましたような観点も踏まえ、今日の府民生活の安心・安全を守るとともに、将来にわたり、住んでよかったと言われるような魅力ある京都府づくりを進めていくため、本府職員の人材育成にどのように取り組んでいかれるおつもりなのか、山田知事の基本的なお考えをお伺いいたします。
 また、人事政策の推進に関し、先日、本府のホームページ「おこしやす京都」を見ておりますと、本年度の知事直轄組織の運営目標に人材育成のためのさまざまな取り組みが掲載されておりました。中でも、「人材活用プログラムの推進」として、新人材育成指針(仮称)の作成、新たな人事評価制度の導入、即戦力としての民間役職経験者の採用といった取り組みのほか、職員の能力開発を支援する取り組みとして、庁内ベンチャー事業の推進、大学等との協働研究、さらには研修・研究支援のあり方の見直しなど、私の考えと方向を一にするさまざまな取り組みが掲げられております。
 そこで、これらの取り組みにつきまして、その実施状況及び府政推進に当たって期待される効果等につきまして、知事の御所見をお聞かせください。
 次に、環境問題についてお尋ねいたします。
 山紫水明の風土と長い歴史を持ち、そして、我が国の芸術や文化の中心であり、いつの時代においても多くの人々を魅了してきた京都は、現在でも国の内外を問わず数多くの方々を引きつけています。近年も、京都の観光地等を紹介する雑誌やテレビ番組などが多く見受けられますし、新たなホテルの開設など、観光客の受け皿もさらに整備されてきており、まさに国際観光都市・京都の面目躍如であると言えます。統計的にも、平成18年には約7,200万人もの観光客が訪れ、外国からの宿泊者数も約82万人に上り、世界的にも観光地としての「京都」は広く知られており、この多く来られる観光客の方々に「京都」のメッセージを発信できる状況にあります。
 京都は観光だけではなく、環境にも深いかかわりがあり、京都の人々は古くから、その営みの中に自然を無理なく取り込み、歴史や文化に深くかかわりながら、生活に欠かすことのできない身近な存在として自然と調和してまいりました。また、平成9年12月には、京都において地球温暖化防止京都会議(COP3)が開催され、先進国の温室効果ガスの排出量に関する法的拘束力のある数値目標を盛り込んだ「京都議定書」が採択され、平成17年2月に発効したところであり、地球温暖化において「京都」は世界的な知名度を誇っています。
 知事が、昨年11月にイタリア・トスカーナ州と「経済・環境交流提携等の協定」を調印されるに際し、同州の温室効果ガスの観測システムが「京都観測所」と名づけられているのを知られ、環境面で「京都」が持つ責任の重さを感じられたとお聞きしております。こうした中で、京都府では、京都議定書誕生の地として、「地球温暖化対策条例」を制定し、平成22年度までに平成2年度比で温室効果ガスを10%削減する数値目標を都道府県では全国で初めて設定しました。ことしは、地球温暖化防止京都会議(COP3)が開催されて10周年となる記念すべき年です。京都府では、これを機に、シンポジウムやフェスティバルといった記念イベントを企画・実施されていますが、こうした取り組みが府民の環境意識の高揚や温暖化防止に対するメッセージの発信につながるよう期待しております。
 そこで、知事にお伺いいたします。
 とりわけ、連日マスコミ等で報道され、国民的関心事となっている地球温暖化問題について、この京都から、府民だけでなく観光に来られた方々を含め、国内外に積極的にメッセージを発信して、「環境先進地京都」の存在感をさらに高めていく必要があると考えますが、知事の忌憚のない思いをお聞かせいただきたいと思います。
 次に、地元問題でございますが、城陽市の山砂利採取跡地の問題についてお伺いいたします。
 城陽市の山砂利採取跡地に「再生土」と称する産業廃棄物が搬入された問題については、京都府及び城陽市において「再生土問題に関する検証委員会」を設置され、京都府、城陽市のほか、環境法学や行政法、水質、土壌などの専門家の参画のもと、これまでの行政としての対応等について検証が行われてまいりました。この検証委員会は、終始公開のもとで運営され、市民が率直にその意見を表明する機会が設けられ、また、府民や市民の皆さんの理解が進むよう、専門的内容に及ぶ事項も、よりわかりやすい説明や幅広い経験の中から例示を交えて進められました。水野委員長様を初め各委員や関係者の皆様に心から感謝を申し上げます。
 こうした検証が今まさに進められているさなかの去る11月20日並びに29日に、山砂利採取跡地に木くずやコンクリート片などの産業廃棄物を不法投棄した疑いで、山砂利採取事業所のアルバイト従業員を含む5名の容疑者が逮捕されたという事件が報じられました。山砂利採取地内における産業廃棄物の不法投棄案件としては、約1年前の平成18年9月にも、産業廃棄物不法投棄にかかわる現行犯逮捕の事案が発生しているところであります。
 違法な産業廃棄物等の搬入を阻止するため、これまで、城陽山砂利採取地整備公社を中心として、監視体制の強化や、城陽市の「砂利採取及び土砂等の採取又は土地の埋立て等に関する条例」の改正に向けた取り組みも進められているところであり、今回の不法投棄事案について毅然とした対処がとられることを、府民、市民は強い関心を持って見守っているところであります。
 ここで問題とすべきは、後を絶たない環境犯罪としての深刻さもさることながら、山砂利採取事業等にかかわる府民と京都府、城陽市などの行政、そして山砂利採取事業者間における信頼関係の崩壊が危惧されるということであります。現在、警察における捜査が進められているところであり、事件の事実関係を明らかにされて、問題点の抽出と対応策の具体化が図られるものと考えておりますが、二度とこのようなことが起こらないよう、関係事業者が産業廃棄物を搬入しないという強い意志を明らかにすることにより信頼関係の回復に努めるべきであるとともに、城陽山砂利採取地整備公社による検査、受け入れ、監視体制の一層の充実を図るなど、実効性のある対策の確立に取り組む必要があると考えます。
 そこで、今回の事案に対する京都府としての対応方針及び今後産業廃棄物を搬入させない方策について、知事の御所見をお伺いいたします。

 

副議長(北岡千はる君)
 山田知事。

   〔知事山田啓二君登壇〕

 

知事(山田啓二君)
 北尾議員の御質問にお答えいたします。
 北尾議員におかれましては、ただいまは会派を代表されまして、私の行政運営に対しまして高い評価をいただき、厚くお礼を申し上げます。
 まず、来年度の予算編成についてでありますが、議員御指摘のように、歳入に見合った歳出を組むことが基本ですけれども、正直言いまして、歳入に見合った歳出では、多分、この間の大幅な交付税の削減によりまして、府民サービスの確保というのは非常に難しいのではないかなというところまで追い詰められているというふうに思っております。
 その上、後期高齢者医療制度の導入、介護保険の負担金等の社会保障関係経費が、来年度予算におきましても大きく増加することが見込まれております一方、今回の政府の交付税の確保策というのが今出てきておりますけれども、多分、基本的には市町村を中心とした配分になっていくのではないかなというふうに思っておりますので、そういった面からしますと、一般的な財源というのは増加は見込めないのではないかなというふうに思っております。それだけに、府民福祉の維持・向上という京都府の目的を達成するためには、積極的な経営改革に努めるしか打つ手が今のところはないのではないかなというのが、正直な私の思いであります。
 このため、来年度の予算につきましても、義務的経費を除き、既存事業につきましてはゼロベースから積み上げていく。その中で、定例的な業務そのもののあり方を見直す。外郭団体の赤字補てんのあり方も見直していく。また、利子負担の軽減等府民生活に直接影響の出にくいこうした分野を中心に、できる限り歳出の見直しを行うべく、今、編成に努めているところであります。
 また、使用料・手数料につきましても、一般の府民の方に影響が出ない範囲で見直しを行いますとともに、税収確保対策、広告収入の確保等、歳入確保につきましてもより一層努めるなど財源確保に努めて、その中で、地域力再生など中期ビジョンの実現への重点投資ができるように、何とか工夫をしていきたいなというふうに思っております。
 そして、地方税財源のあり方でありますけれども、現在の地方財政の疲弊、また地域の疲弊を招いたやっぱり一番大きな原因の一つは、この間、異例と言ってもいいような地方交付税の大幅な削減だというふうに思います。2兆9,000億円を1年間に突然削減するような荒っぽいやり方というのは、私は今もとても納得のいくようなものではないと思っておりまして、こうした基本的な問題に対する考え方がなくて、これからの分権に対する財政基盤の確立というのはあり得ないのではないかなというふうに思っております。
 国の方では、財政の苦しさを地方にしわ寄せするのではなくて、国と地方を通じた簡素な行政組織をつくって、国・地方全体を通じてプライマリーバランスを見て、その中で財政の健全化を図るべきでありまして、国の方がプライマリーバランスが悪い、地方の方がプライマリーバランスがいいみたいな、国と地方を対立関係に置いて財政を考えるようなやり方というのは、私は、基本的に間違っているのではないかなというふうに思います。
 今後の地方税体系につきましては、景気変動が少なくて地域偏在が少ない、安定的な事業をやっていく地方公共団体にとりましては、そういう税体系を構築していくことが私はメーンだと思っております。こう考えますと、格差是正問題につきましても、税収の変動が大きい法人関係税の一部と地方消費税の一部を交換していくということ、つまり、法人関係税の方は交付税の原資にして配分をしていき、地方消費税でいくという今の総務省案の方が、案としては私はベターだというふうに思っております。ただ、地方消費税の議論は消費税の見直しの議論と混同されてしまって、また一体に扱われてしまうので、今の時点では大変難しいのが状況であります。
 先週も今週も、私は、一応、知事会の立場から関係者と接触をずっと続けておりますけれども、正直言って、今の状況からいいますと、根本的な解決に至る道筋は全然見えてこないのではないか、とりあえず格差是正についての暫定的な調整に終わるのではないかなというふうに思っております。東京を初めとする首都圏の反発も強いですし、地方圏の財政に対する思いも強いものですから、そういった調整にならざるを得ないという雰囲気はありますけれども、私は、そういった中でも、とにかく地方分権、本来的な地方の税財源の充実というその趣旨が壊れないように、これからも必死に国に対して働きかけていきたいというふうに思っております。
 次に、職員の人材育成についてでありますけれども、これからの地方公共団体というのは、少子・高齢化などの社会環境の変化に対応し、また、複雑・高度化する住民の皆様のニーズにもこたえながら、そして、財政難という状況の中で、地方に対して厳しい抑制策を講じる国に対しても、しっかりと地方の立場を主張していく、そういう形でなければならないというふうに思っております。
 ですから、今までのように、住民の皆さんが市町村にこれを要望していく、そして市町村が都道府県に対して要望し、都道府県が国に対して要望し、国がそれに対してこたえていくという、いわば垂直的な関係ではなくて、本当に住民の皆さんと私ども都道府県の職員が向かい合って、そしてその中で、NPOや企業や市町村や国と連携をして、お互いに手をとり合って、府民の皆さんに対してしっかりとした行政運営をしていくという、水平と申しますか、そういう型のバランス感覚が求められていると私は思います。
 ただ、理屈ではこういうことなんですけど実際は大変難しい面がありまして、今、私どもとしましては、職員の一人一人が府民の皆さんと対話ができる能力を開発し、そしてその対話をするためには知識とアドバイスをしていく力がなければなりませんし、その上で問題に対して積極的にチャレンジしていく気持ちがなければならない。こういう観点から、一生懸命職員の育成に努めているところでありまして、庁内ベンチャーや出前語らい、アクションプランなど、かなりいろいろな取り組みを行ってまいりました。
 私自身、ことしも、庁内ベンチャー事業につきまして、研究成果の報告を聞いてまいりましたけれども、レベルは確実に上がってきているというふうには実感しております。そして、地域力再生事業におきましても、多くのNPOの方と府の職員が語り合う中で、私は、いろいろな面で意識づけが進んできているというふうに思っております。ただ、こうしたものは一朝一夕にすぐ変わるものではありませんので、議会の皆様の御指導もいただきながら、着実な人材の質の向上に努めていきたいというふうに思っております。
 人事評価制度につきましても、人の評価というのは個人の見方が出てまいりますので、私は、やっぱりできるだけ客観的に見れる制度をつくっていかなければならないというふうに思っております。とにかく、評価制度がないことが一番職員も信頼感を失うと思いますので、できるだけ多くの人が、自己評価も含めて評価を積み重ねて、それを議論していく中で妥当性が担保されるような仕組みというものを、これからつくっていきたいというふうに思っております。
 民間役職経験者の採用につきましては、民間との人事交流を実施しておりますけれども、今後、任期つきの職員等の採用試験も予定をしていきたいと思っております。
 今後とも、職員の意識改革を進めますとともに、高い専門性や政策形成能力、現場対応能力を養いまして、府民の皆さんのためにしっかりと連携をしながら、協働しながら、分権時代を担える人材の育成に努めてまいりたいと考えております。
 次に、環境問題についてでありますけれども、京都には京都にしかないすばらしい歴史と文化がありまして、それを求めて本当に大勢の方々が外国からも訪れていただいております。1200年の歴史を持つ京都文化、これが私たちにとりまして大変な財産でありますけれども、私は、北から南まで、京都の人は環境を大切にし、自然と共生する中で文化をはぐくんできたからこそ、こうして大勢の方々が今も来ていただけるのだというふうに思います。
  借景とか、川や池を縦横に取り入れた景観など、環境に対する日本人の持つ細やかな感覚というものが、私は「京都議定書」という人類の未来を左右する成果につながってきたのではないかなと思います。それだけに、これからも私どもは、景観問題を含めて、環境との共生について十分な配慮を行うべきでありまして、地球温暖化対策条例や鴨川条例、そして豊かな緑を守る条例など、京都ならではの取り組みを通じまして、京都議定書誕生の地としての環境先進地として、我々の財産を守っていかなければならないというふうに考えております。
 ことしも、COP3開催10周年として、記念シンポジウムや環境フェスティバルなどのイベントを通じて、持続可能な社会の構築について国の内外に発信する取り組みを進めておりますけれども、来年は京都議定書の第一約束期間が始まる。ここからいよいよCO2の排出量のカウントが始まりますので、まさに京都元年とも言うべき年だと思っております。特に私ども、御存じのように、サミットにつきましては、その中でポスト京都というものを話し合われる一番大きなイベントとして、京都から発信すべきだということで誘致をしてまいりました。北海道に決まりましたけれども、その北海道の首脳会議への一番大きな段取りを決める外相会議は京都で行われるわけですから、京都の持つ環境との共生によるライフスタイルを発信し、「環境先進地・京都」の存在感を、こうした取り組みの支援を通じまして広く発信してまいりたいと考えております。
 次に、城陽の山砂利採取跡地での不法投棄問題についてでありますけれども、今回の山砂利採取跡地での事件は、埋め戻し事業に対する府民の信頼を裏切る行為であります。やはり、こうした事業が円滑に進むためには、御指摘のように、事業者と市民、そして行政との間の信頼関係がなければできないわけでありますので、それが裏切られるような行為の中では、本当にこれからのこうした事業というものについて、私は根本的な問題が生じたというふうに考えております。
 この事案は、産業廃棄物処理業者だけではなく、山砂利採取業者の従業員も関与した疑いのある廃棄物処理法違反事件として、現在、警察において捜査が行われておりまして、私どもとしましては、まずその捜査の推移をしっかりと見守っていかなければならないというふうに思っております。
 本件事案につきましては、法にのっとった厳正な処理が行われるべきものでありまして、事実関係を明らかにする中で、このような事件の再発を招くことのないように、十分な検証と対策を講じていくべきだと考えております。既に城陽市長さんが、産業廃棄物を持ち込ませないための実効ある条例改正の実施を表明されておりますけれども、京都府といたしましても、城陽市と連携して、城陽山砂利採取地整備公社における監視体制の強化を初めとして、徹底的な対策を講じてまいりたいと考えております。

 

副議長(北岡千はる君)
 北尾茂さん。

   〔北尾茂君登壇〕

 

北尾茂君
 財政問題、そして人材育成につきまして、あるいは環境問題につきまして、山田知事の今後の方針と力強い御答弁をいただいたと考えております。
 時間の制約もございますので、一点、環境問題。
 私にとりまして、地元城陽市の山砂利採取場あるいは跡地の問題というのは、城陽市にとりましても、市域の面積の13%を占めるという広大な面積に係る事案であります。京都議定書誕生の地の中の城陽市におけるこのような産業廃棄物の不法投棄事案等、私自身も大変理解しがたい中でこのような事案が相次いで起こっております。その趣旨からも、要望を含めまして一言申し上げさせていただきたいのは、山田知事におかれましても、山砂利採取跡地への産業廃棄物不法投棄事案は、ほかにも発生しております残土不正販売事案とも相まって地元の市議会でも大変大きな問題となっていることは、報道等から御承知いただいていることと拝察いたします。
 私は、考えますに、地元の市議会等の中でも、市長は、先ほど知事がお話しされました内容も含めまして、今後、跡地利用計画の放棄とか、あるいは埋め戻し事業そのものの中断とかいうことを地元の橋本昭男城陽市長が議会の中でも表明されていることは、相当深刻な状況に至っているのではないかなというのが私の認識でございます。
 先ほど知事がお話しされましたとおり、今回の事案につきましても、警察の捜査に基づいた事実関係の究明等を待つべきところと私も思いますが、ただ、「まさかまさか」ということが城陽市では「またかまたか」という次元になっている。このようなことは、私としては、やはり住民の理解も得られないし、まさに行政と府・市民、住民、そして山砂利採取業者との信頼関係を根底から覆すような状況になっているのは、まことに悲しい現実であると思います。その意味におきましても、私は、今回は要望にとどめさせていただきますが、そろそろ根本的な、抜本的な対策を講じていかなければならないところに来ているのではないかなという思いを持っております。
 今後とも、先ほど知事が表明いただいたとおり、京都府におかれましては、しっかりとした対応を地元城陽市と連携を図りながらお進めいただければと思っております。
 それでは、続いて次の質問に移ります。
 次に、自主防犯活動への支援についてお伺いいたします。
 本年10月、兵庫県加古川市において、女子児童が自宅の前で殺害されるという悲惨な事件が発生しましたが、全国的にこのような子どもを対象とした凶悪犯罪や声かけ事案等が後を絶たない状況にあり、府民の子どもの安全に対する不安感と関心は、一昔前に比べかなり高くなってきております。私の地元であります城陽市におきましても、「自分たちの地域は自分たちで守ろう」という機運が高まり、防犯推進委員の皆さんや子ども見守り隊の皆さんなどが「防犯ボランティア」として、子どもの登校時や下校時において、立ち番や付き添いやパトロールを雨の日も風の日も行っていただいておりますし、学校の春休み等の休業期間や夜間においても、見回り活動を昼夜なく行っていただいており、頭の下がる思いであります。
 また、本年10月13日に開催されました「安心・安全まちづくり京都大会」は、京都橘大学や京都産業大学などの学生さんたちが企画をされ、「地域の安全は若いパワーで!」をテーマに、地域一丸となった防犯活動を紹介されるなど、本府においては、地域の自主防犯活動が急速に拡大していることを実感するとともに、力強く感じた次第であります。このような防犯ボランティアの皆さんの自主防犯活動は、「子どもたちを見守る」という意味にとどまらず、地域住民の方々が街角に立つ姿や防犯パトロールを行う姿は、ひったくりや自動車盗などの街頭犯罪や空き巣などの犯罪を封じ込める効果があるとともに、地域防犯力の向上のためにも欠かすことのできない極めて重要なものとして位置づけられるものと考えます。
 警察におかれましては、これまでから防犯活動に力を注がれておりますが、今後は、このような自主防犯活動を積極的に行っていただいている防犯ボランティアの皆さんとの連携や支援のあり方ということが、一つのキーポイントとなってくるのではないかと考えます。支援につきましては、府民労働部の安心・安全まちづくり推進室が主管となり、防犯活動用の資機材を提供するなどの事業が展開されていることは承知しておりますが、現場で活動される防犯ボランティアの皆さんにとりまして、ともに現場で活動される警察の支援、現場警察官の支援というものは、その活動の後ろ盾として非常に期待されていることと思います。
 そこで、警察本部長にお伺いいたしますが、本府において、地域の安全・安心まちづくりの一翼を担う防犯ボランティア団体が数多く存在していると思いますが、団体が抱えている諸課題について、どのような認識をお持ちで、また、防犯ボランティア団体の皆さんに対して、警察として、どのように連携し、どのような支援をしていかなければならないとお考えか、御所見をお伺いいたします。
 次に、学校の経営力向上の観点から2点質問をいたします。
 まず、校長を初めとする管理職のマネジメント能力についてであります。
 子どもたちの教育をめぐっては、学力低下への懸念、豊かな心の育成、食の問題や体力低下など、本当にさまざまな課題が次々と提起され、その最前線にある学校現場では、懸命の努力と同時に、突きつけられた課題への苦悩を繰り返されているものと思います。学校への期待のあらわれと言えば言葉はきれいでありますが、何でもかんでも学校に任せておけばいいということになれば本末転倒であることは共通の認識であると考えます。しかしながら、子どもたちが日々の大半を過ごし、また、PTA活動など保護者との太いきずなで結ばれている組織は、学校現場しかないというのが現実であります。
 そうした中、本年6月に改正されました学校教育法においては、学校における組織運営体制を充実するため、副校長や主幹教諭などの新たな職の設置が盛り込まれたところであります。とりもなおさず、学校の経営力の強化は、校長のマネジメント能力によるところが大きいと存じますが、ややもすると校長のリーダーシップへの期待ばかりが大きくなり、それが逆に負担となって覆いかぶさっているのではないかと思います。校長先生方といろいろとお話をさせていただいた際にも、御苦労されている様子をお聞きすることもございますし、学校の経営力の強化には、校長はもとより、校長を支え、一緒に学校経営に参画していくスタッフがいなければならないと考えます。
 そこで、教育長にお伺いいたします。
 学校に対する余りにも多種多様で大きな期待にこたえることは難しいと存じますが、周囲の期待にどれだけこたえられるかということが、学校の評価となり、揺るぎない信頼の獲得になるものと存じます。そのためには、学校経営のマネジメント能力を高めることが重要と考えますが、今後、団塊世代の大量退職を迎える中、新しい職の設置も含め、校長を中心としたマネジメント体制の整備や、そのための人材育成にどのように取り組んでいかれるのか、御所見をお聞かせください。
 次に、学校経営にかかわって、そのスタッフとなる教員の資質・能力の向上についてお伺いいたします。
 よく「教育は人なり」と申しますが、日々、学校現場で子どもたちと向き合い、情熱を持って職務に励んでいただいている教員によって教育は支えられております。学校経営は、校長などのマネジメント能力の向上とともに、学校経営目標を踏まえた教員個々の努力の積み重ねがなければ成り立たないことは論をまちません。
 このような中で、府教育委員会では、本年6月、新たな人材育成システムの構築を目指し、「教師力向上のための指針」をまとめられたところであります。この中では、京都府が求める教員像を示しながら、これまでの教員研修を大きく見直すこととされ、一人一人の教員の資質・能力の向上により学校組織を活性化させるべく、新しい研修体系の創設や、日々の教育活動の場におけるオン・ザ・ジョブ・トレーニングなどの積極的支援が述べられております。
 そこで、お伺いいたします。
 私は、これまで申し上げましたとおり、学校経営を支える人材育成が、子どもたちの学力の向上や、さらには保護者や府民の信頼につながると考えており、この指針で述べられている学校を支える一人一人の教員の資質・能力の向上という観点からの取り組みに大きな期待を寄せております。今後、このような観点からどのような取り組みを進めていかれるのか、御所見をお聞かせいただきたいと思います。
 これにて私の質問を終わらせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)

 

副議長(北岡千はる君)
 田原教育長。

   〔教育長田原博明君登壇〕

 

教育長(田原博明君)
 北尾議員の御質問にお答えいたします。
 学校におけるマネジメント体制の整備や人材育成についてでありますが、教育課題が複雑化・多様化し、学校への期待がますます増している今日、学校経営の体制整備が大変重要になってきております。そのため、現在「学校の組織運営体制の在り方研究会」において、新たな職の設置も含め、組織的・一体的に教育課題に取り組める体制整備について検討しているところであります。
 また、管理職の大量退職を見据えたリーダーの育成が喫緊の課題であることから、中堅教員を対象に、民間の組織運営や企業理念を学ぶ宿泊研修を新たに実施しているところであり、今後とも、マネジメント能力の向上やミドルリーダーの育成に重点を置いた研修の充実を積極的に進めてまいります。
 次に、教員の資質・能力の向上についてでありますが、議員御紹介の「指針」においては、学校現場を教員が鍛えられる最も大切な場として位置づけ、「現地・現場性を生かした人材育成」や「総合教育センター機能の充実」など課題ごとに、現在、市町村関係者も含めたワーキンググループを設置して検討を進めており、ベテラン教員のすぐれた実践的指導力の継承や、教員の自主的な研究・研修の支援といった観点から、具体的な議論を深めているところであります。
 今後は、市町村教育委員会と連携しながら、教員が学校現場において切磋琢磨できる環境づくりを進めるとともに、学校全体の組織力をより一層高め、保護者や府民の信託にこたえられる学校づくりに努めてまいりたいと存じます。

 

副議長(北岡千はる君)
 青木警察本部長。

   〔警察本部長青木五郎君登壇〕

 

警察本部長(青木五郎君)
 北尾議員の御質問にお答えいたします。
 兵庫県加古川市において女子児童が殺害される事件が発生するなど、全国的に子どもを対象とした凶悪事件や声かけ事案が後を絶たない状況を受けまして、地域における自主防犯活動の機運が高まっております。

   〔副議長退席、議長着席〕

 特に、子どもの安全確保を目的に結成された防犯ボランティア団体は飛躍的にふえ、京都府下では、平成15年末には61団体であったものが、本年10月末では557団体と約9倍になっております。これら防犯ボランティア団体が抱える課題としましては、活動資金や装備等の充実、青色防犯パトロール車の拡充、活動員の参加層の拡大、防犯ボランティア・リーダーの育成などがあると認識しております。
 府警といたしましては、これらの課題を踏まえ、防犯ボランティア活動に対する予算の確保、学生防犯ボランティア団体による防犯大会の開催や、学生に対する防犯推進委員の委嘱等による活動員のすそ野の拡大、防犯ボランティア・リーダーを育成する研修会の開催などの取り組みを強化してまいりたいと考えております。
 さらに、防犯ボランティア団体に対する支援といたしましては、現在実施しております交番・駐在所を中心とした通学路等における合同パトロール、防犯教室の開催、防犯情報メールによるタイムリーな子ども安全情報の提供、地域安全マップの作成支援などを強化するほか、引き続き防犯ボランティア団体と連携し、その要望等を把握しながら、支援のさらなる拡充を図ってまいりたいと考えております。