議会ニュース

2007年9月28日|平成19年9月定例会一般質問 熊谷 哲

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1 子ども・地域安全見守り隊について
2 地域安全マップについて
3 中国との青少年交流について

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議長(家元丈夫君
 次に、熊谷哲君に発言を許します。熊谷哲君。

   〔熊谷哲君登壇〕(拍手)

 

熊谷哲君
 民主党の熊谷哲です。私は通告に基づき、知事並びに関係理事者に質問をさせていただきます。
 質問の第1として、安全で安心できる地域づくりという観点から、まず「子ども・地域安全見守り隊」についてお伺いいたします。
 今日、既に多くの指摘がなされているように、日本の安全神話が揺らいでいます。内閣府が2005年4月に発表した「社会意識に関する世論調査」では、現在の日本について「悪い方向に向かっている」分野として、「治安」が初めて「景気」を上回り、実に47.9%と、最も多くの回答を得るに至りました。本年1月の調査でも35.6%と、治安に対する不安感は依然として高い水準のままとなっています。現実に治安が悪化したのかどうかについては、さまざまな見解や議論がありますが、国民の体感治安が悪化しているのは疑いありません。
 京都府では、平成16年12月定例会において、初めての政策的議員提案条例として「京都府犯罪のない安心・安全なまちづくり条例」が全会派一致で制定されるとともに、犯罪を発生させない地域環境づくりのために、府民や事業者、地域ボランティアなどと行政とが一体となって、各般の取り組みが進められてまいりました。

   〔議長退席、副議長着席〕

 特徴的なものが、PTAや地域ボランティアの方々による「子ども・地域安全見守り隊」の結成促進と活動支援です。2005年暮れの宇治市における児童殺傷事件など、子どもたちが被害者となる悲惨な事件が相次いで発生したことを踏まえ、全小学校区で自立的な取り組みが進められることを目指して、市町村とも協力しながら、子どもたちを初めとする地域の安全確保に全力を挙げて取り組んでこられました。
 そこで、まず、現在の「子ども・地域安全見守り隊」の結成及び活動状況についてお尋ねいたします。また、現在推進している「犯罪のないまちづくり」がどの程度の犯罪抑止力を発揮しているのか、客観的な指標があればあわせてお示しください。
 次に、「見守られる子どもたち」から「危険を察知し回避できる子どもたち」へと、さらなる一歩を踏み進めるという観点から、地域安全マップについてお伺いいたします。
 犯罪の多発と凶悪性に直面した英国やアメリカでは、犯罪を減らす要素についての研究と実践が進み、「犯罪原因論から犯罪機会論へ」という犯罪対策のパラダイムシフトが90年代に起こりました。今では、犯罪の機会を与えないことによって犯罪を未然に防止しようとする考え方が、英米では主流となっているのです。ジェームズ・ウィルソンとジョージ・ケリングが提唱した「割れ窓理論」も、この議会でも何度か取り上げられましたが、防犯環境設計と並ぶ犯罪機会論の具体的な手法の一つと位置づけられています。
 こうした考え方に基づけば、自治体が担う「犯罪のない」、言いかえれば「犯罪に強い」地域づくりの根幹は、犯罪者の人格に原因を求めることや、犯罪の標的になることを仮想しての対応策を講じることではなく、犯罪者を寄せつけない、あるいは犯罪を起こさせない地域づくりの方法を、地域住民が自分たち自身の問題としてとらえ、身につけてもらうことにほかなりません。こうした意識や能力を高めていくための有効な手段の一つとして、地域安全マップの作成があります。
 地域安全マップは、「犯罪機会論」の第一人者である立正大学の小宮信夫教授によって、理論を教育現場での実践に応用するために開発されたもので、簡単に言えば犯罪が起こりやすい場所を表示した地図です。これは、犯罪が起こりやすい場所を見きわめるための2つの基準、すなわち、犯罪者にとって「入りやすい」、周囲からは「見えにくい」というキーワードに照らして、子どもたち自身に危険な場所を気づかせるための「地域安全マップづくり」に重要な意義が持たされているのです。
 もちろん、地域安全マップは、子どもから高齢者までだれでもつくることができます。しかし、みずからを守る手だての限られている子どもが主体的に取り組むことによって、犯罪の機会が多いような特徴のある場所には近づかないことや、やむを得ず行く場合でも、そこが危険であると自覚しているので、すきを見せないことが期待できます。また、子どもの目線でマップづくりに取り組むことで、ともすれば大人が見逃しがちな危険な場所を、「入りにくく」「見えやすい」場所に改善していくことにもつながるというわけです。
 2002年9月、広島県三原市で大学の学生実習からスタートした地域安全マップづくりは、現在では全国に広がり、都道府県レベルで、あるいは市町村単位で、それぞれにさまざまな取り組みが進められ、それとともに洗練し発展を続けています。
 そこで、お尋ねいたします。こうした地域安全マップの意義や、子どもたちがマップづくりに取り組む有効性について、どのようにお考えでしょうか。知事の御所見をお伺いいたします。
 ところで、文部科学省は、2005年12月6日に「登下校時における幼児児童生徒の安全確保について」という通知を出されています。この文書では、「登下校時の幼児児童生徒の安全を確保するためには、まず可能な限り安全な通学路を設定することが重要であり、それでも排除できない要注意箇所については、しっかりと把握し、関係者が共通認識を得ておくことが求められる」とし、「児童生徒に対しても『通学路安全マップ』の作成などを通して周知することが有効である」と、安全マップづくりに直接的に触れています。
 その中では、①「通学路安全マップ」作成に当たっては、学級活動や生活科、総合的な学習の時間、児童会・生徒会活動などさまざまな機会を活用して、児童生徒自身の参加により作成を進めることが効果的と考えられること、②さまざまな学年を組み合わせたグループをつくったり、保護者とともに作成するなど、ねらいと発達段階を考慮して作成すること、③場合によっては、防犯についての専門的な助言を得るため、警察官の協力を得ることも考えられることなど、「地域安全マップづくり」の具体的な作成方法にも踏み込んで示されています。
 また、「幼児児童生徒が犯罪に巻き込まれないようにするためには、さまざまな機会を通じて、危険予測能力や危険回避能力を身につけさせることが必要である」とし、「通学安全マップの作成などに児童生徒を参加させることにより、児童生徒がみずから実感を持って危険箇所を認識することが期待できる。その際、小学校低学年の児童だけでは困難な面もあるため、上級生とグループを組ませる、保護者や警察官と一緒に実際の通学路を回るといった取り組みも有効であると考えられる」と指摘し、通学安全マップの作成等を通じた指導による、幼児児童生徒に危険予測・回避能力を身につけさせるための安全教育の推進がうたわれています。
 この通知を受けて、京都府教育委員会としては、どのように対応してこられましたでしょうか。加えて、府内の小中学校においては、全体としてどのような取り組みがなされてきたのか、また、地域安全マップづくりに取り組んできた事例があれば、その具体的な内容も含めて、教育長にお尋ねいたします。
 さて、最も先進的な事例として、子どもの犯罪被害防止能力を高めるため、「地域安全マップづくり」を都内全小学校へ普及することを目指して、鋭意取り組みが進められている東京都の活動を引きたいと思います。
 東京都の取り組みの特徴的な例の1つは、2005年7月に、地域安全マップづくりの作成指導員を養成する「地域安全マップ専科」が開設されたことです。自治体職員や学校教員、警察官OBの警察署スクールサポーター、教員志望者、地域防犯ボランティアなどを受講対象者とし、子どもにかかわる機会が多く、かつ地域に普及ルートを持つ多様な人材がマップづくりに主体的に参画する土壌づくりを進めているのです。
 この地域安全マップ専科は、より多くのマップ作成指導者を養成するという本来的な趣旨はもとより、専門機関の間のパートナーシップの実践という意味においても、画期的なプロジェクトであると言えます。というのは、それまで縦割りで別個に行われていた、行政府、教育・学校機関、警察本部の研修が、この専科ではまさに一本化されたからです。この三者の専門家による混成チームが、子ども心に戻ってフィールドワークやマップ作成といった共同作業に挑むことで、関係機関相互の理解と信頼が深まったと評価されていることからも、学ぶ点は多いものと思われます。
 もう1つは、実際に地域安全マップづくりが行われる学校現場の取り組みを重視して、体系的な導入を図っていることです。例えば、本年8月には、教員を対象に「地域安全マップ」の理論的背景を学ぶ研修会を開催し、それに続いて、11月まで、実際の授業やフィールドワークを教員が児童と一緒に体験しながら、授業の進め方や指導方法を学ぶ「公開モデル授業」が予定されており、既に9月は新宿区立柏木小学校で実施されています。また、これは学校関係者のみならず、当然のことながら東京都青少年・治安対策本部に所属している警視庁併任の職員を初め、保護者や地域防犯関係者の参加によって進められており、「子どもたちばかりか大人まで非常に勉強になる」との感想が寄せられているとのことであります。
 こうした「地域安全マップづくり」を「子ども・地域安全見守り隊」の下地の上で全小学校区で導入し実施すること、その際は、京都府及び府内各市町村と教育委員会及び関係機関、そして府警本部の三者が密接に連携し、一体化して当たることなど、京都府としても、本格的に研究し取り組んでいくべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。
 質問の第2として、中国との青少年交流についてお伺いいたします。
 日本にとって、日中関係は最も重要な2国間関係の一つであるとともに、東アジア地域はもとより、世界の安定と発展のために欠かすべからざるパートナーであることは言うまでもありません。両国の政治、経済、文化など、あらゆる分野における交流は深さと広がりを一層増しており、日中両国はお互いになくてはならない相互依存関係にあります。
 一方で、外務省が昨年2月に行った「日中関係に関する意識調査」によれば、「今の日中関係が良好だと思う」は6.9%にすぎず、「良好だと思わない」が66.7%を占めています。両国間に存在している具体的な課題としては、例によって歴史認識など過去をめぐる問題がトップですが、「両国の国民間における相互理解の不足にある」とする人が32.1%に上り、それに続いています。また、「日本も中国もお互いに理解をしていない」と回答する者が実に62.4%と、理解不足による相互不信の状況が見てとれます。これは両国にとって不幸な状態であるとともに、真の友好関係を築くための長期的視野に立った基礎づくりが緊急の課題となっています。
 それには、当然のことながら国対国のインターナショナルな外交も大切ですが、それぞれの国の地域住民の相互理解・相互利益の上に立って交流・連携をする、いわゆる草の根の地域間外交も大変重要です。とりわけ、相互依存・相互浸透が進む世界にあっては、信頼と安定のために地域が果たす役割はとても大きいものと思われるのです。
 山田知事は、就任以来、積極的に中国へのトッププロモーションを行われています。私は、以前も質問させていただきましたが、その知事の姿勢にとても共感をしています。一昨日の菅谷議員の質問にもお答えをされていましたが、それは、直接的な観光誘客や経済交流を一つの切り口として、人の交流・往来の機会をふやし日常的なものとすることによって、人間的な関係を築き、信頼と互恵の存在感を高めていくことにつながるからにほかなりません。
 去る8月上旬の中国訪問においては、中日友好協会との間で、京都との青少年交流が一つのテーマとなり、さまざまな意見交換をされたそうですが、とても意義深いことだと思います。多感な時期に、自分が育った環境とは違う場所で学び、生活の息吹に触れ、多くの人と交流を深めることは、何物にもかえがたい貴重な経験になることは間違いありません。同時に、若い世代の交流は、将来の友好・信頼関係の大きな礎になるものと確信します。
 そこで、京都府と中国との青少年交流の今後の具体的な取り組みの方向について、中国でお約束してこられた中身も含めて、御所見をお伺いいたします。
 さて、日中の高校生を中心とした若者が、お互いの国での直接の体験や生活、交流を通じて相互理解を深め、日中両国の長期的な関係発展の基礎となる信頼関係を醸成することを目指して、昨年から日中21世紀交流事業が実施されています。この日中21世紀交流事業は、「21世紀東アジア青少年大交流計画」に引き継がれ、これはEAS参加国(ASEAN諸国、中国、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランド)などを中心に、今後5年間に毎年6,000人程度の青少年を日本に招き、青少年交流を通じた相互理解の促進を図るというものですが、今後のさらなる充実に向けて関係各機関で取り組みが進められています。
 この日中21世紀交流事業の中心的な活動として、中国の高校生を10日間程度日本へ招き、一日ホームステイなどの交流事業を通じて日本の社会・文化を直接体験してもらう「日中高校生短期交流事業」が実施されてきました。京都府では、教育委員会を中心に、昨年度は50名、今年度は来月の100名を含めて120名の受け入れを予定されているとのことですが、中国から来られる方々はもとより、じかに接する機会を持てた府内の高校生らにとっても、とても有意義であると思いますし、一層の受け入れプログラムの充実と受け入れ拡大を期待するものです。
 そこで、昨年度の実施状況とその成果及び今年度の予定について、教育長にお尋ねします。
 せっかくの機会を一過性のものとせず、教育効果を高めるための工夫もされていると思うのですが、どのように取り組んでいるのか、具体的にお答えいただければと思います。
 また、ホームステイの受け入れ先はどのように決定されているのか、受け入れに当たっての課題などについても、あわせてお伺いいたします。
 以上、ここまでまず質問をさせていただきます。

 

副議長(北岡千はる君)
 山田知事。

   〔知事山田啓二君登壇〕

 

知事(山田啓二君)
 熊谷議員の御質問にお答えいたします。
 中国との青少年交流についてでありますが、みずみずしい感性や好奇心、創造力にあふれ、人間形成を行う大切な時期である青少年時代に、異なる文化・生活様式を持つ同世代の若者と交流することは、視野を広め、また、自国の文化の大切さと相手の国の文化を尊重する気持ちを育てる大変重要なものだというふうに私は思っております。
 特に、日本と中国との関係につきましては、これは韓国も同様だったと思うのですが、私どもが訪中しているときには感じなかったのですけれども、2年前でしたかサッカーのアジアカップが中国で行われたときに、日本の国旗・国歌に対しまして激しいブーイングが行われ、そのまま試合中も、そして試合後もという光景を見まして、非常に衝撃を受けたのを覚えております。これからの時代を担います中国の若い世代に、私はやはり日本の文化というものをわかっていただきたい。私は、文化というのは心だと思っています。そうした面から申しますと、環境と共生し、もてなしや優しさを基調としている日本を代表する文化がある京都を訪れていただいて、この京都の文化に触れていただく。これは日本の将来にとってかけがえのないことでありますし、私は、これこそ京都の大きな役割ではないかなというふうに思っております。
 こうした観点から、ことしの3月に訪中した際に中日友好協会を訪れて、そしてこの8月にも訪中した際に中日友好協会の井(せい)副会長とお会いしております。その中身でございますけれども、今申しましたように、やはり若い人の交流を中心として、2点ございます。
 1つは、もう一つ京都の中で特徴がありますのは、もうすぐ開催されます京都学生祭典がございます。単なる交流ではなくて、まさに、ともに踊り、ともにみこしを担いで、歌っていく、そういう本当に肌の触れ合う交流をしていただけるチャンスがここにあるのではないかということで、中国の大学生の皆さんにぜひとも京都学生祭典に参加していただきたいという申し入れをしております。中日友好協会は毎年かなりの数の大学生・高校生を日本に送っているのですけれども、ことしは正直言ってスケジュール的に間に合いませんが、来年はぜひともそういったことについて積極的に取り組んでいただきたいということを申しまして、向こうの方も、ぜひともそうしたいという返事でございました。
 さらに、高校生の交流につきましても、京都の中高生受け入れについて私どもはこれからプログラムを組みたいので、ぜひともそちらの方でも考えていただけないかという話をいただいております。中国との交流というのは非常に時間がかかる部分がありまして、私も何年も行っていてようやく、かなりのいろんな面でのおつき合いができるようになってまいりましたけれども、これから、今までの交流の上に、さらに青少年交流やそして教育旅行の交流というものが花開くようにしていきたいと思います。
 来月には、府の支援によりまして、京都府の友好提携先であります中国の陝西省に、日中文化・スポーツ交流年の一環として、京都の大学生を中心とした文化芸術交流団も訪問するわけでございますけれども、こうした動きが活発化することによって、本当に京都のすばらしさもわかっていただけますし、日中の未来にも大きな明るい効果が出るように、訪中の機会というのはなかなか難しいところもあるのですけれども、私も頑張っていきたいと思っております。
 その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁をさせていただきます。

 

副議長(北岡千はる君)
 園田府民労働部長。

   〔府民労働部長園田能夫君登壇〕

 

府民労働部長(園田能夫君)
 「子ども・地域安全見守り隊」についてでございますが、府内では全小学校区で既に結成をされ、登下校時におそろいの腕章やジャンパーなどを身につけた見守り隊の方々が、立ち番や付き添い、さらにはパトロールなどの活動を展開しており、京都府といたしましても、必要な資機材を提供し、その活動を支援しているところでございます。こうした見守り活動を初め、警察官や交番相談員の増員、防犯情報メール事業などの取り組みの結果、子どもの声かけ事案は、平成19年8月で前年同期比約20%減少、また、犯罪発生件数も、平成16年からの2年間で約14%減少するなど、一定の効果があったものと考えているところでございます。
 また、「犯罪のないまちづくり」を科学的に分析し、だれもが安心して暮らせるまちづくり、いわゆるセーフコミュニティにつきましては、亀岡市において府市で取り組んだところでございます。
 次に、地域安全マップについてでございますが、通学途上の人通りの少ないところや車に注意する場所、また「こども110番のいえ」などを記載した安全マップは、犯罪予防の観点から大変有効なものであり、見守り活動に欠かせないものであることから、見守り活動の広がりとともに、京都府内の小中学校においてもマップづくりが進んでいるところでございます。また、子どもたちがマップづくりにかかわることで、地域の危険な箇所を知り、安全意識が高まるという効果もございますことから、教育委員会とも十分連携をして、より多くの子どもたちがマップづくりに参加できるよう取り組んでまいりたいと考えてございます。
 現在、学校安全担当者や防犯ボランティアリーダーなどを対象といたしまして、安全マップづくりなどの研修が行われているところでございますが、今後、マップコンクールや優秀作品の顕彰等の他府県の好事例も参考にしながら、安全マップづくりのレベルアップを図るとともに、教育委員会や警察ともさらに連携を深め、すべての小中学校で地域安全マップの取り組みが進むよう、積極的に支援してまいりたいと考えてございます。
 こうした地域の見守り活動を一層充実・強化していくためには、地域での活動の輪を広げるとともに、地域間のネットワークを構築し、情報を共有していくことが重要でございます。このため、教育、警察、市町村、NPO等の防犯ボランティア団体とも一緒になった新しい協議会を広域振興局ごとに立ち上げまして、地域の実情に応じた取り組みを一層進めることによって、地域防犯力の向上を図ってまいりたいと考えてございます。

 

副議長(北岡千はる君)
 田原教育長。

   〔教育長田原博明君登壇〕

 

教育長(田原博明君)
 熊谷議員の御質問にお答えいたします。
 地域安全マップについてでありますが、府教育委員会では、議員御紹介の文部科学省通知に先立って、平成16年に改訂いたしました府独自の学校安全に係る手引書において、子どもたちの登下校時の安全確保に向け、通学路安全マップの必要性を示しながら、各市町村教育委員会に対して適切に対応するよう依頼してきたところであります。

   〔副議長退席、議長着席〕

 こうした中、現在、府内では、小学校で9割以上、中学校で7割以上において通学路安全マップが作成されておりまして、うち約半数では、子どもたち自身が実際に地域を歩いて危険な場所をチェックするなど、子どもの手によるマップづくりが行われているところであります。また、子どもたちが作成したマップは、全校児童会で発表したり、PTAの協力を得て下敷きにして配付するといったような取り組みも進み、学校からは「子どもたちみずからが作成にかかわることで、より安全意識が高まった」という声も聞いております。
 府教育委員会では、子どもたちの危険回避能力などを高める方法の一つとして、「地域安全マップづくり」を活用した取り組みが有効であると考えておりまして、学校安全担当者を対象とした防犯教室指導者講習会を開催しており、今後は、事例研修に加えて、作成方法やフィールドワークを通した指導方法など、教職員研修の充実を図り、各学校における安全教育が一層推進されるよう努めてまいります。
 次に、日中21世紀交流事業についてでありますが、昨年度は、山城高校と亀岡高校が中国の高校生50名と交流し、本年度は、福知山高校ほか5校において、昨年度の倍以上の120名の高校生と交流する予定であります。
 各学校では、歓迎のセレモニーにとどまることなく、授業やクラブ活動で一緒に学習するとともに、生徒宅のホームステイで寝食をともにするなど、先ほど知事からございましたが、まさに肌の触れ合う交流が深められておりまして、帰国後も生徒同士の手紙の交換が続いていることからも、外国人と積極的にコミュニケーションすることの意識づけにつながっているものと考えております。
 また、ホームステイにつきましては、各学校からPTAなどの関係団体に協力を呼びかけ、受け入れ家庭を募集しているところでありますが、ふなれな面から受け入れ先を探すのが難しいこともあると聞いておりまして、事前説明会を関係機関と連携して開催するなど、円滑な実施に向けて支援しているところであります。
 今後とも、中国を初め外国の生徒との交流を通して、我が国の文化や伝統を尊重するとともに、異なる文化を持った人々とともに生きていく力を身につけさせるよう、支援に努めてまいりたいと存じます。

 

議長(家元丈夫君)
 熊谷哲君。

   〔熊谷哲君登壇〕

 

熊谷哲君
 とても前向きな御答弁をいただきまして、ありがとうございました。
 中国との交流については、さまざまな課題があると思います。先ほど知事から御紹介のあったサッカーのアジアカップのときの日本に対するバッシングであるとか、昨今にぎわしている中国産品の安全性の問題であるとかいうことも大きな課題があると思っていますが、私は、日常的な交流をしていくことから徐々に始めていかなくてはならない大変重要な課題だというふうに考えています。
 高校生の受け入れについて、先ほど教育長からも御答弁いただきましたが、実際のホームステイの受け入れ先をどのように決めるのかについて、それぞれの学校現場でいろいろな御苦労をいただいているということもお聞きしております。また、そういったところで、その学校の中だけにとどまらない、例えば地域ぐるみであるとかいうような取り組みをどうしていくのかということも含めて、将来に向けてさまざまな検討を進めていただきたいと思います。
 それから、地域安全マップについてですが、学校現場での取り組みが9割、子どもが参加しているのが半分程度ということで御答弁いただきました。重要なポイントは、結果論として、いわゆる不審者マップであるとか、犯罪発生マップなどというものでは余り意味がない。子どもではなくて大人向けにつくられていては、地域安全マップというのは名前だけで、犯罪が起こりやすい危険な場所を子どもたち自身が見きわめる能力というのには、なかなか結びついていかないんじゃないかなということを感じています。
 知らない場所に行っても犯罪被害に遭わないためには、自分自身の力で危険性を判断できるようになる必要があり、そのためには、過去の事案を把握するような丸暗記用の地図ではなくて、自分たちで考えながら未来志向的な本当のマップづくりをしていく、その過程こそが重要だというふうに考えています。
 「地域安全マップづくり」は、子どもたちの犯罪被害防止能力の向上が期待されるわけですが、それだけではなくて、そのマップづくりの過程を通して、子どもたちが地域を探検し、さまざまなことを発見することによって、地域への関心が高まります。また、インタビューやフィールドワークを通して住民の皆様方と触れ合うとき、子どもたちは、自分たちを守ってくれる大人が大勢いることに気がついて、地域を身近に感じ、ひいては愛着心が育つという好循環が生まれることが、さまざまな地域の取り組みから多数報告されています。こうして「地域の存在」を体感した子どもたちが、ひいてはコミュニティの主体的な担い手に成長していくことが期待できるわけで、山田知事がよくおっしゃっておられます「地域力の再生」に向けた非常に重要な礎だと私は考えておりますので、どうか行政と、そして教育機関と警察本部と三者が、本当に一体となって「地域安全マップづくり」に取り組める、全小学校区で取り組んでいかれる、そんな体制も整い、また実が上がることを期待もし、お願いをいたしまして、質問を終わらせていただきます。
 御清聴まことにありがとうございました。(拍手)