議会ニュース

2007年9月27日|平成19年9月定例会一般質問 上村 崇

070927_kami.jpg
1 府民の安心・安全への取り組みについて
2 予防接種への取り組みについて

>録画ビデオはこちらから

議長(家元丈夫君)
 日程に入ります。日程第1、一般質問を行います。
 まず、上村崇君に発言を許します。上村崇君。
 
   〔上村崇君登壇〕(拍手)

上村崇君
 民主党京都府議会議員団の上村崇でございます。さきに通告しております数点につきまして、知事並びに関係理事者に質問させていただきます。積極的で明快な御答弁を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 まず、府民の安心・安全への取り組みについてであります。
 事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan、ビジネス・コンティニュイティー・プラン)というものが最近の企業防災では注目されています。そもそもは、2003年9月に中央防災会議に設置された「民間と市場の力を活かした防災力向上に関する専門調査会」で、民間企業、個人、地域のNPO等の力を用いた防災力を向上させる方策等を検討し、2004年10月に取りまとめた「民間と市場の力を活かした防災戦略の基本的提言」の中に盛り込まれました。
 
   〔議長退席、副議長着席〕

 2004年12月より設置された企業評価・業務継続ワーキンググループによって基本的提言の具体化に向けた検討を始め、ワーキンググループの検討結果は適宜専門調査会に報告され、現在そのガイドラインが提示されています。
 この事業継続計画、以下「BCP」は、企業が被災しても重要事業を中断させず、中断しても可能な限り短期間で再開させ、中断に伴う顧客取引の競合他社への流出、マーケットシェアの低下、企業評価の低下などから企業を守るための経営戦略として注目されており、トップマネジメントが参画して策定すべき計画で、バックアップシステムの整備、代替オフィスの確保、即応した要員の確保、迅速な安否確認などが具体策の典型とされています。
 特に、海外企業はBCPについては策定している企業が多く、海外市場を持つ国内の企業は海外の取引先からBCP策定を求められつつあるのとともに、国内においても、さきの中越沖地震で国内の自動車部品供給メーカーが被災したことにより、広く国民に知られるようになりました。また、政府もさきの防災白書において、BCP策定について、広く企業だけでなく各自治体にも呼びかけています。
 そこで、府庁におけるBCPの策定についてお伺いいたします。企業へのBCP普及・啓発の促進はもちろんではありますが、何よりも、平常時においては業務遂行上、多数の民間入札、契約を行い、また災害時には集約と特化をもっていち早く災害対策に当たることが求められる府庁自身が業務継続としてのBCPを早急に策定し、さらにはこれに基づいてマネジメントを行うBCM(Business Continuity Management、ビジネス・コンティニュイティー・マネジメント)が必要であると考えます。
 既に徳島県では、企業誘致のツールとしてBCP策定を全県挙げて取り組む方向を示し、県庁みずからがBCPの策定に取り組んでいるともお聞きしていますし、さらに、さきの中越沖地震のケースでいえば、被災した自動車部品メーカーについては、耐震補強や緊急対応マニュアルの整備など、他社と比較しても高度の災害対策を行っていましたが、最終的には同社自身ではどうにもコントロールできない水道の断水の復旧がネックとなったと専門家からお伺いをいたしております。
 民間企業が自社努力によりBCPを策定するなど、顧客のために真摯な取り組みをしているのに、災害時の早期復旧に支障が生じたのが、行政側の事業継続が困難なためともなれば、目も当てられない状況になります。
 そのため、本府自身がBCPを策定することは、平常時においては府下の企業に対する最大の啓発にもなり、かつ多大な調達を行う府庁自身がBCPを定めることにより、入札などを通じて多くの契約企業に広がる可能性も帯びています。そして、災害時においては、直接災害支援に関係する業務であるか否かをあらかじめ職員自身が認識することにより、初動期においては、マンパワーの多くを応急対策に振り向けることができますし、職員自身も通常業務への復帰予測が立てられ、効果的・効率的な業務遂行が可能となると考えます。また、BCPは毎年見直しを行うものであることから、通常業務においても業務効率について検証するという副次的効果も期待できます。
 そのような観点からも、本府におけるBCPの策定を進めるべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、危機管理への日常的な取り組みについてであります。
 ことしも、3月25日午前に石川県を中心に富山県、新潟県、福井県で被害が生じた能登半島沖を震源とするマグニチュード6.9の地震発生、さらには7月16日午前に新潟県上中越沖を震源とするマグニチュード6.8の地震が発生し、新潟県を中心に長野県、富山県で被害が生じました。毎年のように起こる大規模地震や台風等による風水害等は、私たちに自然の恐ろしさを教えるとともに、私たちの英知を結集することにより、どれだけ災害による被害を最小限にするかが問われています。
 1995年の阪神・淡路大震災を契機として、災害に関するボランティアのあり方が飛躍的に発展し、大規模災害においてマンパワーを用いて活動するボランティアは、赤十字の救護班や災害救助犬などを除くと、発生後48時間から72時間後の期間において必要不可欠になっています。また、それ以後の中長期的な災害ボランティア活動の展開においても、被災地域において大変重要な役割を担うようになりました。今までから本府においては、行政が社会福祉協議会やNPOなどと協働して、災害ボランティア活動を平常時から推進する常設組織として京都府災害ボランティアセンターが設置されており、災害時の迅速な対応が期待されております。
 本年発生した2回の地震において、今現在も完全に復旧・復興になったとは言えませんが、現地において災害発生時の初動体制や、その後の支援活動の状況などで幾つかの評価が聞かれるようになりました。
 例えば、行政の災害対策本部の立ち上げが非常にスムーズに、また迅速に行えたと言われているところもあれば、災害ボランティア活動について言えば、京都方式のように、行政が社会福祉協議会やNPOなどさまざまな団体と協働して活動する形での災害ボランティアセンターではなかったために、必ずしも被災者のニーズ等を酌み取り切れなかったなどの評価も仄聞するところであります。
 そこで、知事にお伺いいたします。ことし発生した2回の地震において、京都においては大きな被害が発生しませんでしたが、いつ何どき起こるかわからない災害において、それらの災害を他山の石として災害ボランティアが現地で有効に機能するのかどうか、しっかり検証しておく必要があります。
 また、災害ボランティアは阪神・淡路大震災を契機に飛躍的に発展する中で、それこそ生き物のようにさまざまな災害を教訓として進化を続けています。それら災害ボランティアに関する府内の状況などを把握されているのか、そして、されているのであれば、常設型の京都府災害ボランティアセンターなどと連携して、災害発生時に有効に機能するのかどうか検証作業をされてきたのか、また、これからされるおつもりなのか、お伺いいたします。
 さて、「京都は大昔から防災コミュニティがしっかりしているところで、潜在的な地域力は日本一だと思う。しかし、その地域力が正しく方向づけられていないため、また行政の地震対策がとことんおくれているため、被害軽減の力に必ずしもつながっていない」と評価をされている専門家の方々がいらっしゃいます。
 京都には、すぐれた研究者やその卵の方々が多数いらっしゃいます。また、大学等の教育機関でも防災や福祉にかかわるボランティアに積極的に取り組んでいるところもあります。また、大学のそういった活動を通じて、ボランティア活動にかかわっている府民の方々も多数おられます。しかし、そのエネルギーがなかなか現場レベルと結びついていないような感じもいたします。そういったエネルギーを産官学、そして民の連携によって、その方向を見出していくことで、真に安心・安全の京都府づくりを進めていけると考えています。
 例えば、神戸においては「危機管理研究会 神戸安全ネット会議」が、企業や行政、研究機関が神戸における安全で安心なまちづくりを目指して結成されています。これは、阪神・淡路大震災の経験を踏まえ、最近多発している災害、事件、事故への対応を含めた危機管理能力の向上を目的として、研究や連携体制づくりに取り組んでおられるもので、災害時の帰宅困難者支援や、今年度ではBCP作成・運営の研究や新型インフルエンザ対策、内部統制等の危機管理体制の検討・整備の取り組みがされています。
 それぞれの地域や企業が危機管理に努めるだけでなく、立場を超え、業態を超え、互いに連携して危機に対応することが欠かせない組織的に、危機の発生直後だけではなく、発生以前から日常的に多面的な取り組みを展開することが欠かせない持続的に、地域や府民との連携をも視野に置いて、持続的で効果的な危機管理の充実を目指して、企業、行政、大学が協働的な取り組みを展開する「あんしん府民会議」のような場が必要と考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。


副議長(北岡千はる君)
 山田知事。

   〔知事山田啓二君登壇〕

 

知事(山田啓二君)
 上村議員の御質問にお答えいたします。
 災害ボランティアについてでありますけれども、災害復旧につきまして、もはやボランティアの存在は不可欠なものだと言っても過言ではないと思いますし、それは神戸の大震災から京都府の台風23号、そして新潟の中越沖地震でも、如実に示されたというふうに感じております。
 それだけに、行政とボランティアの連携が災害については重要になってきておりますけれども、京都府におきましては、平成16年の台風23号災害の教訓を踏まえまして、行政とボランティアが府民の視点に立って協働できる体制を構築するために、平成17年5月に全国に先駆け「京都府災害ボランティアセンター」を設置して運営いたしました。このセンターの特徴といたしましては、行政とボランティアとが対等の立場で協働関係を築くために、社会福祉協議会、府庁の外に事務局を置きまして、そこに京都府も含め加盟の各団体が参加する形をとったということ。2番目といたしまして、行政とボランティアの協働体制を常時つくっていくために、平常時にも研修・訓練などを通じて、行政とボランティアの協働体制づくりに努めているということ。3番目といたしまして、災害時には京都府からセンターに非常時専任職員を派遣いたしまして、府の災害対策本部と連絡調整を行って、ボランティアと協働して効果的な災害復旧に当たるという特徴を持っております。
 現在、被災地域に設置する現地災害ボランティアセンター立ち上げのための運営マニュアルの策定や研修・訓練を通じてボランティアコーディネーター等の人材育成、さらには現地災害ボランティアセンターの立ち上げの基盤づくりが順調に進んでいるところでありますけれども、今各地域では、より一層円滑な立ち上げのために、平常時から市町村の社協とボランティア団体によるネットワークづくりなどの動きも出てきております。
 したがいまして、我々としましては、今後こうした各地域の活動を支援するために、今年度から府災害ボランティアセンターでは、地域での研修会や設置・運用訓練へ講師を派遣し支援しておりまして、ボランティアセンターを中心に、面的な広がりを今つくりつつある現状でございます。
 ただ、台風23号以来、これは非常に幸運なことでありますけれども、京都におきましてはボランティアが本格的に稼働するような災害が起きておりませんために、まだそういった面では検証というところまでは至っておりません。したがいまして、災害発生時の初動体制の検証につきましては、去る8月に実施しました京都府の総合防災訓練において、京都府と府災害ボランティアセンター、京丹後市社協等が協働で運営マニュアルに基づく現地災害ボランティアセンターの設置・運用訓練を実施して、そこで今のところ検証しているところであります。
 それと同時に、中越沖地震で現地に派遣された者から得た教訓を参画団体で共有して、機能強化や、これからの効果的な活動に当たっていきたいというふうに考えております。
 次に、関係機関との連携による危機管理についてですけれども、京都府では、これは60人を超える委員がいる大変大きな会議ですけれども、京都府防災会議において、行政機関やライフラインの関係企業、医療機関等が相互に連携して総合的な防災対策を進める仕組みになっております。
 ただ、この防災会議の委員というのは、災害対策基本法で法的に決められてしまっているために、先ほどおっしゃったような形で、なかなか広く府民が入りにくい状況にあります。それに対しまして、京都府では、災害ボランティアや女性団体の方々を専門委員という形で任命いたしまして参画いただくなど、行政や公共機関だけではなくて、民間活動団体にも平常時から防災体制に参加してもらうようにはしております。そして、その上で現地に当たる市町村や近隣府県とも防災対策協議会を設置してネットワークをつくっていく。さらに、例えば医師会から建設業界、それから隊友会からジャパンケンネルクラブまで非常に幅広く、各種団体とも災害時等の応援協定を結びネットワーク会議という形で先日つくりまして、そこでもまた意見交換をしていくことにしております。
 このように、個別の機関の協力関係から各分野ごとの協力関係にというふうに、点から線へと広げてきておりまして、これをさらに大学や企業、NPO、自治組織まで巻き込んでいくことにより、その総体が「あんしん府民会議」となるような形で充実・強化に努めてまいりたいなというふうに考えております。
 その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁をさせていただきます。


副議長(北岡千はる君)
 大槻危機管理監。
 
   〔危機管理監兼会計管理者兼出納管理局長大槻茂君登壇〕

危機管理監兼会計管理者兼出納管理局長(大槻茂君)
 事業継続計画(BCP)についてでありますが、災害など不測の事態によって府庁みずからが被災した場合にあっても、府民生活に支障が生じないよう事務事業を継続できる体制をあらかじめ構築しておくことが大切であると考えております。府は民間の企業と異なりまして、災害が発生した場合は、まず災害応急対策や復旧対策など府民の生命や財産を守るための業務を最優先にしながら、これと並行して通常の業務を継続することとなります。このため、府の事務事業について府民生活に与える影響の度合いなどを点検し、非常時に優先すべき業務を選定・整理しながら、継続する業務の執行体制や中断する業務の再開見通しなどを検討する必要があると考えられます。
 こうしたことから、先般、庁内各部局の担当職員による「府庁事業継続計画(BCP)研究会」を発足させたところであります。本年6月には、内閣府において「中央省庁業務継続ガイドライン」が示され、このガイドラインに沿って各省庁の計画策定作業が本格化するものと考えられます中で、府としても今後この研究会を中心にして現状分析や課題の洗い出しを行うなど、業務継続に係る研究・検討を進めてまいりたいと存じます。

 

副議長(北岡千はる君)
 上村崇さん。

   〔上村崇君登壇〕

 

上村崇君
 まず、BCPについてであります。庁内において研究会を発足していただいたということで、担当部局であるとか担当される職員の方々が、その研究会に参画をされておるということでございます。できますれば、庁内だけではない人員の巻き込み方というものを検討いただけたらなというふうに思っています。それは、先ほど「あんしん府民会議」と私がお話をさせていただきましたとおり、京都には、例えばこのBCPに関係して全国的な専門家の方々も大学の中にいらっしゃいますし、それにかかわるNPOの団体もありますしボランティアの方々もいらっしゃいます。そういった、いわゆる府民の英知を結集して、この府庁が災害時に事業を継続できる、そういう体制を進めていくためにも、私はこの研究会は、まずはスタートに立ったと思っておりますが、これからさまざまな形で府民、そして大学やNPOといったところも巻き込んだ形で、点であるところを面に広げていっていただく努力をしていただきたいというふうに要望させていただきたいと思います。
 次に、知事から御答弁をいただきました防災会議が今設置をされていて、法で決められている人員の中で、それを専門委員という形で任命して拡大をしているということであります。私も、その御苦労いただいた中で進めていっていただいているということは重々承知をした上で、やはり何度も申し上げておりますが、産官学、そして民、この連携というものが災害の中で大変重要になってまいります。実は京都府では、災害が起こって、そして23号台風等で北部でも災害が起こりましたが、なかなか京都府全域にその災害に関係する危機意識というものが共有されている状況には、私はまだまだなっていないというふうに思っています。その中にあって、どう府民を巻き込んでいくのか、そしてさまざまな英知を結集していくのか、そのお取り組みをこれからも継続的に検討を続けていただく中で進めていっていただきたい、これは要望させていただきたいと思います。
 それでは、次の質問に移ります。
 予防接種への取り組みについてであります。日本において、予防接種法に基づき定期接種を行わなければならないとされているのは、ポリオや麻疹・風疹などの6種類、そのほかにインフルエンザやおたふくかぜなどが任意接種とされています。
 例えば、2012年の麻疹排除に向けては、2回の定期接種それぞれにおいて95%以上の接種率の確保・維持が必要とされています。予防接種率の向上が、その病気の流行だけでなく根絶をも意味することになります。
 そこで、MR混合、麻疹・風疹ワクチンについてお伺いをいたします。
 2006年4月1日及び同年6月2日施行の予防接種に関する政省令の一部改正により、麻疹・風疹混合ワクチン(MRワクチン)を用いた定期接種が可能となり、我が国においてもようやく麻疹及び風疹ワクチンの2回接種が定期接種に導入、開始されました。接種対象者は、第1期が1歳児、第2期が5歳以上7歳未満で、小学校就学前の1年間に当たる者とされました。しかし一方で、2回接種法開始の初年度であるということ、年度内の数回にわたる予防接種に関する政省令の一部改正に伴い、医療や行政の現場において混乱が生じている可能性があることなどから、第2期の接種率の低迷が予想されました。国立感染症研究所感染症情報センターの「2006年度第2期麻疹・風疹ワクチン接種に関する全国調査」によると、本府の麻疹・風疹ワクチン接種率は71.3%で、全国順位でも46番目となっております。
 そこで、お伺いいたします。本年度を含め、これからの第2期接種率向上に向けた取り組みをどのように検討されているのか、御所見をお伺いいたします。
 次に、ことし麻疹、いわゆる「はしか」が10代から20代を中心に流行いたしました。これは、かつては子どものうちに麻疹に感染し、自然に免疫を獲得するのが通常でしたが、麻疹ワクチンの接種率の向上で、自然に感染する人は少なくなってきていました。しかし、10代から20代の人たちの中には、今まで一度も麻疹の予防接種を受けていない人がいますし、その上、そもそも予防接種は一度で十分な免疫が獲得できるとは限らず、麻疹ワクチンを1回接種しても数%程度の人には十分な免疫がつかないことが知られています。今回は、そのような人たちの間で麻疹の流行が起きたものと考えられています。
 さらに、麻疹ワクチンの接種率の上昇に伴って麻疹の患者数が減り、麻疹ウイルスにさらされる機会が減少しました。そのため、幼少時にワクチンを接種した現在の10代から20代の人は、免疫が強化されず、時間の経過とともに免疫が徐々に弱まってきている人がいることも原因の一つと考えられています。こういった麻疹及び風疹ワクチンの2回接種が定期接種に導入、開始される前の対象年齢外へのワクチン接種へ向けた取り組みはどのようにされるおつもりなのか、重ねてお伺いいたします。
 次に、日本脳炎ワクチンについてであります。
 日本脳炎ウイルスに感染しても、ほとんどの人は気がつかない程度で済んでしまいます。ごく少数の人が発病するにすぎません。その発病率は100人から1,000人に1人程度と考えられています。しかし、一たん脳炎症状を起こすと致死率は20から40%前後と高く、回復しても半数程度の方は重度の後遺症が残ります。我が国の日本脳炎患者の発生数は、ワクチン接種の推進、媒介する蚊に刺される機会の減少、生活環境の変化等によりその数は著しく減少し、近年の患者の発生数は年間で数名、主に中高齢者となっています。しかしながら、2006年9月に熊本県において子どもの発生が報告されています。
 また、2005年5月30日の厚生労働省による日本脳炎ワクチン積極的勧奨の差し控え勧告以降、3から4歳児での日本脳炎ワクチンの接種率が激減しました。これは、日本脳炎ワクチン接種後の急性散在性脳脊髄炎(ADEM)が報告されたことを受けての対応となりましたが、厚生労働省からの定期接種の積極的勧奨差し控え勧告やその後の通知がわかりにくかったため、全国の自治体や保健所等で混乱が発生したとも聞いています。
 現在、本府における日本脳炎ワクチンの接種状況はどのようになっているのでしょうか。また、定期接種の積極的勧奨中止という措置となっていても、実際には希望者には公費負担による接種が受けられます。しかし、多くの自治体において、実質上は定期接種中止と同様の扱いになっており、希望者が容易に接種できる状況になっていません。これについては、希望者への定期接種が速やかに円滑・容易に行われるよう関係機関と協力の上取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。
副議長(北岡千はる君) 和田保健福祉部長。

   〔保健福祉部長和田健君登壇〕

保健福祉部長(和田健君) 予防接種への取り組みについてでありますが、京都府においては、ここ数年、ほぼ毎年行われる接種制度の変更を踏まえ、その都度、接種の実施主体である市町村に対して速やかに情報を提供し、接種対象者へのきめ細やかな周知と接種機会の確保について要請をしてきたところであります。
 麻疹・風疹ワクチンの第2期接種につきましては、接種率が低い傾向にある都市部の市町村を中心に、2回接種の必要性など対象者への周知と呼びかけをさらに徹底し、接種率の高い市町村の事例も紹介をするなどしながら、接種率の向上を図るよう強く要請をしてまいりたいと考えております。
 一方、法改正前の麻疹・風疹の予防接種を1度しか受ける機会がない世代に対しては、この8月、国の予防接種検討会において、中1、高3の生徒に対する定期接種の方針が示されたところでありますので、法令改正等を踏まえ、市町村、教育委員会、医師会等と連携して、接種勧奨などしっかりと取り組みを進めてまいりたいと考えております。

   〔副議長退席、議長着席〕

 また、大学生等につきましても、先般、大学を中心に麻疹が流行した際に整備をいたしました大学・専門学校等とのネットワークを活用し、情報を共有しながら感染予防についての必要な助言等をしてまいりたいと考えております。
 日本脳炎につきましては、予防接種の副作用に考慮した国の接種勧奨差し控え勧告がなされたことに加え、より安全なワクチンの開発がおくれておりますことから、他府県と同様、京都府においても接種率が激減しており、平成18年度では約2%となっているところであります。
 このため、引き続き国に対して、早急に新たなワクチンを開発するよう求めるとともに、希望者に対しては、副作用を十分説明の上、適切に接種するよう、今後とも市町村、医師会等との連携に努めてまいります。
 なお、今回の予防接種率の低迷につきましては、議員御指摘のとおり、年度途中の相次ぐ制度の変更やワクチン開発のおくれなどが大きな要因となっておりますことから、今後とも国に対して、制度変更に当たっては実施主体である市町村が混乱なくきっちり対応できるよう周知期間を確保することや財政支援などを要望してまいります。
 また、京都府といたしましては、専門的・医学的見地から、予防接種相談センターやアレルギーなどを有する子どもの接種機関の確保など、技術的な支援を行ってまいりたいと考えております。

 

議長(家元丈夫君)
 上村崇君。

   〔上村崇君登壇〕

 

上村崇君
 予防接種に関係してであります。京都府が46番目、71.3%と申し上げました。1位のところは91.6%なんですよね。20%も差がある。これは、単に市町村に取り組みを要請するから接種率が上がったというレベルの話ではなくて、そもそも接種体制をどのように構築していくのかということが、市町村とどのように今までから取り組みをしてきたのかということの問われている結果だというふうに私は思っています。
 例えば、第2期の今回の接種率で言いますと、1年前でありますから、幼稚園や保育園、そういったところに直接の働きかけも含めた接種対象者の特定をしてお願いをしていくという積極的な取り組みの方策だって、私は連携のあり方としてはあろうかなというふうに思っておりますので、今後もさらなる向上に向けてお取り組みをいただきたい。
 これはなぜ申し上げるかというと、そもそも予防医療に向けた取り組みがこの予防接種の一番の根幹にあるというふうに思っています。その根幹にある予防接種の接種率が低いということが私は問題ではないかということで今回質問に取り上げさせていただきましたので、引き続き接種率が上がるような連携をした取り組みが進められますことを要望して、質問を終わりたいと思います。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)