議長(家元丈夫君)
まず、中島則明君に発言を許します。中島則明君。
〔中島則明君登壇〕(拍手)
中島則明君
民主党府議会議員団の中島則明でございます。私は、会派を代表し、山田知事並びに関係理事者に質問をいたします。なお、質問につきましては数点に分割して行いますので、よろしくお願いをいたします。
質問に入ります前に、議長のお許しをいただき、一言申し上げます。
去る7月29日に施行されました第21回参議院議員通常選挙は、直接の政権選択ではないものの、改革のみを優先し、国民生活や経済活動におけるセーフティネットを構築することなく退陣した小泉政権、その禅譲を受けた安倍総理の政権担当の是非を問う重要な選挙でありました。
〔議長退席、副議長着席〕
この選挙におきまして私たち民主党は、京都府選挙区では松井孝治候補に50万1,979票、比例区では43万9,619票と、大変大きな御支援を有権者の皆様方にちょうだいをいたしました。
現下、重要な局面にある我が国の政治は、安倍総理突然の辞任に伴い、前代未聞の空白、混乱の中にありますが、私たちは安心・安全の確立を基本として、格差社会の是正、消えた年金の徹底解明と信頼に足る制度の構築、地方主権の確立、無駄を排した効率的な行財政改革の推進など、選挙戦を通じて府民の皆様方にお約束をいたしました一つ一つを実現すべく、真摯に取り組みを進めてまいる所存でございます。御支援を賜りました府民の皆様方に、改めまして御礼を申し上げます。本当にお世話になり、ありがとうございました。引き続き御支援を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。
次に、一般会計120億5,840万円の補正予算を初めとする議案が今期定例会に提案されています。今回の議案も、希薄になりがちな人と人とのきずなを回復し、「人・間中心」の社会の実現を図ることにより、府民生活の安心・安全を確保するための施策が中心となっており、山田知事の思いがこもった内容となっています。
特に、深刻な医療問題を抱える府北部地域への対応や、産業・雇用の活性化に資する中小企業や伝統産業への支援策及び障害者の自立支援、さらに農業対策や環境対策など、いずれも重要な課題に対応する内容であり、高く評価をいたし、極めて厳しい行財政環境にある中ではございますが、さらなる取り組みに期待をいたすものでございます。
それでは、質問に入ります。
まず、本府の財政についてお伺いをいたします。
去る8月24日、財務省は平成19年第2四半期における我が国の債務残高、「国債及び借入金並びに政府保証債務現在高」を発表いたしました。それによりますと、我が国の債務残高は、実に885兆4,924億円にも及ぶ膨大な金額であります。本来、これらの負担は受益と負担のバランスから、各世代が均等に負担すべきものであります。しかしながら、余りにも膨大な債務残高は、現役世代とも言える20歳から60歳までの、いわゆる働く世代だけで賄い切れるものではなく、将来世代への負担の先送りが懸念されているところであります。
一方で、我が国は急速な高齢化社会の進展と少子化という問題を抱えております。厚生労働省人口動態統計によりますと、我が国の合計特殊出生率は第2次ベビーブームと言われた1974年の2.14に対し、実に4割減、長期的に人口を維持することができると言われる人口置換水準の2.07を大きく下回る現状にあります。また、食生活の改善や保健・福祉・医療の進展、がん・心疾患・脳血管疾患の3大死因による死亡率が大きく改善したことが寄与したことなどにより、我が国の平均寿命は国際社会に誇ることのできる長寿先進国にあります。
その結果、働く世代と高齢者の比率が2000年には3.6対1であったものが、2025年には1.8対1になるとまで言われております。まさしく、少子・高齢化の進展は、生産・物流・消費という経済のありようや、社会保障、国土の維持・保全を初めとする我が国の存立基盤の根幹に関するありよう、体質改善の必要性を示唆するに余りある数値と言えるでありましょう。
このような危機的とも言える国の財政状況や人口動態予測によって、この数年、地方に押しつけられた痛みは言葉にも絶するものがあります。国による歳出の抑制策は地方経済の減退を招くと同時に、1次産業から3次産業に至るまで、欠くことのできない交通アクセスの整備にブレーキがかかり、また地方交付税及び国庫補助負担金の削減に至っては、時にはやみ討ち同然の仕打ちを受けております。
京都府財政における影響数値だけを見ましても、地方交付税や国庫補助負担金の削減による三位一体改革に伴う財源の不足額は、平成15年度当初予算をベースとして、平成19年度当初予算で227億円、この間の累計は、実に996億円にも達するのであります。このような環境下にあって、我が京都府は、将来にわたって持続可能な財務体質への転換を図るべく「経営改革プラン」を策定したところであります。
その中で、給与費プログラム及び公債費プログラムを柱に、まさしく身を削る対応が図られているところであり、山田知事を先頭に、府民目線に立った改革の推進を高く評価し、今日までの取り組み及び職員の献身的な対応に敬意を表する次第であります。
さて、こうした厳しい財政環境のもとで「安心・安全、希望の京都」を実現するための施策は、時代の変遷とともに行政課題、府民要望が多岐に及んでいることを考えれば、常に新たな行政課題に対応することが求められております。改革の歩みをとめることは許されず、常に、より実現性の高い堅実な改革の立案と推進が重要となります。折しも、山田府政2期目のスタートとなりました平成18年度の決算概要が公表されました。各般にわたる事業の詳細な検証は決算特別委員会の場にゆだねるとして、公表されました概要をもとに数点お伺いをいたします。
概要によれば、平成18年度一般会計決算は、府税収入は前年度に引き続き増加しプラス108億円、三位一体の改革に伴う税源移譲が実施される間の暫定措置として、地方譲与税及び地方特例交付金がプラス159億円と増収要素がありますものの、他方で、国における地方財政抑制策による地方交付税の大幅な削減は、実にマイナス429億円にも及ぶなど、本府が自由に使える一般財源のトータルは151億円も縮小し、その厳しさにいささかの好転もございませんでした。また、歳出の特徴は、府民生活に密着した「学びと育みの京都」「健やか長寿の京都」「活力の京都」「環境・文化創造の京都」「安心・安全の京都」の中期ビジョンの5つの柱を中心に着実な推進を図る一方、経営改革プランの着実な推進や徹底した歳出の見直しによって145億円を捻出し、結果として歳入歳出の均衡が図られたものであります。
そこで、全庁挙げて取り組みがなされている経営改革プランでありますが、給与費プログラムの推進、集中と選択による施策の見直し、公共事業費の重点化、公営企業の経営改善及び公債費プログラム等、今日までの運営を経て、その成果と課題について、まず知事の御所見をお伺いいたします。
また、こうした経営改革プランは当然のこととして、その目標達成に向けて着実に推進しなければならず、今後の取り組みに期待をいたすところでございます。しかし、一般会計における歳出を人件費、公債費、投資的経費、扶助・補助費等、その他に区分し、性質別に歴年の決算内容を比率で比較いたしますと、一般的に財政の硬直化を見る人件費と公債費の比率は、経済対策による公共事業の大幅な追加補正を行った平成10年度の41.4%を除き、昭和62年度の48.4%、平成14年度の48.0%、平成18年度の48.5%とほとんど変わらない中、投資的経費の比率は、昭和62年度の25.8%が平成18年度には12.9%に減少し、扶助・補助費等の比率は昭和62年度の18.9%が平成18年度には32.2%に増加しており、結果として、扶助・補助費等の伸びを投資的経費の削減で賄うという形になってございます。
ここで注意をしなければならないのは、投資的経費の削減による財源の捻出はキャッシュフローでの財源捻出にはつながらず、基金の取り崩し等緊急的な財源対策が必要になるということでございます。なぜならば、投資的経費の財源の大宗は府債であり、将来、公債費として財源手当てを要することとなり、したがって、京都府では公債費プログラムを策定され、将来を見通した財源コントロールを念頭にした財政運営をされていると言えるのであります。
一方で、毎年財政支出を余儀なくされる人件費や社会的弱者への対応を含めた福祉対策など、扶助・補助費等は、いわゆる真水による財政出動が必要となってまいります。こうしたことからも、私は、本府の財政は既に硬直化した状態にあり、財政対策は喫緊かつ最重要課題と認識するものでありますし、府民との協働はこうした面からも重要な施策であることは論をまたないのでございます。このような環境、状況の中で、財源対策を必要としない持続可能な財政運営を図ることができるよう、さらなる財政対策が必要と考えますが、今後の財政運営について知事の御所見をお伺いいたします。
また、このように申し上げながら矛盾をするようでもありますが、そうは言いましても、府民生活の公平化と負担を最小限に抑えつつ、収入対策を図ることも重要な対策であります。そこで、歳入確保の観点から、例えば「ネーミングライツ」への対応を検討してはと思うのであります。この制度は、広告効果を目的とする民間スポンサーを公募し、一定の使用料を求めるものでありますが、既に公営バスの停留所における民間広告や停留所自体にスポンサー名をつける、あるいは体育館のような公設建造物に制度を導入するなど、自治体における先進事例もあり、ネーミングライツの本府での導入を含めた、税などこれまでの歳入とは異なる新たな確保への取り組みについて、知事の御所見をお伺いいたします。
次に、機構改革への対応についてお伺いをいたします。
さきの参議院議員選挙を挟み、中央政府のさまざまな問題や事象が白日のもとに露呈をいたしております。今、政治・行政に求められているのは、時代の求めに応じ、あるいは将来を展望する中で決して固定化をすることなく、より柔軟かつ堅実な執行体制の整備・構築を図ることであり、このことは、あらゆる組織における基本でもあります。
とりわけ、行政に付与されている権限、公権力の行使は公益に資するためのものであり、決して善良なる民を犠牲にし、その上に成り立つ繁栄を求めるものであってはならないことは言うべきもございません。
大きな変革の荒波の中に置かれている私たちには、地方主権への対応や環境・防災への対策、少子・高齢化時代における福祉・医療、教育、安心・安全の確保、地域の活力を再生するための産業・企業・雇用対策、歴史や文化・伝統を継承し発展するための施策の展開等々、将来に資する施策・事業を推進していく責務が課せられているのであり、そのためには、根幹をなす行財政の持続可能な体質転換が待ったなしの状況下にあると存じます。
京都府では、住民ニーズに的確にこたえ、地域が自主的・主体的に個性的なまちづくりを進めていける「地域」「住民」を出発点とする地方分権型社会システムへの転換が必要であるとの認識のもと、「かいかくナビ」を平成15年に策定されたところであります。
府内12ブロックごとに配置していた地方振興局等を、限られた人材で、その能力を最大限発揮し、府民の期待にこたえる執行体制を確立するとして、平成16年5月1日をもって、約60年ぶりとなる地方機関の再編を知事の英断において実行されました。今、私たちを取り巻く社会環境は、「格差問題」と表現されるようなさまざまな課題を抱え、社会資本の整備や医療・福祉、教育への対応等、直面するさまざまな課題に対応するため、府の地方機関には、より住民に身近な機関として関係市町村との緊密な連携が一層強く求められているところであります。
こうした地方機関の再編から、既に3年余が経過した今日において、その成果並びに課題や問題点について、知事はどのように認識しておられますのか御所見をお伺いいたします。
あわせて、現在、本庁組織の組織再編を検討されておられますが、本府を取り巻く環境をどのように分析され、さらに、より柔軟で実効性のある組織改革について、今後どのような観点に立って具体化しようとされておりますのか、スケジュールを含めて御所見をお伺いいたします。
この際、私の地元舞鶴市とかかわりの深い京都舞鶴港の振興組織について所見を申し上げます。
本府及び京阪神経済圏における海の玄関口、経済面のみならず文化や情報・環境を含めて交流の重要性が増大する対岸貿易、なかんずく、北東アジアとの門戸港として重要な位置づけにある京都舞鶴港であります。本府は、厳しさを増す日本海側の港湾競争を視野に入れ、舞鶴市及び周辺地域の経済の活性化を目的として、多目的国際ターミナル・和田埠頭の建設を推進し、平成22年春の供用開始に向けて、関係地元住民の理解と協力のもとで事業が進捗いたしております。
この事業は、さきに申し上げましたとおり、グローバル化する国際物流に対応することにより、当該舞鶴市はもちろんのこと、北部、京都府全体の活性化を図るものであります。いよいよ新たな段階を迎え、本格的な事業をスタートするに当たって、さらなる整備の推進や港湾を利用する民間を含む関係機関との連携及び最大の課題である集荷体制の充実に思いをはせますとき、現在の組織体制では整合性の図れないことが懸念され、より効率的で成果が発揮できる組織として機能及びマン能力を強化し、ハード・ソフト両面にわたる連携の強化、体制の確立が重要と思うのでございますが、その対応について知事の御所見をお伺いいたします。
副議長(北岡千はる君)
山田知事。
〔知事山田啓二君登壇〕
知事(山田啓二君)
中島議員の御質問にお答えいたします。
中島議員におかれましては、ただいまは会派を代表されまして今回の補正予算、そして行政経営改革につきまして高い評価をいただき、厚くお礼を申し上げます。
京都府の財政運営についてでありますが、厳しい財政状況の中、府民のサービスを守り、地域の再生を進めていくためには、歳出の中で大きな割合を占め、また固定的な経常経費であります人件費や公債費をしっかりとコントロールしていくことが大変重要になってまいります。
このため、給与費プログラムにより、組織・人員の効果的な配分に努めまして、内部管理業務の圧縮を中心に職員定数を500人削減した上で、警察官や教員の増員、そして児童虐待対応の体制強化等も図りながら、府民の安心・安全の確保、教育力の向上に取り組んでまいりました。
また、公債費プログラムにつきましては、投資的経費を学校、病院等の府民生活に密着した事業に重点化いたしますとともに、府債残高を中期的に抑制するために、投資的経費と公債費の合わせた額を一定額以下にとどめておくことによりコントロールすることといたしまして、平成25年に災害対策債や臨時財政対策債など交付税のかわりに発行している起債を除き残高を減少させることを目的に取り組んでまいりました。18年度の府債残高は、当初のそうした見通しからは約25億円下回るなど、現在順調に推移をしているところであります。こうした取り組みの上に「施策の集中と選択」を進めることとし、府民ニーズに的確に対応するため、400件を超える事務・事業の見直しや指定管理者制度の活用、府立病院の経営改善を進め約100億円を節減するなど、経営改革プランの目標であります500億円に対しまして、この2年間に約400億円の経営改革を断行いたしました。
しかし、一方では、今申し上げましたように、警察官や教職員の増員、児童虐待対策の強化、さらには乳幼児医療を含めた子どもの医療の充実やジョブパークの開設など新規施策にも財源を投入してまいりましたし、今後、社会保障関係経費の増加、地方交付税のさらなる削減、そして退職手当も今年度300億円を超え、今後10数年間はこの水準で推移することが見込まれておりますので、非常に財政状況としては厳しい状態が続くと見込んでおります。
このため、引き続き、府民福祉の維持・向上にしっかりとこたえられます持続可能な行財政運営を進めるために、経営改革プラン等に基づき給与費プログラムや公債費プログラムを着実に推進いたしますとともに、税源涵養のための企業立地や中小企業対策に努めるなど自立的な体制づくりを進め、また同時に地方の安定的な財政基盤の構築に向け、全国知事会を通じまして交付税等の一般財源が総額確保されるように国にも積極的に求めるなど、体制の安定化に向けて全力を挙げてまいりたいと考えております。
次に、ネーミングライツなどによる財源確保についてでありますけれども、少しでも府民の皆様の負担を軽減していくためには、新たな財源確保策が私も必要であると考えております。京都府では、例えばサミットの誘致や源氏物語千年紀など、行催事やモデルフォレストの取り組みに見られますように、企業とのタイアップを通じまして民間に資金協力をいただいているところでありまして、京都経済界を初め多くの方々に快く協力していただいていることに心から感謝を申し上げたいと思っております。
その上で、京都府といたしましても、さらに幅広く収入確保に資するよう民間の広告等の導入についても現在検討を進めております。広告の導入のあり方といたしましては、1つには、府の発行する印刷物や情報通信に民間広告を掲載する場合、もう1つは、御指摘のような府の施設に民間の企業の名前や商品名を冠するネーミングライツといったものがございます。ただ、府の発行する印刷物につきまして広告を出す場合には、京都府の業務と企業活動が混同されるおそれがありますので、府民に誤解を招かないように留意する必要があり、このため、まずは誤解のおそれが少ない京都府のホームページへのバナー広告などから順次導入をしていきたいというふうに考えております。
また、ネーミングライツにつきましては、プロスポーツのホームグラウンドに代表されますように、メディアを通じて視聴者の皆さんの目に触れる機会の多い施設にはスポンサーも得やすく多額の収入が期待できますけれども、その点からいいますと、京都府の施設には直ちに該当するものはないという状況にあります。
このため、施設の一部や一定エリア、さらには施設におけるイベントなどに命名権を設定するなど、柔軟な対応について検討していくことから始めていきたいというふうに考えております。
次に、地方振興局を初めとする地方機関再編の成果と課題についてでありますが、特に北中部地域を中心に市町村合併が進展していった中で、地域に暮らしている府民の皆様や、基礎的自治体であります市町村みずからが主体的に地域づくりを進められる分権型社会への移行を推進していくため、何とか時期を失することなく再編を実施できたというふうに考えております。
この結果、日常的な業務に係る企画力、実行力の向上に加え、広域災害対策支部の設置など、緊急時における機動的な対応力の強化や保健所におけます試験・検査機能の向上など、現地・現場での問題の解決能力を高めることができたと考えております。
ただ一方で、心配されましたのは、やはり広域再編によりまして住民の皆様との距離が遠くなるのではないかということでありましたので、同時に、本庁からの権限委譲や市町村未来づくり交付金の創設に加え、各総合庁舎への総合案内・相談コーナーの設置等により、市町村支援機能や府民サービス向上も図ってきたところであります。さらに、この間、各広域振興局では、市町村を初め地域と連携しながら地域の課題や実情を踏まえた地域振興計画を策定いたしまして、地域戦略推進費を積極的に活用する中で、中丹の場合には、例えば「由良川を活かした地域づくり」など特色ある地域戦略を展開し、広域振興局の地域視点、現地視点を設定してきたところであります。
しかしながら、こうしたものが板についてきますと逆に固定化してまいりますので、特に本年度は地域力再生という重要課題につきまして、職員の皆さんが地域住民や団体と直接顔を合わせ、一緒になって地域のことを考えていくことにより、さらに住民と広域振興局の距離を縮めるため、そういったことも一つの大きな理由として私は地域力再生プロジェクト支援事業を創設いたしました。
広域振興局では、これまでの現地・現場主義に基づく成果も踏まえまして、職員が地域に入り、市町村やNPO、府民の皆様と一緒になって地域の自主的・主体的な取り組みを支援した結果、全体で168件の申請中、広域振興局管内からは119件の申請がなされたところでありまして、地域と一体となった府政運営のあり方を確固としたものにすることがこれからの課題であるというふうに思っております。また、議員御指摘のとおり、地域の活性化や地域力の再生を推進していくためには、市町村との一層の緊密な連携も重要でありますので、今後におきましても、さらに現地・現場主義に基づく広域振興局の事業執行や機能の強化に努めますとともに、市町村を支える仕組みとして行政間協働や意欲ある市町村への権限委譲についても積極的に検討してまいりたいと考えております。
次に、本庁組織の再編についてでありますが、住民の皆様のニーズが高度化・複雑化する中で、府民の皆様の期待にこたえる府政を展開するためには、国から都道府県、都道府県から市町村、市町村から住民へと金と権限が流れていく中央集権に適したような組織から、府民の皆様を起点にした「企画実践型」の行政組織へと転換していくことが今求められていると考えております。
このため、組織の再編に当たりましては、府民の皆様の理解と協働を促進するためにも、府民の皆様から見て、よりわかりやすい組織となるような「府民の視点」、そして地域の多様な課題に対して的確に対応できる組織とするための「政策の視点」、さらには厳しい財政状況の中、あくまで簡素で効率的な組織とするための「行革の視点」、このようにきれいに分かれるわけではありませんけれども、この3つの視点をうまく組み合わせて組織を再編していきたいというふうに考えております。
例えば、「府民の視点」で申しますと、今、課と室が混在しておりまして、そこに総括室がございますので、わかりにくい点を改めて「部」と「課」の体制を基本としていく。しかし、これを原則としつつも、府民の皆さんの混乱が生じないように現行の組織の継続性にも配慮いたしまして、対外的に定着して重要な課題を継続的に事業実施するような室につきましては存続するなど、柔軟で、わかりやすい組織体制にしていきたいというふうに考えております。
また、「政策の視点」では、政策課題との一致や関連業務の一元化を図るよう編成したいと考えておりまして、府民参画・府民協働や安心・安全等、府民生活に関する部門を総合的に所管いたします府民生活部門、そして下水道や集落排水等の水環境施策も、これも府民視点もありますけれども、わかりやすいように一つのところにまとめていきながら、豊かな「環境」と日本を代表する「文化」が融合した京都らしい施策を推進する文化環境部門、さらには産業・観光の活性化と雇用対策を一体的に推進する商工労働観光部門などの部の編成を検討しているところであります。
「行革の視点」では、組織の肥大化を避けるために、部の数を現在の10部から9部に削減いたしますとともに、府民要求に迅速に対応するため、7層あります部長までの意思形成過程を、基本的には4層に見直すフラット化も推進していきたいと考えております。
この考え方のもと、本議会に今詰めております部局の再編案の基本をお示しいたしまして、府議会を初め幅広く御意見をお伺いする中、平成20年度定期人事異動期の実施に向けて、引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。
次に、京都舞鶴港振興にかかわる組織体制の強化についてでありますが、従来から、民間との連携を密にし、貿易振興や集荷活動は商工部門と舞鶴港振興会が実施し、ここで把握された荷主の皆様の要望や貨物の内容、取扱量のトレンドを見ながら施設の整備や管理を土木部門で実施してまいりました。
平成22年春に供用を予定しております和田埠頭につきましては、舞鶴が待ちに待った近代的かつ本格的なコンテナの取り扱いができる埠頭でありまして、京都舞鶴港が環日本海時代に国際貿易港として競争力のあるサービス水準の高い物流拠点を目指す大きな原動力になりますが、そのためには貿易推進部門と港湾管理・運営部門の密接な連携がますます重要になってまいります。こうした連携策を強化するために、昨年度から、商工部、土木建築部、中丹広域振興局にまたがります「京都舞鶴港振興プロジェクト」を設置いたしますとともに、港湾コストの低減につながる効率的なターミナル運営のあり方や柔軟な港湾施設利用が可能となります施設管理条例の改正を目指して、荷主や港運業者など民間の利用者も含めた「はばたくみなとまいづる恵みのプラン」策定委員会で、広く関係者の意見を聞き、検討に着手してまいりました。
さらに今年度は、ソフト・ハード施策の連携強化のために、商工部と土木建築部を兼務いたします京都舞鶴港振興担当理事をプロジェクト長として新たに設置いたしまして指揮系統の一元化を図りますとともに、現地におきましても、中丹広域振興局の職員2名を貿易振興の専任で港湾事務所に常駐させまして、荷主からの要請の把握、企業立地の推進、集荷活動などに重点的に取り組んできたところであります。
今後、ポートセールスや集荷、航路開拓を中心に行う舞鶴港振興会の体制強化、港湾用地を含む府北部地域への企業誘致体制の強化、そして利用者の要請に迅速に対応できる管理・運営体制の構築等、プロジェクトチーム等の成果も踏まえ、一層、ソフト・ハードの連携が進むよう、新たに全庁的な組織としての「京都舞鶴港振興本部(仮称)」を立ち上げるなど、総合的な体制づくりを検討してまいりたいと考えております。
副議長(北岡千はる君)
中島則明さん。
〔中島則明君登壇〕
中島則明君
ありがとうございました。2回目といいますか、後で要望させていただきたいなと思っておりました点にまで触れて、本当に機微に触れた答弁をいただきましてありがとうございます。
申し上げましたように、国の抱える非常に膨大な債務を中心にして、何とかしなければならないということでいろいろな対策が講じられております。しかし、そういう中で、例えば今景気回復が顕著な状況にございますけれども、これは国の対策だけではなしに、都道府県から市町村に至るまで、それぞれの自治体も関与しながら一生懸命それに対応してきている。その中で、税収が伸びていることがなかなか反映をされてこないというところについて、私は、国に向かって、知事がおっしゃったように、さらなる地方への財源対策を含めた対策の強化ということはこれからもお願いを申し上げたいと思います。さらに、もう一つありますのは、団塊の世代の大量の退職者が発生しておる状況の中で、現状の京都府職員の労務構成、人口動態を見ましたときにも、全く逆三角形のような形になっている。持続可能な行政を今後も維持するということにつきましては、今後も十分御配慮をいただきながらお世話になりたいということをお願い申し上げまして、次にまいります。
次に、府域の均衡ある発展についてお伺いいたします。
山田知事には、「むすびあい、ともにひらく新世紀・京都」を基本理念とする新京都府総合計画の達成に向けて、鋭意、積極的な取り組みを進めていただいており、その積極果敢な取り組みを是とし、高く評価するものであります。この総合計画は2010年を目標としたものでありますが、既に7年目に入っています。この間の社会・政治・経済情勢は大きく変化し、府行政及び府内市町村、府民生活を取り巻く環境も、自然災害を初めとするさまざまな体験や府内自治体の再編整備とともに計画の起草時期と比較をすれば、抱える課題も飛躍的に増大いたしております。府民ニーズを的確にとらえ、各般に及ぶ府民生活の現場を直視した安心・安全な府域の均衡ある発展は極めて重要なテーマであり、衆目の一致するところであります。
しかし、同時に、南北に広範な地理や、ゆえに、歴史、文化、自然、産業など、地域における環境、さらに、おのおの地域を取り巻く社会、経済面における実態の違いなどから、地域が持つ特色を最大限に活用した取り組みも重要となっております。一方で、格差の拡大が顕在化する中、府民との協働を一層推進し、地域力の再生を図ることは最重要課題でもあります。
山田知事は、日常の業務や災害、あるいは選挙戦を通じて府内の各所を訪問され、府民生活や自然環境、社会資本の整備状況や経済実態、歴史や文化など、その目で、耳で、肌で感じてこられたからこそ原点となる地域における住民間のコミュニティの回復・増進の必要性に思いをはせられ、個人でできることは個人で、個人のつながりの中で形成される住民自治でできることは地域で、その取り組みや活動を支援・補完する行政としての役割を果たす、まさしく三位一体による地域力の再生の重要性を痛感される中、府政の重要施策として事業化を図られ、本年度、地域力再生プロジェクトをスタートされました。
「地域力の再生」を求める声は、阪神・淡路大震災における検証から、災害対応における地域力がクローズアップされたことに起因いたしますが、しかし、地域力再生の重要性は災害への対応のみならず、経済、医療、福祉、教育、伝統、文化、自然保護等々、人の営み、なりわいにおいて広範に及びます。
そこで、既に取り組みが進められている本プロジェクトの現状と特色、さらに問題点や課題、今後の展開を含めて知事の御所見をお伺いいたします。
さて、都市計画法は、第2条(都市計画の基本理念)のとおり、「農林漁業との健全な調和を図りつつ、健康で文化的な都市生活及び機能的な都市活動を確保すべきこと並びにこのためには適正な制限のもとに土地の合理的な利用が図られるべきことを基本理念として定めるものとする。」と規定しており、本府並びに府内市町村においては、一定の区域において、同法に基づき都市計画が定められております。しかし、審議機関を経て計画決定がなされて以降、相当の時間の経過とともに社会環境や経済環境、自然環境が変化をする中、必ずしも的確に対応していると言いがたい現象が表面化をいたしております。散見される特徴的な事象や住民の関心事を私の地元を例にとり申し上げます。
舞鶴市では、都市計画において京都舞鶴港の利用促進を図る目的で臨港地区を指定し、さらに港湾管理者である京都府が機能別に分区を指定しておりますが、取扱貨物の変化に伴って、立地企業の事業展開や新たな企業誘致の妨げになるケースなど、府民生活の営みやなりわいにそぐわない状況が生じており、この際、全体的な検証を行い、見直しを図る必要性があると認識いたします。
さらに、分区内において、構築物の設置を規制している条例につきましても、申し上げました同様の意味合いにおいて総合的な検証のもとに精査すべきと考えますが、その点を含めて知事の御所見をお伺いいたします。
また、知事も御承知のとおり、長年にわたって地域の経済や雇用に貢献してきたダイワボウマテリアルズ株式会社舞鶴工場が、本年6月7日に発生した火災を受け、紡績部門の再建、織布部門の操業継続は困難として、事業の撤収を表明しました。30年を超え、心通わしてきた身であるだけに、企業の将来や従業員の生活、地元経済や雇用に与える影響を懸念し、火災発生の当日から最大限の支援体制を府に要請し、お願いをいたしてまいりました。府におかれては、地元舞鶴市や関係機関とも連携を図り、その対応に奔走いただきましたことに深甚なる敬意と感謝を申し上げます。一方で、私は、社会的責任を負う企業として、その結論を導き出す過程やホームページに記載された内容に違和感を禁じ得ない心境におります。
ところで、この企業が有する用地10万6,306平米は都市計画で規定する準工業地域に指定され、高速道路のインターチェンジからのアクセスもよく、周辺環境に配慮した新規雇用を創出する上で良好な条件を有しており、住宅地と化してしまうことは避けなければならないと思っております。
舞鶴市、ひいては京都府北部地域の経済発展につなげるとともに、新たな雇用の場としても機能できるよう、京都府においても日産車体京都工場跡地の場合と同様に、地元舞鶴市やダイワボウマテリアルズ株式会社と連携して、跡地の有効活用に積極的に取り組む必要があると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。
また、唐突のようではございますが、府域全般において大きな問題と化していますのが有害鳥獣の問題であります。
本議会に、「京都府絶滅のおそれのある野生生物の保全に関する条例制定」が提案されていますが、こうした取り組みは良好な自然環境を保持し、自然との共生を図る観点からも極めて重要な施策であります。しかし、一方では、イノシシ、シカ、猿を初めとする鳥獣により、農作物を中心に大変な被害が生じており、こうした有害鳥獣による被害は限定された地域のみの現象だけではなく府域全体に及び、生産者の生活意欲を喪失させ、自然環境の保全とも密接に関係する森林の形成にも影響が及んでおります。
府は、市町村とも連携し、電気柵や防護ネットの設置、捕獲おりの設置、レンタカウの配置等々、各種の施策を展開いただいておりますが、被害は一向におさまらず、周期的な変化はありましても、その被害は増大傾向にあります。また、こうした有害鳥獣と人との遭遇事例は頻繁に発生しておりますことから、人への危害を憂慮いたしております。
自然との共生には一定の理解をしつつも、しかし、こうした影響、被害を直接受ける者からすれば、我が身、我が生活が第一であり、特別な対策の上に徹底した駆除対策を求めるものでありますが、被害及び駆除の状況、個体把握の現状及び個体数の推移、さらには現状の対策状況、あわせてヌートリアやアライグマといった外来種への対策について知事の御所見をお伺いいたします。
次に、極めて深刻な状況にある医療対策についてもお尋ねをいたします。
医療を取り巻く環境が急速に変化する中、「医師数は足りている」との国政における政府の見解とは裏腹に、大都市圏での医師過剰が指摘され、一方の地方や僻地では、日常の医療を担う医師の確保もままならないのが現状であります。医師や医療機関、診療科の偏在は命の格差でもあり、現地・現場の実情を顧みない国の認識に怒りすら禁じ得ないのであります。
持続可能な高度医療体制の整備は、府民が等しく切望する最重要課題であり、深刻の度を深める医師や看護師不足への対応は、特に一刻の猶予も許されない状況にあります。とりわけ、本府においては、府北部の現状を憂慮して医師バンクを設置し、医師確保に腐心していただいたところであります。このたび、医師が不在となり休止状態にあった舞鶴共済病院の「心臓血管外科診療・手術」の再開に向けた府立医大医師の派遣や、舞鶴医療センターにおける周産期医療センターの再開に向けた教授の派遣が決まり、地域医療の再開に一歩踏み出したことに一安心いたしたところであります。
このような医師バンク制度の運用充実のほかにも、地域医療を担う若手医師の確保対策としての「地域医療確保奨学金」の貸与枠の拡大、「府立与謝の海病院」への医療施設整備に対する助成、「舞鶴地域医療あり方検討委員会」への職員の参加など、喫緊の課題に果敢に対応いただいておりますことは、医療崩壊の危機にある地域に生活しております者にとりましては、まことにありがたく心から感謝を申し上げます。
知事は、2007年版「グラフKYO」の中で、医師不足、医師の地域偏在、診療科の偏在について指摘をされておりますが、私も全く同感であります。そこで、深刻な状況にある地域医療への取り組みについて、私の思いを申し上げ、知事の御所見をお伺いいたします。
その1つは、二次医療圏のありようについてであります。昭和60年、医療法が改正されたのに先立ち、京都府では昭和59年に策定した「京都府保健医療計画」の中で、医療圏として、当時は保健医療圏と呼んでいたようでありますが、制定をされたところであります。二次医療圏については、地域的条件、人口分布、交通条件、通勤・通学圏、府民の受療動向等を勘案して、現行の6医療圏を設定されたところでございます。しかし、医療圏の範囲を定めた項目については、昭和59年の計画策定時と比べ、交通や通信網の進展といった社会資本の整備、人口動態の変化等で大きく異なっており、さらに拠点医療機関の役割分担と機能強化、医療経営を取り巻く環境の変化、救急救命を含めた初期対応の重要性等、持続可能な高度医療体制の整備が重要となってきており、こうした観点から、将来を展望した二次医療圏のありようについて検討すべき環境にあると認識いたしますが、知事の御所見をお伺いいたします。
その2は、医師の偏在や診療科の偏在、医療制度改革、少子・高齢化や社会環境の変化に対応し、持続可能な高度医療を地域全体で整備する、理屈は理解できましても、その道は極めて難解であると承知をいたしておりますが、しかし、医療崩壊が現実味を帯びている、特に府北部における現状にかんがみれば、いかに困難な課題であったとしても避けて通ることはできず、早急な対応が求められています。
一次医療を担うかかりつけ医としての診療所と二次医療を担う病院の連携強化が求められる中で、二次医療そのものの体制整備が問われ、住民はもちろんのこと、一次医療の現場からも二次医療の安定した確保を求める強い声があります。
一方、二次医療の現場における医師や看護師、スタッフの過労は深刻な状況にあり、したがって精神的にも肉体的にも限界を超えた状況で発生する医師の退職により、その機能を失う現象が発生しております。多くの治療が二次医療で完結でき得るレベルにあるにもかかわらず、こうした状況が突発的に発生することによって地域全体における医療レベルが低下する、このことは二次医療はもちろんのこと、一次医療にも多大な影響を及ぼすと同時に市民生活の医療に対する不安の増大へとつながっています。
そこで、一次医療、二次医療の現場、一次、二次医療圏を管轄する行政、さらにユーザーを初め、すなわち市民を初め、医療に関係する福祉等が参加して医療における現状認識を深め連携の強化を図る、さらに地域医療の再編の必要性等を含めて議論し実践する場を持つことは、極めて重要な時期にあると認識いたしますが、知事の御所見をお伺いいたします。
あわせて、周産期医療を担う産科や小児科の医師の偏在が指摘される中、昨年・本年と相次いだ近隣府県の救急医療における事象は、府民の救急医療に対する不安感を抱かせていますが、本府における現状と対策についてもお尋ねをいたします。
副議長(北岡千はる君)
山田知事。
〔知事山田啓二君登壇〕
知事(山田啓二君)
まず、地域力の再生についてでありますが、地域力再生プロジェクトの大きな目的は、府民の皆様はもとより、NPO、企業、大学など、地域のさまざまな活動主体がお互いにしっかりと行動していくことを行政が支えていくことにより、地域の資源や人材が活用され活力ある地域をつくること、そして府民の主体的な活動の活性化により府民の皆様の自治の力を再生し、多様な主体が公を形成する自立した地域社会の新しいモデルをつくること、この2つを目指したいと考えております。
具体的な事業内容としては、地域力再生プロジェクトの支援事業交付金、地域力再生に係る行政との協働事業等の提案募集、地域力再生活動の事例を共有し、活動に携わる人たちのネットワークをつくる「地域力再生フォーラム」の開催などを行っているところであります。
このうち、交付金につきましては、去る6月から7月までの期間に実施しました1次募集で168件の申請があり、地域活動家や有識者などから成る地域力再生支援会議での検討を経まして、子育て支援、環境保全、地域活性化などの幅広い分野で、地域力再生の効果が高いと見込まれる154事業に対する支援を決定いたしまして、現在、2次募集に入ったところであります。
また、提案コンクールにつきましては、環境保全や子育て、地域振興など幅広い分野にわたり民間と行政との協働や、地域力再生活動を応援する行政の施策についてかなり専門的な形で提案をいただきますとともに、次の世代を担います中学生、高校生からも京都の将来に対する夢の提案を募集いたしまして、今後、優秀提案の表彰などを行うとともに、すぐれた提案につきましては具体化をしていきたいというふうに考えております。
ただ、府民による地域力の再生を進め、人が支え合う地域社会を実現していくためには、交付金を支給するのはゴールではなく、これはまさにスタートだと考えております。さまざまな課題を府民協働で解決していくためにも、地域で取り組まれている地域力再生の活動をネットワーク化して市町村の圏域を超えてその行動能力を高めていくことが必要であるというふうに考えております。
このため、今後、セカンドステージとして、交付金の支援団体等を対象といたしました「地域力再生フォーラム」を各広域振興局及び京都市で連続開催いたしまして、団体間のネットワークづくりを進めますとともに、子育てや安心・安全、環境保全など、課題ごとに各団体等が行政と一体となってさらに問題の解決能力を高めることのできる基盤づくりをしていきたいと考えております。
そして、こうした動きをサポートするため、テーマに応じました府庁内のサポート体制の整備、関係府職員の派遣を行う「行政の地域への参画」、府庁の各部局と連携した「専門アドバイザー」の設置・派遣などを積極的に行いまして、地域力再生活動の府内全域への拡大や各部局の施策と連動させていくことを通じて、京都府としての行政のあり方も変えつつ、地域力の再生があすの京都づくりにつながるように努力をしてまいりたいと考えております。
次に、京都舞鶴港及び港周辺の土地利用についてでありますが、周辺地域におきます既存企業の一層の事業展開や企業立地は、港の振興にとって重要な柱になってまいります。京都舞鶴港では、主な埠頭などの周辺の土地を臨港地区に指定した上で、商業活動を促す商港区や工場などの設置を促す工業港区などの分区に指定いたしまして、さらに府の条例により立地可能な建築物を、結構細かく規定をしてまいりました。しかし、取扱貨物の形態や産業構造が変化する中、例えば従来は原木を輸入し製材加工しておりました工業港区での工場が、昨今では販売を主といたします卸売業を兼ねた事業所へ転換するなど、土地建物の利用が柔軟に行われるようになってきており、御指摘のような問題が生じてきております。
このため、京都府といたしましても、港湾審議会の意見を聞きながら土地利用規制の緩和を検討しているところでありまして、今後、京都舞鶴港周辺において多様な企業が立地をいたしまして企業活動が活発化するよう、舞鶴市のまちづくり計画とも十分調整しながら分区指定や条例の見直しを進めてまいりたいと考えております。
次に、ダイワボウマテリアルズ舞鶴工場についてでありますが、同工場は昭和13年以来、地元舞鶴市のみならず北部地域の主要な産業拠点として地域の発展と雇用の創出に大きな貢献をされてきた工場であります。火災発生後、京都府としても直ちに地元舞鶴市等関係機関と連絡会を開催し、状況把握に努めますとともに、工場の再開に向けての努力を会社側に要請してまいりました。地元自治体として協力体制を整えてまいりましたけれども、会社として事業採算のめどが立たず、工場の再開は困難と判断されまして今回撤収の発表となりましたことは、本当に残念であります。
撤収が示されたことを受けまして、9月7日に、担当副知事が舞鶴市長、舞鶴市議会議長及び舞鶴商工会議所の会頭とともに親会社であります大和紡績株式会社を訪問いたしまして、従業員の雇用対策、そして地域経済の活性化に資する工場跡地の有効利用について要請をしてまいりました。それに対し会社側は、従業員の雇用につきまして、正社員につきましては本社に「雇用対策本部」、舞鶴工場に「雇用対策室」を設置いたしまして再就職を支援するとのことでありましたので、私どもといたしましては、パート・嘱託職員につきましても、今新たに誘致していた企業で一部採用される予定になっておりますのは朗報でありますけれども、引き続き会社にも配慮を要請してきたところであります。
また、工場跡地の有効活用につきましては、行政の指導も踏まえながら考えていきたいとのことでありましたので、京都府といたしましては、できる限り地元経済の活性化、雇用の確保に資するような利用がベストであり、地元舞鶴市と連携し、会社とも連絡・協議を行う場の設定を求めますとともに、企業立地促進条例に基づく特定産業集積促進計画の策定など環境整備に努めてまいりたいと考えております。
次に、有害鳥獣対策についてでありますが、議員御指摘のように、深刻化する鳥獣被害は農家の経済的損失だけではなくて、生産意欲、仕事に対する意欲を失わせ、集落の維持にも大きく影響する重大な問題であると考えております。平成18年度の農林被害は5億7,000万円に上っておりまして、シカ、イノシシ、クマ、猿などの被害が全体の85%を占めております。有害鳥獣の捕獲状況は、シカ、イノシシなど約8,500頭を捕獲しておりまして、この10年間で5倍にふえております。野生鳥獣の正確な個体数の把握というのは大変難しい話でございますけれども、シカは3万数千頭、猿は2,000頭ぐらい、クマは約300頭と推定されております。こうした被害対策につきましては、一つには被害を直接防ぐ対策として防護柵の設置や有害鳥獣捕獲を進めますとともに、被害を抑制する環境づくりといたしまして、農地周辺の里山整備や荒廃農地へのレンタカウの放牧などにも取り組んでおりますし、さらに恒久的な被害対策に取り組むために、「人と野生鳥獣との共生の村づくり事業」も本年度から実施したところでございます。
その上で、野生鳥獣には都道府県の境というのはありませんので、近隣府県とも連携した広域的な対策が重要となってまいりますので、先月末にも兵庫県、鳥取県の両知事とも会談しまして、その中で、お互いに情報交換をして広域的な対策に取り組むことで一致したところであります。
また、アライグマやヌートリアなどの外来生物につきましては、京都府ではこれまでから市町村が実施いたします有害鳥獣捕獲等を支援してまいりまして、外来生物法が制定されたことも踏まえ、平成17年度から実態調査や被害防止マニュアルの策定を進めますとともに、市町村と連携を図りながら対策を実施してまいりました。
なお、今議会に「絶滅のおそれのある野生生物を保全するための条例」の制定を提案しておりますけれども、条例に基づく基本方針の中におきましても、希少種の保全と被害防除施策との調整を図っていくことにしているところであります。
今後とも、広域振興局単位に、府や市町村の担当者で構成しております野生鳥獣被害対策チームを中心に、捕獲や防除、里山整備などを総合的に推進し、一層の被害対策に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、医療対策についてでありますけれども、二次医療圏は高度・特殊な医療を除く一般的な入院医療を提供するための地域的な単位として設定しておりますもので、従来からこの圏域ごとに病院群の輪番制など一般救急や災害拠点病院など、地域における第一線の医療体制を整備してまいりました。
しかし、医療の高度化、地域診療科における医師の偏在が生じます一方、交通網の整備等によりまして生活活動範囲が拡大するなど、社会的条件も変化をしてきておりまして、二次医療圏の枠を越えた広域的な対応や他府県との連携も視野に入れた対応が重要になってまいりました。
このため、脳卒中や急性心筋梗塞、周産期医療など、緊急かつ高度な医療を要する場合などについて、二次医療圏を越えた広域体制の確保につきましても市町村や医療関係者と連携・協力し取り組んできており、今回、京都府としましても、御指摘のありましたように、北部地域全体の心臓外科医療体制を広域的に確保する観点から、府立医大から舞鶴共済病院に関係医師を派遣したところであります。その上で、地域における医療体制を一層向上させるためには、議員御指摘のとおり、地域ごとに医療問題等を議論することが重要になってまいりますので、本年度、地区医師会や中核的な病院、市町村、福祉関係者等を構成員といたします「地域保健医療協議会」を、私どもが事務局になりまして立ち上げたところであります。
協議会におきましては、これまで主に、がん、脳血管疾患、心疾患、糖尿病といった疾病ごとに医療機関相互の連携や役割分担など、医療提供体制のあり方などについて活発な議論を行っているところであります。今後、こうした議論を踏まえ、地域の医療資源を有効に活用しながら、適切な治療が受けられますように、府民にとってより充実した医療提供体制の具体化を図ってまいりたいと思っております。
次に、救急医療についてでありますけれども、京都府では、昨日もお話ししましたように、消防本部が通報を受けてから救急車が医療機関に到達するまでの平均所要時間は、全国では4番目に短いという結果が出ております。また、周産期の救急体制につきましても、平成9年に京都第一赤十字病院を総合周産期母子医療センターに指定いたしまして、地域の周産期医療二次病院と緊密な連携を図りながら、ハイリスクな母胎や新生児を適宜受け入れる体制を確保してまいりました。センターには、医療機関への受け入れ調整を担う医師に常駐していただきまして、周産期医療を担う医療機関や各消防本部が参加します京都府周産期医療情報システムを利用することによりまして、奈良県で問題になりましたような、かかりつけ医のない妊婦の方の場合でも受け入れ可能な病院を決定できるように運用してきたところであります。
さらに、府県域を越えた広域搬送につきましても、従来から総合母子周産期医療センターが他府県の拠点病院と連携を図って対応しているところでありますけれども、今回、奈良県の事案を踏まえまして、近畿府県の連携をさらに強化し、広域搬送をより迅速に行える体制を速やかに整えるべく専門医師等により調整を行っているところであります。
引き続き、府民の皆様が安心して子どもを産むことができるよう関係機関に対し現行システムの周知や円滑な運用について徹底を図るとともに、広域的な連携体制を含めて体制の充実・確保に全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
副議長(北岡千はる君)
中島則明さん。
〔中島則明君登壇〕
中島則明君
ありがとうございました。京都府が調査をされて、府内に141の限界集落がある。そのうちの約7割を超える部分が中丹以北にあるという状況下にあります。さらには、きのう舞鶴市の、要するに舞鶴市民病院をめぐっての検討委員会が開催されて一定の方向が出たようでありますけれども、こういった形の中で医療機関の統合を図るということになりますと、相当の分野で法律との整合性ですとか、あるいは国との関係ということが出てこようかと思いますので、十分に地元とも連携をいただいて、そして持続可能な高度医療というものがしっかりと構築できるように今後もお願いを申し上げたいと思います。特に医療の現場で働いております医師・看護師の皆さんの疲労というのは、申し上げましたように本当に極限な状態にあるということも含めて、その皆さん方がどういう状況にあるかということも一緒になって共有できるような機関がぜひとも必要だということも含めて申し上げましたので、今後、十分によろしくお世話になりたいと思います。
次にまいります。府立学校におけるキャリア教育についてお尋ねをいたします。
まず、高等学校における生徒へのキャリア教育についてであります。急速に変化をする社会環境の中、子どもたちの教育をめぐっては学力低下への懸念、いじめや不登校問題、凶悪犯罪の低年齢化、安心・安全の確保などさまざまな不安が指摘され現実のものとなっている今日でありますが、我が国の将来における大きな不安を感じさせる一つとして、若者の就労観や就業観の低下に注目が集まっています。いつの時代にあっても、またいかなる国にあっても、国の将来を担う人づくりは最も優先される課題として位置づけられており、特に古くからの教育への取り組みは、国民の勤勉さを伴って、資源の乏しい我が国が国際社会の一員としてその地位にありますのも、「人づくりなくして国づくりなし」「国の大計」としての基本に基づいて発展をなし遂げてきたと言えるのでありましょう。
この人づくりは、我が国、我が地方、我が地域の存続に直結する生命線と言って、決して過言ではないと存じるのであります。しかし、昨今の世情の中、大変懸念される状況として「フリーター」や「ニート」と呼ばれる若者の存在がございます。国の労働経済白書では、定職を持たないフリーターは景気動向を反映して減少傾向にありますものの、実にその数187万人、働くことも学ぶことさえしないニートと呼ばれる若者は、ほぼ横ばいの62万人いるとされています。すなわち、京都府の人口に匹敵する約250万人の若者が定職を持たず、実に不安定な状況に置かれているということであります。
時あたかも、団塊の世代の大量退職の時代を迎えていますが、この方々や私たちの子どものころは、高校はもちろんのこと、中学を卒業すると同時に社会に出て働くということは決して珍しいことではなく、当然のこととして受けとめていました。親は家族を養うために朝早くから夜遅くまで、それこそ必死になって働き、子どもは親のその姿を、その背中を目に焼きつけ、汗のにおいを体に受けながら育ちました。言いかえれば、卒業と同時に社会に出て、その一員として働くことが当たり前の時代であったわけであります。そうした時代と現在とでは、環境が違うと言ってしまうのではなくて、たとえ違った環境の中で育ったとしても、働くということに対する関心や意欲、また責任感ということをしっかりと身につけることができる手だてを講じる、このことの重要性を私は思うのであります。
現在、府教育委員会では、府内すべての小・中学校で職場体験等を行う「京の子ども、夢・未来体験活動推進事業」が実施されており、大変有意義な事業として高く評価をしているところであります。私は、こうした有意義な体験活動は、その枠を高校生へと広げることにより、小・中・高において子どもたちの成長に合わせ、その時々に必要なキャリア教育をしっかりと進める、このことが重要な時代を迎えていると認識いたしております。
そこで、未来を担う子どもたちに対して、しっかりとした就労観や就業観を育成することは学校教育の場においても避けて通ることのできない極めて重要な課題であるとの認識から、府立学校におけるキャリア教育について、今後どのように取り組んでいかれるのか、今年度の新たなアクションプランとして検討が進められている「府立学校キャリア教育推進プラン」の検討状況とあわせて教育長の御所見をお伺いいたします。
次に、特別支援学校におけるキャリア教育についてもお伺いをいたします。
例年9月は、府立の特別支援学校にとりましては大きなイベントが開催される時期でもあります。生徒たちが一生懸命につくり上げたさまざまな製品や作品を展示し、生徒自身が府民に販売する「ふれあい・心のステーション」が去る9月5日、6日の両日、大丸京都店において開催されました。今回で12回目の開催となるこの催しも、年を重ねるごとに来場者もふえ、ことしは過去最高となる約6,000人の方々が来場されるなど、すっかり府民の間に定着した感があり、大変うれしく存じているところであります。
私の地元舞鶴養護学校からも、藍を栽培から手がけた藍染めの「のれん」や「ハンカチ」などの染織工芸製品、木のぬくもりを感じさせる「あんどん」などの木工製品、地元の伝説をモチーフにした「鈴」などの陶芸製品など、生徒による数多くの力作が出品され、とても人気を博したと伺っております。大変うれしく思いますとともに、生徒たちの御指導に御尽力をいただいた大林校長先生や教職員の皆様方に、敬意と感謝を申し上げる次第でございます。
さて、最近の雇用情勢は、企業間や業種、地域間における格差が顕在化する中ではありますが、景気の緩やかな回復や団塊の世代の大量退職という2007年問題を背景とした求人の増加などから、厳しいながらも改善が見られているところであります。障害者の雇用についても、ハローワークを通じた就職件数が、平成18年度には年間で過去最高となるなど一定の進展が見られますものの、有効求職者数は依然として高い水準で推移しており、法定雇用率を達成している企業の割合が半数にも満たないなど、障害のある子どもたちの就職希望への実現に当たっては、依然として厳しい状況にあるものと存じております。
ノーマライゼーションの進展に伴い、障害者がもっと一般企業等で働ける社会の実現を目指し、障害者自立支援法が制定されましたが、申し上げましたような内容を含めて、課題や問題を多く抱えての制度であります。特別支援教育の場においても、今まで以上に「障害のある子どもたちが安心して地域で自立した生活を送ることができる」との観点を大切にしなければなりませんし、働く意欲や能力のある子どもたちの就職希望を全力で支えていく取り組みが求められていると認識いたしております。
そこで、教育長にお伺いいたします。障害のある方が地域社会の中で自立した生活を送るためには、第一に、企業などの一般就労によって安定した収入を得られることが不可欠であると考えますが、府立の特別支援学校卒業者の就職状況はどのような状況にありますのか、また生徒の就職希望の実現に向けた課題をどのように考えられておりますのか、そして、さらにその課題解決に向けて今後どのように取り組んでいこうとされておりますのか、御所見をお伺いいたします。
また、先ほど申し上げましたように、子どもたちを取り巻く環境の中で、犯罪の低年齢化や子どもたちが犠牲になる痛ましい事件が発生し、安心・安全の確保が求められています。私は、平成17年12月の定例府議会の代表質問においても、子どもたちが置かれている現状を紹介しながら先進的な取り組みがされている「沖縄県警」の例を参考にして、将来ある子どもたちを「加害者にも被害者にもさせてはならない」として、教育現場において子どもたちの発達に合った適切な指導を図るため、警察との連携のもとに具体的な対応を求めてまいりました。教育長から、「今後は、指摘の点も踏まえ、各学校において年間指導計画に適切に位置づけた非行や問題行動等の防止につながる学習を充実するとともに、府警察本部と連携した取り組みを拡大するなど、次代を担う子どもたちの健全育成の取り組みをより一層充実してまいりたい」との答弁をいただきましたが、その後の取り組みについて、教育長の御所見をお伺いいたします。
最後に、警察本部長にお尋ねをいたします。私は平成17年12月の代表質問で、団塊の世代の大量退職、いわゆる2007年問題は京都府警においても同様であり、府民生活の安心・安全を確保するための対策などについて、府警本部長の対応をお伺いし、本部長からは「警察官一人一人の職務執行力の強化が喫緊の課題であり、質の高い優秀な警察官の採用を目的として、面接を重視した採用試験の実施、職務質問技術や取り調べ技術等にすぐれた技能指導官による若手警察官への技術の伝承、実践的な逮捕術・けん銃操作等の術科訓練の実施など、精強な警察官の育成とさらなる資質の向上に努めている。また、本年5月、すなわち17年5月には、大量退職に備え組織を挙げて対応するためのプロジェクト組織を立ち上げ、採用・教養・人事・業務管理等の各課題と対策について一体的に検討しており、その中で大量退職の影響を最も受ける地域警察官を中心とした精強な第一線警察の構築のための総合プランを策定し、実施をしている」との答弁をいただきました。
現在、京都府警においては、府民生活の安心・安全を確保する観点から、時代に対応した警察署、交番等の再編整備、交通巡視員の警察官への任用を含む警察官の増員、空き交番ゼロ対策を含む現場力の向上を中心として、各般にわたる対応を推進されており、そうした取り組みを評価するものであります。
さまざまな状況の中で、警察行政を取り巻く環境が厳しさを増していますが、特に私が懸念いたしますのは、冒頭に申し上げました団塊の世代の大量退職に伴う警察力の低下であります。中でも、新規警察官の採用についてでございます。
経済の回復基調の中で、民間企業の採用意欲が顕著にあらわれている一方で、就職適齢人口の減少という状況下にあることと相まって、警察官の受験者が平成15年度の2,917人から昨年度は2,194人と、実に723人も減少していると聞き及んでいます。さらに、警察官の定数は政令の基準があることから、その増員には一定の限界があり、良好な治安を確保するために京都府警において策定された業務指針、「京都平安策2007」の重点施策に掲げる「府民・行政との協働による犯罪の抑止と子どもの安全の確保・少年非行の防止」について諸施策を強力に推進し、地域社会の自主防犯意識の高揚を図るためには、優秀かつ誠実・精強な人員の確保は欠くことのできない絶対条件であると認識いたしております。
そこで、警察本部長にお伺いいたしますが、ベテラン警察官の技術等をどのようにして若手警察官に伝承していこうと考えておられるのか。また、民間企業の採用意欲が顕著になる反面、警察官の受験者が年々減少する状況にある中、優秀な人材確保に向けた採用試験の勧奨活動をどのように行っておられるのか、さらに府民生活における治安維持のためには、警察力だけではなく「子ども安全見守り隊」を初めさまざまな団体とも連携することが重要と考えますが、府民との協働活動の現状と課題及び今後の取り組みについて御所見をお伺いいたします。
最後に1点、要望を申し上げます。
警察署等の再編整備が進められ、私の地元舞鶴市でも東西の警察署が統合され、既に2年以上が経過をいたしました。この統合による効果は、府警本部においても承知をされているところでございますし、私の認識も同様であります。しかし、一方では、活動の拠点が旧西舞鶴署の建物を利用していることにとどまっていることから、機能が集約化されておらず、署としての運用や市民の要請に際し支障を来していると仄聞いたしているところでございます。府民の信頼にこたえ、府民生活の安心・安全を確保する目的を持ってなされた再編整備の実効性をより高め確かなものとするためには、たびたび申し上げています新庁舎の建設は欠くことのできないファクターでもありますことから、早期の実現が図られますよう強く要望いたしておきます。
大変長きにわたっていろいろとお願いをし、そして質問をいたしました。
これで私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
副議長(北岡千はる君)
田原教育長。
〔教育長田原博明君登壇〕
教育長(田原博明君)
中島議員の御質問にお答えいたします。
府立高校におけるキャリア教育についてでありますが、御指摘のとおりニートやフリーターが社会問題になる中、府立高校においても卒業時に進学も就職もしない者が約4%いるなど、高校生段階で将来を見通した勤労観・職業観をはぐくむ、いわゆるキャリア教育の充実が大きな課題であります。
そのため、今年度から新たに「府立学校キャリア教育推進プラン検討会議」を立ち上げ、キャリア教育の充実に向けて検討しております。その中では、就職希望者だけでなく進学希望者も含めたキャリア教育の重要性や職業に関する専門学科の充実を求める意見などが出されており、今議会に中間まとめを報告する予定となっております。
そのまとめにおきましては、まず1つ目に、すべての府立高校で企業やNPO等と連携したインターンシップ等の体験活動を行うための新たなシステムづくり、2つ目に、職業に関する専門学科においては、産業界等との新たな連携システムの研究や専門学科同士が協働でホームページを作成し、物品の販売実習等に取り組むこと、といったことを主な内容としており、今後、府議会を初め府民の皆様の意見をお聞きしながら、キャリア教育の充実策についてさらに検討を進めてまいりたいと考えております。
次に、特別支援学校卒業生の就職についてでありますが、毎年、約2割の卒業生が企業就職している状況がある一方、作業所等に福祉的就労した子どもの中には、企業就職の希望がかなわなかった子どももおり、より多くの子どもたちが希望する進路を実現させることが大きな課題であると考えております。
こうした課題に対応するためには、子どもたちが実際に働く姿を関係者に見ていただき、事業主の理解を得ることが大変重要でありますし、さらに、多くの学校で実施している企業実習や議員御紹介の「ふれあい・心のステーション」などの販売学習等の機会を一層拡大していくことも必要であると考えております。
このため、現在、府民労働部とともに「京都府障害者就労支援プラン」の策定に取り組んでおり、その中では就労サポーターを配置して職場実習の機会を確保するなどの充実策を検討しているところであり、今後とも、すべての卒業生が希望する進路を実現できるよう努めてまいりたいと考えております。
次に、子どもたちの安心・安全の確保についてでありますが、多くの学校においては、所轄の警察署等の協力を得て防犯訓練や薬物乱用防止教室等に取り組んでおり、最近では、出会い系サイトやインターネット犯罪などについても学ぶ機会を設けるなど幅広い取り組みが進んできております。さらに、本年3月には、府警察本部との間で「児童生徒の健全育成に係る相互連絡に関する協定書」を締結し、児童生徒の非行の防止等に向けた緊密な連携体制の構築に着手したところであり、今後とも、警察や市町村教育委員会等関係機関と連携を図りながら、児童生徒の健全育成に向け積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
副議長(北岡千はる君)
青木警察本部長。
〔警察本部長青木五郎君登壇〕
警察本部長(青木五郎君)
中島議員の御質問にお答えいたします。
本格的な世代交代期を迎え、ベテラン警察官の技術等を若手警察官に伝承し早期に戦力化を図ることは、当府警察の重要な課題であると考えております。
〔副議長退席、議長着席〕
そのため、職務質問技能を初め、少年の福祉を害する犯罪や暴力団犯罪捜査等に対する専門的な知識・技能を有するベテラン警察官を技能指導官等に指定し、マンツーマン方式による職務質問技能の同行指導を実施しているほか、各種捜査研修会等における講義等を通じて、専門的な知識・技能の伝承教養を実施しております。
また、御指摘の「地域警察を中心とした精強な第一線警察構築のための総合プラン」の一環として、警察学校に入校している若手警察官に対しましても、第一線現場で取り扱う事件等への対応要領を習得させるため、ベテラン警察官の指導でロールプレーイング方式による実践的教養等を実施しております。
今後とも、ベテラン警察官の経験に裏打ちされた専門的な知識・技能を伝承する教養を積極的に推進し、心身ともに強靱な執行力を備えた第一線警察を構築し、府民の期待と信頼にこたえてまいりたいと考えております。
次に、優秀な人材確保に向けた受験勧奨活動の取り組み状況についてでありますが、議員御指摘のとおり、警察官採用試験の受験者数が減少しており、本年度第1回警察官採用試験においても受験者数は1,067人で、昨年度との対比でマイナス115人と減少したところであります。当府警察では、このような情勢の中で優秀な人材を確保するため、府警ホームページの活用、警察学校の授業や校舎、学生寮等の施設見学会の開催、府内外の大学訪問と就職説明会の実施、高校進路指導担当者に対する採用試験説明会の開催等、積極的な受験勧奨活動に努めております。
また、本年2月には、当府警察においてもリクルーター制度を導入し、警察官採用試験の申込者数が多い近畿地区の17大学出身の若手警察官43名をリクルーターに指定し、これらの大学における受験勧奨活動を強化したところであります。
さらに、京都府以外からも優秀な人材を求めるため、昨年度までに実施していた福井、石川、熊本の3県に加え、本年度からは新たに、山口、福岡の2県でも採用試験を実施しております。
警察官の採用情勢は今後一層厳しくなると予測されますが、引き続き積極的かつ効果的な受験勧奨活動を推進し、真に警察官たるにふさわしい優秀な人材の獲得に努めてまいりたいと考えております。
次に、府民等との協働活動についてでありますが、府民の自主防犯意識の高まりを受け、防犯推進委員や子ども見守り隊などによる防犯ボランティア活動が活発化しており、これらの団体との合同パトロールや見守り活動等の協働活動を積極的に実施しているところです。
また、今後の課題としては、防犯ボランティア活動の基盤強化、すなわち情報、知識、技能、資金、装備等の面での支援の強化が必要であると考えられることから、防犯情報メールの拡充や地域の防犯リーダーを育成する研修会の実施、青色防犯パトロール車の普及促進、大学生等若者が参画した地域安全大会の開催等を通じて支援の拡充を図ってまいりたいと考えております。
