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2007年6月25日|平成19年6月定例会一般質問 豊田貴志

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1 中小企業に対する金融支援策について
2 絶滅のおそれのある野生生物の保全について
3 中高一貫教育の推進について

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議長(家元丈夫君)
 次に、豊田貴志君に発言を許します。豊田貴志君。
 
   〔豊田貴志君登壇〕(拍手) 
   
豊田貴志君
 民主党京都府議会議員団の豊田貴志でございます。
 質問に先立ちまして、一言申し述べます。 
 この4月の統一地方選挙におきまして、多くの府民の皆様から御支援を賜り、初当選をさせていただきました。今後は、山田府政のますますの前進のため、そして生まれ育ちました山科区を京都の東の玄関口にふさわしいまちづくりをするため、府議会議員として全身全霊で活動してまいります。
 さて、それでは質問に移らせていただきます。
 まず、中小企業に対する金融支援施策についてお伺いします。
 現在、いざなぎ景気を超える長期的な好景気と言われておりますが、この好況は一部の大企業のみと言われており、本府内中小企業の経営環境は依然として厳しいものがあります。
 
   〔議長退席、副議長着席〕
   
 現に、本年度に入りましても、府内の倒産件数は高い水準となっております。私自身、地元の信用金庫で働いた経験から、京都の中小企業にはすばらしい技術を持つ企業も少なくなく、京都の景気の活性化を図っていくためには、これらの企業の景気回復ができなければいけないと感じております。
 本府におきましては、厳しい経営環境にある中小企業の経営安定や再生を図るため中小企業金融対策を実施されていますが、平成15年から実施されている「あんしん借換融資」は、国の指定する不況業種に該当し、売り上げが減少しているなど、いわゆるセーフティネット保証の適用を受ける中小企業者を対象としている制度ですが、この融資は制度融資の借りかえに加え、信用保証協会の保証つき融資についても借りかえて借り入れ一本化できることから多くの利用があり、中小企業の経営安定、資金繰り改善に効果を上げています。また、「中小企業再生支援融資」についても、経営の安定に支障を来している企業の再生に向けた取り組みを支援する制度として多くの利用がされ、企業の再生に役立っていると感じております。
 しかしながら、今後、地域経済がますます発展していくためには、地域経済の担い手である中小企業の活性化や育成を図る視点での施策展開についての必要性も実感しているところであります。
 この4月制定の「京都府中小企業応援条例」では、その施策の基本方向として「中小企業の経営の安定及び再生」「中小企業の成長・発展の促進」等が掲げられていますが、これは金融面から考えると、下支えとしての中小企業に対する金融支援と中小企業が新たな事業展開などさらなる飛躍を目指すための金融支援をしっかりと実施していくということになろうかと思います。
 そこで、知事にお伺いいたします。最近の景気拡大を受けてさらに成長・発展し、みずからの経営体質の強化を目指そうとする、いわゆる元気な中小企業者に対する金融支援、また資金力はなくとも独自の技術・ノウハウを持ち、その活用を目指す企業に対する金融支援についてどのように考えておられるのか、御所見をお伺いいたします。
 次に、絶滅のおそれのある野生生物の保全についてお伺いいたします。
 私は京都市の山科で生まれ、小学校から大学、そして社会人になってからもずっとこの京都で育ちました。子どものころ、友達と学校や家の近くで虫とりをしたり、魚釣りなどをしてよく遊んだものですが、一千年の都として栄え、現在も約147万人の人口を擁する京都市内でさえ、子どもたちが身近に触れることができる豊かな自然がある京都のすばらしさを今さらながら再認識する次第でございます。もちろん、丹後や丹波、山城地域には、人々の心をいやし、歴史・文化と一体となったすばらしい自然環境が残っています。
 ところで、こうした京都の自然ですが、人の手がほとんど加わっていない原生的な自然というよりも、伝統的な農林業などの活動を通じて、地域の人々に大切に守られ利用されてきた里地・里山などの二次的な自然が多いことが特徴と言われています。水路やため池、雑木林や田畑など、人々の暮らしと自然のかかわりの中で、地域ごとに特徴のある自然環境が紡ぎ出され、多様な生態系が保たれてきたと考えています。
 しかしながら、生活様式の変化や農林業の停滞による里地・里山の放置などを背景として、京都の多様な生態系が、近年、危機に瀕していると言われています。府域における絶滅のおそれのある野生生物の実態を明らかにするため、平成14年度に取りまとめられた「京都府レッドデータブック」を見ましても、府内でニホンオオカミなど100種の野生生物が既に絶滅し、800種余りが絶滅の危機に瀕しているとされています。
 私が子どものころに身近にいた「タガメ」や「ゲンゴロウ」「メダカ」などは、今はその姿をめったに見ることができなくなりました。また、もっと身近に接することのあったトンボやカエルですら、最近ではめっきりその姿を見たり、聞いたりすることが少なくなってきたと感じているのは私だけではないと思います。
 国においては、いわゆる「種の保存法」を制定され、絶滅のおそれのある野生動植物の保全対策が進められているところですが、私は、国レベルでの取り組みにあわせて、地域ごとの実態に応じて、都道府県レベルで絶滅のおそれのある野生生物の保全を図る取り組みがぜひとも必要であると考えており、山田知事がマニフェストに「絶滅危惧種の保全条例の制定」を掲げられているのは、大変に心強い限りであります。
 そこで、3点ばかり知事にお伺いいたします。
 マニフェストにも掲げられた「絶滅危惧種の保全条例」の制定に向けた取り組みを進められているとお聞きしておりますが、野生生物を守る対策を進めていくためには、早期に条例が制定されることが望まれていることは間違いないと確信しております。私たちが子どものころに触れた環境を次代の子どもたちにも同じように味わってもらいたいという思いはだれしも同じではないでしょうか。
 そこで、京都府として、種の保存について具体的にどのような対策を講じていこうと考えられているのか、知事の御所見をお伺いいたします。
 また、里地・里山とのつながりの中で、野生生物の多様性が維持されてきたという京都における実態を十二分に踏まえながら、京都府ならではの保全対策を進めることが必要ではないかと考えています。私の地元・山科区では、子どもたちがゲンジボタルを復活させる運動を進めています。もちろん、ホタルと違って絶滅危惧種の保全に当たりましては専門家が中心となった学術研究レベルの対策が不可欠なのですが、例えば亀岡での「アユモドキ」の住民協働による絶滅危惧種・生息地保全モデル事業での取り組みでも見られますように、絶滅危惧種に対する府民の関心が確実に高まってきている中で、住民との協働によるより効果的な保全対策が必要です。この点につきまして、知事のお考えをお聞かせください。
 また、こうした絶滅危惧種の保全とあわせて考えなければいけない問題として、外来生物の移入問題が挙げられます。既に国レベルでは、国内の生態系の維持及び農林水産業への被害の防止という観点から、平成16年に「外来生物法」が施行されたことは承知しております。そのような中で、昨年本府で実施されました外来生物目撃情報募集におきまして、アライグマやヌートリア、ブルーギルなど、何と132件の目撃情報が寄せられ、府内の多くの範囲で特定外来生物がすみ着いているとのデータが出たわけであります。
 そこで、絶滅危惧種の保全の観点から、この特定外来生物につきまして、本府としては、今後どのような取り組みをされるのか、知事にお伺いいたします。
 次に、教育問題についてお伺いいたします。
 私はかねてより、政策提言の一つといたしまして「中高一貫教育の推進」を掲げてまいりました。その理由としては、私自身中高一貫教育を受けており、その経験の中で、子どもたちにとって高校入試の影響を受けずにゆとりある学校生活の中でしっかりと勉学に励むことができることもありますが、広く異なった年齢集団による活動の中で、人が生きていく上で必要となる豊かな心や社会性、すなわち人間性を身につけることができると考えるからであります。そして、この6年間の中で子どもたち一人一人が自分自身の将来の目標を定め、有為な人材として大学進学、または就職をしてくれるものと思いますし、現在大きな社会問題となっております引きこもりやニートの問題における問題解決の一助につながると感じております。
 また、教える側にとっても、中学校の3年間という限られた時間を、目の前にある受験という大きな節目を乗り越えるための対策に重点を置くのではなく、6年間という大人へと成長していく大切なときを計画的に、そして継続的に深みや広がりのある内容を学習面や生活面など、多岐にわたって指導していくことが可能となります。さらには、教師と子どもたちの人間的なつながり、「信頼」や「きずな」が深まるのではないでしょうか。そのことが、子どもたち一人一人が秘めている可能性をより一層伸ばしていき、人間的な成長にもつなげていけるものと思います。
 このような中高一貫教育については、平成9年の中央教育審議会第二次答申において、6年間の一貫した教育計画のもとで、個性にあふれ、豊かな人間性をはぐくみ、特色ある教育を実現することを目的として提言され、平成11年の教育改革プログラムでは、生徒や保護者にとっての学校選択の幅が広がるよう「通学範囲に最低1校」の整備方針が、また平成12年の「教育改革国民会議」から、一律主義を改め、基礎的な知識を身につけるだけでなく、個性を伸ばし考える力を養う教育システムの一つとして「半数程度を中高一貫教育校とする」との提言がなされております。
 府教育委員会では、こうした状況も踏まえつつ、平成16年4月に洛北高等学校附属中学校、さらに昨年4月には園部高等学校附属中学校を開校されたと承知しております。その結果、子どもたちにとって学校選択の幅が広がり、中・高6年間の継続した教育を受ける機会が進みつつあることを大変喜ばしく思っております。
 そこで、質問の第1点でありますが、洛北高等学校附属中学校では、この春、第1期の生徒たちが中学校3年間の勉学を終え高校に進学いたしました。私の地元・山科区からも多くの生徒が通っており、理念に掲げていた「深い洞察力、論理的思考力、豊かな創造力」は着実に身につきつつあるのか、「大きな志を持ち、心豊かで礼節をわきまえた生徒」として育ちつつあるのか、また高校3年課程の生徒との交流はどうなっているのかなど、大きな関心を寄せているところであります。6年間の折り返しに当たりまして、これまでの取り組みや成果について、生徒たちの様子も含め、教育長の御所見をお尋ねいたします。
 本府における公立学校の中高一貫教育校は、府立2校と京都市立西京高校附属中学校の3校という状況であります。設置数から見ますと、いささか少ない感が否めない気がいたしますが、中高一貫教育が制度化された平成10年の法律改正において附帯決議がされたように、児童生徒や保護者のニーズを十分踏まえるとともに、何よりも義務教育の実施主体である市町村との十分な協議など、地域の実情に十分に配慮することが不可欠なことから、性急な設置は慎まなければなりません。しかしながら、本府は私立の学校も非常に多く、その多くで中高一貫教育が実施されている現状からかんがみますと、他府県よりも設置の推進が図りやすいのではないかと考えています。そのあかしとして、洛北・園部・西京の3校の入学志願の状況を見ますと、いかに府民の期待が大きいかがあらわれております。
 そこで、教育長にお尋ねいたします。府内における中高一貫教育の今後の展開についてどのように考えておられるのか、御所見をお聞かせください。
 以上で私の質問を終わります。御清聴いただき、ありがとうございました。(拍手)

 
副議長(北岡千はる君)
 山田知事。
 
   〔知事山田啓二君登壇〕

   
知事(山田啓二君)
 豊田議員の御質問にお答えいたします。
 中小企業に対する金融支援策についてでありますけれども、京都府におきましては、御指摘のとおり厳しい経営環境にある中小企業者に対して全国に先駆けまして、「あんしん借換融資」「小規模企業おうえん融資」という、しっかりと支えていく融資制度を創設いたしました。現在その実績は、あんしん借換融資で約2万3,000件、4,700億円近く、それから小規模企業おうえん融資では約2万6,000件、1,500億円、合わせますと5万件近くで6,000億円を超える残高になっております。これによりまして、多くの企業が既に中小企業支援の融資を活用しているところでありまして、しっかりとした下支えができているのではないかなというふうに感じております。
 したがって、今後の方向といたしましては、こうした下支えの上に、今の景気の変化も踏まえまして、積極的に技術開発や新分野開拓にチャレンジする企業への支援も重要になってくるというふうに考えておりまして、本年4月に制定いたしました中小企業応援条例につきまして、企業の成長・発展を促進する施策展開を図ることとしており、金融支援につきましても強化を図っているところであります。
 具体的には、小規模企業者につきまして、小規模企業おうえん融資に新たに融資限度額1,250万円のステップアップ枠を設定いたしまして、最大2,500万円までの利用を可能といたしました。既存事業に加えまして、新しい事業にも取り組んでいこうとする中小企業に対しましては、中小企業の成長促進融資と商工会・商工会議所の経営指導を連携させた総合支援対策として実施しております。
 さらに、技術やノウハウといった独自の強みを持つ中小企業に対する金融支援につきましては、こうした自分の強みを生かせるような知的資産を評価できる融資を進める仕組みが重要でありまして、そのため、今年度はまず独自の技術力等を生かして新商品を開発し、需要開拓を行おうとする企業等を中小企業応援条例に基づいて認定して、認定企業が低利かつ無担保で資金調達ができるよう新たな融資制度を創設いたしまして、現在それを行っているところであります。
 また、知的資産を経営に活用する企業をより幅広く柔軟に対象にしていくための、知的財産に対しての融資を受けることのできる仕組みにつきましても、新たに知的資産の経営支援のためのアクションプランにより検討を進めているところであります。
 今後とも、京都経済を支える中小企業が一層成長・発展していけるように施策の充実を図り、活力ある地域経済づくりを推進してまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁をさせていただきます。

 

副議長(北岡千はる君)
 山内企画環境部長。
 
   〔企画環境部長山内修一君登壇〕 
   

企画環境部長(山内修一君)
 絶滅のおそれのある野生生物の保全についてでありますが、京都府では、豊かな自然環境を守るため、鳥獣保護法や種の保存法、京都府環境を守り育てる条例などに基づき、野生生物の保全対策を進めているところであります。
 しかしながら、京都府レッドデータブックによる府内の絶滅危惧種等の中には、種の保存法で指定されていないものも多いところから、府域の実態に即してこれらを保全するため、京都府環境審議会の答申を踏まえまして、「京都府絶滅のおそれのある野生生物の保全に関する条例(仮称)」の検討を進めているところであります。この条例におきましては、府内において絶滅のおそれがある野生生物の種を指定し、捕獲や採取、売買などを禁止するほかに、府独自の措置として、繁殖期にある鳥類を保全するための巣の破壊禁止や、販売目的の広告規制を盛り込むことを検討しているところであります。
 また、種の保全に当たりましては、議員御指摘のとおり、規制措置だけではなく里山の整備など生息環境の保全を初め、密漁のパトロールなどといった住民との協働による保全対策を進めることが重要であると考えております。既に京都府では、御案内のありましたように、国の指定希少種であります「アユモドキ」について、亀岡市や地元の自治会、営農組織、NPO、大学などと協働して保全活動に取り組み大きな成果を上げている経験を踏まえまして、絶滅危惧種等を府民協働で保全する制度、いわゆる「スチュワードシップ制度」を全国で初めて条例に位置づけたいと考えております。
 さらに、特定外来生物への対策でありますけれども、外来生物法や鳥獣保護法に基づく防除事業を継続いたしますとともに、絶滅危惧種等にとって特に重要な生息・生育地を保全するため、当該地区で、知事が別途指定いたします外来生物を放したり、あるいは植えたりするということの規制をこの条例で検討しているところであります。
 いずれにいたしましても、京都府といたしましては、府民共有の財産である絶滅危惧種等について、地域の皆さんの御協力を得るなど関係者が力を合わせて着実に次の世代に引き継いでまいりたいと考えております。

 

副議長(北岡千はる君)
 田原教育長。
 
   〔教育長田原博明君登壇〕

 

教育長(田原博明君)
 豊田議員の御質問にお答えいたします。
 洛北高校附属中学校における中高一貫教育の取り組みとその成果についてでありますが、平成16年4月に入学した第1期生は、中・高6年間を見据えた教育課程編成のもとで、高校の内容を含む発展的な学習、大学や企業と連携した学校独自の教科「洛北サイエンス」において、最先端の技術や科学的手法を学ぶ授業、さらには京都ならではの世界文化遺産の調査や伝統的日本文化の学習などに取り組んでまいりました。こうした活動を通じて、確かな学力はもちろん、深い洞察力や論理的なものの考え方、豊かな創造性などを培い、また心の豊かさや礼節を重んじる態度などを着実にはぐくんできているところであります。
 さらに、ほとんどの生徒が参加する部活動や高校と合同で実施する文化祭・体育祭等において、高校生との交流を深め幅広い人間性も身につけてきており、この春、1期生全員が洛北高校へ進学いたしましたが、中学校3年間の教育活動の成果をしっかり携え、高校へのスムーズな接続ができたと考えております。
 高校進学後は、他校から入学してきた生徒たちから新鮮な刺激を受け、新たな気持ちで生き生きと学習や部活動に励んでおり、今後3年間の高校生活を通じて、より大きな志を持ち、心豊かで知的バランスのとれた若者に育つようしっかりとサポートし、府民の大きな期待にこたえてまいりたいと存じます。
 次に、中高一貫教育の今後の展開についてでありますが、その拡充に向けては、洛北・園部両校の取り組みと成果を分析・検証するとともに、議員から御紹介もありましたように、児童生徒、保護者のニーズや各地域の実情を把握しながら、市町村の御意見もよく伺って、既存の中学校へ与える影響等も考慮していく必要があります。
 府教育委員会といたしましては、これらを総合的に踏まえながら引き続き研究を進めるとともに、既存の中高一貫教育校の充実・発展に努めてまいりたいと考えております。