副議長(北岡千はる君)
休憩前に引き続き会議を行います。
次に、松岡保さんに発言を許します。松岡保さん。
〔松岡保君登壇〕(拍手)
松岡保君
民主党議員団の松岡保であります。昨日の山本正議員に引き続き、会派を代表して質問いたします。
山田知事におかれましては、厳しい財政状況のもと、京都の持つ豊かな人の力と自然の恵みを生かし、信頼ときずなで結ばれた「人・間中心」の施策の実施によって「安心・安全、希望の京都」づくりに取り組まれ、府民の多様なニーズに的確にこたえるために全力投球されておられることに対し、会派を代表して高く評価いたします。
それでは、次の数点について、山田知事並びに関係理事者に質問いたします。
まず最初に、府内市町村への行財政支援についてお伺いいたします。
昨年、北海道の夕張市において、一時借入金の操作という不適切な財務処理により多額の負債を隠していたことが明るみになり、その結果、市の財政が破綻するという、いわゆる「夕張ショック」が起きました。御存じのように、夕張市は昭和30年代に炭鉱の町として一時は10万人を超す人口で栄えた市でありますが、現在ではピーク時の8分の1にまで減少しております。これは、ひとえに炭鉱産業の衰退によるものでありますが、新しい夕張市を目指し観光振興に取り組まれ、夕張メロンや映画祭などで全国的に有名な市であっただけに、なおさら「夕張ショック」の衝撃は大きいものがありました。私は、夕張市のような状況は特殊な事情による、非常にレアなケースであろうと思っていたのでありますが、それは甘い認識でありました。
実際に、府内市町村の財政状況を見てみますと、平成17年度決算では、財政の硬直化を示す経常収支比率は、全国平均90.2%に対し府内平均は96.0%で、そのうち100%を超える団体が7団体もあります。100%を超えるということは、家計に例えるならば、毎月入ってくる給料では食費などの決まった支払いさえも賄えないということで、毎月何かを売ったり、貯金を食いつぶして生活しているということであります。
また、一部事務組合や公営企業の公債費なども含めた実質的な借金の返済状況を示す実質公債費比率は、全国平均14.8%に対して府内平均は16.1%となっており、このうち地方債を発行するときに許可が必要となる18%以上の団体が8団体と、これだけを見ても、非常に厳しい財政状況ということがわかります。私の地元であります府南部の相楽地域においても、特に笠置町、和束町、南山城村の3町村については、府内でも最も厳しい財政状況になっておりまして、例えばある雑誌に載っていたのですが、笠置町では経常収支比率が夕張市に次いで全国ワースト2位の122.4%となっており、和束町や南山城村も100%を超えています。また、3町村とも実質公債費比率が18%どころか20%を超え、借金の返済に首が回らないといった状況になっております。
やはり、相対的に財政力の弱い自治体は、少子・高齢化と過疎化による著しい人口の減少が特徴的でありまして、じんあい処理や救急・消防、居宅介護を初めとした福祉サービスの提供など、生活に欠かせない行政サービス維持のためのコストは極めて高くついております。また、都市部では、民間サービスが充実している鉄道やバスなど公共交通、ブロードバンド環境などの整備や維持のために、さらに無人化駅対策、循環バス運行などへのアルバイト人員確保と設備や燃料費などの経費が重くのしかかっているのであります。
これらの公共サービスを全うするために職員給与の抑制などで、ラスパイレス指数は市町村によっては85から90にまで低下するとともに、地域コミュニティを支えてきた事業の予算縮小や事業の廃止、団体への支援打ち切りなどの現状を見るとき、知事が力点を置かれて取り組まれようとしている「地域力再生」が可能なのか、住民に一番身近な市町村の足腰がしっかりしなければ地域力自体が根底から崩れてこないか、私は心配をいたします。
三位一体改革では、国庫補助金と地方交付税が大幅に削減され、その見返り分としてわずかに税源移譲が行われた結果、毎年市町村の一般財源は減り続けております。先ほど述べましたように、既に府内市町村においては職員などの大幅な定数削減を初め数多くの行財政改革を実施してきており、もはやそれも限界に達しているのではないかと思われます。私は、夕張市のようなことが府内の市町村においても起こるのではないか、財政破綻するところが現実に出てくるのではないかと非常に心配しているところであります。このような市町村の厳しい財政状況を危惧してか、国においては、公営企業や第三セクターも含めた自治体全体の収支状況を把握し、早期に財政健全化に取り組むため、今国会において「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」が成立したところであり、地方自治体の財政再建制度が半世紀ぶりに見直されることになりました。
もしも市町村が財政破綻した場合、最終的に住民負担の増加や行政サービスの低下などが懸念されることから、市町村の財政を健全化するということは極めて大切なことであります。今まさに地方分権の大きな流れの中で、住民に最も身近な市町村の役割はますます大きくなっており、安定した財政運営を図っていくことが住民生活を守る上でも非常に大切なことであり、その選択肢の一つとして市町村合併も必要だと考えますが、さまざまな事情により早急には実現が困難な点も理解をしております。
そこで、もう1つの選択肢となるのが京都府と市町村の行財政連携の取り組みであり、税業務の共同化を初め消防体制の広域化、ごみ処理広域化などの推進に当たっては、府がより主導的な役割を果たしていくべきだと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。
また、特に財政状況の厳しい市町村に対して、京都府としてどのような支援策を講じようとされているのか、知事の御所見をお伺いいたします。
次に、関西文化学術研究都市を代表する中核的交流拠点施設であります「けいはんなプラザ」を管理運営している株式会社けいはんなの経営状況についてお尋ねいたします。
振り返りますと、学研都市は奥田東先生による、いわゆる「奥田構想」の提言からほぼ30年が経過し、約900ヘクタールが整備される中、クラスター群への研究施設の立地が都市域全体で100施設を数えるに至り、宅地開発も一部見直しはあったものの順調に進んでおり、全国でも屈指の人口増加率を誇る地域となり、今や学研都市の人口は9万人を超えるなど着実な発展を続け、今日では東の「筑波都市」と並び、我が国を代表する文化学術研究都市として成長したものと認識をしております。
現在に至るまで、バブル経済の崩壊による全体計画のおくれ等を経験したものの、学研都市が地域経済の振興・発展に大きく寄与してきたことはだれもが認めるところであります。また、昨年3月には「学研都市サード・ステージ・プラン」が策定をされ、今後10年間における学研都市の方向性が示されたところであり、同プランでは、学研都市の新たな発展に向けて、これまでの建設整備の推進に加えて、次代を見据えた高度な都市運営の推進がうたわれるなど、学研都市における文化・学術研究の促進やその研究成果を生かして新産業の創出につなげていくよう、大きな期待が寄せられているところであります。
さらには、学研都市を象徴する施設であります「けいはんなプラザ」は 、これまでから学研都市における文化・学術・研究交流はもとより、府民交流の場としても多くの府民に利用されており、今後も学研都市の中核的施設として、その機能の強化・拡充が図られるとともに、府民に愛され続ける施設であることを願ってやみません。しかしながら、去る1月下旬の新聞紙上では、けいはんなプラザを運営する株式会社けいはんなの経営が非常に厳しい状況にあり、10年前に民都機構に売却した「2期用地」の買い戻し期限が来年3月末に差し迫る中、金融機関への債権放棄を要請する方針を固めたとの報道がなされたところであります。
今後、こうした債務処理の一環として、関西学研都市の中核的な研究交流拠点であり、また府民交流の拠点として機能しているけいはんなプラザが債権の担保として売却処分されるようなことがあれば、府南部地域のみならず関西学研都市全体の地域経済の振興・発展にとって非常に大きな痛手になるものと懸念されるところであります。この間、こうした新聞報道等を見るにつけ、地元府民の1人として大変な危機感を持っているところであります。
そこで、知事にお尋ねをいたします。現在の株式会社けいはんなの経営状況、経営改善への取り組み状況及び今後の京都府における支援のあり方について、知事の御所見をお伺いしたいと思います。
次に、農山村地域の振興についてお伺いいたします。
農林水産省のホームページを見てみますと、昨年12月から「農村におけるソーシャル・キャピタル研究会」が立ち上げられ、農村地域における社会的つながりの維持・再生に向けた検討が始まっています。ソーシャルキャピタルとは、例えば地域の中の相互扶助や共同活動、あるいはさまざまな合意形成といった役割や機能を指すようではありますが、時を同じくして、国土交通省の国土審議会では「自立地域社会の形成に向けて」というテーマで、また総務省においても「コミュニティ研究会」を発足させるなど、地域コミュニティの再生・発展について有識者による検討が行われております。
こうした一連の研究テーマに共通するキーワードは、「地域の力をどう活用するのか」ということでありまして、私としましても、今日的な課題として大変関心を抱いているところであります。
例えば、以前は、子育てにしろ、高齢者のお世話にしても、御近所同士がお互いさまの気持ちで接しており、みんなで助け合いながら、いろいろな問題や困り事をみずからの知恵と工夫で解決していたように思います。
私の住んでおります木津川市におきましても、のどかな田園地帯であったのですが、京阪神という大都市に近いという立地条件から、働きに出る人と都市から移り住む方々がふえて、集落の状況もさま変わりしております。人がふえるということは、一見、活気が出るように思われますが、その一方で、地域の住民が協力し合うという場面が少なくなり、お互いに余り干渉しないという風潮も出てきているのではないかと感じているところであります。とりわけ、農山村地域におきましては、地域のお祭りや冠婚葬祭はもちろんのこと、田植えや草刈りなどの農作業や山仕事についてもお互いが助け合いながら共同して作業を行い、田畑や森林を守るという人と人とがつながり、かたいきずなで結ばれた地域でありました。しかし、そうした地域であっても、過疎化・高齢化などの進行や担い手の減少、さらに都市周辺では混住化などにより、昔からあった、ともに助け合うという共助、相互扶助の機能が失われ、集落の「むら」が持っていた話し合いや共同活動の機能が著しく低下してきております。
農山村地域は農林業の生産活動と集落の共同活動が一体となって初めて健全に維持されると考えますが、今申しました状況の中、農地はもとより農道や水路、里山などの保全活動も困難なところが出てきており、耕作放棄地や手入れ不足で放置される森林の増加などが懸念されるところであります。
こうした状況の中で、京都府では、地域住民と農家の方々が協力して農地や農業用水路などの保全活動を地域ぐるみで進める事業を昨年度モデル的に取り組まれたり、森林の整備につきましても、平成18年11月8日設立されました「京都モデルフォレスト協会」を核に、森林所有者のみならず地域の方たちやボランティア、企業などとも協働しながら森林の整備を進める「京都モデルフォレスト運動」を推進されているところであります。
さらに、今年度は「地域力再生」を府政の最重点課題として掲げられており、私としましては、今後の施策展開に大いに期待を寄せるものであります。とりわけ、地域ぐるみで農地や農業用水路などを保全する「農と環境を守る地域協働活動支援事業」、そして府民協働で森林の整備を進める「京都モデルフォレスト創造事業」の取り組みは、地域の力を結集し、農山村における「地域力再生」のキーとなるものと考えますが、これらの取り組み状況と、今後どのように進めようとされるのか、知事の御所見をお伺いいたします。
次に、京都府南部地域の交通アクセスについてお伺いします。
京都、大阪という大都市圏の近郊に位置する府南部地域は、東は信楽山地等、西は西山や京阪奈丘陵等に挟まれ、宇治川、桂川、木津川が貫流し、やがて淀川として一つの流れを紡ぐ風光明媚な土地であり、河川を臨む地域を中心に市街地が発達し、背後の丘陵地や山地は、茶畑や竹林を含む緑豊かな地域を形成している一方、近年の高速道路網の整備等により企業立地が増加し、過去4年で30件を超えている府内への企業立地件数の大半は南部地域に集中するように、今なお発展を続ける地域とも言えるものであり、また京奈歴史文化軸上に展開する歴史的文化地域でもあります。学研地域を初めとするこれら府南部地域の発展に欠かせないのが道路網と交通網の整備であることは間違いありません。
荒巻府政、山田府政のもと、第二京阪道路、京奈和自動車道等の高速道路網とJR奈良線、片町線の複線化・高速化などの整備が進み、交通アクセスが飛躍的に進展し、地域の活性化に大きく貢献したことは疑いのないものであります。
また、これら高速道路網は安心・安全の確保にもつながるものであります。この第二京阪道路や京奈和自動車道と京都縦貫自動車道とを連携させ、南北の背骨を完成させる京都第二外環状道路と新名神高速道路八幡-城陽間の整備が今後の課題として残されておりますが、我々もその完成を期待しているところであります。
京都の北部地域から南部地域までを高速道路網でつなぐことで、府北部地域との広域交流が期待でき、例えば山城地域のお茶だけでなく、丹後地域で生産されたお茶を宇治などの茶問屋に輸送し、宇治茶の増産につながるなど産業・物流にも大きな効果をもたらし、府域全域の発展にもつながるものと確信するところであります。
さらに、京都高速道路との接続により、京都都市圏と現名神との接続により、阪神・中京等の大都市圏と府南部地域との高速ネットワークが完成することにより、京都全体に大きな経済的波及効果がもたらされることは明らかであります。
そこで、知事にお伺いいたします。国家的観点においても、関西圏と中部圏との広域連携による地域の発展の観点においても新名神高速の早期整備が強く望まれるところでありますが、京都府域以外を含めた新名神高速道路全線の整備状況はどのような状況にあるのか、また城陽-八幡間の早期供用及び未着工区間の整備に向けた今後の取り組みをどのようにお考えなのでしょうか。
また、依然として厳しい財政状況の中、新時代を創出する文化・学術・研究の拠点として整備されている関西学研都市の連携・アクセス道路としての山手幹線の整備を初めとして活力を創出するための道路ネットワークの機能強化、安心・安全の確保の観点等から国道163号井平尾・北大河原バイパス、国道307号奥山田バイパス、府道上狛城陽線多賀バイパス、新宇治淀線等の整備、木津川御幸橋のかけかえ等、府南部地域を支える幹線道路について、重点的に今日まで道路整備を進めていただいているところであります。
しかし、国道24号や国道163号においては依然として渋滞が発生している現実がありますし、本年3月に誕生した木津川市にとって極めて重要な意味を持つ学研木津南地区や木津中央地区のまちづくりを進める上からも、さらなる道路整備が求められるところであります。
また、人口が急増する地域と過疎・高齢化が隣接する私の地元では、通勤・通学や病院への足としてJR奈良線、片町線の全線複線化・高速化の実現が長年の強い要望であります。本府を取り巻く財政状況の厳しさは十分に承知をしておりますが、学研都市や木津川市、さらには京都府南部地域を支える国道163号及び山手幹線などの整備状況及び今後の整備方針とJR奈良線・片町線の整備促進についてどのようにお考えか、知事の御所見をお伺いいたします。
副議長(北岡千はる君)
山田知事。
〔知事山田啓二君登壇〕
知事(山田啓二君)
松岡議員の御質問にお答えいたします。
松岡議員におかれましては、会派を代表されまして、私の府政運営に高い評価をいただき、厚く御礼申し上げます。
まず、市町村への行財政支援についてでありますけれども、一時借入金の操作によって約300億円もの赤字を累積させた夕張市の問題は、正直言って他の市町村と比べましても飛び抜けた数字になっておりますし、内容から申しましても、地方債の借り入れではなくて、一時借入金を町の予算規模の数倍借り入れている。貸す方も貸す方だと私は思いますけれども、これはちょっと例外的なものだろうというふうに思っております。しかしながら、ここ数年にわたり、三位一体の改革の陰で地方交付税が大幅に減少される一方で、少子・高齢化の進展等により福祉・社会保障関係の経費が増大しておりまして、とりわけ財政基盤が脆弱な小規模市町村などにおいては、極めて厳しい状況にあるのは事実であります。
現在、このような状況を踏まえまして、市町村が安定して住民ニーズに対応した行政サービスを行っていくためには、行財政の効率化を図るとともに、住民との協働のもとで地域の実態や特色を生かした持続可能な地域経営の仕組みを確立していくことが重要だというふうに考えております。
これまで府内の市町村におきましても、行財政改革のために懸命に努力をされておられますし、また行財政基盤の強化のための市町村合併も行われてきたところであります。こうした取り組みとあわせまして、住民サービスの確保のためには、サービスの提供主体であります市町村と都道府県、京都府がしっかりと連携をして、これは市町村間も一緒だと思いますけれども、行政事務の簡素化を図る中で、限りある行財政資源を有効に活用していくことがまず重要だというふうに思っております。
そのために京都府では、京都府・市町村行財政連携推進会議を設置いたしまして、市町村との協議を重ねながら業務支援システムの共同導入や税業務の共同化などの取り組みを現在推進しております。また、相楽東部の笠置・和束・南山城の3町村におきましても、広報紙の共同発行などが実施されるとともに、教育分野における事務の共同化のための協議が今進展をしているところであります。
今後とも、住民福祉の向上という共通の視点に立って、府と市町村が共同し、幅広い分野における行財政連携の可能性を追求してまいりたいというふうに考えております。
また、小規模市町村を初め、特に財政状況の厳しい市町村につきましては、京都府として将来にわたって維持可能な体制整備を進めるため、本年度、未来づくり交付金に「市町村行財政改革支援枠」を設けることにいたしました。未来づくり資金の新規貸し付けに係る償還期間の延長や、既貸付金への低利の借換融資制度等、行財政改革を通じてしっかりと頑張っている市町村に対して私どもも支えていく体制をとっていきたいというふうに考えております。
次に、「けいはんな」の経営状況についてでありますが、けいはんなは関西学研都市の文化学術研究交流施設である「けいはんなプラザ」を運営するために、内閣総理大臣の指定を受けて平成元年に関西経済界、そして大阪、京都、奈良という地元地方公共団体等から成るところによって設立された株式会社であります。
しかし、けいはんなプラザにつきましては、バブル期の計画でありましたので、研究交流施設や府民交流のホールといった公共的な建物、公共的なものにつきましても、これは学研都市の中核施設なのですけれども、それを採算を前提とする株式会社形式でやってしまったために、開設当初から建設のための借入金-これは残高では今100億円ぐらいありますし、それに加え、公共的性格からするとちょっとこれは負担が気の毒なのですけれども、固定資産税も累計では17億円ぐらい払っている。さらには、減価償却費等の維持管理費、将来にわたって投資までしていかなければならない形になっておりますので、こういったことの中で、非常に厳しい財政状況に陥っている。とりわけ、大都市でさえも採算がとりにくいホールについて、まだ都市ができかかっているころから維持していたため、毎年1億円を超える経常的な赤字を住友ホールは計上しているということもありまして、そういう中で、資本金100億円に対して現在90億円近い累積損失を抱える厳しい経営状況になっています。
このため京都府では、関西経済界や地元3府県等との出資関係者で構成いたします経営改善会議を通じまして、機会あるごとにこの会社の抜本的な経営改善を図るよう強く要請するとともに、けいはんなプラザのラボ棟を活用した「ベンチャーセンター」や経済界等と連携しまして「新産業創出・交流センター」を設置するなど、この施設の積極的な活用に努めてきたところであり、現在ここにつきましても86%という高い入居率を維持しておりまして、多くの会社がここで京都の将来を担う形で研究を続けているところであります。
けいはんなでは、現在、中期的な経営改善計画を立てまして、子会社の清算を初め、維持管理費や事務費、人件費の削減等により、積極的に経営改革は進めておりますけれども、2期用地の買い戻し期限を間近に控えて、債務超過にならないように、この際、基本的に経営のあり方も含めて抜本的な見直しを講じる時期に今ちょうど来ているのではないかなというふうに考えております。
京都府といたしましては、けいはんなプラザが、京都府域では9万ですけれども、奈良、大阪を含めれば、今や20万都市に成長をしてきている、100の施設を超えるものができている、こういう中で、学研都市において地域住民の重要な交流の場を提供していることや、また京都府南部地域の研究開発拠点として、中小企業を初め多くの企業の方に利用されているといった公的な性格というものをしっかりともう一回認識してその維持を図っていかなければならないというふうに考えております。その中で、住民福祉の発展になるような形で形態を改めていく必要があるのではないかなというふうに思っておりまして、こうした施設が維持できるよう、けいはんなはもとより、国、3府県、関西経済界等とも十分に連携をしながら再建策を今検討しているところでありまして、さきの国に対する予算に関する提案の中でも、国に積極的な対応を求めているところであります。
次に、農山村地域の振興についてでありますけれども、議員御指摘のとおり農山村というのは、生産と生活が一体となって営まれる中で、国土を保全するとともに都市部の豊かな食や環境を支えてきた大変重要な地域でありますが、残念ながら、過疎化・高齢化の進展によって集落の維持が難しくなりつつあったり、農地や農林道や水路、里山などの保全も困難になってきている状況が見受けられるところであります。
井手町や綾部市における和ぃ和ぃミーティングにおきましても、担い手不足や草刈りなどを共同で行う集落機能の低下、それから有害鳥獣や放置竹林の増加といった農山村をめぐる厳しい状況が指摘されたところであります。こうした農山村地域が抱える問題を解決するためには、私どもは、積極的な担い手対策を講じますとともに、単なる産業施策を超えて地域環境を幅広く守り、住民の皆さんと一体となって取り組むことによって地域の魅力を高め、持続可能な地域社会をつくっていく、これを私の好きな言葉で言えば「地域力」ということになるのですけれども、これを再生していくことが必要であるというふうに考えております。
こうした観点から、京都府では、農村地域において農地や水路などの保全に地域ぐるみで取り組むため、昨年度モデル的に実施した事業を、今年度から本格的に「農と環境を守る地域協働活動支援事業」として府内全域で展開することにしております。そして、この4月には関係団体とともに、その推進母体となる協議会を設立いたしまして、既に府内農地の約半分の1万2,000ヘクタールの農地について事業実施の要望の声が上がっておりまして、先進的な事例紹介等の啓発活動を推進しながら、活動組織が円滑に立ち上がるよう支援してまいりたいと考えております。
また、里山を初め森林につきましては、これまでから「緑の公共事業」によって整備をしてまいりましたけれども、さらに府民が力を合わせてみんなで豊かな森林づくりに取り組む「モデルフォレスト運動」を推進するため、昨年11月に「京都モデルフォレスト協会」を設立し、300を超える企業、団体、府民の皆さんの参画をいただいて、積極的に活動を実施しているところであります。
今後は、農と環境を守る地域協働活動については、農地や水路などの保全にとどまらず、地域に元気が取り戻せるよう活動組織づくりや市町村との協定締結を進めますとともに、モデルフォレストの取り組みにつきましては、企業等のさらなる参画を得て、地域ぐるみで森林を守り育てる取り組みを推進するため、府や地元市町村も加わった森林づくりの協定締結を進め、今年度、府内10数カ所でモデルフォレストの具体的な取り組みを展開してまいりたいというふうに考えております。
京都府といたしましては、もちろん収益性の高い安定した農業経営として、今申しましたモデルフォレストを中心とした地域ぐるみ、さらには地域力再生の私は本部長をやっておりますけれども、こうした取り組みを総合的に展開して、これからの農山村の地域力再生につなげてまいりたいと考えております。
次に、新名神高速道路についてでありますが、これは関西と中部を結ぶ大動脈でありまして、現在この大動脈は実質的に名神高速道路1本しかありませんし、しかもこの名神高速道路は、近畿で一番危険性の高い断層の一つであります琵琶湖西岸断層の上にありますので、安心・安全の面からも、これは大きな問題だというふうに考えておりまして、このまま新名神高速道路の全線整備がおくれますと、交通・物流上大きなネックをつくることになりますだけに、国は国土軸の維持と日本全体の発展という観点から全線整備に取り組まれるべきだというふうに私も考えております。
現在、亀山-大津間の整備が西日本高速道路株式会社などにより進められており、これは予定より1年早い平成20年3月の開通が発表されたところでありまして、また高槻以西においても、用地測量や地元設計協議が実施されております。京都府域では、城陽-八幡間において平成28年度の完成を目指しまして地元設計協議が進められており、今後、用地取得へ向けた準備が進められる予定になっております。
今後、全線の早期完成を目指しまして、未着工区間につきましても早期に着手されるよう滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、さらには沿線市町、促進団体を初めみんなで協力して、国、西日本高速道路株式会社へ働きかけてまいりたいと考えております。
次に、国道163号についてでありますが、府南部地域を横断する重要な路線でありまして、地域間の交流や大切な生活道路でありますので、国道24号より東側の府管理区間におきましては、交通事故の削減など安心・安全の観点から、幅員が狭くて歩道のない箇所、それから急カーブの箇所などを優先的に工事を進めておりまして、御指摘のバイパス工事を初め歩道設置工事などに鋭意取り組んでいるところであります。
また、国道24号と国道163号の重複区間の渋滞解消につきましては、当面の対策として、国により交差点の改良事業が進められておりますが、抜本的な対策として、木津川を渡る新しい橋を含めました都市計画道路東中央線などの整備を国及び都市再生機構に引き続き強く要望しているところであります。
山手幹線につきましては、全体の7割が供用済みでありまして、また事業中の2割のうち、京田辺市の一部区間は来年春までの供用開始を目指しまして事業進捗に取り組んでいるところであります。残り1割の未着手区間も含めまして、全線が平成28年度の学研サード・ステージ・プラン期間内にできる限り供用できますよう、地元市町とも連携をしながら努めてまいりたいと考えております。
次に、JR奈良線と片町線の整備促進についてでありますが、府南部地域にとってなくてはならない重要な社会基盤でありますし、府議会の積極的な支援をいただきながら、沿線市町とも連携して整備に全力を挙げて取り組んできたところであります。こうした中で、平成13年に一部複線化の事業が、片町線では平成14年に高速化・輸送力増強事業が開業いたしました。また、片町線は現在大阪方面からの7両編成を京田辺駅で切り離して、4両編成で木津駅まで運行しておりますが、木津駅まですべて7両編成で運行できるようホームの延伸工事等に今年度からJR西日本は着手いたしまして、平成22年春に完成を予定しております。
府といたしましては、奈良線、片町線のさらなる整備が次の重要な課題であるということは十分に承知をしておりまして、今後、沿線市町と連携を図りながら整備のあり方について検討を行うとともに、両線が大阪・奈良を環状に結ぶネットワークとして大環状線にも組み込まれるよう国に対しても先日強く要請をしたところであります。
副議長(北岡千はる君)
松岡保さん。
〔松岡保君登壇〕
松岡保君 ただいま知事から、地域の実情を把握した丁寧で力強い御答弁をいただきましたが、今、地方自治体では、当初予算を組むのに血のにじむような大行財政改革を行っており、もうその努力もほぼ限界に来ている状況に陥っております。本府におきましては、平成20年度政府予算重点課題に関する政策提案にて、地方財政の厳しさを「特別・緊急課題」として国に要望していかれるとのことであります。さらに全国知事会などを通して、地方の切実な声を今まで以上に国に上げていただきたいと思います。知事のリーダーシップに期待をいたしております。
また、けいはんなプラザにつきましては、関西文化学術研究都市建設促進法第2条第5項(定義)の規定に基づいて、文化学術研究交流施設であって、文化・学術研究・交流等の活動拠点として、学研都市にとってはまさに中核的な役割を担うものであり、特に文化・芸術の催し物にはなくてはならない、そのようなものになっております。ぜひ、有効活用していただくためにお力をいただきたいと思いますし、平成23年度には京都で第26回国民文化祭が開催されることが決定しておりますので、学研都市を全国にアピールしていただくためにも、ぜひこれらの会場として有効活用をお願いしたいと思います。
また、近隣府県におきましても、けいはんなプラザの積極的な活用を大いにアピールしていただき、そのような取り組みを強めていただきたいと思います。
次に、道路交通問題であります。本当に、本府の厳しい財政状況と数多い懸案事項がございますが、知事が掲げられております集中と選択を理解はいたしますが、まだまだ多くの課題がございますので、ぜひ、危険地帯の解消に一日も早く取り組んでいただきたいと思います。
そこで、京奈和自動車道が開通して随分とたっておりますが、この有効活用を考えていただきたいと思います。現在、木津インターから城陽インターまで700円の通行料が必要になっております。一方、昨年開通しました奈良県内においては、4車線の道路整備がなされて無料で通行しているような状況でございます。利用者の間では不公平感、また疑問の声が高まっておりますので、ぜひ多くの府民を初め観光客や業務車両の利用を促進し、国道24号線の渋滞を解消するためにも、また道路管理者に対し、利用料金の値下げのための社会的実験、さらにはETC設置による料金割引サービスの実施を強く要請いただきますことをお願い申し上げたいと思います。知事に対する質問を終わらせていただきます。
次に、教員の公務のあり方について教育長にお伺いいたします。
いつの時代にあっても、またどこの国においても、未来を担う人づくりは重要な国の施策の一つであります。とりわけ、我が国においては高度情報化、少子・高齢化、国際化など、社会構造が大きく変化する中、従来にも増して、この「人づくり」が国の将来を左右する最重要課題となってまいりました。まさに、我が国がどのような未来を迎えるのかという岐路に立たされていると言っても過言ではないと存じます。
現在、国においては「教育改革」を合い言葉に文部科学省と中央教育審議会、政府と教育再生会議などを中心としてさまざまな議論や提言がはんらんしている感がありますが、私には、事の本質に迫る掘り下げた議論が足りないのではないか、また改革を進めるにしても、何を優先すべきなのかという視点が抜け落ちているように思えてなりません。とりもなおさず、教育を支えているのは教員であり、よく「教育は人なり」と申しますが、教育改革の成否は教員の努力や熱意にかかっていることは論をまちません。このような中で、教員の資質向上のための教員免許更新制度や指導力不足教員への厳格な対応などを柱とした法改正が行われているところでありますが、その方向性は理解するものの、物事を進める順番が逆だと思うのであります。
御存じの方もおられますが、1990年代初めからアメリカにおいて、モンスターペアレンツやヘリコプターペアレンツという言葉が生まれ、日本においてもこれらの現象が顕著にあらわれてまいりました。この言葉の意味は、学校や教員に対してクレームや不当な要求、時には恫喝を繰り返す保護者をモンスターペアレンツ、ヘリコプターのように我が子の周りを飛び回り、何かあればあっという間におりてきて世話をやく親をヘリコプターペアレンツと言うのだそうです。テレビ番組でも紹介されましたが、こうした親は数こそ少ないものの連日のように学校に乗り込んでくることから、校長や教員の負担は想像を絶するものになっているとのことであります。これはほんの一例ですが、学校の給食費滞納問題や安心・安全問題など、家庭や地域の教育力の低下に伴い、一昔前はあり得なかったこと、あるいは家庭や地域で担われていたことが学校や教員に大きくのしかかり、その結果として教員が子どもたちの指導に専念できる時間がとりにくくなっているのではないでしょうか。私は10数年前にPTA役員を6年ほど務めた経験を持ちますが、学校現場が以前とは比較にならないほど多くのことに対応しなければならなくなったと感じるところであります。
私は、教員が子どもたちと直接接することができる時間をより多く確保できる環境を整えることこそ教育改革を成功に導く喫緊の課題であり、そうした環境整備が学校教育の一層の質の向上につながるものと確信をしております。
そこで、教育長にお伺いします。こうした学校の様子や日々懸命に頑張っている教員の姿をどのように受けとめておられますでしょうか。また、本年3月、中央教育審議会から「今後の教員給与のあり方について」と題する答申もなされましたが、「子どもを教育する専門家」としての重要な役割を担う教員の事務・業務の見直しについて、本府教育委員会ではどのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。
副議長(北岡千はる君)
田原教育長。
〔教育長田原博明君登壇〕
教育長(田原博明君)
松岡議員の御質問にお答えいたします。
学校や教員の現状についてでありますが、学力の充実・向上や、豊かな心の育成はもとより、いじめや不登校、さらには食育など、教育課題はますます複雑化・多様化する一方で、近年の少子化や核家族化に加え、地域社会における人と人との結びつきが弱くなる中で、御指摘のとおり、従来は家庭や地域社会が果たしていた役割が学校教育に求められる傾向が強まってきております。
〔副議長退席、議長着席〕
さらには、子どもの指導とは直接関係のない各種統計調査などの事務作業も増加してきており、教員の多忙感がますます増大しているところであります。
そうした中で、多くの教員はその使命感を心の支えとして日常の学習指導や生徒指導はもちろん、休日の補習や部活動の指導等にも熱心に取り組んでいるところであり、学校教育は、こうした教員の熱意によって支えられているものと考えております。
このような状況を踏まえ、教員業務の見直しを図ることが喫緊の課題であると考え、過日、庁内に学校現場経験者を中心としたワーキングチームを立ち上げたところであります。この教員業務の見直しに当たりましては、主に2つの視点から検討したいと考えておりまして、1つには、事務作業の精選や整理・統合などによって業務自体を合理化する視点、2つ目には、地域ボランティア等との連携や学校が抱える困難な課題を解決するための専門家を交えた体制づくりと外部の協力を得る視点であります。
今後は、校長会や市町村教育委員会などの意見も聞きながら、日々、現場で懸命に頑張っている教員の努力に報い、より一層、意欲と誇りを持って子どもたちと接することができる環境を充実することによって、子どもたちが一層輝き充実した学校生活が送れるよう、全力で取り組んでまいります。
議長(家元丈夫君) 松岡保君。
〔松岡保君登壇〕
松岡保君
教育長に御要望を申し上げます。
教育再生会議の第二次報告の中に、精神科医や警察官OBなど学校と保護者の意思疎通を手助けする、(仮称)学校問題解決支援チームを各教育委員会に設置するように提言されておりますが、本府教育委員会についても早急に御検討いただきたいと、要望を申し上げます。
最後に、議長のお許しをいただき一言申し上げます。
現在問題になっています年金不記載問題、政治家と金の問題については、国民に対してはっきりと説明する責任が問われております。また、6年を数える小泉政権、安倍政権がもたらした不公正な社会、急速な貧富の拡大、地域間格差の拡大により、生活の安心と安全が脅かされています。私ども15人の民主党府議会議員団は、7月に行われる参議院選挙に当たり、国においては国民生活の根幹をなす年金税制をわかりやすく、かつ安心できる制度に改め、また国のための中央集権政治を真に地方が自主的運営ができる地方主権の政治に京都から変えるために全力で頑張ることを表明し、質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
