議長(家元丈夫君)
次に、山本正君に発言を許します。山本正君。
〔山本正君登壇〕(拍手)
山本正君
民主党府議会議員団の山本正でございます。私は、会派を代表いたしまして、さきに通告いたしております数点につきまして、山田知事に質問させていただきます。
質問に入ります前に、議長のお許しをいただき、一言申し述べさせていただきます。
先般行われました府議会議員選挙におきましては、改選前議席を上回り15名の当選を果たすことができました。これもひとえに多くの府民の皆様の温かい御支援のたまものと心から御礼申し上げます。
私どもは、このたびの選挙において、民主党京都マニフェスト京都スタイルにより、府民の皆様と契約してまいりました。この内容に基づき、会派の中にマニフェスト検証委員会を立ち上げ、チェックするとともに評価していきたいと思っております。さらに、積極的な政策提言を行っていくため、5つの振興議員連盟を設置し、府民ニーズを的確にとらえ、政策形成能力を高め、府民の皆様の期待にこたえていきたいと思っております。
〔議長退席、副議長着席〕
今後とも、時代に即応し、府民の目線に立った活動を展開するとともに、よりよい府政の推進に向け、山田知事とともに歩んでまいる所存でございます。田渕五十生団長のリーダーシップのもと、15名の議員の総合力を発揮するとともに、努力精進してまいりますことを皆様にお誓い申し上げ、質問に入らせていただきます。
さて、我が国の景気は、史上最長と言われた「いざなぎ景気」を超え、企業業績は史上最高益を更新する企業が続出する一方、働く人たちの家計の改善はおくれ、大企業と中小企業の労働条件の格差は拡大し、働き方の違いによる二極化がさらに進んでいます。一方、地域における生活格差においては、ネットカフェで暮らさざるを得ない青年など、雇用や所得面における、いわゆる「格差」の問題が大きな課題となっているのであります。加えて、けん銃を使った凶悪事件、少年による母親ばらばら殺人事件など、私たちの日常の安心・安全を揺るがす事件を目にしたとき、私たちの暮らしを取り巻く社会環境に一種の不安を感じざるを得ません。
戦後の我が国は、世界で最も豊かで、最も平等な社会と言われ、こうした社会は日本人の誇りでありましたが、小泉・安倍政権の6年間で、日本は世界で最も格差のある国になり、安心・安全を誇ってきた日本社会は根底から覆されようとしています。こうした格差の問題は、私たち一人一人の生活面だけでなく、地方自治体の経営面においても、税収の東京一極集中に見られるように大きな影を落としているのであります。私は、こうしたときにこそ、府民生活や市町村をしっかりと支えるという京都府政の役割が、ますます重要となってくると考えるのであります。
それでは、まず初めに、こうした厳しい社会情勢を乗り切っていく上で大変重要な京都府の経営戦略について、数点お伺いいたします。
このテーマは、昨年の本会議でも取り上げ、山田知事から、自治体の経営戦略とは「府民の皆様からお預かりした税金を、どれだけ効果的かつ効率的に府民の皆様にお返しできるかということ」、すなわち、財源に限りがある中で「将来をにらみ、マーケティングに基づき、公共団体として何をすべきかをしっかりと考え、一番価値のある形にかえてサービスを提供していく。そういう限りある資源を、将来を見据えながら有効に使っていくことを『経営』という言葉であらわしてまいりました」と答弁されました。
まさにそのとおりでありますが、こうした知事の理念や考え方を、いかに組織に定着をさせるのかが重要であります。頭で理解はしていても、実際の業務を執行する段階になると、今までと同じように業務をこなせば無難だという意識が、どうしても持ち上がってくるのが常であります。だからこそ、私は、京都府の行政が知事の言う真の「経営体」として進化を遂げるには、何よりもまず、職員の意識改革が第一だと思うのであります。
この意識改革を進めていくために、京都府では「経営品質」についての取り組みを展開されておられます。行政の「経営品質」と申しますと、少しわかりづらい面がありますが、行政運営の仕組みを住民の視点からつくり上げること、行政の活動を客観的に評価する仕組みをつくり上げること、などとされていますが、何も難しいことではなく、例えば、土木事務所で取り組まれている「ワンデイ・レスポンス」、これは、公共工事に関する府民の皆さんからの問い合わせに対して「1日以内に回答する」というものですが、こうした取り組みも経営品質向上の取り組みの一つとされています。
さて、山田知事は、こうした取り組みをより一層強化するため、本年4月、新たに「行政経営品質推進室」を設置されましたが、「行政経営品質」の推進に向けた取り組み状況はどのようになっているのでしょうか。
また、今までの取り組みの総括と申しますか、取り組みの効果について、どのように評価されておられるか。さらに、そうした評価を踏まえ、今後、どのような展開を図られるのか、知事の御所見をお伺いいたします。
次に、府政運営の基本的なツールであります「中期ビジョン」「アクションプラン」「運営目標」についてお伺いいたします。
アクションプランについては、府政の重点課題について、毎年度、有識者はもとより、府民、議会の広範な意見を踏まえ、その課題解決の方策を検討し、予算化を進めるもので、山田知事就任当初から取り組まれ、府のホームページでも公表されるなど、府政推進の基本的なツールとして定着してきたのではないかと考えております。
また、部局運営目標については、今年度で3年目を迎えておりますが、京都府全体が、その年度に重点的に取り組まれる課題を示し、職員が一丸となってチャレンジされる姿勢をかいま見ることができ、府民の目から見ても府政の動きがわかるものであり、府民との情報共有という面からも評価できるものであります。
加えて、先般、中期ビジョン・マニフェストについても、その進捗状況が公表され、これで、府政運営の基本となります3つのツールについて、府民への「見える化」が図られたのであります。
私は、このように府政運営の基本的な取り組みが府民にわかりやすく示されたことは、大変評価をするものでありますが、さらにつけ加えて申しますならば、今後は、こうした中期ビジョン・アクションプラン・部局運営目標について、より一層有機的に関連づけながら府政運営を進めることが重要であり、そうしたことがマニフェストの推進にもつながると考えますが、いかがですか。知事の御所見をお伺いいたします。
次に、府民の命を大切にする京都府の役割と府立医科大学の取り組みについて質問いたします。
我が国は、生活水準の向上や医療の進歩により、世界の最長寿国となりました。一方で、だれもが必要なときに身近な地域で適切な医療が受けられる体制を整備することは、府民の強い願いであります。と同時に、どこに住んでいても標準治療として確立された最善の医療が提供される体制を整備するとともに、患者が安心と納得を得られる体制を国及び京都府が中心となり確立すべきと考えます。健康に対する関心が高まる中、府民の命と健康を守るという観点からの京都府の取り組むべき課題は、医師不足、がん対策、小児医療など山積しており、命にかかわることだけに待ったなしの対応策が必要と考えております。
このような情勢の中で、健康福祉行政と「医師確保対策」「がん征圧センター」や「予防医学センター」など、教育・研究・診療の面から支えてきた府立医科大学が車の両輪のように取り組むことが重要と思います。
この間、我が国で最も古い伝統を持つ府立医科大学は、基礎研究や臨床研究の分野において、医学の発展に寄与するすぐれた成果を数多く上げてきており、こうした研究の成果を踏まえ、高度先進医療を行う特定機能病院として認定されています。長年、府民の皆さんから親しみをもって「府立病院」と呼ばれる府立医科大学に対する府民の皆さんの期待の大きさは、多くの京都府の施設の中でも群を抜いて大きなものがあると言えます。
申し上げるまでもなく、医学教育の目標は、良質の医療を提供できる医師、医療の進歩の原動力となる高度な医学研究者を養成することにあります。また、常に先見性に富んだ取り組みを行い、時代の要請にこたえていくことが大きな使命であると考えます。附属病院の機能として、高度医療の提供、高度医療技術の開発・評価、高度医療に関する研修の役割を担うとともに、日進月歩の医学に対応する高度な教育・研究・診療の水準を保ちつつ、その成果を府民に還元することを使命として、地域医療を担い、また府民の健康づくりを積極的に支援するなど、さまざまな取り組みを行ってきているところであります。
そこでお伺いいたします。府民の命と健康を大切にするという観点から、京都府における健康医療政策を進めていくには、府立医科大学の果たす役割が極めて重要であります。府立医科大学が教育と研究の拠点である大学という点を踏まえつつ、保健医療政策上どのように位置づけ、どのように発展させようとされているのか、知事の御所見をお伺いいたします。
次に、地域医療を充実させるため、府北部地域を初めとした医師確保対策についてお尋ねいたします。
今年度、医師確保対策については、6億円の予算が計上されるなど、臨床研修病院が協力した府独自の対策については、評価し期待しているところであります。日刊紙の社説によると、「進む医療格差・不安解消は行政の責務」とし、「北部での医師不足が深刻化している。特に産婦人科と小児科の医師が少なく、出産を控えた女性や幼い子どもを持つ母親の間で不安が広がっている。このままでは人口減少にさらに拍車がかかり、近い将来、地域社会崩壊の危機さえ招きかねない。安心して子どもを産み育てられる環境を、政府、自治体、大学病院、医師会が一体となって整備する必要がある。そのリーダーシップは、当然、行政がとるべきであり、改めてその責務を自覚してほしい」と主張されています。私も同感であります。
そして、南部においても、開業医でのお産は少なくなり、総合病院へと移る傾向にあります。また、小児医療においても、休日・夜間体制には医療の格差が生じています。このような京都府全域にわたる医師不足の状況について、どのような対策を考えているのか。さらに、今後の医師不足解消に向けた見通しについてお伺いいたします。
また最近、マスコミなどでも報道されている「はしか」など感染症の予防対策などは、喫緊の重要な課題となっています。はしかの流行は、例年であれば6月末までに終わると言われていますが、今のペースが続けばワクチンが足りなくなるおそれがあると言われています。また、予防接種を呼びかけても、個人負担であり強制するわけにいかないなど、はしかの問題は難しい課題もあります。
さらに、今、日本人の死因のトップは「がん」であり、死亡された方の3人に1人ががんによるものと言われています。府民の命を守るという観点からは、がんの医療水準の向上を図ることが大きな課題であります。さらには、近年、疾病予防という考え方、病気にかかってから治療するのではなく、病気にならないように生活の習慣や環境を改善するという「予防医学」の観点が重要となってきています。
京都府におきましては、「がん対策基本法」に基づき、精力的に取り組みが進められています。中でも府立医科大学においては、先進的で独創的ながんに関する研究を行うための「がん征圧センター」の設置や、「きょうと健康長寿日本一」を推進するため、府立医科大学及び京都大学医学部のがん診療関係者の協力・連携のもと、がん対策について専門的・科学的な見地から検討を行う目的で「がん対策総合戦略推進会議」の立ち上げなど、評価いたしております。
府民の命と健康を最重要視し、大切にするという観点から、はしかやがんなどの取り組むべき課題が山積していると思いますが、知事はどのように認識し対策を進めていこうとされているのか、御所見をお伺いいたします。
次に、治水対策についてお伺いいたします。
近年、ヨーロッパや中国、朝鮮半島など、世界の至るところで大洪水が発生し、国内におきましても、平成16年には1年間に観測史上最多となる10個の台風が上陸するなど、かつて例を見ない異常な局地的豪雨が頻繁に発生し、多くの人命が奪われ、都市や町が破壊されている状況にあります。
このように、全国各地で大きな水害が頻発する中、平成16年の台風23号災害については、府北部地域を中心に、死者15名、損壊や浸水など約1万棟を超える住宅被害、また、道路、河川などの施設災害も約1,500カ所に及ぶ、昭和28年災害以来の甚大な災害に見舞われましたが、京都府においては、着実に復旧工事を進められ、平成18年度ですべての箇所の復旧が完了したところであります。引き続き、緊急水防災対策や激甚災害対策特別緊急事業を推進されている由良川や大手川を初め、京都府では、この災害を踏まえた積極的な治水対策の推進や防災体制の充実を図られているところであり、このような積極的な取り組みと御努力に対し、改めて敬意を表する次第であります。
そこで、お尋ねいたします。京都府北部地域、特に深刻な災害に見舞われた由良川の緊急水防災対策や、大手川の激甚災害対策特別緊急事業の今後の取り組み計画と推進方策について、お伺いいたします。
次に、2点目でありますが、現在、京都府管理河川については、おおむね1時間に50ミリの雨量に対応できる達成度合いで見ると、約34%程度と依然その整備は低い状況にあり、今後とも、河川改修などを強力に進めていく必要があると考えます。特に、異常気象が続く近年の気象状況を見ると、このような水害は、今後、宇治川、木津川、桂川、古川、井川など中南部地域においても、いつ発生してもおかしくない状況であり、同じような災害が再び発生するかと思うと、多くの府民は洪水被害に対して不安を抱いております。
そこで、お尋ねいたします。このような地域の府管理河川の治水対策について、どのような方針で進めていくのか、知事の御所見をお伺いいたします。
次に、3点目でありますが、現在、国において淀川水系河川整備基本方針の策定作業が進められていると伺っておりますが、この淀川では、昭和28年9月25日の台風13号では、観月橋下流の淀川堤防が決壊し、宇治市一帯が25日間も浸水するという大惨事がありました。
昭和28年10月1日の宇治市政だよりには、「流水浸水4,300戸に及ぶ空前の台風水害!800万石の米倉地域も濁水の下に」との見出しのもとに、次のとおり伝えています。「復興に立ち上がろう。昭和28年9月25日は、何という我ら市民に最悪の日であったことでしょう。風雨を交えた台風13号は、我らの夢想だにしなかった災害を残して通り魔のごとく去ったのです。その被害総額は21億3,000万円と計上され、人的被害が少なかったことは幸いではあったけれども、久しく水没にさらされた巨椋一帯700町歩の収穫は絶望であり、笠取の被害は状況判明とともに莫大となってきました。だが、何としても立ち上がらねばなりません。これは唯一、至上の命題です。市も今急速に全機能を動員して厚生、土木、産業の各部面にわたって、対策と復興の進路を開くに懸命であります。市民の皆さん!お元気ですか、老人や婦女や子どもたちを元気づけてください。苦しいでしょうが、手を取り合って立ち上がってください。市民の皆さん、日本一の美しい町、もとの宇治市に一刻も早く復興の槌(つち)を振るって必ず達成いたしましょう」。
私は、この災害を教訓として、再びこのような被害があってはいけないとの強い思いでいっぱいであります。また、淀川水系における流域内人口を比較すると、昭和30年には約700万人であったものが、平成16年には約1,200万人であり、何と500万人も増加しています。私の住んでいる西小倉地域は、当時なかったものが今や7,000世帯が住まいしており、昭和28年のような災害が発生すると考えると不安でいっぱいであります。このように、特に多くの人口と資産を抱える京都府の中南部地域を流域に持つ淀川水系では、治水に対する安心・安全の確保が特に重要な課題であります。
さて、新聞報道等によれば、淀川の治水計画に関して、琵琶湖からの流量を調節している瀬田川洗堰の操作や、狭窄部である保津峡の扱いを見直すということが伝えられております。
一方、宇治市におきましては、平成16年12月24日付で、国土交通省近畿地方整備局長、淀川水系流域委員会委員長あてに要請文が送られています。その中では、「滋賀県から提案された琵琶湖からの放流量の増大に対して、瀬田川洗堰(全閉ルール)の操作見直しについて国も検討していく方向が打ち出されております。しかし、この提案は全開放流による下流域洪水危機を懸念させるものであります。これまでの歴史的な経緯の中で、『上下流の相互理解』のもとで水位操作が進められてきたことを真摯に受けとめていただき、このことが淀川水系全般における治水の根本的な課題の一つでもありますので、関係自治体や住民の意見を踏まえ、慎重かつ十分な議論を尽くされることを求めます」としており、宇治市議会の一般質問においては、「大戸川ダムの従来の計画は、淀川、宇治川、大戸川の洪水調節と、大阪府、京都府、大津市の新規利水の確保を主たる目的として計画され、淀川水系河川整備計画の基礎案では、大戸川ダムは、淀川、宇治川、大戸川の洪水調節、そして琵琶湖の水位低下抑制に効果があるとされております。しかしながら、大戸川ダムの利水者である大阪府、京都府、大津市の三者がいずれも撤退の見込みであり、また、大戸川下流においては、河道への土砂堆積の軽減を含め、大戸川ダムの洪水調節による効果は大きいものの、治水単独目的の事業となり、治水分の事業費が増加し経済的にも不利になることから、大戸川ダムについては当面実施しないこととされたものでございます」と答弁され、治水については、大戸川ダムの建設もしくは代替案が必要とされているわけであります。
このように、下流の宇治川流域に位置する府民からは、「操作の見直しによって、洪水時の流量がふえ安全度が下がるのではないか」「現在、塔の島で計画されている改修計画との整合は図れるのか」「下流の安全確保をなぜ優先しないのか」という不安の声が上がっております。また、桂川においても、狭窄部である保津峡の扱いについて、「開削できなくなるのではないか」「従来の計画が縮小されるのではないか」という心配の声も聞きます。
さらに、この基本方針が策定された後は、今後おおむね20年から30年間の整備内容を定める河川整備計画の策定が進められる予定と聞いておりますが、まだまだ不十分な整備状況の中で、今後の河川整備をどのように進めていくかを決めるこのような計画は、府民の安心・安全を確保するための最も重要な課題であると考えます。
そこで、お伺いいたします。これらの国における淀川水系河川整備基本方針、淀川水系河川整備計画の策定に当たり、京都府としてどのように対応していくのか、知事の御所見をお尋ねいたします。
副議長(北岡千はる君)
山田知事。
〔知事山田啓二君登壇〕
知事(山田啓二君)
山本議員の御質問にお答えいたします。
山本議員におかれましては、ただいまは会派を代表されまして、府政推進につきまして力強いお言葉をいただき、ありがとうございます。
まず、行政経営品質についてでありますけれども、高度成長時代、毎年大変ふえていく税収を背景に、国がいわばその配分を担っていく、お仕着せの中央集権といっても、それなりにみんな発展をしてきたそうした時代から、安定成長時代に移りまして、まさに地域の人や資源を生かしていかなければ、この国の構造自身、活性化はあり得ないという、分権型社会へと移行していくためには、行政運営のあり方も、住民自治という観点を大事にして、府民の皆さんの活動を支えていくという意識を常に持って、府民視点で絶えず自分の仕事を見詰め直していく、改善していく、これが私は必要であるというふうに考えております。
しかし、これは言うのは簡単なんですけれども、実行するにはかなりの意識改革が必要だということで、私どもは「経営品質」というものを導入いたしました。これは、もともと民間で、消費者本位、お客様本位という考えを徹底するための経営改革手法でありますので、私は府民本位の行政運営を行う上で一番適当ではないかなというふうに思っております。
具体的には、この経営品質を徹底するため、コアとなります訓練を受けましたアセッサーというものを積極的に養成いたしますとともに、全職員を対象に、府民本位、府民視点からの徹底した研修を行っていく。さらに、府民の皆様との交流や職員同士の対話から、やっぱり気づきをしっかりと持っていくことが必要になりますので、「出前語らい」や「オフサイトミーティング」などを展開してきたところであります。その上で、毎年各部局が設定する運営目標におきましても、府民の皆様から見てさらに価値を生む、そういう視点からの数値目標を設定するなど、経営品質の視点から、よりわかりやすく時代のニーズに対応した目標設定に努めているものであります。
ただ、意識の改革というのものは、これは一朝一夕にでき上がるものではありませんので、経営品質自身もよく漢方薬に例えられるところであります。ただ、私は、こうした漢方薬も、ことしで大分たちましたので、成果は着実に上がってきているというふうに思っておりまして、御指摘の「ワンデイ・レスポンス」の話、それから、先日の開庁記念日におきましても、多くの議員の皆様にも御出席いただいた、その前段階の一部で職員の優良表彰を行ったわけでありますけれども、この数というのは特に現場を抱えている広域振興局を中心に飛躍的にふえてまいりました。
その内容も、例えば植物園では、府民の皆さんにより利用していただくということを大きな価値にして、そのために植物園の入園者数を一定目標として掲げて、そして開園時間の弾力化やイベントを開催して70万人を突破することができたとか、また広域振興局でも、健康づくりとか安全な地域づくり、こうしたものを地域住民と一緒になって進めている。地味でありますけれども、私は着実に成果が上がってきているというふうに思っております。
こうした観点から、この経営品質は、やっぱり休んではだめなので、今回も体制を強化したところでありますけれども、同時に、これから展開をしてまいります「地域力の再生プロジェクト」につきましても、これは私は、職員がまさに地域を見詰め直し、そして地域の実態を踏まえた形で地域力というものを考えていくという点では、職員一人一人がみずから考え行動するような、そういった点からも大きな役割を果たしていくものというふうに考えております。この視点をしっかりと踏まえながら、府民にとってより価値あるサービスが生み出せるよう、私も先頭に立って進めてまいりたいというふうに考えております。
次に、「中期ビジョン」等による府政運営の推進の方策でありますけれども、私は、行政運営の基本というのは、行政運営を担う者として、まず明確なビジョンを府民の皆様にお示しをする。そしてその上で、ビジョンに至る具体的な施策や目標を提示していく。さらに、その効果的な施策の実施に当たって、府民参画の実現とPDCAのサイクルをつくり上げていく。そして、そのための工程管理をしっかり行っていくということが基本だというふうに思っております。
ただ、これはすぐにぴたっ、ぴたっと、こういくわけではありませんので、順序はかなり後先になっておりますけれども、私といたしましては、「中期ビジョン」を策定してビジョンをお示しする。それから、「マニフェスト」によりまして、できる限り具体的な施策の提案と数値目標等の目標設定をお示しする。これをさらに、議会はもとより広く府民の皆さんの意見をお聞きするために、「アクションプラン」を策定してPDCAサイクルをつくり上げていく。その上で、運営目標や予算も去年から要求段階から公開をすることにいたしましたけれども、こういうことで工程管理を行っていくという形をとっているところであります。
この基本的な府政のシステムは、正直、試行錯誤も繰り返し、かなり年月も要しておりますけれども、議員から評価いただきましたように徐々に定着をしているところでありまして、今年度当初予算におきましても、新規事業の3分の2がアクションプラン関連で占めておりますし、運営目標につきましても、私は、達成率よりもチャレンジしていくという姿勢を重視していく中で、これからも府政の推進につなげてまいりたいというふうに考えております。
次に、府民の命と健康を大切にする取り組みについてでありますけれども、府立医科大学は府民によって支えられている大学として、教育を通じた医療人材の育成とともに、高度な専門的医学研究の成果を踏まえた府民医療の中心拠点であるというふうに私は考えております。
こうした基本的な考え方のもと、京都府の保健医療政策におきましても、人材育成の観点からは、地域医療に貢献できる優秀な医師や看護師等の養成を行うこと、それから、近年の医師不足に対する医師確保対策についても貢献をしていくこと、こういうことを期待しているところでありますし、府民医療の中心拠点といたしましては、がんや小児難病などに対する高度医療の提供、それからゲノムや遺伝子分析など最先端の医学研究の推進、また、予防医学センターなどによる府民の健康づくりや予防医学の普及など、大変重要な役割を果たしてきており、今後その役割はさらに高まるというふうに考えております。
また、医療の中核を担います医師確保対策についてでありますけれども、北部地域を中心に府全域を視野に入れた地域医療を確保する観点から、今年度、勤務環境等の改善など、派遣医師の確保策としての医師バンクの充実を図ったところでありますし、中長期的な視点から、将来地域医療を担います医師を確保するための奨学金制度の創設など、若手医師の育成などを柱とする、総額6億円を超える思い切った医師確保対策を講じたところであります。
北部地域では、この4月、多くの医療機関で退職者等によります欠員が心配されたところでありますけれども、こうした予算も踏まえ、また、府立医大の組織を挙げての取り組みや、第一・第二日赤等の協力によりまして、全体として現状を維持することができたところであります。
医師不足は、そもそもの医師の数、総数の問題、そして診療科目における偏在の問題など、根本的な問題を抱えておりまして、今後、御指摘のような点も懸念されておりますだけに、現在、地域医療を志す奨学生を募集いたしますとともに、女性医師の再就職に向けた研修にも取り組むなど、府立医大を中心に臨床研修病院の幅広い参画もいただき、計画的に医師の育成と派遣を行うための新たな枠組みの構築を図っているところであります。
さらに、こうした取り組みに加えまして、本来、医師不足は、これはもう全国共通の構造的な問題であります。どちらかというと、国に行きますと、京都は医師がたくさんいるだろうという地域として認識されているぐらいでありますので、やはり国における長期的視点に立った取り組みが必要なことから、国に対し、診療報酬の改定等病院勤務医を確保しやすい環境の整備、地域偏在や診療科偏在など、医師の需給バランス等も考慮した大学の医学教育や臨床研修制度の見直しなどの抜本的な対策を講じるよう提案しているところでありまして、これからもこうした提案を続け、地域医療を担う医師の確保に全力を挙げて取り組んでまいりたいと思っております。
また、これからの保健医療行政の推進についての御指摘でありますけれども、確かに、「がん」のように府民の生命を守るために高度な医療体制の整備を求められているものから、「はしか」のように予期しない形で突然大きな問題が生じるケースなど、まさに臨機応変な対応が必要だというふうに考えております。
また、少子・高齢化の進展に伴いまして、疾病構造や医療ニーズの変化に加え、メタボリックシンドロームなど、増加する生活習慣病に対する予防や健康づくりへの支援も必要でありますし、周産期や小児期等の救急医療、災害医療体制の充実から感染症まで、本当に多岐にわたる保健医療行政というものを、医師を初めとする医療従事者の確保とともに行っていかなければならないわけであります。
そのためには、例えば、がん対策につきましては、府立医大を中心としたがん診療連携拠点病院によるネットワークの構築のように、府立医大、さらには京都大学などを中心に医療のネットワークを構築し、その上に立って、保健所、保健センター等もネットワークの中で機能するような体制をつくり上げていく、拠点をしっかり確保していくと同時に、それをラインから面へとしていくということによって、より府民の皆さんの健康を守れる、柔軟かつ迅速な医療の体制がつくれるのではないかなというふうに思っております。
今後とも、府民一人一人の命と健康を守ることを府政の重要な柱として位置づけまして、府民の安心・安全の基盤となる、疾病予防、健康づくり、医療体制の充実に向け、全力を挙げて取り組んでいきたいというふうに考えております。
次に、治水対策についてでありますが、近年、毎年のように全国各地で従来の記録にない記録破りの豪雨による災害が発生しておりまして、京都府でも、既に国や京都府の浸水想定区域図で公表されているとおり、こうした豪雨が降れば重大な被害が発生することが予想されているところであります。
このため、現在、由良川では、国において、緊急水防災対策として全体計画18カ所のうち、6カ所において輪中堤等の整備が進められているところでありますし、府といたしましても、関係市と連携いたしまして用地先行取得を行うなど事業の促進に努めているところでありまして、引き続き、平成26年度の完成に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
大手川では、全区間の改修を進めておりまして、現在、約10ヘクタールに及ぶ用地取得の9割と、河口から約400メートル間の護岸工事が完了いたしまして、引き続き上流の護岸や橋梁のかけかえ工事を促進しているところであります。改修に当たりましては、自然環境との一体化、まちづくりや地域ともしっかりと相談して頑張っていきたいというふうに思っております。
〔副議長退席、議長着席〕
一方、特に多くの人口が集中している中南部地域でありますけれども、宇治川、桂川、木津川などの国直轄河川の整備促進が治水対策におきましては大きな要素を占めるだけに、国に対しても対策を要望してまいりました。また、府が管理する鴨川や古川などの都市河川におきましては、水の流れの支障となります橋梁かけかえや護岸整備を行いまして、桂川の保津工区におきましては、平成20年度の完成を目標に堤防等の整備を、さらに今年度から、新たに地域防災対策事業といたしまして、天井川にある水路橋の計画的な補修を進めることとしておりまして、重点的かつ効果的な治水対策に取り組んでいるところであります。
しかしながら、最近では1時間に100ミリを超えるという猛烈な豪雨が多発しておりまして、これらをハード整備によってすべて対応することは、日本の河川すべてに共通いたしますけれども、限界があるのは歴然とした事実であります。このため、被害を最小限にするためにも、ソフト対策の強化が重要になってまいります。この点、不安もあることは私も重々承知しておりますけれども、府民の皆様にも御理解を願わなければならない問題でありまして、まずそのためには府民との情報共有を進めることが必要であり、鴨川を初め府内主要河川で防災カメラの整備を進めておりまして、今年度も新たに18河川で設置いたしますとともに、本年6月からは雨量水位情報の携帯電話による配信を開始するなど、防災情報の充実に努めているところでありまして、その上に立って、国、市町村とより一層連携して避難対策の推進に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、淀川水系の治水計画についてでありますけれども、現在、国の諮問機関であります社会資本整備審議会において、淀川水系全体のあり方を示します「河川整備基本方針」の策定に向け議論が進められているところであります。京都府といたしましては、こうした議論の前提には、常に安全確保ということを最優先に考え、水害の実態や治水対策の経緯を踏まえて、具体的なデータに基づいて慎重に議論をしていくべきだということを再三主張してまいりました。
この結果、5月に行われた審議会では、雨量や流量の具体的データに基づく検討結果が示されまして、宇治川の治水計画については、「天ヶ瀬ダム等の既存施設の有効活用や大戸川ダム及び河川改修により、これまでの計画と同様の安全度を確保するとともに、洗堰からの放流量を、洪水時においても、下流に影響のない範囲で洗堰設置前と同程度流す」という案が提案されているところであります。
私は、あくまで安全の確保の議論が先で、それから結論をつけていくということが必要であるということを繰り返し主張しているところでございますけれども、これからも、まず条件が整った後に洗堰の操作を見直すんだということをしっかりと主張して、下流の安全確保を最優先に対応していきたいと考えております。
議長(家元丈夫君)
山本正君。
〔山本正君登壇〕
山本正君
山田知事の方から丁寧に御答弁をいただきまして、私の方から要望して質問を終わりたいと思います。
まず最初に、経営品質について、職員の意識改革ということは、繰り返し繰り返し理想に向けて努力されるというさまでございますけれども、今現場の方ではどうなっているかということなんですが、まずその経営品質、あるいはいろいろなトップダウンの知事の理念・考え方は、広域振興局まで含めて非常に脈絡一貫、組織的・体系的にもなりつつあります。しかし、現場の段階では、決して意識が高いというところまでは行っていない。
また逆に、府民サービスの府民の皆さんとの対話を通じてやっていこうというときに、本庁の方に送り届けた返事その他が、非常に意識が理解できていないところから、非常に判断が遅い、あるいは意識の改革は本庁としてもしていただきたいということも現場の中にあるということも含めて、それぞれ意識の醸成ということについても努力をしていただきたいというふうに思います。また、それぞれの経営戦略、経営品質に沿えない、真心を持った府民サービスというんですか、府民の人を最も大事にするということも、あわせて最も大事であるということもつけ加えておきたいし、また知事もそういうお考えだろうと思いますので、ぜひ職員を十分御指導いただければありがたいと思います。
2点目に、命を大切にするということですけれども、府立医科大学のあり方については、今後十分論議をなさるというふうに思いますし、地域医療も担ってこられた、こういうことについても、私が質問し、御答弁のとおりだと思うんですが、やっぱり府立医科大学のよいところはどんどん伸ばし、他の府県立大学に負けないこういうものが必要ですし、地域医療を担う側は、便宜的な使い方ということを府立医科大学に求めるのではなしに、地域医療も発展し、そして高度医療、よい先生をつくり出す、そういう府立医科大学のよいところもどんどん発展させて、医学生になりたいという人が府立医科大学に応募がどんどん来るような、そういう主体的な検討をぜひお願いしておきたいというふうに思います。
それから、はしかの問題についてです。6月末でやや終息ぎみで、私が申し上げましたようにいろいろな課題がたくさんあると思うのですけれども、この課題を受けて、来年までにまだ時間がありますので、ぜひ日本の中で京都府のあり方が、はしかの対策は京都府に見習えというようなことを総括しながらしっかりやっていただきたいと。40代以上の人は、はしかの予防接種をそれぞれ受けてきたわけですけれども、そういうことがないというだけに、はしかにおいては最もおくれた国と言われないように、やはり京都から発信できるように、ぜひ御検討をお願いしたいと思います。
最後に、治水の問題の淀川水系ですけれども、瀬田川の洗堰というのを、明治以来、洗堰ができてピーク時の水をカットして、そして前提が河川整備になってきているんです。ですから、河川の下流域に住む人たちは、そのこと自身を検討しようというだけで、技術的検討の以前に不安が伴うということが言えるわけです。データを大事にして、しっかり言うときは言うという知事の方針を大いに私は受けとめていきますけれども、この問題は、本当に何度も申し上げますけれども、明治以来、洗堰を閉めて、そしてそれからいろいろな対策をしてきた経過があるのにかかわらず、十分な条件整備もしないままに洗堰の開けることを論議しようというようなことは、土木技術をもってナンセンスだということを強く申し上げ、一般質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
